2021/09/16追記:
●負けるはずがないと思っていた韓国が日本との逆転が見える位置に… 【NEW】
●韓国は2倍に増加してるのに…博士号取得者が減少する日本の異常性 【NEW】
【クイズ】日本が韓国より少ない2008年~2010年の平均Top10%補正論文数の分野は?
(1)環境・地球科学
(2)工学
(3)材料科学
●日本でも勝てる?韓国のノーベル賞は将来も少ないと予想される理由
2016/10/11:
日本人ノーベル賞受賞者は将来激減 既に中国に大敗の重要論文数の関連でもう一つ。ネットでは何かと言うと韓国、韓国で、お前らどんだけ韓国が好きなんだよ!という感じなので、韓国との比較も見てみましょう。でも、ご安心ください。日本は中国に大敗でも韓国には勝っています。前回中国と比較したノーベル賞関連の3分野での重要論文数も、日本の圧勝です。
このことは、韓国のノーベル賞続出が数十年先の未来においても考えづらい理由とも言えそう。
日本人がノーベル賞を取れるのは今だけ?既に中国に負けている分野もで書いたように、ノーベル賞は過去の遺産であるためです。
【化学 Top10%補正論文数 2008年~2010年の平均】
日本 1,006
韓国 427
【物理学 Top10%補正論文数 2008年~2010年の平均】
日本 1,121
韓国 376
【基礎生命科学 Top10%補正論文数 2008年~2010年の平均】
日本 1,595
韓国 456
(
(PDF)科学研究のベンチマーキング -論文分析でみる世界の研究活動の変化と日本の状況- 2012年9月28日 文部科学省 科学技術政策研究所 所長 桑原輝隆より)
●重要論文数3倍の分野も!韓国と日本、10年間の伸び率では大きな違い
ただし、多くの分野で日本は韓国にも差を縮められている方向性だということは、報告せねばなりません。韓国との差はまだ大きいものの、日本はほとんど増えていないとか、伸びが悪いとかが多いためです。例えば、上記3分野での10年間の伸び率の比較は以下のようになります。中国もそうなのですが、韓国が急激に伸びていることがわかります。例えば、伸び率193%というのは、約2倍ではなく約3倍という意味。激増しています。
【化学 Top10%補正論文数 2008年~2010年の平均】
日本 1,006 (伸び率 2%)
韓国 427 (伸び率 193%)
【物理学 Top10%補正論文数 2008年~2010年の平均】
日本 1,121 (伸び率 56%)
韓国 376 (伸び率 206%)
【基礎生命科学 Top10%補正論文数 2008年~2010年の平均】
日本 1,595 (伸び率 26%)
韓国 456 (伸び率 308%)
●全体としては韓国が下ではある…が、既に日本以上の重要論文数の分野も
また、分野ごとで見た場合、韓国には既に日本以上の重要論文数の分野もあります。8分野のうち日本は6分野で負けていた中国とは全然違う状況ではあるものの、韓国相手でも1分野だけ負けているところがありました。私は工学系出身なので残念ですけど、その唯一負けている分野は「工学」。もうおよそ9%、韓国の重要論文数の方が多くなっています。伸び率を考えると、今後日本は離されていく一方でしょう。
【工学 Top10%補正論文数 2008年~2010年の平均】
日本 378 (伸び率 2%)
韓国 412 (伸び率 169%)
【クイズ】日本が韓国より少ない2008年~2010年の平均Top10%補正論文数の分野は?
(1)環境・地球科学
(2)工学
(3)材料科学
【答え】(2)工学
ちなみに中国の工学での重要論文数は以下。
【工学 Top10%補正論文数 2008年~2010年の平均】
日本 378
中国 1748 (日本の4.6倍)
中国は10年で6.8倍も工学分野での重要論文を増やし、日本はもう相手にすらなっていません。政府はこの厳しい現実を見る必要があります。
というか、そもそもこれ、国の資料なので政府が知らないわけないんですよね。どうも失敗を認めたくないようで、路線変更を頑なに拒んでいます。日本がダメになっているのは政府の政策のせいであり、偶然じゃありません。どこまで日本を凋落させれば気が済むんでしょう?
●負けるはずがないと思っていた韓国が日本との逆転が見える位置に…
2021/09/16追記:重要論文数に置いて中国に日本が負けるのは残念ながら当然とは言え、正直、韓国に負けるはずがないと思っていたんですよね。ところが、さらっとしか読んでいなかった日本の研究力低下に関する長文記事を読み直していて、日本と韓国の差が非常に少なくなっていることに気づき、愕然としました。まさか!という話です。
その読み直して驚いてしまったという記事は、
日本の研究力、低落の一途 注目論文数10位に: 日本経済新聞(2021年8月29日)というもの。中国関連の内容は、
日本人ノーベル賞受賞者は将来激減 既に中国に大敗の重要論文数の方で先に書いていたのですが、韓国のことは最初全然気にしていませんでした。
近年ほぼ毎年重要論文数のランキングで順位を落としている日本は、1990年の3位から最新の2018年(2017年から2019年の平均値)のランキングでとうとう10位まで落ちました。一方、2000年まで15位にすら入っていなかった韓国は、近年は12位あたりをキープしています。日本とは2つ差で、到底あり得ないと思っていた日本との逆転も見えてきた感じです。
●韓国は2倍に増加してるのに…博士号取得者が減少する日本の異常性
日経新聞の記事の本文で、「韓国」というキーワードが入っているところもピックアップしておきましょう。なぜ日本の重要論文数が低下したのかという説明に関して、韓国が出ていました。以前も書いたように、政府の交付金削りによる大学潰しが日本凋落の原因と考えらているのですが、博士が減っているという話も記事では書いていたのです。
<低迷のきっかけに04年の国立大学の法人化を挙げる声は大学関係者の中で多い。その後、国から配られる大学の運営費に関する交付金は年々削減されていき、大学は人件費や管理費の抑制を進めたという指摘がある。
00年代半ばから低下したのは資金だけではない。他国に比べても目立つのが、将来の国の研究開発を下支えする博士号取得者の減少だ。
米中は年々その数を伸ばしており、英国や韓国も00年度に比べて2倍超となった。ドイツやフランスも横ばい水準を維持している。一方の日本では、06年度の約1.8万人をピークに減少傾向が続いており、近年は約1.5万人で推移している>
ただ、そもそも日本は以前博士を一気に増やしたものの、博士号取得者がつく仕事がないことが問題になっており、単純な博士増加ではダメでしょう。今でもブラックな状態やポスト不足が続いており、中国に日本人研究者が流れる原因になっています。これは政府による大学潰しとも関連するところ。さらに、記事では、中韓ではなくアメリカとの比較ですが、民間の違いについても指摘していました。
<米国では企業の研究者のうち博士号所有者の割合が、ほぼ全ての業種で5%を超える。日本は医薬品製造や化学工業などを除いた多くの産業で5%未満にとどまる。専門的な知識を持って入社する博士人材が、企業内でうまく活用されていない状況だといえる>
ということで、「日本には博士が少ない」は本質ではなく、「日本には研究者の仕事が少ない」というのが、日本の本当の問題だと考えられます。
【本文中でリンクした投稿】
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日本人ノーベル賞受賞者は将来激減 既に中国に大敗の重要論文数 ■
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