2020/02/18:
●日本は身内受け文化、海外に発見されるまで自分のすごさを知らない
●身内受けの凝り性文化、実はクリエーター軽視の風潮に繋がってる?
●それは本当に日本固有の特徴なのか?美化されているとの見方も
●アニメーターを搾取してた日本企業、外資系に人材取られピンチに
●日本は身内受け文化、海外に発見されるまで自分のすごさを知らない
2020/02/18:昔おもしろい2ちゃんねるのレスを集めていた「ぁゃιぃ(*゚ー゚)NEWS 2nd」というサイトで、「
日本文化は身内受けの凝り性文化」と題して、日本に超詳しいベルギー人が言ったことだという以下のような話を紹介していました。
<日本文化は身内受けの凝り性文化だそう。
外国文化に負けまいとしているのではなく、
世に意図的にインパクトを与えようとしているのでもなく、
今ここにいる同じ価値観を共有する仲間からの喝采を浴びたいと考える。
その結果、同じものを志す者同士の「これすごいだろ、おもしろいだろ」合戦が始まり、
そこで生み出される物が自然と研ぎ澄まされていく>
これは日本人のこのような性質をネガティブの捉えているわけではなく、ポジティブに捉えている話です。レスはこの後、「ある日、偶然目撃した異文化出身の人間(外国人)から、それがすごいものであることを知らされる」とした上で、以下のように続いていました。
<ほとんどの日本人はその日が来るまで、自分たちが作り上げた物がすごいものとは知らない。
もろもろの伝統文化、芸能、電化製品、アニメ、他、みんな同じパターンで世界に広まっていった。
だから、日本がここまで発展してきたのも必然的なものだし、
この精神が衰えない限り、これからも日本は誰に頼まれることもなく、
知らないうちに勝手に世界にインパクトを与え続けていくだろうと>
●身内受けの凝り性文化、実はクリエーター軽視の風潮に繋がってる?
的確な分析かどうかは検討の余地がありますが、おもしろいと思ったレス。ただ、上記で省略した中に、<その競争は、敵対的なものではなく、お互いを尊敬しあいながら、静かに深く進行していく>とあったのは納得できませんね。クリエーターが他のクリエーターを叩く…ということはよくある話で、日本では尊敬し合う文化が一般的なようには見えません。
とりあえず、前述の通り、日本に対してすごくポジティブな話になっています。サイトのコメント欄で最初についていたコメントも「すばらしい!」というものでした。上記のレスの方もそのような反応を期待していたと思われます。
ところが、2つ目以降のコメントから流れが変わっており、これらも良い視点があると思えるコメントでした。まず、2つ目のコメントが、「でも職人がどんどん減ってる」と指摘。3つ目のコメントが「だって技術者に金払わないもんね・・・」と続きます。そして、次のコメントでは、以下のように書いていました。
<確かにこうして生まれた素晴らしいものはたくさんあるんだが、同時に
この体質のせいで失われていった素晴らしいものもまたたくさんある。
外と比べないというのは、自滅も招くんだよなぁ>
●それは本当に日本固有の特徴なのか?美化されているとの見方も
さらにその次のコメントはまた別の方向性。「ある程度独特な文化を外側から見れば、どんな国であろうがこういう印象を持つよ。オリエンタリズム以外の何物でもない」との指摘。最後のオリエンタリズムというのは、西洋から見た東洋に憧れを持った東洋趣味のこと。つまり、実際には日本が特別ということではなく、美化されたものだじゃないかという見方です。
これがどこの国でもある傾向であれば、この話と日本のクリエーター軽視傾向とを結びつけることはできないのですけど、上記の話を思い出したのは、
動画配信急拡大でクリエーター争奪戦 テレビ局守勢「ネトフリは信じられないお金を…」 毎日新聞2020年2月9日 07時00分(最終更新 2月9日 07時00分)という記事を読んだためでした。
加えて、過去に
日本のブラックなアニメ業界で中国企業が人集め でも絵梦は撤退?という話をやっていたというのもあります。日本は中国やアメリカなどと比べて、クリエーターを軽視するイメージが私にはありました。
●アニメーターを搾取してた日本企業、外資系に人材取られピンチに
さて、今回の記事の話です。私はてっきりアニメーターの話だと思ったのですけど、それだけじゃなくて、ドラマのクリエーターについても引き抜かれているみたいですね。米ネットフリックスなどのインターネット動画配信サービスが急拡大により、国内のアニメやドラマの制作現場でクリエーターを巡る争奪戦が起こるなど、変化を生んでいるとのことでした。
そして、記事では、<低賃金・長時間労働が課題になってきた業界にとって、光明となるのか。現状を探った>としています。有料記事で全部は読めていないものの、これはクリエーターとしては歓迎すべき状況のような感じで、そのような逸話がいくつもありました。
<(引用者注:CGアニメ制作会社「SOLA DIGITAL ARTS」の)橋本トミサブロウプロデューサー(48)は「ネトフリが来たことでこの1~2年、間違いなく仕事が増えた。人材の奪い合いになり、人件費が上がっている」と話す >
<制作現場の活況を生んでいるのは、定額制動画配信サービス(SVOD)の台頭だ。(中略)差別化を図るため、両社は自社制作作品に力を入れており、中でも世界的に評価の高い日本のアニメに対してはクリエーター囲い込みの動きを強めている>
<荒牧さん(引用者注:「ULTRAMAN」の荒牧伸志監督)は「制作のチャンスと、世界中の人に見てもらえるチャンスが同時に広がる意義は大きい」と歓迎する。テレビシリーズでは「残酷」としてほとんどなかった怪獣の首が飛ぶなどの描写も、ネットでは描いており、荒牧さんは「テレビに比べて表現の制約が少ないことも、作り手としてありがたい」と話す>
<外資の台頭は、末端の「下請け」となってきたアニメーターの地位にも影響を及ぼしている。フリーアニメーターの西位輝実さん(41)は、数年前から米国の著名DJやプロスポーツ選手から直接、仕事の依頼を受けるようになった。(中略)西位さんは「今までは『ひと月いくら』という口約束だけで、契約書も無かった。外資が入ることで契約条件が明確になり、いろいろな人の中から良い相手を選んで仕事をしている。ネトフリが来る前はできなかったこと」と話す>
無料部分の最後で発言者が誰かわからなかったのですけど、「ネットフリックスは、信じられないお金を出す」と言っている人もいました。経産省コンテンツ産業課の担当者すら「制作会社は海外に企画を持って行くなど打って出るべきだ」としており、国内のブラックな仕事はオススメされていないようです。
…と書いていたのですけど、そういえば、日本は技術者にお金を出さないから、中国だとか韓国だとかの外資系にガンガン引き抜かれる…って話なら以前からよくありましたね。クリエーターだけ特別軽視という話ではなく、日本は労働者全般を搾取する文化なのかもしれない…という嫌な想像をしてしまいました。
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