グルテンフリーダイエット・グルテンフリー食に関する話。病気の人のための食事であって、健康な人がさらに健康になるといった効果はありませんよというものです。(2016/11/27)
2017/06/02:"健康に良い根拠なしどころか糖尿病のリスク増加"を追加
【クイズ】「パレオダイエット」というのは、どのような食事をするでしょう?
(1)玄米菜食と糖質制限食を組み合わせた食事。
(2)脂肪分の少ない肉と魚をたっぷり食べる。
(3)肉を一切食べず、魚と大豆製品と卵でタンパク質を摂取する。
●グルテンフリーダイエットの減量効果は嘘
2016/11/27:ニューヨーク在住の医学博士・しんコロさんは、まずそもそもダイエットという言葉の意味が誤解されていることを指摘していました。
グルテンフリーダイエットに科学的根拠なし。そもそも誤解だった - まぐまぐニュース!
日本語では「ダイエット」は「減量」という意味で認識されがちですが、本来英語では「ダイエット」は「食」という意味です。つまり、「グルテンフリーダイエット」は日本語に訳すと「グルテン除去食」になります。「グルテン除去による減量」ではないのです。
英語の辞書では、日本語的な意味のダイエットも載っており、全くそういう意味がないということではないかもしれません。ただ、この場合は「グルテン除去食」というのが適訳なのでしょう。
●グルテン除去食は特別な病気の人にとって良い食事
で、なぜこの「グルテン除去食」が存在するのか?と言うと、"グルテンを食べると体調が悪くなってしまう特定の体質の人たち"がいるためです。特別な病気の人専用の食事であって、万人の健康を考えたものではないんですね。
過去にも同じようなことを書いたのですが、糖質制限食なんかも糖尿病の人のための食事であって、体重減少のために作られた食事ではないということに似ています。
例えば、風邪を引いた人のために作られている風邪薬を「体にいい」と言って、健康な人に飲ませることを想像してみてください。冷静に考えると、アホみたいな話だとわかります。
薬じゃなくて今回と同じ食事の例でいうと、理由があって流動食を食べている病人の姿を見て、「流動食は健康的な食べ物なのだ。私も食べよう」と理解するって感じですかね? やっぱりアホらしい話です。
●健康面含め科学的根拠なし
グルテンフリーダイエットは、減量であって「体にいい」という話はないかな?と思ったら、記事ではこちらの話も出てきました。
グルテン除去食を選んだことで健康上の利点があるという話は、実証されていないとのこと。
そして、もちろんグルテンフリーダイエットが減量に役立つという科学的なデータもないそうです。どっちもダメです。
●次々と現れては消えていくダイエット
こういうダイエットはいろんなものがヒットします。ブログ内検索して出た「パレオダイエット」は、肉を食いまくることができるという魅力的なダイエット方法でした。(
野菜は不自然、肉魚が自然 旧石器時代の食事「パレオダイエット」より)
【クイズ】「パレオダイエット」というのは、どのような食事をするでしょう?
(1)玄米菜食と糖質制限食を組み合わせた食事。
(2)脂肪分の少ない肉と魚をたっぷり食べる。
(3)肉を一切食べず、魚と大豆製品と卵でタンパク質を摂取する。
【答え】(2)脂肪分の少ない肉と魚をたっぷり食べる。
「パレオダイエット」は日本では流行らなかったものの、このようなブームになったダイエットが定着するか?と言うと、そうではありません。古いダイエットは大抵忘れ去られて、別のものが流行します。
なぜか?と言うと、そもそもそのダイエット方法に効果がないからですね。効果があれば、消えることはありません。
したがって、「○○ダイエット」といったものはすべて根拠がないと考えておけば、ほぼ問題はないでしょう。
●健康に良い根拠なしどころか糖尿病のリスク増加
2017/06/02:グルテンフリー食に関する話を補足。米国心臓病学会誌に掲載された報告でも「健康な人に良いという根拠はない」と、ばっさり切り捨てられていたそうです。
さらに、それだけでは済まない深刻さだというのが、健康上のリスクが報告されていること。
米国で30年以上続く医療従事者(男女合計およそ20万人)を対象とした疫学研究のデータから、グルテン摂取量が1日4グラム未満の場合、12グラム未満の場合と比較し、2型糖尿病の発症率が上昇するという知見が得られました。どうもグルテンを制限することで、2型糖尿病の予防に働く食物繊維の摂取量までが減ってしまうためのようです。
また、コメや雑穀を主食とする習慣があまりないアメリカの事情という特殊な要因ですが、グルテンフリー食の「加工品」がまた問題だそうです。まず、グルテンを除く加工過程で、必要な栄養素が失われるという問題。この時点で健康にマイナスですが、グルテンの「口当たりの良さ」を補うために添加物や余分な糖質が加えられているという本末転倒なことになっています。
(
グルテンフリー食の功罪、2型糖尿病の発症率上昇リスクも|男の健康|ダイヤモンド・オンライン 井手ゆきえ [医学ライター]より)
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