ITで企業の将来性・寿命の話をまとめ。<あのアマゾンも赤字で1万人解雇で崩壊寸前、IT企業の寿命は短い?>、<アマゾンのベゾス会長も「企業の寿命は30年。アマゾンは倒産する」>などをまとめています。
冒頭に追記
2022/12/22追記:
●フェイスブック離れでメタ社の時価総額7割消失 大量解雇になる
●アマゾンも赤字で1万人解雇で崩壊寸前、IT企業の寿命は短い?
2023/04/04追記:
●アマゾンのベゾス会長も「企業の寿命は30年。アマゾンは倒産する」 【NEW】
(GREE(グリー)の社長の本)


●フェイスブック離れでメタ社の時価総額7割消失 大量解雇になる
2022/12/22追記:大げさな気がするのですけど、<メタとアマゾンも“大量解雇”で崩壊寸前!「メタバース事業」「アレクサ」で巨額赤字を垂れ流し…>(22/11/30(水) 6:37配信 現代ビジネス)という記事が出ていました。このうち、メタ(フェイスブック)は過去にも書いていますのでまずはこれを転載しておきます。
メタの苦境を書いていたのは、
わずか1年で時価総額76兆円が消失のメタ 「脱・Facebook」の大きすぎた代償:古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」 - ITmedia ビジネスオンライン(2022年11月04日 06時00分 公開)[古田拓也,ITmedia]という記事。というか、社名変更していたのを私は知りませんでしたわ…。
<Facebookがメタ・プラットフォームズ(メタ)社に社名を変更しておよそ1年が経過した。Facebookブランドを捨ててまで「メタバース」に社運をかけたが、その代償は計り知れないほど大きかったのかもしれない。
同社の「Horizon Worlds」は、1兆円をかけて開発されるとうわさされていたメタバースアプリケーションだ。しかし、8月にCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏がFacebookアカウントでそのティーザー画像を公開すると、あまりの品質の低さから、ただでさえ下落基調であったメタ社の株価はそこから下げ足を加速させた>
<そんなメタ社の株価は、社名を変更した1年前の株価水準328ドルから、直近で95ドルと70%を超える大暴落となった。時価総額は8700億ドルから2500億ドルと5200億ドル、現在のドル円レート換算でおよそ76兆円が消失してしまったのだ>
さらに、その後、
「全責任は私に」米メタ社のザッカーバーグCEOが1万人超の解雇を発表(2022/11/10 CoinPost)というニュースが入ってきました。比率としては13%であり、半分とか3,4割とかではないのですが、それでもかなりの比率です。
<米メタ(旧フェイスブック)社は9日、全従業員の約13%にあたる1万1,000人超の解雇を発表した。
マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者は社員に向けたメッセージで、今回の大規模な人員削減を「メタの歴史の中で最も困難な変化」と形容。直接影響を受けた社員に対して特に申し訳なく思っていると述べた>
ザッカーバーグCEOは人員削減に踏み切らざるを得なくなった理由として、経営判断を誤った責任を認めたとのこと。「コロナ禍の急速なオンライン化とeコマース急増により収益が大幅増」したことで、「成長は加速度的に続くと予測し、大幅な投資増額を決断」したことが失敗だったとしています。
現実には、「eコマースはパンデミック前のトレンドに回帰する一方で競争激化。広告収入減少で予想を大幅に下回る収益に」なり、大失敗。以下にあるように、そもそもここ3年で異常なほど従業員数を増やしていました。「大量採用企業はヤバい」の法則が、こういう世界的な大企業ですら通用するんですね!
<メタ社の9月末時点の従業員数は約8万7,000人。コロナ禍でオンライン活動が拡大し、急成長した同社は、2020年と2021年には合わせて2万7,000人、今年1月から9月までの9ヶ月間でさらに1万5,000人を超える従業員を新規に雇用していた。同社の従業員数は3年弱で倍増したことになる>
なお、この説明の中では明記されていなかったものの、ザッカーバーグCEOが押し進めたメタバース部門で巨額の損失を積み重ねていたことももちろん打撃だったはずです。シリコンバレーの格言である「小さく失敗せよ」を守らず、社運をかけてギャンブルするという、これまた典型的にダメなパターンでした。
社員へのビデオメッセージでは、大量解雇の決断に対する全責任は自身にあると発言。ただし、「責任がある」と言うだけなら誰でもできます。安倍元首相が典型的で、彼は最後まで全く責任を取らずに別の理由で辞任しました。ザッカーバーグCEOの責任の取り方についても、記事では書かれていなかったことが気になります。
●アマゾンも赤字で1万人解雇で崩壊寸前、IT企業の寿命は短い?
メタの場合、以上のような理由でしたが、他のIT企業を見ると、また理由が違っており、あまり共通点は見い出せません。記事冒頭で軽く名前が出ていたツイッターの場合は、以前から赤字でうまく行っていなかったところ。さらに、親ロシア・右派のイーロン・マスクさんが買い取って大量解雇という政治的な事情もあります。
一方、私が興味あったのは、アマゾンの苦境に関する話。以下のように赤字が出て約1万人の解雇をしている…という話でした。ただ、アマゾンはわざと赤字を出して成長してきた企業ですし、まだ従業員が少なかった2000年にも1500人解雇。もともと容赦なく解雇する企業でもあります。今回の赤字はちょっと違う可能性は感じますけどね…。
<物流を支配する「アマゾン」も苦境に立たされている。'22年1~3月期決算で7年ぶりの赤字に転じた。この期の売上高は約116億ドル(約16兆円)だが、約38億ドル(約5320億円)の赤字だ。
'19年末に約80万人だった従業員は、'22年9月には約154万人に増えていた。しかし業績悪化を受けて、手始めに約1万人の解雇を決断した。
「何でも買える」をスローガンに、アマゾンは新規製品の開発に手を広げてきた。たとえば「アレクサ、音楽をかけて」と話しかけると曲を流してくれるスマートスピーカーや、家庭用ドローンなどだ。だが、商品を製造・開発するハードウェア事業は年約50億ドル(約7000億円)の損失を垂れ流しており、アマゾンの経営を直撃している。
>
https://news.yahoo.co.jp/articles/c83a57453bd59e60fd9a75017aa3d2146d0153d8
記事では、「アマゾンの中核であるネット通販(EC)事業も安泰とはいえません。日本でも優れた物流網を持っている佐川急便やヤマト運輸がEC事業を始めれば、アマゾンを逆転できる可能性があるでしょう」(前出・大原氏)ともありました。ただ、宅配便業者がECをやると既存のEC事業の顧客離れが起きるリスクがあり、ちょっと考えづらいと思います。
あと、ここの部分では「前出・大原氏」とあったものの、「大原氏」による「前出」の説明がちょっとどこにあったのか見つからず、フルネームもわかりません。なんとなく、
大原浩氏「EV・AI・常温核融合・量子コンピュータブームは終わる」と予言でトンチンカンなことを言っていた大原浩さんのことを思い出してしまいました。全体にいまいち説得力がない記事ですね…。
●アマゾンのベゾス会長も「企業の寿命は30年。アマゾンは倒産する」
2023/04/04追記:前回書いたように上記の記事は説得力をいまいち感じないものでしたが、おもしろい話もありました。アマゾン会長職を退いた創業者のジェフ・ベゾスさんは、'18年、社内会議で 「アマゾンは倒産するだろう。大企業を見ると、その平均寿命は30年程度。100年ではない」と言っていたそうです。IT企業に限らず、企業の寿命って短いのかもしれませんね。
<栄華を極めた巨大IT企業が躓き、下り坂に入りつつある。これは避けられない運命だと言うのは、慶應義塾大学大学院の小幡績准教授だ。
「'90年代に始まったIT革命は私たちの生活や仕事を一変させました。しかしすでに成長は限界に達している。今のIT企業はSNSに余計な手を加えたり、必要のない最新機器を売りつけたりすることで、技術革新が起きたかのように見せかけているだけなのです」
巨大IT企業が弱っていく一方、中国やインドを中心に同じようなサービスを展開する新興企業が次々に生まれている。ムダな事業と人材を抱えていない分、彼らは高い収益率を叩き出せる>
ツイッター共同創業者、ジャック・ドーシー元CEOは'22年8月、〈最大の問題にして、私の最大の後悔はツイッターを企業化したことだ〉とツイート。アイデアは驚くほどのスピードで巨大な事業に成長を遂げる一方、拡大が止まれば、やがて必ず若い企業に追い抜かれ、消えていきます。それこそが、IT企業の宿命だと記事ではまとめていました。
●IT企業の将来性はわからない予測が難しいIT企業
2016/10/24:IT企業の成長は早いが没落も早いですよという話を、だいぶ前にメモしていました。栄枯盛衰が激しい業界なんですね。中川淳一郎さんが書いた
IT企業の価値とは? 買収価格が4年間で1/500になる例も NEWSポストセブン / 2012年9月16日 7時0分という記事です。
2012年7月、ソーシャルブックマークサービスのDiggが50万ドル(約4000万円)でインキュベーターのBetaworksに買われたとのニュースが出ました。実はこのDigg、4年前の2008年には、Googleから2億ドル(当時のレートでは約200億円)での買収話を持ちかけられたというスター企業でした。わずか4年でここまで落ち込んだのです。
SEO Japanというサイトはこのニュースを受けて、「なんでもっと早く売らなかったの?」と問題提起をしており、IT企業の売却時期について考察を行っていたそうな。これによると、写真加工サービスのInstagramは、この問題では成功企業。Facebookにさっさと10億ドル(約7800億円)で売り抜けていました。
中川淳一郎さんによると、元々IT企業の場合は、「期待値」から高値がつきがちだといいます。そもそも「高すぎ」なんですね。なので、その後大暴落するということが起きがち。また、IT企業が提供するサービスってけっこうマネできちゃうことが多いとも指摘。Diggにしても、2007年頃はFacebookもTwitterもあまり会員がいなかった時期だけに、「話題をシェアする」という意味ではライバルがいなかったようです。
そしてこれは、日本のはてなブックマークにも言えるのではないかともしていました。ネットの論壇を引っ張る存在、何か面白いことをやる存在として、はてなは2006年頃君臨。それが今、「はてな村反省会」をやるような時代になったりしているわけで、IT界隈の主役変化の速さを感じさせるとしていました。
●シュンペーター型産業では、勝ち組がいつの間にか負け組に
実はIT企業というか、テクノロジー企業で勝ち組・負け組の変化が激しいというのは、海外でも言われています。そのことをメインに書いた話じゃありませんが、
ソニーはパナソニックに倣い家電をリストラせよ スマホも売却が正解の中でちらっとそういう話が出ていました。以下はまずシュンペーター型の説明です。
シュンペーター型
<この型の最大の特徴は、「競争環境の不確実性の高さ」にあります。例えば、「技術進歩のスピードが極端に速い」「新しい市場で顧客ニーズがとても変化しやすい」といった競争環境です。もちろんIO型でもチェンバレン型でもビジネスに不確実性はつきものですが、それが際立って顕著な環境といえます。
現在なら、ネットビジネスを中心としたIT(情報技術)業界は典型的なシュンペーター型といえるでしょう。ネット技術は日進月歩で、顧客のニーズもすぐに変わります。国内SNS(交流サイト)サービスも数年前まではグリーやミクシィが人気でしたが、今は無料対話アプリのLINEや短文投稿サイトのツイッターが主流です。とはいえ、この2社だって5年後に安泰かどうかは読み切れない、そんな業界なのです>
(引用部は、
パナソニックとソニーの明暗を分ける、最も根本的な理由:日経ビジネスオンライン 入山 章栄 2015年1月27日より)
上記でグリーなどの例も出ていたように、シュンペーター型であるIT業界は栄枯盛衰が激しいように見えます。また、これを受けて私は、<スマホは、サムスンの苦戦、その前はノキアやブラックベリーなどの没落を見てわかるように明らかにシュンペーター型だと思います>と当時書いていました。
●オバマ大統領も愛用していたブラックベリーの没落
ブラックベリーって日本だとあまり印象ないかもしれませんが、昔は流行っていました。ここも没落した企業です。
「元祖ブラックベリー」生産中止 スマホに押され :日本経済新聞 2016/7/6 12:02
多機能携帯電話のパイオニアである加ブラックベリー(オンタリオ州)は5日(カナダ時間)、パソコンとほぼ同じキーボードを搭載した多機能携帯電話の生産を中止すると明らかにした。10年ほど前に一世を風靡したものの、米アップルの「iPhone(アイフォーン)」の登場をきっかけに人気は下火になった。同種の端末はオバマ米大統領の愛器であることでも知られ、米CNN(電子版)は「安らかに眠れ」といった感傷的なタイトルでニュースを流した。
上記は日経新聞の記事でしたが、最近日経新聞ではアップルの没落特集も組んでいました。アップルの場合はまだ悲惨ってほどではなくやや大げささがあるものの、栄枯盛衰の激しい業界だとわかる話です。
●日本の没落企業といえばやっぱりグリー!
2018/10/11:一気に伸びて没落した日本の企業ということで、グリーを追加。私はおもしろいと思っていた企業なんですけど、見事にコケました。
引用する記事は前向きなタイトルで、
グリー、低迷期から復活なるか 新規タイトル好調 - ITmedia ビジネスオンライン(2017年08月04日 17時25分)というもの。ただ、以下のあたりで、グリーの没落っぷりが伝わるでしょう。
"通期としては減収減益となったが、第4四半期にリリースした新規タイトル4本がいずれもランキング20位以内に入る好調な滑り出しを見せ、
長い低迷期からの脱出が見える手応えを感じさせた"
"「釣り☆スタ」などのWebブラウザゲームで急速に業績を伸ばしたグリー。しかし
スマートフォンへの対応が遅れ、減収減益が続き、15年には赤字に転落するなど業績が急速に悪化していた"
"
ヒット作がなかなか出ない状態が続いていたが、17年4~6月にネイティブゲームの4タイトル「アナザーエデン 時空を超える猫」「SINoALICE(シノアリス)」「戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED」「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか~メモリア・フレーゼ~」を新規リリース"
海外でのゲーム開発は撤退し、「日本のスタジオで作って全世界で売る」方針へと切り替えるとのこと。ただ、一極集中では外れたときに終わるので、下手な鉄砲も数打ちゃ当たるの方が良いと、私は常日頃言っています。
そうした意識はグリーにもあるようで、ヒット確度と収益性向上のため、自社オリジナルIP(知的財産)、パートナーと提携して開発する共同原作IP、他社の有力IPと、バランスを取った開発を行うとのこと。特に最近のゲームは当たり外れが大きいので、数をこなして大当たりを狙っていくべきでしょうね。
(GREE(グリー)の社長の本)


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