ウナギの代用として近畿大が研究しているナマズの話について、書いていました。(2016/11/12)
これに代用ウナギ関連ということで、以前別のところで書いていた"うなぎ不足でアフリカ産、ナス、豆腐、和菓子など代用ウナギが続々"(2013/7/10)をまとめています。
●近大ナマズがウナギ味じゃなくてサンマ味というのは誤解?
2016/11/12:イオンの試験販売のレポートでは、サンマ度80%・ウナギ度20%で「サンマの蒲焼き味のナマズ」といった批判が寄せられた近大ナマズ。
近大世界経済研究所の有路昌彦教授の説明によると、こういった感想になっちゃうのはわかるものの、これは"店頭で調理したものではない『調製品』"だからとのこと。冷凍の有無で大きく味が異なるんだそうです。
「これは、店頭で調理したものではない『調製品』に対する声ですね。現段階の調製品は原料に2回の冷凍処理が入るので、今の処理だとコラーゲンが崩れてしまい、そのため弾力が不足してしまっています。逆に、冷凍処理をしていない生のナマズを使った店頭調理はコラーゲンが崩れないため、お客様の7割が良好な反応でした。現段階の調製品には、やはり否定的な意見も多くあると思いますが、冷凍処理が1回になるように工程を開発中です」(有路昌彦教授)
(
「バカ高いウナギ」味のナマズの蒲焼きに絶賛の嵐!5百円で普及の可能性、開発7年間の死闘 Business Journal / 2016年10月5日 6時0分 青柳直弥より)
●ウナギの代用探しで魚を食いまくり
このウナギ味ナマズですが、有路教授によると、最初からナマズありきではなかったようです。
"いろいろな淡水魚を川や湖で獲ったり全国の養殖業者から取り寄せたりして、蒲焼きにして食べて"みたところ、"唯一ウナギの代わりになりそうだったのがナマズだった"というわけ。
"また、ウナギ養殖業者が新たな設備投資を行わずに済むように、従来の施設をそのまま流用できる""「温水性の淡水魚」で皮にウロコのない"という点も、最適だったそうです。
当然、ナマズそのままではなく、ウナギに寄せる努力もされています。餌の工夫です。
「ナマズをウナギの味に近づけるために、さまざまな試行錯誤を繰り返しました。もっとも苦労したのは、エサの配合です。魚種を変えるにはエサの開発が必要ですが、最初から専用のエサをつくると高コストになります。そこで、既存の配合飼料300種類のなかから成分の組み立てで7種類を選び、ナマズの成長に合わせて組み合わせを最適化させたのです。その作業が非常に困難でした。ナマズのにおいの原因を突き止めるため、あえてにおいがきつい天然ナマズの試食も繰り返しました」(同)
●絶滅危機の魚を食べまくる日本人
このような「『ウナギ味のナマズ』の研究に着手したのは、09年にウナギ養殖業者らの会合で『ウナギの代わりになる魚はいませんか?』と相談されたことがきっかけ」だったとのこと。
うちでは何度も書いているように、ウナギが減ったのは日本人が食い過ぎているためです。
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うなぎ・マグロ不足は食べ過ぎだから 稚魚まで獲るから当然減る 「極端にいうと」とのことですけど、「今ニホンウナギを食べることは、国の特別天然記念物に指定されているコウノトリを食べるのと同じ」と有路教授も説明されていました。
日本人は外国のせいばかりにしていないで、少しは我が身を省みるべきでしょう。
●ウナギ不足でアフリカ産ウナギを初輸入
2013/7/10:ここからもっと昔に別の投稿で書いていた話。ウナギ不足のせいで、様々な代用ウナギが検討されています。その中では、アフリカ産ウナギの輸入というのは正攻法でしょうね。
このウナギの輸入を始めたのは、ウナギで有名な浜松市にある商社。"ウナギ高騰、アフリカ産が救う…初の本格輸入(2012年7月8日11時02分 読売新聞)"という記事によると、意外なこおtに食用として本格的に輸入されるのは初めてだと、日本鰻輸入組合が説明していました。
ウナギ不足で相談を受け、仕入れ先を探していたこの商社は、欧州向けに「アンギラ・モザンビカ」を養殖しているアフリカ・マダガスカルに注目。日本で一般的に消費されている「アンギラ・ジャポニカ」と種類は異なるが、フランス料理でよく使われ、味も似ているためにこの種が選択されたそうです。
リンク切れ
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120707-OYT1T00507.htm?from=main3
この記事は2013年時点で1年前のものでしたが、これっきりで、話題にならず。追記している2017年時点でも、全然聞きません。他の代用ウナギに比べると有望そうなんですけどね。
●ナス、豆腐、和菓子など代用ウナギが続々
で、以下、その他の代用ウナギ(?)なのですが、もう既に魚ですらなくなっています。
うなぎ高騰で“ナス重”人気 7月26日 17時47分
うなぎが高騰するなか、群馬県太田市の食堂では、焼いたナスをうなぎそっくりの味付けにした「ナスのかば焼き重」が人気を集めています。
群馬県太田市の食堂では、メニューの1つに4年前から地元で採れたナスを使った「ナスのかば焼き重」を出しています。
皮をむいて蒸したナスに甘辛いたれをつけながら鉄板でふっくらと焼き上げたもので、ご飯の上に載せるとうなぎのかば焼きと似た味覚を楽しめると人気を集めています。
価格は600円と、高騰を続けるうなぎと比べて安いこともあって、口コミで人気が広がり最近は1日に30食を売り上げるということです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120726/t10013876971000.html
いや、結構高いですよ、600円って…。4年前からですからわりと前からあるんですね。それにしても、味まで似ているっていうんですから、不思議。一度食べてみたいです。
そして、ナスの次は豆腐と和菓子がいっしょに出ていた記事でした。
そっくりうなぎの中身は? 「本物」高騰で続々登場
2012.7.24 16:57
ウナギ価格が高騰する中、食感や外見をウナギのかば焼きに似せた食品やスイーツが登場している。本物志向が売りで、「土用の丑の日」を前に、雰囲気だけでも味わいたいという庶民の人気を呼びそうだ。
金沢市の食品開発会社「日本海藻食品研究所」が開発した“ウナギ”は、おからと豆腐、スケトウダラのすり身を混ぜたペーストを型に流し込み、オーブンで「身」を焼き上げた。「ウナギは高級品で手が届かない」という取引先の声に応えようと平成19年から研究を始め、今月初旬に完成した。
名古屋市の和菓子店「小ざくらや一清」が作ったのは、見た目がうな重そっくりの和菓子。かば焼き部分は、こしあん入りのまんじゅうを伸ばした。本物のかば焼きから取った型を使い、皮表面の細かいしわまで再現。バーナーであぶって焼き目をつけ、たれはみたらし風だ。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120724/trd12072416580015-n1.htm
必要は発明の母、皆さんいろいろと工夫していますね。
【本文中でリンクした投稿】
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