明治おいしい牛乳は他の牛乳より高い価格設定。しかも、900mLと一般的な牛乳よりも量が少ないため、イメージよりさらに高い価格になっています。ただ、牛乳市場でのシェアは日本一であり、2位とも大差をつけています。これは製法に特徴があるためとされていましたが、900mLにしたのも他社との差別化した結果だという説明でした。
【クイズ】ペットボトルの牛乳が普及していない理由として考えられるものとして、正しいものはどれでしょう?
(1)牛乳は雑菌が繁殖しやすく、消費者に届くまでに傷んでしまうため。
(2)技術的には可能だが法律で禁止されているため。
(3)他のペットボトル飲料のように持ち歩くなど、不適切な飲み方をされるおそれがあるため。
●値段230円とバカ高い明治おいしい牛乳、シェアNO.1で2位に圧勝
2016/11/20:高い牛乳は買わないので飲んだことないのですが、明治おいしい牛乳がたいへん売れているのだそうな。しかも、値段がめちゃくちゃ高いのに、2位に大差をつけての1位だというから驚きです。このうち、まず、シェアの話から先に。シェアの1位、2位を値段を見てみましょう。
「明治おいしい牛乳」230円 (1.46倍)
「森永まきばの空」158円
1.46倍ですからほぼ1.5倍というお値段。高すぎです。牛乳全体の平均価格が177円だと言いますので、「森永まきばの空」が異常に安いわけではありません。やはり「明治おいしい牛乳」が異常に高いのです。ところが、シェアが以下のような感じで、ダントツに明治おいしい牛乳が売れているのです。
「明治おいしい牛乳」8.4% (1.79倍)
「森永まきばの空」4.7%
シェア8%という数字だけ見ると大したことない気もしますが、牛乳は地域ごとのブランドも多いですからね。2位との比較が1.79倍ですからほぼ1.8倍。2倍近い差をつけての1位は、やはり驚きがあります。
(
明治おいしい牛乳、高くてもバカ売れの秘密…価格据え置きで量1割減、飽くなき革新追求 Business Journal / 2016年11月19日 6時0分 大崎孝徳/名城大学経営学部教授より)
●実は1.5倍どころではない価格差 「明治おいしい牛乳」が900mLになった理由
また、価格はほぼ1.5倍と書いたものの、実は容量が異なるんだそうな。普通の牛乳は1リットルなのに、「明治おいしい牛乳」は900ミリリットルなのです。ですから、1リットル当たりで考えると、「明治おいしい牛乳」の価格はさらに上がり、256円になります。「森永まきばの空」との差もさらに開き、1.6倍となりました。
「明治おいしい牛乳」256円/L (1.62倍)
「森永まきばの空」158円/L
この「明治おいしい牛乳」の容量が減った理由は、類似商品との差別化のためと説明されていました。これにはまずなぜ「明治おいしい牛乳」が特別だったのか、シェアを伸ばせたのかといった話をしなくてはいけません。
「明治おいしい牛乳」のおいしさの秘密は、特許を取得している「ナチュラルテイスト製法」だそうです。一般の牛乳には加熱殺菌が義務付けられているのですが、実はこれがおいしさを奪っています。酸素が牛乳中の成分を酸化させ、本来の風味を損なってしまうためです。
ナチュラルテイスト製法の場合何が違うのか?と言うと、加熱前に酸素の一部を取り除くことにより、加熱時の酸化を防ぎ、生乳本来の風味が保たれるとのこと。このおかげで売れた「明治おいしい牛乳」の後に続け…と、他社から模倣商品が発売されました。明治はこれに対抗して、以下のような差別化をはかります。
・容器をキャップ付きに変更。子供や高齢者でも開けやすくする。
・運びやすさを考慮し、横幅を狭くする工夫。
・光を通しにくくするためにパッケージの原紙を厚くし、特別にコーティング。
で、このパッケージ変更のコスト増を価格に転嫁するのではなく、容量を減らすことで対応したという解説でした。これは正直うまくいかないことも多い判断ですが、値上げ後でもシェアが圧倒的なトップであることを考えると、消費者に受け入れられたってことでしょうね。
ただ、本来でしたら類似商品を出されないように、特許などで防衛する方が良いです。というか、前述の通り、「ナチュラルテイスト製法」そのものは特許を取っているということですから、特許の範囲が狭すぎて防衛に使えなかった感じですかね。結局、他社でも似たような牛乳を作ることができたようです。
画期的な商品を作ってもすぐに真似されて恩恵が少なくなりがち…というのは望ましくないですし、その代償が消費者に来てしまうってのもまた残念ですね。
●売っていないペットボトルの牛乳…安全性がなく危険って本当?
クイズは、容器をキャップ付きに変更したという話から連想して、
ペットボトルの牛乳がない理由 危険で不可能なわけではないから。ペットボトルが使われない理由はいくつか出ていました。ただ、法的にも技術的にも可能であるものの、衛生面で問題ある飲み方をされる危険性が高いためという説明が一番スッキリしています。
【クイズ】ペットボトルの牛乳が普及していない理由として考えられるものとして、正しいものはどれでしょう?
(1)牛乳は雑菌が繁殖しやすく、消費者に届くまでに傷んでしまうため。
(2)技術的には可能だが法律で禁止されているため。
(3)他のペットボトル飲料のように持ち歩くなど、不適切な飲み方をされるおそれがあるため。
【答え】(3)他のペットボトル飲料のように持ち歩くなど、不適切な飲み方をされるおそれがあるため。
で、「明治おいしい牛乳」のキャップの話。大部分は牛乳パックのままですし、劇的に意識が変わるということはなさそうなものの、簡単に蓋をできてしまう分、持ち歩き飲みの危険性は高まったと考えられます。まあ、900ミリリットルパックだけなら、あまり持ち歩こうという人はいないでしょうか? 普通持ち歩くのは500mLクラスまでです。で、検索してみると、他の容量でこのパッケージはないようです。なら、大丈夫かも。
というか、ラインナップを見てみると、1000ミリリットルのもまだ残っていますね。不思議な気がしますが、混在しているという格好なのかもしれません。
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