大麻は医療用として役に立つのだから解禁すべき…という主張は、嘘八百のようです。医療用として役に立つという証拠がほとんどない一方で、有害性だけはしっかりとした証拠があります。結局、大麻をやりたいがために嘘をついているだけではないか?と思わせる内容でです。
世界医師会も同様に有害性の報告が多数ある一方で、有効性にはついては証拠不足という見解。有効性を訴える人は多いものの、大麻に慢性疼痛緩和効果はない上に精神疾患などが多発しているともいいます。ただ、日本政府は突如方針転換して、医療用大麻を解禁する…と報じられていて驚きました。
その後、<ついに日本でも大麻解禁…どころか、さらに大麻規制強化の流れ>、<「大麻成分カンナビジオール(CBD)で良い効果」の研究で不正判明>、<大麻を規制することで余計問題増加って本当?データ的には…>などを追記しています。
2023/06/17追記:
●大麻を規制することで余計問題増加って本当?データ的には… 【NEW】
【クイズ】鳥取県智頭町は大麻で町おこしをしており、安倍首相夫人も訪問、応援していました。この智頭町の読み方は?
(1)ちがしらまち
(2)ちづちょう
(3)ぢとうちょう
●医療用大麻解禁派の医療用大麻論はデマと嘘だらけ?
2016/10/28:ヤバイ、私も騙されていたのかもしれません。大麻については解禁派の主張も一理あるのだと思っていたのですが、どうもその主張の一つが真っ赤な嘘だったかもしれないという話です。まず、医療用大麻と趣味で吸う大麻が同じという話。ただ、これは私もそうだろうと思っていました。ここは特に問題ありません。
<厚生労働省監視指導・麻薬対策課の担当者は2016年10月27日のJ-CASTニュースの取材に対し、「前提として、医療用大麻なんて存在しません」と話す。続けて、「そうした名称は、大麻を医療に使用したいと主張している一部のグループの方が、独自に用いているものだと認識しています。医療のための大麻などなく、犯罪にかかわる大麻と全く同じ成分が含まれています」と説明した>
(
高樹沙耶の主張に医師らツッコミ 「医療大麻」の解禁「必要ない」 2016年 10月27日 19時16分 提供元:J-CASTニュースより)
●現場の医師らが「医療用大麻は必要ない」と断言している理由
ところが、驚愕したのがこれ以外の話。そもそも大麻って別に医療目的でも優れた効果を持っているわけではないんだそうな。これが本当でしたら、わざわざ解禁する意味がありません。例えば、医療用麻薬を用いた終末期医療を専門とする緩和医療医の大津秀一氏は26日に更新したブログで、以下のように指摘していました。
「医療用大麻も効能は種々言われていますが、がんの症状緩和に関しては代替薬あるいは
それ以上に良い薬剤があるというのが現状であると考えます」
(「現場の一専門家としての個人の見解」と断った上で)「医療用大麻は、がんの患者さんの鎮痛に対して、ぜひとも導入してほしいというくらい必要な薬剤ではありません」
また、医療博士の木下博勝さんも26日放送の「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)で、「(医療大麻について)こんなもの認める必要は全くありません」と一蹴。国内での合法化については「絶対に必要ないですし、今後もないと思います」としていたそうです。
●効果に科学的根拠はない一方で、有害性については根拠あり
さらにたまげたのが、そもそも大麻の効果(おそらく医療目的での有効性)に科学的根拠がないという話。こうなるともう完全に解禁する根拠は全くなくなります。一方で、有害性については根拠が認められているとなると、これはもう全然解禁すべきという主張に説得力がなくなってしまいます。
<(引用者注:厚生労働省監視指導・麻薬対策課の)担当者によれば、現時点では世界保健機関(WHO)も「大麻の有効性に科学的な根拠はない」と判断する一方で、精神毒性や依存性については「有害と評価している」という>
こちらの有効性のなさと有害性に関しては、2017年09月19日に追記した<大麻に慢性疼痛緩和効果はない上に精神疾患などが多発>などという話も関係する話です。本当、有効性に関する科学的根拠が不十分である一方で、有害だという研究に関しては多数の証拠が出ている感じでした。(ここだけ2021/09/20追記)
●大麻解禁派は自分たちが欲しいだけか?大麻推進派が次々と逮捕
この記事で名前が出ていた元女優の高樹沙耶(本名・益戸育江)さんは、「医療大麻の解禁」が持論でなおかつ自分でも使っていた疑いが持たれています。
大麻合法化に賛成の芸能人・有名人 モーリー・ロバートソンなどで出てきた代表も似たパターンで、別の理由で大麻推進をしながら実は自分でも麻薬的な使用の仕方をしていたという話でした。結局、大麻解禁派は自分らが使用したいから言っているだけなのかもしれませんね。
【クイズ】鳥取県智頭町は大麻で町おこしをしており、安倍首相夫人も訪問、応援していました。この智頭町の読み方は?
(1)ちがしらまち
(2)ちづちょう
(3)ぢとうちょう
【答え】(2)ちづちょう (地図帳みたいな名前の町ですね)
●大麻に慢性疼痛緩和効果はない上に精神疾患などが多発
2017/09/19:退役軍人の8割近くが、大麻を疼痛緩和やPTSD治療に使われる医薬品よりも低リスクで安全だと考え、医療用大麻の処方を希望しているそうです。しかし、そもそも大麻の利用によって得られる効果がリスクを上回るものかどうか、有効性と安全性を示すエビデンスレベル(科学的根拠の信頼性)の高い研究は少ないとのこと。
そこで、米退役軍人省内で保健衛生分野を管轄する退役軍人保健局が、オレゴン健康科学大学やブラウン大学と共同で検証することに。その結果が、2017年8月15日に発表されました。
それによると、慢性疼痛への効果を比較研究によって調査した27件の論文解析からはわかったのは、大麻に慢性疼痛を緩和する効果はほとんどないという事実。 神経由来の慢性疼痛を緩和する効果を示す論文は、たった1例だけでした。いつも書いているように、研究によって矛盾する結果が出ることが珍しくないのですが、このように圧倒的に数が違う場合はわかりやすいです。
さらに、むしろ疼痛治療に大麻を使用した結果、薬物中毒者になってしまい精神疾患や認知障害、交通事故リスクの上昇といった問題が多発していることも確認されました。完全に逆効果だと考えて良いでしょう。
(
大麻で痛みやPTSDを緩和することはできない 米退役軍人省、退役兵らに注意喚起 : J-CASTヘルスケア 2017/9/17 11:30より)
●PTSDへの効果も証拠不足の上に精神疾患などのリスク
もう一つ、PTSDへの効果を検証した論文も検証。しかし、大半は「被験者数が少なすぎる」「偽薬との比較試験を実施してない」などの問題があることが判明してしまいました。このように研究を見る場合は、質の高さを見るのも大事です。健康食品なんかは、カスみたいな実験を根拠にして売っていますからね。
ということで、慢性疼痛への大麻の効果だけでなく、PTSDの治療への大麻の効果の方も証拠不足となっていました。退役軍人保健局は「研究に欠陥があり、大麻がPTSD治療に利用可能であるとするエビデンスは不十分」とコメントしています。証拠不足というのは生易しい言い方で、現状は「根拠なし」と考えて良いでしょう。
一方で、PTSDの場合も有害な問題が起きる可能性なら十分あります。 退役軍人保健局が2013年から医療用大麻をPTSD治療用に処方されている退役軍人348人を追跡調査したデータでは、一時的に不眠などの症状が緩和されるものの大麻の使用期間が長期化するに従い精神疾患や躁病、認知機能障害の発症リスクが中程度まで上昇することが確認されています。
このように大麻のエビデンスが乏しいのですから、「効果が実証されている医薬品と各種認知行動療法を組み合わせることを推奨する」という判断が正解でしょう。わざわざ効果が怪しくて、おまけにリスクの高いやり方をする必要はありません。最初の投稿の内容をそのまま補強する結果となっていました。
●世界医師会は世界各国の医師会へさらなる大麻研究を推奨、理由は?
2020/08/29:
医療用大麻に関する世界医師会(WMA)声明の和訳を公表、世界各国の医師会へさらなる大麻研究を推奨:ドリームニュース - Miyanichi e-pressというものがありました。これは2020/08/28に公開されたものですが、2020年に出された声明ではなく、2017年10月シカゴ、第68回総会で採択された医療用大麻に関する世界医師会(WMA)声明だといいます。
タイトルでは、世界医師会は世界各国の医師会へさらなる大麻研究を推奨…というものだったので、てっきり大麻合法化支持だと思ったら、これは全く逆の声明ですね。今まで書いてきたものと同じで、「十分に有用性があるという証拠がないにも関わらず合法化を急ぐべきではない」ということから、まずは研究を!というものでした。
具体的には、<大麻草の健康への影響と治療効果に関する質の低いエビデンスを考慮すると、政府が医療目的の医療用大麻を合法化するかどうかを決定する前に、大規模なサンプルを含むより厳密な研究が必要>としています。また、法律を検討する際には、エビデンスに基づいた上で、国の社会的状況、公衆衛生なども考えるべきだとしていました。
●政府が突如方針転換で医療用大麻解禁へ「モルヒネ以上の鎮痛性がある」
2021/09/20追記:以上のように研究者らは世界的に「有効性の根拠は不十分。一方で安全性には問題がある可能性が高い」という判断で、「合法化は急がずに研究が進んでからにすべき」といった見解でした。ところが、日本で<医療用大麻解禁へ 「モルヒネ以上の鎮痛性があり安全」との臨床例も 5/31(月) 16:05配信 NEWSポストセブン>という記事が出てびっくりします。
<〈大麻草を原料にした医薬品 国内での使用解禁へ 厚生労働省〉──5月14日朝、NHKのニュースで、日本でも大麻由来の医薬品の使用が“解禁”されることが伝えられた。
同日の厚労省「大麻等の薬物対策のあり方検討会」では、従来の規制を見直すとりまとめ案が提示された。
「現在、米国など諸外国では末期がん患者の緩和ケアや難治性のてんかん治療のため、大麻草を原料にした医薬品の使用を認めています。日本では大麻取締法で禁止されていましたが、今回の見直し案により、医療現場での使用が認められる方向です」(全国紙社会部記者)>
https://news.yahoo.co.jp/articles/c46991b16a18eeefd19b41c5122773957d57a02d
今の政府は科学軽視・科学者軽視なのでそのせいかな?安倍元首相夫人も解禁派だし…と思ったら、良い研究結果が出たからという説明になっていました。「国立がんセンターが米国の臨床例を調べたところ、医療用大麻にはモルヒネ以上の鎮痛性があり、安全性も高いという結果が出た」といいます。
科学的根拠が確かめられればOKなので、これはアリ。今まで多数あった否定的な見解になった症例を覆すほどの多量の肯定的な見解の症例が見つかれば、あり得ないことではありません。この記事では「嘘がバレた」みたいな陰謀論を唱えている人がいましたが、科学では証拠が不十分なら認めるわけにはいかないため、嘘をついていたわけではないのです。
ただし、「多量の肯定的な見解の症例」と書いたように、一般論で言うと、科学的根拠を確かめるには多数の研究などの証拠が必要であり、研究論文1本で決めてしまうのは非科学的な考え方でもあります。国立がんセンターならそこらへんを考慮したメタ解析なんじゃないかとは思いますが、あまりの急展開でちょっと心配になりました…。
2021/10/31追記:もう少し注意喚起を追加。今回の件は全面合法化ではないことに注意が必要。飽くまで医療用大麻の解禁です。この前「大麻の栽培は違法ではない」と騙されて栽培して逮捕されるケースが続出しているというニュースを見ました。医療大麻解禁の政府方針が出る前の話であり、今後いっそうそうした犯罪が増える可能性がありますので、ご注意ください。
あと、今回効果があると例示されていたものの一つは、「末期がん患者の緩和ケア」でした。末期がんの人の場合は、今後健康体に戻ることはないため、大麻のデメリットがあっても問題が生じづらく、デメリットよりメリットが上回るということかもしれません。こうした特異なケースなど、限定した条件であれば、大麻を選択するというのは理解できる…と読み直していて思いました。
●ネットデマに弱い年齢層が誤情報を鵜呑みにして大麻を栽培して逮捕
2021/11/15追記:前回ちょっと書いた騙されて栽培して逮捕されるケースの補足。私が見たのは、読売新聞の<「大麻は危険ではない」誤情報を鵜呑み、若者の摘発が増加…「使用罪」新設求める声も>(2021/09/20 12:51)という記事ですね。おそらく山口県のローカル限定記事。山口県ってそういえば奥さんが大麻解禁派である安倍元首相の地元でもあります。
<山口県内で20歳代以下の若者が大麻取締法違反容疑で摘発されるケースが増加している。インターネットなどで「大麻は危険ではない」という誤った情報に触れていることが一因とみられる>
<「海外で合法になったというニュースを見て、興味を持った。作れるようになりたいと思った」。大麻取締法違反(栽培)に問われた男(22)は4月に山口地裁であった公判で、証言台に視線を落として答えた。
判決などによると、男は温泉施設で知り合った男たちに「1グラム5200円で買い取る」などと大麻の栽培を持ちかけられ、昨年11月頃に防府市内で大麻草10鉢の栽培を始めた。
メッセージのやりとりの履歴が残らないスマートフォンのアプリを使い、栽培方法のアドバイスを受けていた。そして、今年1月、ほかの20歳代の男3人とともに逮捕された。
男は公判で「なんでやってしまったのか。両親や彼女に申し訳ない」と反省の弁を述べた。山口地裁は男に懲役1年6月、執行猶予4年の判決を言い渡し、確定した>
https://news.infoseek.co.jp/topics/20210920_yol_oyt1t50013/
県警組織犯罪対策課によると、特に20歳代以下の摘発の増加が目立つそうです。2012年はゼロだったのが、2020年は11人、2021年は8月末までですでに12人に。県薬務課は、その背景にインターネット上で大麻の有害性や危険性に関するうその情報があふれ、若者が 鵜呑みにしていることがあると推察。若年層はネットデマでも引っかかるのが多い層であり、対策が必要そうでした。
●ついに日本でも大麻解禁…どころか、さらに大麻規制強化の流れ
2022/03/16追記:<政府が突如方針転換で医療用大麻解禁へ「モルヒネ以上の鎮痛性がある」>という話をこの前追記しました。ただ、普通の大麻が解禁となったわけではなく、注意喚起のために<ネットデマに弱い年齢層が誤情報を鵜呑みにして大麻を栽培して逮捕>という話をさらに追記しています。
そもそも普通の大麻が解禁…どころではなく、大麻規制は依然として強化される方向性みたいですね。<
フリマアプリでも売買される「合法大麻」HHCが規制対象に 専門家は「イタチごっこ」懸念>(弁護士ドットコムニュース / 2022年3月12日 9時8分)という記事が出ていました。
<「HHC」という化学物質をご存知だろうか。正式名称は「ヘキサヒドロカンナビノール」といい、大麻成分のひとつと似た効果が得られるとされるが、規制されていないことから「合法大麻」と呼ぶ人もいる代物だ。一部の若者の間で人気で、フリマアプリなどで売買されている。
ところが、厚生労働省は3月7日、このHHCなど、6つの物質を「指定薬物」として指定する省令を公布した。3月17日から、医療などの用途以外で、製造・輸入・販売・所持・購入・譲受・使用することが禁止される>
https://news.infoseek.co.jp/article/bengoshi_14221/?tpgnr=poli-soci
今のところ、HHCを使用したことによる事故の報告はないそうです。ただ、SNSの感想では、『指定薬物』の定義に当てはまると思われる使用感を述べている投稿が見られるといい、これに加えて毒性データなどを考慮しての判断ではないか?と、担当者は説明したとのこと。担当者とされてますが、ちょっと把握していない感じの説明ですね。
流通しているHHCは大麻成分のひとつであるTHC(テトラヒドロカンナビノール)の代替品と見られていました。2021年12月ごろに市場にあらわれて翌年の3月には規制の方向性…ということで、スピード規制です。また、CBD(カンナビジオール)が大麻取締法の『大麻』に該当するかどうかという点について、確認をおこなっているともいいます。
●大麻を規制すると余計問題が起きる?大麻合法化に有利な主張も
ただ、医療大麻に関する啓発団体に所属する正高佑志医師は、「2010年代の脱法ハーブ」のときのように、HHCにかわる別の物質があらわれる「イタチごっこ」を懸念。これは、どうも大麻を規制することで、逆に重症化する人が増加するという、大麻合法化推進的な解釈での懸念のようでした。
「そもそも大麻への厳しい規制が脱法ハーブを生み出したという見方です。2007年ごろ、市場に登場した当初の脱法ハーブは、比較的穏やかな性質のドラッグでしたが、規制を逃れるために化学構造の変化を繰り返すうちに危険性が増し、最終的にモンスタードラッグへと変貌していきました。そして、使用者による事故などの問題が発生したのです。
脱法ハーブのブームが終焉したのは、ユーザーが刑罰を恐れたからというよりも、脱法ハーブが危険なものになり過ぎたために、より安全な大麻をはじめとする別の物質へと移行していった結果と考えることもできます」
<医療現場では、脱法ハーブは使わなくなったものの、睡眠薬や咳止め薬、大麻などの薬物を使ったり、自死したりするなどの別の問題が起きているという>
話の中身と関係ないのですが、この正高佑志医師の名前を見てびっくり。大麻成分のCBDを研究(以下で補足)していた正高信男・元京都大学教授と同じ名字だったためです。検索してみると、正高佑志医師は正高信男さんの息子だという情報を発見。父親の本来の専門は別ですから、息子の影響で大麻を研究してみたのかもしれません。
●「大麻成分カンナビジオール(CBD)で良い効果」の研究で不正判明
2022/04/04追記:前々から書こうと思いつつ書いていなかったのですが、前回、ちょうど正高信男・元京都大学教授の話が出てきたのでこのタイミングで追記。前回書いたように、正高信男元教授は大麻成分のCBD(カンナビジオール)の研究をしていたのですが、実はこの研究が不正だと後に指摘されたのです。
京大、霊長類研究所元教授の論文4本を捏造と判断 記載の実験がなし:朝日新聞デジタル(野中良祐2021年10月15日)によると、京都大が、霊長類研究所の正高信男・元教授が、2014年から19年に発表した論文4本で、実際に実験をしていなかった捏造の研究不正があったと発表しています。
不正があったのはいずれも、正高元教授が1人で執筆した論文。電子書籍と紙の本が読解力の発達に及ぼす影響の比較した研究の他、対人関係に不安がある10代男女に大麻の合法成分カンナビジオール(CBD)を摂取してもらう…という、このページのテーマである大麻関連の実験をしたとする研究が不正とされていました。
正高元教授からは実験ノートなどの証拠は提出されず。また、実験の参加者のリストとされる名簿をたどっても、実際に参加した人は見つからなかったとのこと。研究室の資料や経費関係の書類などを検証した結果、4本の論文で記載された実験は行われておらず、故意の捏造と判断したそうです。
大麻成分CBDの効果がポジティブな結果だったかどうかはどの記事も明記しておらず、ずっと気になっていたのですが、今回、大麻解禁派っぽい息子さんの正高佑志医師について検索したおかげで判明。どうも「父がCBDが効果的なことを証明した」といった発言を過去にしていた模様。ただし、その研究が不正だというのが今回の調査結果です。
この研究不正によって、ただちに大麻の効果が全部嘘だった…ということにはならないことには注意。おそらく研究は複数行われており、他にも大麻解禁論に有利な研究というのもあるのではないかと思われます。とりあえず、こうした研究では結果がまちまちなことが多いので、判断はまだ保留しておくべきでしょうね。
『 犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉 』(犯罪心理学者・出口保行)


●両親がケンカばかりしている家庭の子…まずこの時点で問題がある
2022/10/06追記:個別事例をベースにした話は科学的根拠とはならないので注意が必要なのですが、<母親に「頑張りなさい」と言われ続けて育った男性が、現実逃避の末に手を染めてしまったモノとは>(22/10/6(木) 6:12配信 文春オンライン)で出てきた話は、過去に紹介してきた様々な指摘と一致する内容でしたのであちこちに追記しています。
これは1万人の犯罪者を心理分析してきた犯罪心理学者・出口保行さんの著書
『 犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉 』から抜粋した宣伝記事だったようです。この「1万人の犯罪者を心理分析してきた犯罪心理学者」などといった宣伝文句も ニセ科学的なものでも使われるものなので、一般的には注意が必要ですけどね。
で、記事で出ていた事例の話。これは、ケンカばかりしていた両親が離婚した「ナオト」の事例です。父は営業成績が上がらず給与が低かったので、母親がしょっちゅうなじっていたそうです。「お父さんみたいになっちゃダメだからね」と繰り返し言われたともいいます。まず、この時点で問題ですね。両親が喧嘩する様子を子供に見せるというのはよくないと言われています。
<(引用者注:両親の離婚)以来、ナオトは落ち込むことが多くなった。もともと勉強も遊びも集中することがあまりない。(中略)「そんなんじゃお父さんみたいになるよ。あんなふうになったらおしまいよ」そう言って母親は「勉強頑張りなさい」と繰り返すのだった>
https://news.yahoo.co.jp/articles/2bd5b3114a744b7e44c64e9b1459de1ab814f813
●褒められなかった子が現実逃避の末に手を染めてしまったモノとは?
しかし、小学6年生の担任はいい先生で、「ちょっとずつでいいんだよ」と努力を認めてくれます。努力が結果に結びつくとは限らないというのが現実の残酷さですが、このときは結果も出ました。どうしても2しかとれなかった国語が3になったのです。ところが、母親は、「3で喜んじゃいけない」「小学生のうちに国語ができるようになっておかないと中学で苦しむよ」とこの結果を褒めなかったのです。
<内心はほっとしているのだが、もっと頑張ってほしいという気持ちで厳しくあたるのだった。ナオトは心底がっかりした。頑張っても評価してもらえないんだと思い、それ以来コツコツ努力することをやめてしまった。
その後、高校はなんとか卒業したものの、何に対しても前向きな気持ちが起きない。先生に言われるままに機械メーカーに就職したが、3か月で離職。家にひきこもってゲームをする毎日だ。
母親は「だから勉強しろと言ってきたのに」「どうしようもないクズになった」などと叱責ばかりする>
記事は、<母親に「頑張りなさい」と言われ続けて育った男性が、現実逃避の末に手を染めてしまったモノとは>というタイトルでした。この手を染めてしまったモノとは「大麻」。ナオトは似たような状況の中学時代のゲーム仲間と再会して、「外国じゃ普通だし、副作用もないし。他はともかく、大麻は大丈夫」とハマってしまったそうです。
これは当然大麻にハマるのは良くないこと…という理解のもとで使われています。「そりゃそうだろ」と思うかもしれませんが、たぶん大麻推進派の方はこれを読んでお怒りでしょう。彼らはまさに「外国じゃ普通だし、副作用もないし。他はともかく、大麻は大丈夫」という主張。むしろ大麻を解禁し、本当に危険な薬物に手を出させないようにすることで、日本は良くなるといいます。
●大麻を規制することで余計問題増加って本当?データ的には…
2023/06/17追記:大麻解禁派による「大麻を規制することで余計問題増加」説。これが正しければ、大麻を使っている人が減る一方で、別の薬物や依存症が増える…ということが起きていそうな気がします。しかし、この前ニュースを見て驚いたのが、薬物依存が減る中、大麻だけ増えている…という逆の傾向だという話です。
データ的なものが見て確かめたいな…と思ったので検索。
若年層の「薬物犯罪」、大麻の乱用拡大が大問題...20歳未満検挙数、初の1000人台突入(鷲尾香一): J-CAST 会社ウォッチ(2022年07月21日)という記事を見ると、薬物依存全体の減少がある程度見えますし、大麻だけ増加というのも本当。「大麻を規制することで余計問題増加」説はしっくり来ません。
<発表によると、2021年の薬物事犯での検挙人数は1万4408人で、前年比159人(1.1%)減少した。
減少の要因はとしては、覚せい剤事犯の検挙人数が前年比684人(7.9%)減少し、8000人を割り込んで7970人となったことがある。覚せい剤事犯は、6年連続で減少している。
一方で検挙数の大幅な増加が続いているのが大麻事犯だ。大麻事犯は、前年比523人(9.9%)増加し、5783人となった。これは8年連続で増加し、過去最高となった>
< 前述の通り、薬物事犯全体は減少傾向にある中で、30歳未満の覚せい剤事犯は前年比42人(3.8%)増加し1156人となった。>
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