【クイズ】10月に行われたは産経新聞社とFNNの合同世論調査で、「今の陛下に限り、『生前退位』できるようにすべきだ」は何%だった?
(1)4.2%
(2)24.5%
(3)69.6%
●「譲位」より「生前退位」の方が適切な理由
先に前置き。「生前退位」という言葉が変だという話もありますが、うちは当面これをそのまま使います。理由は以下のような感じです。
(1)「生前退位」という言葉が過去になかったのは、以前は譲位が普通に可能だったため。
(2)「譲位」という言葉は、天皇陛下が主体的に天皇の位を譲るニュアンスが強く憲法上の問題になりやすいため。
マスコミ各社が「譲位」に変えてきたらうちでも変えますが、「生前退位」という言葉は苦肉の策で創作されたものだと思っていたので、悪気のある造語ではないでしょう。
●天皇陛下はちょっとおかしい 平川祐弘名誉教授、自作自演の生前退位の理屈を批判
では、本題。
平川祐弘東大名誉教授の発言のまとめ方は各社異なりますが、基本的な主張としては、天皇陛下が生前退位が必要だとする理由はいわば自作自演で作り出されたものであり、「その理屈はちょっとおかしい」というものでした。
「ご自分で、定義・拡大した役割を果たせないからというのを、絶対的条件として、それを果たせないときは、退位したいというのは、そのお考えは、ちょっとおかしいんじゃないかと」(フジテレビ)
「ご自分で拡大された役割を絶対的条件にして、それを果たせないときは退位したいというのは、ちょっとおかしい」(時事ドットコム)
www.fnn-news.com: 「生前退位」有識者会... 11/08 04:48
保守系、天皇退位に異論=政府はプロセス重視-専門家聴取:時事ドットコム(2016/11/07-21:11)
●安倍政権に近い保守派はみな生前退位に反対
以前から書いているように、保守派ほど生前退位に猛烈に反対しています。
■
なぜ?安倍首相に近い保守派は天皇の生前退位に反対 産経新聞も否定的だった ■
宮内庁長官、異例の交代 安倍官邸が天皇陛下の生前退位に反対のためか? 時事ドットコムによれば、"特に平川、渡部両氏からの意見聴取は安倍晋三首相が希望した"ということで、上記の平川祐弘名誉教授も安倍首相がわざわざ指名した方だそうです。
「渡部」というのは、この後ヒアリングが予定されている渡部昇一さんのこと。今回のもう一人の反対者・大原康男国学院大名誉教授も保守派であり、安倍政権はかなり意識して生前退位反対派を呼んでいる感じでした。
反対を表明したのは平川祐弘東大名誉教授と大原康男国学院大名誉教授。(中略)
大原氏も「(天皇は)ご存在の継続そのものが『国民統合』の要」と同趣旨の論を展開。高齢化社会と象徴天皇制を「調和」させる試案として、現行の摂政制度の要件に「高齢」を加えることを提案した。
残り2回のヒアリングでも、退位に慎重な識者が控える。14日の渡部昇一上智大名誉教授、ジャーナリストの櫻井よしこ氏、30日の八木秀次麗沢大教授、百地章国士舘大院客員教授と、保守論壇で名の知れた面々だ。
●生前退位反対派は実際にどれくらいいるのか?
以前記者の方が自己反省的に書いていたのが、「両論併記の罠」です。新聞記者は偏らぬように両論併記を心がけるように習い、それが身についているものの、これがかえって中立でない場合があるという反省です。
例えば、疑似科学ですとか、トンデモですとかで、99.9%の学者が賛同していないときに、その背景を伝えずに0.1%のトンデモ学者の意見を載せて両論併記にしてしまうと、読者は意見が拮抗しているかのように誤解してしまいます。
政府関係者は「議論をまとめるには、一家言ある人たちの発言の機会をきちんと設けたプロセスが必要」としていました。ただ、今回の件も、有識者でどれくらいの賛成・反対があるのかがよくわからないと感じます。
有識者の意見ではなく、国民の意見ですので参考にはなりませんが、とりあえず、国民の場合は諸手を上げて賛成。産経新聞の調査でもそうなっていました。
(以下、FNNがとしていますが、実際には産経新聞社とFNNの合同世論調査であり、産経新聞報道ではそう書かれています)
www.fnn-news.com: 「生前退位」 議論の結論急ぐべきとの答え56.5% FNN世論調査 10/17 15:33
「生前退位」などに関する議論の結論を急ぐべきだとの回答が、多数を占めた。(中略)
「生前退位」について尋ねたところ、「今の陛下に限り、『生前退位』できるようにすべきだ」が、9月より、わずかに増えて、2割台半ば(24.5%)、「今後の全ての天皇が『生前退位』できるようにすべきだ」が、9月よりわずかに減って、7割未満(69.6%)、「生前退位を認めるべきではない」は、1割に満たない結果(4.2%)だった。
【クイズ】10月に行われたは産経新聞社とFNNの合同世論調査で、「今の陛下に限り、『生前退位』できるようにすべきだ」は何%だった?
(1)4.2%
(2)24.5%
(3)69.6%
【答え】(2)24.5%
ただ、上記の書き方も涙ぐましい努力の跡が見えますね。
まず、生前退位そのものを聞いた調査結果はサブ扱いで、 議論の結論急ぐべきかどうかをメインにしています。
そして、生前退位そのものについても、単純な賛成・反対でなく、「今の陛下に限り」と「今後の全ての天皇が」に分けて分散化させました。
さらにこの二つの選択肢でも多くを占めた「今後の全ての天皇が」を後に持って行って、24.5%の「今の陛下に限り」を最初に紹介しています。こうやって小さな数字を見せると、意外に少ないなと印象付けられます。
で、最後が「4.2%」と5%未満でしかない「認めるべきではない」を「1割に満たない」と紹介し、少しでも多く見せかけるような工作が行われています。
本当、生前退位が嫌で嫌で仕方ないんでしょうね。
【本文中でリンクした投稿】
■
なぜ?安倍首相に近い保守派は天皇の生前退位に反対 産経新聞も否定的だった ■
宮内庁長官、異例の交代 安倍官邸が天皇陛下の生前退位に反対のためか?【その他関連投稿】
■
天皇不敬による保守派の仲違い 右翼団体が雑誌WiLLに激怒でテロ行為 ■
左翼のイメージ 異常者の集まり・危険・人間のクズ・攻撃的・すぐ虐殺 ■
岩田温が無知晒す 党名募集はおかしい→自民党も公募で大喜利になっていた ■
政治・政策・政党・政治家についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|