【クイズ】ソニーがiPodを開発できなかった理由として、カニバリズムが挙げられることがあります。このカニバリズムの意味として正しいものはどれでしょう?
(1)自前主義
(2)食人、共食い
(3)楽天、楽観
(2016/11/20追記:最初、iPhoneと書いていましたが、iPodの間違いだと気づいて訂正しました。申し訳ありません。以下も同様です)
●AI(人工知能)の発達する未来は暗い?明るい?
国立情報学研究所で人工知能(AI)の研究を続けてきた新井紀子教授の朝日新聞への寄稿。最初読んだときは取り上げるつもりはなかったものの、なかなかおもしろいかな?と思い直して引っ張り出してきました。
AIが東大に入る日が来たら 「東ロボくん」挑戦の意味:朝日新聞デジタル(2016年11月14日18時41分)
これまで多くの高校で、東ロボくんについて講演してきたという新井教授。そういった講演での冒頭の言葉は決まっています。
「あなたは2021年に人工知能(AI)は東大に入れるようになると思いますか?」
この質問には、8割以上の生徒が「入れるようになる」と答えるそうです。
ただ、この時点では前向きなもので、悲壮感はありません。みんな笑顔で、中には囲碁のチャンピオンにAIが勝った、といった知識を披露してみせる生徒もいるそうです。
●高校生を奈落の底に突き落とす質問
しかし、そんな彼らの表情を凍りつかせるとっておきの質問も、新井教授は用意しています。
「そのAIが社会で働くようになったとき、あなたは何をして働きますか?どうやってお金を手に入れますか?」
こう言うと、会場に動揺が走ります。マイクを向けると「…ゴミ拾い、とか?」と絞り出すような声を出す生徒もいるとのこと。
私も咄嗟に何と言って良いか困るだろうとは思うものの、ここでゴミ拾いが出てくるというのは何か複雑な気分になりますね。うまく言い表すことができないですし、何に引っかかるか説明できないものの、うーんと思ってしまいます。
まあ、マジな話、技術的にもなぜゴミ拾いか?と思いますね。こういう物理的な作業はむしろ従来型のロボットの延長線です。
ゴミかどうかの認識はAI的なものが必要そうですが、絶対に人間じゃなくちゃいけない仕事の代表例でもないでしょう。
それから、ロボット掃除機が普及して全く珍しくなくなった時期だというのも、不思議です。イメージ的には、むしろすぐにでもロボットに代替されそうな分野でしょう。
まあ、高校生にそんなことを言うのは酷ですし、前述の通り、私もその場で言われたら言葉に詰まったと思います。
●生徒「なぜ仕事を奪う研究を?」
ゴミ拾いで引っ張りすぎちゃいましたが、とにかく先の質問で場の空気は一変。さらに新井教授はAIに仕事を奪われるという予測について説明して、追い打ちをかけます。
うちでも何度も紹介しているように、多くの仕事がAIに取って代わられることが予想されています。こういった説明をすると、「なぜ、私たちの仕事を奪うかもしれないAIの研究をするのですか」と生徒から責められたそうです。
幼い…と思うかもしれませんが、私はこれはむしろ本質的でおもしろい質問だと思いました。
●AI研究者を責める 新井紀子教授の回答は?
これに対する新井教授の回答は、「私がやめても、世界の企業や研究者はAIの研究をやめはしない。ならば、AIの可能性と限界をきちんと見極めて、対策を取ろうではないか」というものです。
私はこの話で、カニバリズムのことを思い出してクイズにしました。
【クイズ】ソニーがiPodを開発できなかった理由として、カニバリズムが挙げられることがあります。このカニバリズムの意味として正しいものはどれでしょう?
(1)自前主義
(2)食人、共食い
(3)楽天、楽観
【答え】(2)食人、共食い
マーケティングにおいてカニバリズムと言う場合は、自社の製品やブランド同士が一つの市場で競合する場合などを言います。
ソニーのiPodの例というのは、技術的には可能であったものの、自社にミュージシャンも抱えていたソニーは彼らに影響を与えるiPodのようなものは思いついても作れなかっただろう…といった話です。
ただ、こういった場合、共食いを恐れてはいけません。いつか誰かがやるのですから、自分たちがやらなければ後手に回って敗者になるだけなのです。
同様に新井教授がAIを研究しなければ問題が解決するというわけではありません。実際、むしろ日本は遅れている分野ですからね。
●AIの弱点と人間との違い
さて、新井教授の「AIの可能性と限界をきちんと見極めて、対策を取ろうではないか」という回答だったわけですが、新井教授はAIへの対策を見つけることができたのか?というのが気になるところです。
難しいだろう…と思うところなのですが、実は既に新井教授は答えを見つけていました! 意外ですね。
そもそもこの記事の最初の方で新井教授は「現状の技術の延長線上では、AIが東京大学に合格する日は永遠に来ないだろう」と書いていました。新井教授の研究しているAIには弱点があったのです。
それは彼らAIが「まるで意味がわかっていない」ということでした。
問題を解いても、会話をしても、珍しい白血病を言い当てても、意味はわかっていない。逆に言えば、意味を理解しなくてもできてしまう仕事は、遠からずAIに奪われる。私は次のように講演を締めくくる。
「だから、みなさんは、どうか『意味』を理解する人になってください。それが『ロボットは東大に入れるか』を通じてわかった、AIによって不幸にならない唯一の道だから」。
ただ、これだけ読んでも、具体的なイメージが湧かないと思うのですよ。
このAIの弱点「AIは意味がわかっていない」の意味としては、他の記事の方がわかりやすかったので別に紹介します。 →
浪人してた東ロボくん、東大を諦める AIの弱点と人間との違い2016/11/20追記:
人間にしかできないことは読解力…のはずがAIより悪い中高生たち 実は大人の読解力も怪しい?も関連。
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