コンロっていつもカタカナ表記されますので、てっきり外来語だと思っていたのですが、どうやらそうではないようです。「焜炉」という漢字があることにびっくりしました。語源も気になるので調べています。
あと、コンロの英語は何なのか?と言うと、レンジとかストーブとか言うみたいですね。これもびっくりでしょう。(2011/6/22、2018/01/29)
●コンロは日本語で漢字は焜炉
2011/6/22:コンロが外来語だという勘違いは多いらしく、
Wikipediaにも「カタカナ表記されることが多いため西欧語の誤解があるが日本語である」とありました。
また中国語由来でもなく、Wikipediaには「中文では炉子(炉子:ストーブ、小炉子:ミニ火鉢、厨灶:キッチン)」とありました。
「焜炉」の「焜」は、"広韻で「火の貌(かたち)」と解釈され、つまり熱炉・熾炉(しろ)と言うに等しい"と書かれています。この「広韻」がまたわからないのですが、どうやら中国の書物で、漢字を二〇六の韻に分類し、音を示し字義を注したものだそうですから、要するに漢和辞典のひとつということでしょうか?
ちなみに「熾炉(しろ)」の「熾(し)」は「火勢の強い」といった意味合いのようで、今日よく目にする単語としては「熾烈」(勢いが盛んで激しいさま)があります。
●「携帯用コンロ」はおかしい、コンロそのものが「運搬可能な炉」の意味
で、今でいうガスコンロはもちろん昔はありませんでしたので、「焜炉」とは「本来運搬可能な小型の調理用の炉」をさしていたようです。
現在では「鍋釜などの調理器具を加熱する据付型の燃焼器具又は加熱器具も含まれる」とあり、運搬可能なものとしては、バーベキューコンロ、カセットコンロといったところに当たるのでしょうか?
「携帯用コンロ」「持ち運びコンロ」なんて用法も見えて、これは本来の意味を考えるとちょっとおかしな感じがしますけど、言葉の意味は常にうつろいゆくという例ですね。
●あの七輪もコンロの一種
「焜炉」という言葉の発祥についてはあまり詳しく載っていなかったのですが、Wikipediaで出てきた一番古いものは江戸時代の話。
「江戸時代の遺構(江戸遺構、四国城下町遺構など)から多くの持ち運び可能な土師(はじ)製火床が発掘されている」ということで、七輪も焜炉の一種だそうです。七輪がコンロと言われても、ピンと来ませんね。
その七輪は「江戸時代の終わり頃までには作られたことが分かっている」そうで、Wikipediaの引用元をさかのぼると、明治以後はだいたいどこの家庭でも使われていたなんて記述も見えます。
他のところで探していると、コンロは「置竈(おきかまど)から発展したもの」なんてのもありました。
置竈というのは、煮炊きに使用する竈で、これもまた移動可能なもの。
昔の生活道具によると、「竈(かまど)(おくどさん)は、5世紀の半ば(約1500年前)朝鮮半島(今の韓国)から登り窯(のぼりがま)、置き竈(おきかまど)とともに伝(つた)わってきました」となっていますから、えらく昔です。
さらにここによると、「置き竈は移動(いどう)でき、後に火鉢(ひばち)が生まれました」とありました。火鉢と言うと、イメージがつきやすいのですが、この文からすれば、火鉢とコンロは親戚みたいなものですかね。
また、現代のコンロに当たるのが「かまど」であるとして、かまど自体を焜炉としているサイトもありましたので、大体そういうイメージで良さそうです。
2018/01/29追記:
●コンロの語源は? 火炉(コロ)から変化したという説が有力
2018/01/29追記:当初の投稿では、語源のところがよくわかりませんでした。今検索してみると、
こんろ(焜炉)(こんろ)とは - コトバンクに説明があるのを発見。"〈焜炉〉とは,火炉の宋音〈コロ〉の音便と推定され,室町時代に中国へ渡った僧侶が紹介したと思われる"としていました。
音便というのは、もとの音の一部が発音しやすいように変化すること。つまり、「ころ」だったのがもっと言いやすい「こんろ」に変わったという意味です。犬の名前で多かった名前ですし、、「ころ」も別に言いづらくはないんですけどね。
また、「火炉」ですけど、現在の一般的な読み方は「かろ」。同じくコトバンクによると、「火を入れて暖を取るもの。火鉢・こたつ・いろりなど」と説明されています。
(
火炉(カロ)とは - コトバンクより)
コトバンクでは、「ころ」は火炉の宋音とされていたものの、ネットでは「唐音」としている例が多いです。そうしたサイトの一つである
「コンロ」は日本語?外来語? 元プロがおすすめする「ガスコンロ・IH」の選び方では、さらに"後にコンロの光が輪になってる様子から、「焜」の字が当てられ、「焜炉」と言う字になった"としていました。
つまり、「焜炉」という漢字は当て字であるということ。まあ、もともとは「火炉」であったというのが正しければ、他の漢字は当て字と考えざるを得ません。
●コンロは英語だとレンジやストーブというのも驚き
では、コンロの英語は?と言うと、Wikipediaは「イギリス英語でハブ(Hob)、アメリカ英語でクックトップ(Cooktop)またはレインジ(Range)。オーブンまたはグリルとオーブンが組み込まれている機器をクッカー(Cooker)と呼ぶ」と説明していました。このうちの「レインジ(Range)」というのは、要するに「レンジ」のことです。
(2018/02/07追記:そういえば、ガスコンロのことをガスレンジって言うことありますね。「レンジ」はそこまで不思議じゃなかったです。と書いてから、確認のために検索すると、厳密には違うみたいです。ガスレンジは、ガスコンロとグリルやオーブンなどを組み合わせた、金属製の調理台という定義でした)
英辞郎 on the WEB:アルクでは、コンロと対応する単語をいくつか挙げており、その中にはストーブもあります。また、こちらの説明はどのようなものを指すかという説明まで載っていて丁寧です。
range(調理用の)〔通例、ガスや電気で加熱する、同時に複数の調理ができるものを指す。〕
stove(料理用の)〔【語源】ガスや電気が普及する前、stoveは暖房用だけでなく料理にも使われていたので。〕
また、ガスコンロの英語を見てみると、「stove burner」のみでした。ただし、用例の中では、単なる「stove」を「ガスコンロ」と和訳しているものもあります。「stove」というのも本当に使われているようでした。
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