運動不足な人、肥満気味な人に運動が必要だというのは間違いありません。ただ、運動=激しい運動やスポーツという誤解は危険だと思います。なので、むしろ運動不足な人はスポーツをすべきではないかもしれません。米医師会報の論文でも「負担がかかるので少しずつ増やせば良い」とされていました。
冒頭に追記
2022/11/07追記:
●Google Fitの万歩計機能、100歩歩いたら110歩になってしまう謎
2022/11/13追記:
●短時間の散歩なんか意味ない?実は少し歩くだけですぐ1000歩!
2022/11/18追記:
●短いスキマ時間の運動だけでもあらゆる目標値をすべてクリア可能 【NEW】
【クイズ】極端な食事制限ダイエットが悪い理由はどれ?
(1)筋肉が減るため
(2)内臓脂肪が増えるため
(3)皮下脂肪が増えるため
●Google Fitの万歩計機能、100歩歩いたら110歩になってしまう謎
2022/11/07追記:前回書いた楽天シニア(実質Google Fit)の万歩計機能の精度はどれくれいかな?と思います。昔、母が普通の万歩計を使っていたのですが、精度が悪く実際よりかなり少ない歩数でした。なので、7、8割あればいい方かな?と思いながら、100歩計測すると「110歩」。まさか実際の歩数より多いとは予想外です!
ただ、歩数を数えているうちにわけがわからなくなってきたので、自信ないですね。今回数えてみて初めて気付いたのが、私が外を歩くテンポはめちゃくちゃ早いということ。自分でもどうしてこんなに早いのか!?と不思議になるほど早くて、心の中で数を数えるのが追いつかなくなってわけがわからなくなってきます。
健康の目安として歩く速度の速さが言われており、健康関連のアンケートでも「同年代より歩く速度は早いですか?」みたいな質問がよく登場。そういうとき私は自信はないものの、なんとなく「早い」という選択肢にチェックを入れていました。今度からは自信を持って「早い」を選択したいと思います。
「100歩なのに110歩」の謎の方は、私の数え間違い以外だと、「普通の万歩計と違って逆に感度が高すぎる」というのが普通に想像できるところ。それ以外に、GPSで補正している可能性も考えました。前述の通り、私は歩く速度が早い上にむしろ大股なので、距離的には相当歩いており、補正ならむしろ妥当だと考えられます。
しかし、よく考えてみると、前述の歩数は楽天シニアのプレビュー画面(?)みたいなところで見たものなので、タイミングがズレていたという単純な話かもしれません。そこで、今度は起動しっぱなしで間違えないように頑張って200歩測ってみたところ、195歩と出ました。97.5%という素晴らしい精度。さすがグーグル様です!
ただ、この歩数を数えるために、キリの良い数字にしようとそろそろ~っと慎重に歩いたときは、数字が全然増えずに苦労。やはり歩き方がゆるいときは、さすがに反応しませんね。運動的にもそろそろ歩きでは効果が低いとされていますので、これくらいの感度の仕様はむしろ望ましいことかもしれません。
●短時間の散歩なんか意味ない?実は少し歩くだけですぐ1000歩!
2022/11/13追記:楽天シニアとGoogle Fitの説明関係で前置きが長くなってしまったのですが、今回がやっと本題。これらのアプリには歩数の目標設定があり、初期値では楽天シニアが4000歩、Google Fitが5000歩でした。これらの数値にどれくらい根拠があるのかは不明ですけど、全然1万歩みたいな極端に多い数字ではありません。
また、私が一番皆さんに伝えたいな…と思ったのが、スキマ時間にちょっと歩くだけでかなりの歩数が稼げるということ。私はパソコンを長時間していると具合が悪くなるので、10分休みを細かく設けており、この間に家事や用事を済ませる他、近所を散歩することもあります。支度含めて10分ですので、散歩時間は実質7分くらいです。
こういう話をすると「そんな程度の運動じゃ意味ない」と否定されるのですが、研究などによると、短時間の運動が無意味というのは科学的根拠がない考えの模様。歩数的にも私の場合は、この7分だけで1000歩以上行くんですよね。前回書いたように私は歩くのが早いとはいえ、短時間でも予想外に多く歩けることがわかるでしょう。
なので、たとえ数分であっても歩く時間をちょこちょこっと作るだけで、意外に多くの運動量を増やすことが可能になります。同じページで書いているように、いきなり一気に運動量を増やすことはデメリットが指摘されていますので、むしろ無理しない程度に少しの運動から始めてみる…という方が正解でしょう。
●短いスキマ時間の運動だけでもあらゆる目標値をすべてクリア可能
2022/11/18追記:人によって最適な運動量は異なるのでこだわらない方が良いと思いますが、前述の通り、歩数の目標設定があり、楽天シニアが4000歩、Google Fitが5000歩。私は10分休みの散歩1回で1000歩で、普通の日ならこれを3,4回やり、他に1700歩ほど歩いているようです。なので、3回の日は4000歩以上、4回の日は5000歩以上となります。
Google Fitでは、これ以外に「ハートポイント(強めの運動)」というのが存在。楽天ポイントみたいな商品を買えるポイントじゃなくて、単に運動を数値評価したもの。1週間で150Pが目標です。どうもこれはWHOの推奨に基づくようで、
健康維持のために「ハートポイント(強めの運動)」を獲得する - Android - Google Fit ヘルプなどで説明がありました。この「週に150分」は以前紹介の記事でも出てきていますね。
<心臓病のリスクを低減するため、アメリカ心臓協会(AHA)と世界保健機関(WHO)では、日常的に身体を動かすことを推奨しています。一週間に中程度の運動を 150 分以上、または強めの運動を 75 分以上行うことが推奨されています。このガイドラインに沿って運動できるように、Google Fit では、「ハートポイント(強めの運動)」と「歩数」の形式で運動量が記録されます>
スマートウォッチなどがあれば、心拍数に基づく測定もあるそうですが、私はスマホのみ。スマホのみでも、ウォーキング、ランニング、サイクリングを測定してくれます。自転車は正直全然運動になっている実感がないのですが、これで一番楽にポイントが増加。私は大体5日間で150ポイントを超えてしまいます。
1 分以上の運動(毎分 30 歩のペース) = 通常の運動 1 分
1 分間のサイクリング = ハートポイント(強めの運動)1 ポイント
1 分間の早歩き(毎分 100 歩以上) = ハートポイント(強めの運動)1 ポイント
1 分間のランニング(毎分 130 歩以上) = ハートポイント(強めの運動)2 ポイント
この「Google Fit ヘルプ」でも朗報がありました。<WHO や AHA では、10 分以上の運動が推奨されていますが、最近の科学的調査では、中程度から強めの運動は、運動時間にかかわらず有益であるとされています>と書いていたんですよ。しつこく書いているように、短い運動時間でも意味があるのです!
●誤解とリスク…運動不足な人にスポーツを勧めるべきではない理由
2016/10/26:後述するように、運動不足解消のためにスポーツをしなくてはいけない…というのは誤解だと思われます。一方で、政府はむしろ積極的にこの誤解を広げている感じ。例えば、オリンピック関係への税金投入の正当化として、国民のスポーツへの関心を高めて健康的にするといったものが言われていました。
そりゃあ業界としては、スポーツや激しい運動をしてくれた方が儲かりますので、そうミスリードしたいというのはわかります。「激しい運動はいりません。ちょっとした運動でいいですよ」なんて言ってしまうと、企業はちっとも儲かりませんからね。スポーツや強い運動をしてほしいのでしょう。
(2022/10/31追記:その後、東京オリンピックで多額のスポンサー賄賂問題が多数判明。やっぱり金儲けが第一で、そのためにいろいろと理由をつけて正当化していたんでしょうね…)
しかし、そもそも運動が本当に必要である運動不足な人、肥満気味な人というのは、運動が好きではないことが多いです。彼らがオリンピックを見て大挙してスポーツを始めるか?と言うと、そうではないでしょう。スポーツを始める人は、どちらかと言うともともと体を動かすことが嫌いじゃない人の方が多いはずです。
また、体を動かすことが嫌いだという人は、激しい運動が必要ですと言われてしまうと、むしろそのハードルの高さに諦めてしまったり、すぐにギブアップしてしまったりしがちで、逆効果じゃないか?とも思います。大事なのは続けることであり、短期間に終わってしまうと意味がありません。
「大事なのは続けること」というのは、食事の改善やダイエット系の話もそうですね。成功すると宣伝されているダイエット方法は、離脱者が大量にいる事実が隠されているケースがほとんど。基本的にはいきなり高いハードルを課すのではなく、できるところから無理なくやって、少しずつステップアップしていくべきなのです。
さらに、私が最も問題だと考えるのは、普段運動をしていない人、太っている人らが急に激しい運動をすると、怪我や体調の悪化を招きやすいということ。なので、むしろ運動不足な人に強い運動を勧めるのは、健康を害するように誘導しているに等しい…とすら言えるかもしれません。ちょっと危険なところがあります。
●運動不足な人はむしろスポーツはするな!1日1万歩も健康に悪い理由
…と書いてきましたが、以上の話は私が考えていたというだけです。整合性のない話ではないと思うものの、専門家のお墨付きがあるというものではありませんでした。でも、今回、私のこの考えに近そうな記事がありました。東京都健康長寿医療センター研究所の青栁幸利・運動科学研究室長のインタビュー記事です。
この記事、
「1日1万歩」は間違い? 5000人研究で判明!:日経ビジネスオンラインでは、“1日1万歩”について「今すぐやめたほうがよい」とは言っていません。間違っているわけではないといいます。
ただし、青栁幸利・室長は、「1万歩を実現できてさえいれば大丈夫」と過信したり、「歩けば歩くほど体にいい」と間違った思い込みをするのはよくないとしていました。要するに極端なのはダメなんですね。歩き過ぎも含め、運動のし過ぎは、健康効果がないどころか、免疫力を下げてしまうリスクがあるとしていました。
●世界的な水泳選手たちはむしろ不健康?血液検査の結果驚くべきことが…
青栁幸利・室長がカナダに留学しているとき、オーストラリアのメルボルン大学で水泳のナショナルチームの選手の血液検査を行ったことがありました。世界的な水泳選手のイアン・ソープ選手らが所属していた、レベルの高い代表選手たちの検査です。
しかし、検査の結果はあまり良くないものでした。持久力や筋力、ヘモグロビンの数などは素晴らしい結果ではありました。ただ、世界レベルの水泳選手は、ハードなトレーニングが原因で免疫力が落ちており、風邪などの病気にかかりやすいことがわかったといいます。スポーツをやり過ぎると病気予防はあまりうまくいかないということは、昔から実験的にも解明済みだといいます。
また、若いときには軽く1日1万歩をこなせてきた人でも、関節が傷んでしまい、歩けなくなり、一気に体力を落とすことがあるとのこと。これはそれでも我慢して歩くべき…という話ではありませんよ。痛みが出るのは、そもそもどこかで体が無理をしている証拠だとされていました。
●運動もダイエットもやりすぎは良くない…食事制限ダイエットが悪い理由
今回は運動の話でしたが、最初のところで書いたように、食事の改善も無理なくやった方が良いでしょう。いきなり好きなものを全部食べるなとか、嫌いなものをたくさん食べろと言われても、素直に聞かない人が多いでしょうし、チャレンジしても短期間で失敗しやすいです。また、それとともに強調しておきたいのが、極端な食事制限ダイエットが禁じ手だということです。
【クイズ】極端な食事制限ダイエットが悪い理由はどれ?
(1)筋肉が減るため
(2)内臓脂肪が増えるため
(3)皮下脂肪が増えるため
【答え】(1)筋肉が減るため (筋肉が減ると基礎代謝量が減って、余計やせづらい体になります。
ダイエットに何度も失敗する理由 食事制限・低カロリー飲料の罠より)
もちろん食べすぎな人はさすがにそのままじゃ痩せられませんよ。少しずつ少しずつ減らしていく必要があります。ただ、一般論として、極端な食事制限をしてしまうと、長く続かなかったり、リバウンドしてしまったりしがちで、おまけにダイエット前より痩せづらい身体までできあがり…ということになってしまいます。あまり得策じゃありません。
●米医師会報の論文でも「負担がかかるので少しずつ増やせば良い」
2017/05/13:
運動不足が原因で死ぬ人年間530万人 でもスポーツをする必要はない理由と同じ方向性の話を補足。イギリスのラフバラ大学のゲーリー・オドノバン博士を中心とした研究チームが、2017年1月9日にアメリカ医師会報(JAMA)の内科ジャーナル・オンライン版に発表した論文では、週末1回だけの運動でも、十分に健康への効果があるとされていました。
研究では、イギリス政府が1994~2012年にかけて調査した40代以上の男女6万3591人の運動習慣や病歴をもとに、週末だけの運動が心臓病や癌の予防になるかどうかを調査。週に何度か20~30分程度の軽い運動をする人たち・週末にまとめて少し高い強度の運動をする人たち・全く運動をしない人たちの3つのグループに分けて比較しています。
当然、「全く運動をしない人たち」に比べて、「週に何度か20~30分程度の軽い運動をする人たち」の方が死亡率が低いなど、良い結果になりました。ただ、予想外であったのは、週末1回の運動でも、「週に何度か20~30分程度の軽い運動をする人たち」と差がないという結果になったことです。
また、運動量に関しては、これまで運動を全くしていなかった人は、急に負荷の高い運動をすると、心臓などに負担がかかるので、「まずは、ゆっくりしたウォーキングや散歩から始めて、徐々にスピードアップしたり、距離や時間を伸ばしたりしたほうがいいでしょう」という話がありました。やはり最初は少しずつで良いのです。
最終的な目標の運動時間に関しては、記事では矛盾するところがあり、ちょっと大丈夫かな?と心配になるところはあり…。"アメリカの心臓病学会などでは「週に150分」以上の運動を奨励"と書いている一方で、"頑張り過ぎも禁物。週の運動時間は、150分を超えないようにする"ともあったのです。
(
週1回だけの運動習慣って効果あるの?米国医師会が発表した驚きの研究結果 – アサジョ(医療/フィットネスライター 松尾直俊) 2017/02/20 10:14より)
安全を見ると、後者の「150分を超えないようにする」を採用した方が良いですかね。とりあえず、そもそも150分も運動なんかしていない人が多いのですから、最初はこんな時間なんか気にせず、ちょっとずつちょっとずつ増やしていけば良いと思われます。繰り返すように無理な運動は逆効果です。
●「歩数が0歩のまま増えない」万歩計機能ある楽天シニアが不評
2022/10/31追記:「楽天シニア」という歩数を数えることができるスマホアプリがあるとのこと。高齢者の方がむしろ嫌いそうな名前でもう少しどうにかならんかったのか?と思いますね。「歩数が0歩のまま増えない」「ポイントが稼げない」と評判も不評。ただ、興味があったのでダウンロードしてみました。
最初にGoogle Fitと連携するとより精密な歩数を測れる…といった説明があったので、内容を理解しないままなんとなく連携を選択。ただ、これ、私が勘違いしており、Google Fitという別のアプリをあらかじめインストールしておく必要があったみたいですね。いつまで経っても0歩のままで、全く増えませんでした。
で、Google Fitの連携をオフにして楽天シニア単独で使ってみたものの、結局、0歩のまま。「Google Fitと連携しないと精度が低い」ではなく、そもそも1歩も増えません。精度が低い以前のレベル。どこかで設定ミスがあるのかもしれませんけど、さっぱりわかりませんでした。全体にわかりづらさがあります。
じゃあ、Google Fitの方もインストールして連携させてみるとどうだろう?ということでやってみました。すると、今までなんぼやっても0歩だったのが嘘のように、すごい勢いで増え出します。やっと解決。とはいえ、ここまでたどり着くのがたいへんでしたからね。皆さんの不満が多いというのも、うなずけるアプリでした。
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