【クイズ】月に関する説明で正しいものはどれでしょう?
(1)ギリシア神話の月の女神はテイアで、ローマ神話ではルナである。
(2)月は以前はもっと地球より遠いところを回っており、今もなお地球に近づいている。
(3)月は地球と月の元となった大きな天体が激突した結果形成されたとされる説が有力である。
●1年で最も月が近づくスーパームーン、今年は特にすごかった
スーパームーンの日は曇りで見えなかったんですが、まあ1日でそんな動かんだろうってことで、翌日に月を眺めていました。
今夜「スーパームーン」 最も大きく満月が見える | NHKニュース 11月14日 5時43分
月は地球の周りを、ややだ円になった軌道で回っているため、月と地球はおよそ27日周期で近づいたり遠ざかったりしています。このため、満月の見かけの大きさは1年を通して変化していて、その中でも特に大きく明るい満月は、天文学の用語ではありませんが、一般に広く「スーパームーン」と呼ばれて親しまれています。
国立天文台によりますと、14日は、およそ27日に1度、月と地球が近づく日で、さらにその距離は、ことし1年で最も短いおよそ35万6500キロになるということです。これは、月と地球の平均距離のおよそ38万4400キロより2万7000キロ余り短くなります。また14日は、およそ1か月に1度、地球から見て月と太陽がちょうど逆の方向に来る日で、「満月」となります。こうした条件が重なることから、14日夜の月はことし1年で最も大きな満月になるということです。
14日夜の満月を、ことし最も小さな満月となった4月22日と比べると、見かけの直径はおよそ1.14倍になり、見かけの面積と明るさはいずれもおよそ1.3倍になります。
●地平線に近いとき月や太陽が大きく見える
ただ、月を見ていて、何か全然大したことないなと思いました。子供の頃、月が大きすぎて気持ち悪い、怖いと思ったことが何度かあるんですが、そのときの方がずっと大きいと感じていました。
私が以前見たというのは障害物の少ない北海道時代のもの。一方、今回は面倒くさくてそのままベランダからでしたので、マンションなどが邪魔で月が高くまで昇らないと見えません。
で、今回小さいと感じたのは、おそらく当時は地平線に比較的近いところにある月を見たからだろうと予想しました。月だけでなく、太陽においても地平線に近い方が大きく見えることが知られているためです。(ただし、太陽を直接見るのは危ないのでやめましょう)
地平の月と真上の月は,なぜ大きさが違って見えるか? 日本心理学会(すずき こうたろう 新潟大学人文学部教授。専門は,実験心理学 2004年10月15日刊行)によると、これは「月の錯視」と言うそうです。また、月だけでなく、太陽でも星座でも起こるので、「天体錯視」とも呼ばれているとのこと。
"昔,「子ども電話相談室」で,この疑問が小学生から出されて,天文学の先生が,月は地球のまわりを楕円軌道を描いてまわっているからだと解説したこと"があるそうです。
●実際には月は大きくなっていない
ただ、「錯視」と言われているように、実はこれ錯覚です。ですから、「子ども電話相談室」の先生すら間違っていたということです。
言われてみればそりゃそうだとわかるのですが、"距離は南中時のほうが月に近いですから、むしろ地平線上の月は若干小さくなります"。(ここから
暦Wiki/月の出入りと南中/地平線近くの月は大きい? - 国立天文台暦計算室より)
とはいえ、微妙な違いですので、そこまで変わるわけではありません。"写真に写してみれば、地平線付近と南中時で大きさはほとんど変わっていないことがわかります"とあるように、変化なしが正しいと思われます。
●月の錯視・天体錯視が起きる理由は?
問題はこの理由なのですけど、実を言うとまだよくわかっていないのだそうです。
国立天文台暦計算室では、まず、"地平線近くの月は大気による散乱の影響で赤く見えます。「赤くて大きい」がゆえに印象も強くなるようです"といった書き方をしていました。
ところが、その後、"原因については古くからさまざまな説が唱えられていますが、それぞれ欠点があり決定打はないようです"とあります。未だ未解明なのです。
本質的には、網膜に映った像を脳がどう認識するかという問題です。
- どのくらい大きく見えるかには個人差があります。設定条件によっても左右され、なかなか定量的な議論は難しいといえます。
- Murrayらによれば、脳どころか、既に1次視覚皮質 (視覚野) という初期段階において視直径の誤認が生じているようです。
●言うほどすごくない今年のスーパームーン
あと、さっき出てきた高いところと地平線近くでの距離は微妙な違いと書いたのですが、何かそれ以上に今年のスーパームーンと去年との差は大したことないって話もNHKでありました。見逃した方もそう悔しがらなくて大丈夫そうです。
14日夜の満月は、満月としては、昭和23年1月におよそ35万6490キロまで接近して以来、68年ぶりの近さとなります。
ただ、国立天文台によりますと、14日夜のような満月の接近は、毎年のように起きていて、例えば、去年最も大きな満月となった9月28日は、およそ35万6880キロまで近づき、今回との差はわずか360キロほどだということです。
一方、地上にいる私たちと月との距離は、地球の自転によって、一日中大きく変化し続けていて、東の空から昇り始めたときより、南の空に来たときのほうが、およそ6000キロ近づくことになるということです。
このため、国立天文台では「去年最も大きかった満月」と「68年ぶりの近さとなる今夜の満月」とでは、見かけの月の大きさにはほとんど違いがないくらい、わずかな距離の差しかないとしています。
●月に関する不思議な話
クイズの選択肢は以下二つからの出題。
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なぜ月は地球から遠ざかっているのか ■
月は地球に衝突していた!月の起源を語るジャイアント・インパクト説【クイズ】月に関する説明で正しいものはどれでしょう?
(1)ギリシア神話の月の女神はテイアで、ローマ神話ではルナである。
(2)月は以前はもっと地球より遠いところを回っており、今もなお地球に近づいている。
(3)月は地球と月の元となった大きな天体が激突した結果形成されたとされる説が有力である。
【答え】(3)月は地球と月の元となった大きな天体が激突した結果形成されたとされる説が有力である。
月は地球と月の元となった大きな天体が激突した結果形成されたとされる説が有力であり、ぶつかる前の天体の名はテイアといいます。テイアは、ギリシア神話の月の女神セレネの母であるためです。
また、衝突直後は月はもっと地球の近くを回っていたものの、次第に遠ざかって今の軌道になっています。そして、今でもなお少しずつ遠ざかっていることがわかっています。
正直私はあんまり天体系の話は全然好きじゃないのですが、それでもここらへんの話はおもしろいと思いますので、きっと興味を持てる方も多いんじゃないでしょうか? 良かったらこれらも読んでみてください。
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