2016/10/15:
●ホメオパシー被害で多数死亡?米食品医薬品局(FDA)が調査を開始
●調査対象はハイランド社の商品 日本のアマゾンでも販売の治療薬
●たとえ毒物の使用がなかったとしても危険!なぜかと言うと…
2018/10/13:
●病院は不要!娘を病院に連れて行かず殺したホメオパシーの先生も
●ホメオパシー被害で多数死亡?米食品医薬品局(FDA)が調査を開始
2016/10/15:最近、
イケダハヤト氏、ホメオパシー宣伝とEM菌で疑似科学ダブル役満があったところですが、このタイミングでアメリカの調査が報じられました。
幼児薬、米で10人死亡か ホメオパシーでFDA調査 - 共同通信 47NEWS(2016/10/15 12:09)という記事が出ています。米食品医薬品局(FDA)が9月30日、消費者に利用の中止と廃棄を勧告する声明を発表していたそうです。
<「ホメオパシー」と呼ばれる代替医療で販売されている幼児向けの薬で、過去6年間に10人が死亡、約400人が健康被害を受けた可能性があるとして、米食品医薬品局(FDA)が14日までに調査に乗り出した。
調査対象となっているのは、ホメオパシー薬を手掛ける米ハイランド社が製造、販売する幼児用の製品。歯の生え始めの痛みを和らげるとしているが、FDAは死亡のほかに昏睡状態、嘔吐などの報告があると指摘している>
●調査対象はハイランド社の商品 日本のアマゾンでも販売の治療薬
上記記事では製品名がなかったものの、別記事ではそこまで記載がありました。
東京新聞:日本でも販売「ホメオパシー」幼児薬 米で10人死亡?調査へ:国際(TOKYO Web)(2016年10月15日 夕刊)では、以下のように書いています。調査対象は、ハイランド社という会社の製品だったそうです。
<健康被害の理由は調査中だが、FDAが二〇一〇年に同社の製品に出した警告では、ナス科植物で強い毒性を持つ「ベラドンナ」の成分を含んでいると指摘した。
ハイランド社は「現時点で商品と健康被害を関連付ける医学的、統計的な証拠は示されていない」と反論する声明を出した>
<日本国内でも、ハイランド社の商品で、乳歯の生え始めた幼児の痛みのため使う「Teething Gel」(生歯ジェル)がネット販売などされている。FDAが警告するベラドンナについて、国立健康・栄養研究所などは重症な中毒症例が報告されているとして小児の使用を避けるよう注意を呼び掛けている>
検索したら日本のアマゾンでも見つかりました。イケダハヤトさんはこれを踏まえたのか、アマゾンで売っているのに問題なの?などと反論していましたが、前回も言ったように違法商品というのもさんざん売れてから問題になるものであり、今売っている商品=問題ない商品ということはありません。
海外直送肘 Baby Teething Gel, 0.5 oz


●たとえ毒物の使用がなかったとしても危険!なぜかと言うと…
ホメオパシーは疑似科学ではあるものの、今回の件は驚きでした。というのも、想定していたホメオパシーの被害と異なるためです。ホメオパシーで主に問題なのは、治療効果がないにも関わらずホメオパシーで対処してしまうため、本当に必要な治療を受けなくなってしまうというものだと考えていました。
このパターン、ホメオパシーを信奉して他の治療を受けないことで危険な目に合わせる…といったパターンでも過去に実際に人が亡くなっており十分危険なことは間違いありません。ただ、今回のものはホメオパシーの薬(レメディ)そのものに毒性がありそうだという話であり、これは想定外でした。わかりやすく危険です。
今回はわかりやすすぎる危険性だったので、これで逆に勘違いされないと良いんですけどね。毒物が入っていなくても前述のとおりすでにホメオパシー信仰が理由となった死亡例がありますし、そもそも疑似科学・ニセ科学なのですから問題外。詐欺や殺人に加担するような真似はやめておきましょう。
●病院は不要!娘を病院に連れて行かず殺したホメオパシーの先生も
2018/10/13:上記まででやっていたハイランド社の商品に関するニュースの続報があれば…と思ったものの、検索しても見つからず。変わりにもっと古い例ですけど、死亡例を追加しておきます。オーストラリアのシドニーに住むホメオパスの夫妻が生後9か月の娘を死なせたという事件の判決が、2009年に出ていました。
ここで出てきた「ホメオパス」というのは、ホメオパシー治療を専門に行う者のこと。
ホメオパシーで娘を死なせたホメオパスに判決 忘却からの帰還(2009/10/01)で紹介されていたSydney Morning Heraldの報道によると、生後9か月の娘を死なせてしまったことで、ホメオパスの父親は6~8年間、母親は4年~5年4か月間、収監されることになったそうです。
これは最初のときに書いていた「治療効果がないにも関わらずホメオパシーで対処してしまった」ことによる死亡の例。父親はホメオパシーを教えているホメオパス医、いわばホメオパシーの先生だったこともあり、自分で治療しようとして、重病になってからもかなりの長い間娘をきちんとした医者に見せずに死なせたようでした。完全に虐待で殺したようなものですね。
なお、父親は、ホメオパス証明書を自慢するとともに、「キリスト教徒としての精神的な成熟」を強調していたとのこと。また、娘が眼の感染症になってようやく病院に連れて行ったときにも、教会の朝の礼拝を優先していた模様。宗教とセットで出てきて意外に思ったものの、ニセ科学と宗教への信心って似たところがあり、過去にもセットになっている例が複数あったことを思い出しました。
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