後半で出てくる話からのクイズ。
【クイズ】フランスの哲学者、ヴォルテールはかつて「労働はわれわれを三つの大きな悪から逃れしめる」と言ったそうです。この「三つの大きな悪」として正しいものはどれでしょう?
(1)悪徳、欲求、退屈
(2)高慢、嫉妬、憤怒
(3)怠惰、食欲、色欲
●宝くじに当たった人がロクな人生を歩まない理由
今回はデータ的な根拠のある話じゃないんですが、ことごとく否定していておもしろかったです。瀧 俊雄・マネーフォワード取締役へのインタビュー記事というものでした。
宝くじで1億円以上当たった人の末路:日経ビジネスオンライン(鈴木 信行 2016年1月7日)
とりあえず、宝くじの高額当選者にトラブルにならないための『【その日】から読む本』という冊子が渡される時点で、「家庭内トラブルを巻き起こしたり、一度に大金を手にしたが故に身を滅ぼすケースが、少なからず存在する証拠」だろうという指摘。まあ、そうですよね。
●ポピュラーなのは家族内・親族内トラブル
よくある話というのが、以下のようなもの。
「例えば、宝くじを当てると家族はもちろん、それまで縁遠かった親族までが直接的・間接的に“おすそわけ”を要求してくる。家族の間でも、お金以外の話題が食卓の会話に出なくなる」
「うちは大丈夫」と思うかどうか知りませんが、インタビューアーは"「もし宝くじが当たったらどうする」という話を家族でしていて大喧嘩に発展"なんて話もしていました。
当たってもいないのにトラブルが起きるんですから、当たったらなおさらです。
●宝くじが当たったことを言わなければ良い?
「言わなければ良いじゃない」という反論もあります。しかし、これも以下のような理由で「多くの人はばれてしまいます」と、バッサリ否定されていました。
・我慢しきれずに自らカミングアウトする。
・人間の浪費というものは一回始まるとなかなか止まらないため、隠そうとしてもついつい生活が派手になり周囲に隠し切れなくなる。
私は老後資金の話として、まず今から贅沢しない練習を…といったことをすぐ書きます。生活の質を落とすのは難しいためです。2つ目はそういう話ですね。
●大金を支払う際に不合理な決定が多くなる理由
また、金銭感覚が麻痺しやすい理由もわかりやすく説明されていました。これは宝くじうんぬん抜きで、おもしろいですね。
瀧 :ただでさえ人は、「日頃、不慣れな金額の取引」は、金銭感覚が麻痺して失敗しやすいものなんです。普段800円のランチを食べている人が、別の店に行ってランチが1150円だったらどうします。
――慎重にメニューを吟味します。
瀧 :でも5000万円で家を買う時、70万円でより生活が快適になるオプションが付きますよと言われたら。
――「そりゃもう5000万円払うんですから、70万円なんて大した金額ではない」などと思う人もいるでしょうね。
瀧 :そうですよね。でも、貯金という側面で考えると、その意思決定はランチの2000倍、吟味するべき対象なんです。それくらい、不慣れな取引では、いい加減な意思決定をしてしまいがちなんです。
●仕事を辞めるのは最悪の選択
インタビューアーは「だったら、いっそのこと1億円持って引きこもったらどうでしょう。ムテ金庫(設備・施設自体に固定された金庫)に現金を入れて、仕事はせず、高級品は一切買わず、旅行もしない…」といった話をしていました。
ところが、仕事を辞めるというのが、実は最悪の選択とのこと。啓蒙主義を代表するフランスの哲学者、ヴォルテールはかつて「労働はわれわれを三つの大きな悪から逃れしめる」と言ったそうです。
クイズはここからでした。
【クイズ】フランスの哲学者、ヴォルテールはかつて「労働はわれわれを三つの大きな悪から逃れしめる」と言ったそうです。この「三つの大きな悪」として正しいものはどれでしょう?
(1)悪徳、欲求、退屈
(2)高慢、嫉妬、憤怒
(3)怠惰、食欲、色欲
【答え】(1)悪徳、欲求、退屈
ほかの選択肢は、キリスト教の七つの大罪(高慢 物欲(貪欲) ねたみ(嫉妬) 憤怒 貪食 色欲(肉欲) 怠惰)がベースでした。「罪」そのものというよりは、人間を罪に導く可能性があると見做されてきた欲望や感情のことを指すと説明されています。
ヴォルテールの「三つの大きな悪」は、悪徳、欲求、退屈の三つでしたが、こちらもそういうニュアンスもあるかもしれませんね。
宝くじの場合はこの中だと欲求がダメです。ただ、退屈も非常に大きいでしょう。やることがなくなることで、浪費がいっそう進むと予想されます。
●宝くじ当選金で起業だなんて大間違い
インタビューアーは、起業なら暇にはならないのでは?といったことを言っていました。私も悪くないかなと考えていた時期もあったのですが、
殺人、謎の死、自殺、孤独死、借金まみれ…宝くじ当選者の末路では、このパターンの破滅もありました。
瀧俊雄さんの起業がダメな理由に関する解説を読むと、なるほどと思えます。
「宝くじで得た資金で事業を始めるなんて最もハイリスクな選択です。飲食店に行っても3億円分は一生かけても食べきれない。でも誤った経営により3億円を失うのは容易にありえることです。晴耕雨読の日々を過ごすのも、起業で第2の人生にトライするのもそれ自体は全く悪いことではない。でもそのためには入念な準備が必要で、宝くじの当選をきっかけに始めることではない」
けちょんけちょんな感じですが、瀧さんは結局宝くじを買うことまでは否定していませんでした。
「まず、親族内トラブルを回避するため、税理士、弁護士に相談しましょう。次に、複数の金融機関に相談し、その中から信頼できるファイナンシャルプランナーを見つけて一緒に資金プランを立て、今の生活を変えないことです。もちろん仕事を辞めてはいけません。人との付き合い方も変えてはいけません。この部分さえしっかり押さえておけば、宝くじが当たってもまず大丈夫です」
ただ、私はやっぱり宝くじを買うこと自体避けた方が良いと思いますけどね。今回のようなリスクの他にも、
宝くじの還元率は半分未満の45.7% 宝くじ協会の天下り官僚が問題というのは本当?などでやっているような最も損する「ギャンブル」という問題もありますから…。
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