倒産に関する話をまとめ。<昔は世界一だったレナウンが新型コロナウイルスがとどめで倒産!>、<倒産したばかりのレナウンが今度は破産…どういうことなのか?>、<製造業で過去最大の倒産、パナソニックプラズマディスプレイ解散>、<タカタが過去最大記録を更新!戦後の製造業の大型倒産ランキング>などをまとめています。
2023/10/26:
一部見直し
【クイズ】「倒産」の意味として本当にあるものは?
(1)赤ん坊が逆子で生まれること。
(2)共産主義を打倒すること。
(3)故人の財産が残っていないこと。
●昔は世界一だったレナウンが新型コロナウイルスがとどめで倒産!
2020/05/19:私は名前を聞いたことある程度だったのですけど、
レナウン (企業) - Wikipediaによると、バブル崩壊後の1990年代までにはアパレルメーカーとしては世界最大の売上高を誇っていたという、昔はえらくすごかったらしいレナウンが倒産しました。負債総額は138億円。後述のランキングには全然載らないレベルですが、倒産関連でここに追記しています。
レナウンはその前から業績が悪かったものの、新型コロナウイルスがトドメの一発に。ここは中国企業に買われたものの、その購入した中国企業自体がダメになるなど、ボロクソな状態だったみたいですね。そのために、「新型コロナウイルスのせいじゃなくて中国企業のせい!」とのバッシングも目立っていました。
ただし、そもそもなぜ中国企業に買われたのか?というと、日本企業時代に盛大に失敗したがためであり、中国企業のせい説も微妙なところ。ダメな会社を買った会社もこれまたダメだった…と言った方がイメージに近いのかもしれません。以下、Wikipediaで、ポイントとなる部分を抜き出しておきます。
<バブル期の物流施設に対する大規模投資負担に加え、SPAの台頭や百貨店自体の低迷から、百貨店の平場売りを主体としていた販売手法は相対的にブランド力の低下を招き、またアーノルド・パーマーに続くブランド、特に若い女性向けのブランドが育たなかったことにより業績を大きく下げ苦境に陥った>
<レナウンは2013年(平成25年)4月、山東如意の親会社である済寧如意投資(後の北京如意時尚投資)を引き受け先に第三者割当増資を実施し、約29億円の出資を受けることを発表した。これは発表の翌月に実施され、これに伴ってレナウンは山東如意グループの連結子会社となる>
<しかし、激化した米中貿易戦争の影響により山東如意のグループ企業からの売掛金の回収が滞ったため、2019年12月期決算で約53億円の貸倒引当金を計上。さらに、新型コロナウイルスの影響による業績悪化で、子会社のレナウンエージェンシーは2020年(令和2年)5月15日に、東京地方裁判所にレナウンの民事再生法の適用を申立て、即日受理された>
●倒産したばかりのレナウンが今度は破産…どういうことなのか?
2020/11/03:その後、<アパレル大手「レナウン」破産開始決定へ 1か月後をめどに 2020年11月2日 16時25分 NHK>という記事が出ていました。「あれ、レナウンはすでに倒産していたのではないの?」と思うかもしれません。ただ、これ、「倒産」の定義的にはおかしくないのです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201102/k10012692291000.html
まず、2020年5月の時点でのレナウンは、民事再生法の適用を受けて裁判所が選んだ管財人のもとで再生手続きを進めていました。これは、いわゆる経営破綻の一種であり、「倒産」と同じ意味なのです。ところが、スポンサー探しは難航し、再生手続きも事実上不可能になります。
そこで、8月には、紳士服の「ダーバン」や「アクアスキュータム」など5つの主力ブランドを大阪のアパレル会社「小泉」のグループ企業に譲渡することを決め、会社を清算する方針に変更。そして、事業譲渡がほぼ完了して収益をあげることができなくなったため破産手続きに移行することになりました。
すでに10月30日付けで、東京地方裁判所から民事再生手続きの廃止決定を受けたということで、今後1か月後をめどに破産開始の決定を受ける見通しとなっています。いきなり破産しても「倒産」だったんですが、別の形である民事再生法適用の「倒産」を経ての破産ということになったんですね。
なお、これ以外に会社更生法適用の場合も倒産もしくは経営破綻と呼ばれます。ここらへんは本当ややこしいですよね…。
(NHKと
レナウンが破産へ 再生手続きの廃止を東京地裁が通知:朝日新聞デジタルより)
●製造業で過去最大の倒産、パナソニックプラズマディスプレイ解散
2016/11/1:2000年7月に設立された、プラズマディスプレイ関連製品の製造業者パナソニックプラズマディスプレイが、解散しました。それほど大きいニュースでになっていないものの、“製造業で過去最大の倒産”とのことです。
パナソニックプラズマディスプレイは、「ビエラ」ブランドのプラズマディスプレイを製造。2009年3月期には年売上高約3137億1400万円を計上するなど、調子が良かったときもありました。
ところが、液晶テレビとの競争激化などによって、業績が悪化。2014年3月には、事業を停止。負債は約5000億円になり、倒産することになってしまいました。
(
パナソニックプラズマディスプレイが倒産 負債5000億円 「ビエラ」ブランドのテレビ製造 ねとらぼ 10/31(月) 18:31配信 より)
●プラズマは液晶よりすごいのに!ネットでは倒産を惜しむ声が続出
はてなブックマーク - パナソニックプラズマディスプレイ株式会社|倒産速報 | 株式会社 帝国データバンク[TDB]では、プラズマが好き!といった感じの惜しむ声が多かったです。
ただ、技術があるから売れるってわけじゃないですからね。利益が充分でないからこうなりました。最近の日本企業のパターンであり、努力する方向性を間違えています。
はてなブックマークでは、他にエコポイントや地デジ政策を非難する声も見られました。
kenchan3 技術的には液晶が勝ったけど、経営的には日本の家電が全滅だから。 ほんとエコポイントや、地デジは税金使って弱電死滅させるクソな政策だったな。 2016/10/31
なぜエコポイントが悪かったのかの説明はなく、この方の意図はわかりません。うちの場合は、以下のあたりでエコポイントを批判してきました。良いように見えて実は悪い愚策だとは思います。
■
エコポイントとエコカー減税は失敗 需要の先食い・バラマキ・成長産業潰し ■
補助金・寄付に頼る危険性 途切れると速やかに破綻 文楽、エコカー・エコポイント、公共事業●やっぱりマスコミは馬鹿!「特別清算」なので「倒産」とは違う?
ツイッターあたりの反応を見ていると、「特別清算」なので「倒産」とは違う、マスコミは馬鹿だ…と主張している人もいました。ただ、倒産はもともと曖昧な定義であり、間違いとも言いきれないでしょう。以下の説明なんか見ても、「倒産のイメージが薄い」という説明に留まっていました。
<特別清算の特徴
4. 倒産のイメージが薄いこと
特別清算は、破産同様清算型の手続であるにもかかわらず、特別清算は会社を整理したイメージで受け止められ、「倒産」というイメージが少ないと言われています>
(
特別清算について:事業再生についての情報サイト 『よくわかる事業再生』より)
ここらへんからの連想で、クイズは
会社更生法と民事再生法の違い・経営破綻と倒産の違いの使い回しです。倒産関連の言葉選びは難しいですね。
【クイズ】「倒産」の意味として本当にあるものは?
(1)赤ん坊が逆子で生まれること。
(2)共産主義を打倒すること。
(3)故人の財産が残っていないこと。
【答え】(1)赤ん坊が逆子で生まれること。
●タカタが過去最大記録を更新!戦後の製造業の大型倒産ランキング
2017/06/26:申請済みという話ではないものの、"エアバッグの異常破裂を引き起こし、最大1億個ともいわれるリコールに直面したタカタが民事再生法の適用申請に向けて準備していること"が報じられています。倒産したとみなしても良さそうです。(6/28追記:これを書いた26日中に実際に申請、受理されました)
また、"負債は1兆円の大台を超え、製造業としては戦後最大の倒産となる見込み"ということで、パナソニックプラズマディスプレイが作った新記録を早くも更新。短い王座でした。
(
製造業では戦後最大の倒産か タカタ民事再生法申請へ | データ・マックス NETIB-NEWS 2017年06月16日 16:11より )
これを受けて、早速東京商工リサーチが『製造業の負債総額ランキング』を発表していました。ただ、結局タカタをまだ含まないものみたいで、パナソニックプラズマディスプレイの5000億円がトップ。
一方、"6月12日に公表されたタカタの「定時株主総会招集通知」によると、2017年3月期決算の負債総額(連結ベース)は3978億1200万円だが、自動車メーカー各社が負担しているリコール費用を債務に含めると、負債総額は1兆円を上回る見通し"とのことで、タカタはパナソニックプラズマディスプレイの倍程度となるみたいです。
【製造業の大型倒産】(2017年6月15日現在/左から、順位、倒産発生年月、商号、負債総額<百万円>)
1/201611/パナソニックプラズマディスプレイ/500,000
2/201202/エルピーダメモリ/448,033/
3/200311/都築紡績/241,829/
4/200111/新潟鐵工所/227,000
5/199808/三田工業/205,678/
6/197508/興人/150,000
7/197802/永大産業/135,000
8/201102/林原/132,271
9/199804/アサヒコーポレーション/130,000
10/198407/リッカー/110,000/
(
倒産企業の負債総額ランキング10…タカタ、総額1兆円超で戦後製造業最大 Business Journal / 2017年6月20日 6時0分より)
また、製造業に限らない大型倒産ランキングだと、タカタは8位か9位あたりになりそうでした。
【戦後の大型倒産】(2017年6月15日現在/左から、順位、倒産発生年月、商号、負債総額<百万円>)
1/200010/協栄生命保険/4,529,693
2/200809/リーマン・ブラザーズ証券/3,431,400
3/200010/千代田生命保険/2,936,600
4/199809/日本リース/2,180,300
5/200109/マイカル/1,600,000
6/201001日本航空インターナショナル/1,527,919
7/199701/クラウンリーシング/1,187,400/
8/199610/日榮ファイナンス/1,000,000/
9/200103/東京生命保険/980,200/
10/200005/ライフ//966,300
●自動車メーカーがタカタを潰すはずがないという予想もあったが…
あと、タカタの話を探していたら、「潰れない」とおっしゃっている方がいました。タカタの債務整理(民事再生などを含めた広い言い方)するというのは、自動車メーカーに以下のようなデメリットがあり、"百害あって一利なし"という主張だったようです。
・リコール費用をタカタに代わってすべて負担することになる
・世界シェア2位のエアバッグの供給元がなくなる
・米国安全局の矛先が自動車メーカーに向かう
(
リコール費用が1兆円でも経営破綻寸前のタカタが潰れない理由 - サラリーマン投資家より)
実際にはこの予想が外れてしまったものの、タカタとの取引が極端に多かったホンダにとって頭が痛いことだというのは事実だと思われます。
【本文中でリンクした投稿】
■
エコポイントとエコカー減税は失敗 需要の先食い・バラマキ・成長産業潰し ■
補助金・寄付に頼る危険性 途切れると速やかに破綻 文楽、エコカー・エコポイント、公共事業 ■
会社更生法と民事再生法の違い・経営破綻と倒産の違い【その他関連投稿】
■
倒産しない企業ランキング トヨタ,日産,ソニー,パナソニック,東芝など ■
マネーの虎の南原竜樹氏、借金100億円から年商100億円へ大復活 ■
ゴーイングコンサーン注記は倒産の予兆?注意が必要な企業たち ■
元マネーの虎の川原浩史、ラーメン屋閉店後は催眠術をして食いつなぐ ■
白元・鎌田真の経歴と派手な交友関係 神田うの,松本志のぶ,妻も美魔女など ■
企業・会社・組織についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|