冒頭に追記
2022/05/02追記:
●日本アニメ規制で思想統制?ロシア国民の独裁者支持率との関係
2022/05/09追記:
●暴力ではない…「異世界もの」アニメを規制する予想外の理由は?
●プーチン大統領だけじゃない ヒトラーや戦前の日本も表現規制
2022/05/17追記:
●ロシアの人気アニメが日本進出 主要放送局での放映も目指すが… 【NEW】
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●日本アニメ規制で思想統制?ロシア国民の独裁者支持率との関係
2022/05/02追記:別件を追記しようかな?と思っていたのですが、最初のときに書いた日本アニメ規制のときに言われていた「思想統制への懸念」の関係での補足を少し。多くのロシア国民はウクライナ侵攻やプーチン大統領を支持しています。戦争反対の記者が排除されるなど、ロシアが思想統制国家であることは間違いなさげです。
ここらへんは戦前の日本とも似た状況…というか、日本の方がひどかったように思えます。ロシア政府は反戦デモ参加者を大量に拘束していますが、戦前・戦中の日本では、そもそも反戦デモすらできなかったでしょう。試しにWikipediaのデモに関するページを読んでみても、日本のデモの説明は戦後から始まっています。
また、
反戦運動 - Wikipediaによると、日本は日清戦争の直後から徐々に反戦を訴える人々が登場したものの、暗殺・虐殺など白色テロと呼ぶ政府陣営によるテロが横行し、すでに太平洋戦争前から組織的な反戦運動はほぼ不可能に。テロは政府以外によるものと誤解している人がいますが、そうじゃないんですよね。
さらに、そもそも戦前・戦中の人の多くが、本当は戦争反対だったけど言えない状態だったかどうかを考えると怪しいところ。戦前の日本はロシアよりやばそうなところはあるにしても、このように戦前の日本の状況を考えると、ロシアのプーチン支持・戦争支持が高いということは日本人にも理解しやすいと思われます。
●暴力ではない…「異世界もの」アニメを規制する予想外の理由は?
2022/05/09追記:ウクライナ侵攻後にプーチン大統領の独裁とアニメ規制を絡めた話がありました。
なぜロシアは‘デスノート’や‘異世界アニメ’を禁止するか――強権支配が恐れるもの- 個人 - Yahoo!ニュース(六辻彰二 国際政治学者)というものです。
デスノートそのものは、ロシアでは2013年にデスノートファンの少女が自殺したこととこの作品の世界観や描写が結びつけられ、保護者から禁止を求める声が強かったそうです。また、中国やアメリカではとりわけ中学生の間で「デスノート作り」が流行し、このうち中国では禁止に。ロシア特有の問題とは言えません。
ただ、六辻彰二さんは<もっとも、ロシアは「デスノート」以外も多くの日本の漫画やアニメを規制しており、その数の多さでは世界屈指>と特殊性を指摘。暴力だけでなく、ロシア正教会に配慮した宗教系の理由や同性愛や性的な描写なども理由だと説明されていました。
<例えば、「デスノート」を禁じた昨年の裁判所の判決では、同時に「東京喰種トーキョーグール」と「いぬやしき」も発禁にされた。検察官によると「全てのエピソードが残虐行為、殺人、暴力で構成されている」。
それ以前から、ロシアではすでに「進撃の巨人」(中国でも禁止)、「AKIRA」(地上波のみ禁止)、「モータルコンバット」なども配信や放送が規制されてきた。また、「NARUTO」、「エルフェンリート」、「異種族レビュアーズ」などに関しても検討中といわれる。
さらに、多国籍のアニメファンで編成されるニュースサイトAnime Corner によると、「この素晴らしい世界に祝福を!」、「ゾンビランドサガ」、「転生したらスライムだった件」などは、全面禁止ではないものの、当局が問題あると判断したエピソードがピンポイントですでにブロックされている>
上記ではときおり中国の名前も出ているものの、ロシアの特殊性として指摘されていたのは、ロシアが独裁に利用していてる保守的な体質のロシア正教会に配慮した規制があるということ。異世界なんかはこれが理由でした。中国でも宗教絡みの規制はありますが、中国の場合は特定の宗教を正とせず、むしろアンチ宗教気味です。
<さらに、「異世界もの」に描かれる生まれ変わり、転生は、キリスト教がその黎明期から否定してきた教義でもある(その意味ではローマ・カトリックやプロテスタントも同じ)。
ロシア・ナショナリズムの基盤としてロシア正教会を利用するプーチン政権(ここが中国との違いかもしれない)にとって、こうした内容が好ましくなかったとしても不思議ではない。若い世代に人気があればあるほど、なおさらである>
●プーチン大統領だけじゃない ヒトラーや戦前の日本も表現規制
「異世界もの」が禁止なのは、上記の宗教的な理だけでもで説明可能でしょう。ただ、それ以上に六辻彰二さんは「目に見えない世界」そのもを独裁者が嫌うことを強調。「目に見えない世界」を嫌い、敵視した権力者として、独裁者の大御所ヒトラーとの共通点があるとされていました。
<ヒトラーは、画家を志した経験を持ちながらも、古典的、写実的な芸術しか認めず、これにそぐわないモダンアートを弾圧したが、そのなかでもとりわけ敵視されたのがシュルレアリスムだった。(中略)
シュルレアリスムはフロイトの精神分析の影響を受け、血を流す小鳥といった不気味なモチーフ、不安を抱かせる題材を積極的に取り上げ、従来は無意味とされてきた夢や無意識にスポットを当て、内面世界の表面化を目指した。
20世紀最大の芸術運動ともいわれるシュルレアリスムは、(芸術関係者からの批判を覚悟で)ラフにいえばやはり「目に見える世界だけが世界ではない」ことを前提にしていたといえる>
「独裁者」と呼ばれる権力者は一般的に、抗議活動といった外面的な反対を力ずくで押さえ込むだけでなく、ものの良し悪しやどんな世界を目指すべきか、極端にいえば「何が現実か」までコントロールしようとすると説明されていました。この場合、「目に見える世界だけが世界ではない」という考え方は邪魔になります。
「目に見える世界だけが世界ではない」という考え方は、「目に見える世界」の支配者である独裁政権の正当性や権威を否定しかねないために嫌うという説明です。日本を含めて右派の方が規制を好むことを思い出しました。右派が多様性を嫌うのも、右派が正当を認める価値観だけに統一したいからかもしれません。
<ロシアは日本アニメを最も規制している国の一つで、とりわけ異形の者や異世界を扱う作品が規制されやすい。
その最大の理由は、「目に見えない世界」に多くの人が惹きつけられることが、プーチン政権にとって大きな脅威になるからとみられる>
日本について少し触れていたら、記事では戦前日本との共通点も指摘していました。独裁体質と表現規制は、親和性が高いのかもしれません。
<大正から昭和初期にかけて耽美的、幻想的、猟奇的なテーマの絵画、小説、演劇が大衆的な人気を博し、エログロナンセンスと呼ばれた。(中略)
エログロナンセンスは軍国主義の台頭で「退廃的」と批判され、共産主義的なプロレタリア文学(「蟹工船」など)などとともに弾圧されが、その一人には(引用者注:猟奇殺人や性的倒錯を描いた)江戸川乱歩がいた>
●ロシアの人気アニメが日本進出 主要放送局での放映も目指すが…
2022/05/17追記:「日本アニメがロシアで」ではなく、「ロシアアニメが日本で」というパターンで、見つけていた記事があったのでこれも紹介しておきます。
ロシアの人気アニメが日本進出 「マーシャとくま」テレビ放映 | 共同通信という記事が2021/7/5に出ていました。
<ロシアの人気アニメ「マーシャとくま」シリーズが日本のテレビ業界に進出した。(中略)
おてんばな少女マーシャと友だちの熊が繰り広げるドタバタ劇。短編アニメとして2009年にロシアで公開され、世界中にファンを拡大。日本語を含む43言語に翻訳され、第17話「だいしっぱい」は動画投稿サイト「ユーチューブ」で約45億回の再生回数を記録した>
「日本のテレビ業界に進出」というのは、有料の専門チャンネルでの放映のことみたいですね。制作会社アニマックコルドはアニメや漫画などサブカルチャーが発展する日本での放映開始を「大きな一歩」と位置付け。今後、主要放送局での放映を目指すとしていました。ただ、ウクライナ侵攻以降は逆風でしょうね。
●ロシアで日本アニメが人気…も暴力過激表現規制で禁止の動き
2021/01/22:ロシアでは近年、日本アニメやマンガが人気になっているとのことです。ただ、一方で、日本アニメを快く思っていないロシア人もいる模様。<日本アニメ人気の露、「デスノート」「いぬやしき」など国内配布禁止 過激表現理由に(産経新聞) - Yahoo!ニュース>(1/21(木) 17:06)というニュースが出ていました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3b7b77c2244f79c311b09e93ebe6888fe6930e0e
記事によると、サンクトペテルブルクの裁判所が、日本の複数の人気アニメについて、露国内での放映や配布を禁じる決定を出したとのこと。記事タイトルになっていた「デスノート」や「いぬやしき」の他、「東京喰種トーキョーグール」と「エルフェンリート」も対象となっています。禁止した理由は、暴力や死など過激なシーンの描写が視聴する未成年者らの成長に悪影響を与えるというものでした。
この裁判ですが、訴えていたのは、ロシアの検察当局でした。検察当局が、複数のアニメの配布を禁止すべきだとする請求を裁判所に行っていたのです。裁判結果について、検察当局は「過激な内容を含むアニメが未成年者に自殺などの害を及ぼすということが認められた」とコメントしていました。
●日本アニメを規制したがっているのは誰?~派が批判していた
こうした表現規制やアニメ・ゲーム文化叩きは、左派が熱心という誤解があるのですが、実際は全く逆で、どの国でも右派の方が比較的熱心な傾向にあります。
香川県ゲーム規制条例、賛成したのは誰?ネット工作コメント疑惑もがそういった事例について多数書いた話でした。
今回のケースでも訴えているのは左派やリベラルではなく、政府である検察当局。また背景となっていそうな情報が記事には他にもあり、保守的な専門家を中心に「日本の作品は過激で、未成年者に悪影響を及ぼす」との見解も示されているとされていました。やはり右派が日本アニメを危険視しているのかもしれません。
なお、ヤフーニュースでは、<この手の専門家って、自称専門家のフェミニストばかりだよね。感情論や持論じゃなくて統計やデータと言った数字で証明してほしい>として、誤読コメントが登場。実際には産経新聞記事本文で、<保守的な専門家を中心に「日本の作品は過激で、未成年者に悪影響を及ぼす」との見解も示されている>と明記されています。
●日本のアニメがきっかけで親日になる人が増えているのに…
ヤフーニュースには、専門家コメントもあります。軍事アナリストの小泉悠さんは、2011 年連邦法第 436 号「児童の健康及び発達に有害な情報からの保護について」で子供が目にする可能性のある媒体に暴力、ポルノ、飲酒、喫煙などの描写を載せることが厳しく取り締まられるようになっていることを紹介していました。
小泉悠さんは規制そのものは理解できなくはないとしています。ただし、この法律を拡大解釈すれば政権に都合の悪い情報や主張も大体「子供に見せられないから」という理由でシャットダウンできてしまうのが問題だとも指摘。一般人のコメントでも以下のように、思想統制を警戒するようなものが出ていました。
<日本のアニメ・マンガがきっかけで親日になる人が増えているそうだね。特に子供たち世代に。
うがった見方だが、そういった思想を抑制するための規制だったりして。
他の記事で見たがNARUTOなんかも規制対象に入っていて、日本のアニメそのものに対して悪い印象を持たせるような書き方がされていたように感じた>
チェブラーシカ (おひさまのほん) [ エドゥアルド・ ウスペンスキー ]
●日本では逆にソ連時代のアニメが熱い?チェブラーシカが有名
2022/03/09追記:少し話題を追加しようと「ロシア アニメ」検索してみると、日本アニメではなく普通にロシアのアニメの話題ばかりが出てきました。また、検索では「
ロシア(ソ連)のアニメがにわかにアツい!」という予想外に古いアニメの話も登場して驚き。ソ連時代の方がハイレベルだったんでしょうか?
ソ連時代の作品としては、例えば、「チェブラーシカ」という作品。画像を見ると、私もなんとなく見覚えがあります。
Wikipediaによると、もともとはロシアの児童文学家エドゥアルド・ウスペンスキーによるシリーズもの絵本『ワニのゲーナ』に登場するキャラクター。ただ、脇役なのに人気すぎて主役になってしまったようです。
<そのシリーズの本来の主人公は、友人である「ワニのゲーナ」であったが、その人気からチェブラーシカが実質的な主人公となっている。ロシア語で「ばったり倒れ屋さん」という意味がある。
1966年に絵本作品として登場し[1]、1969年からロマン・カチャーノフ監督により人形アニメで映画化され、日本にも紹介された。また、1970年代にスウェーデンで「ドルッテン」(Drutten)の名でオリジナル・シリーズが作られた。
2009年には、日本でテレビアニメ化。そして2010年には約6年近い歳月をかけた完全新作の人形アニメ映画が完成・日本公開された>
【本文中でリンクした投稿】
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