三橋貴明さんが「円暴落、財政破綻を本気で信じているのは日本のマスコミだけ」という記事を書いていました。が、よりによって同じ雑誌の別ページで、外国人の円暴落・財政破綻論が出ていたので、これは嘘だったようです。(2011/6/26)
2017/12/13追記:円安には否定的な発言をしていた三橋貴明氏
●三橋貴明氏「円暴落・財政破綻を本気で信じてるのは日本のマスコミだけ」
2011/6/26、2017/12/13:経済評論家ということになっている三橋貴明さんが、
円暴落、財政破綻を本気で信じているのは日本のマスコミだけ 2011.06.22 NEWSポストセブンという記事を書いていました。記事は冒頭で、以下のような内容だと簡単にまとめています。
"復興に必要な巨額の財政負担による国債暴落、日本経済衰退論が唱えられている。しかし、冷静に判断している外国人投資家はむしろ株を買い続けていると経済評論家の三橋貴明氏は指摘する"
三橋さんが言うには、"日本の「破綻」を待ち望んでいるかに見える国内マスコミと比較し、外国人投資家は恐ろしく冷徹な視線で、我が国の経済を観察して"おり、"外国人投資家は震災後でさえ「日本買い」を進めて"いた。
したがって、"「日本経済は破綻する」「円が大暴落する」「国債金利が急騰し、政府が財政破綻する」などの妄想を本気で信じ込んでいるのは、結局は日本のマスコミだけ"なのだと主張しています。
●三橋貴明赤っ恥、同じ雑誌で外国人の日本破綻論紹介
この文章は「SAPIO 2011年6月29日号」に掲載されたものだそうです。しかし、同じ雑誌に乗った記事の中には、
1億ドル超の資金で日本国債空売り目論むカイル・バス氏とは 2011.06.23というものもありました。
"「日本破綻」を声高らかに吹聴している男がいる"という紹介が最初にあるカイル・バスさんは、米国のファンドマネージャー。この方が昨年7月に立ち上げたといわれるヘッジファンド「ジャパン・マクロ・オポチュニティーズ・マスター・ファンド」は、日本国債5年物、10年物、30年物の価格低下(利回りの上昇)と円安に賭けています。
カイル・バスさんは2010年ごろにも、日本の国債利回りが3%程度に上がれば大きな利益が出るという証券を600万ドルで購入し、個人資産も円安に賭け、テキサスにある自宅を購入した際に、住宅ローンをドルではなく円建てで組んでいるんだそうです。
今後数年間で日本の貯蓄率はマイナスに落ち込み、構造的な財政赤字拡大と国民の預金減が「自前の資金調達」を不可能にして、2~3年以内に破綻すると予測しているからということのようです。
彼だけを見ても「円暴落、財政破綻を本気で信じているのは日本のマスコミだけ」というのは、嘘になってしまいました。三橋貴明さんは嘘ばっかり言っていて大嫌いなんですが、この恥をかかせるような掲載の仕方はちょっとかわいそうですね。
●日本破綻論は見かけないが信用格付けはかなり低い
では、カイル・バスさん以外の意見はどうかと言うと、海外では「日本の財政のようにはなりたくない」とは相当言われているみたいですが、「破綻」まで言及したものとなるとなかなか見つかりません。
ただ、
国債 Wikipediaによると、2011年1月27日時点のS&Pによる主な国の信用格付けだと、日本の評価は相対的に見てかなり低くなっているということは言えます。
◎AAA 米国、英国、スイス、ドイツ、フランス、カナダ、オーストラリア
◎AA+ ベルギー
◎AA スペイン、カタール、スロベニア
◎AA- 日本、中国、台湾、クウェート、サウジアラビア
◎A+ イタリア、チリ
◎A アイルランド、韓国
◎A- ポルトガル
◎BBB+
◎BBB ロシア
◎BBB- ブラジル
◎BB+ ギリシャ
◎BB
◎BB-
◎B+
◎B
◎B-
◎CCC+
◎CCC
◎CCC-
◎CC
◎D
●日本の返済能力の高さは海外でも評価
しかし、Wikipediaの
日本国債では、返済能力が高いことが指摘されていました。
"2007年10月、米スタンダード&プアーズ(S&P)は、日本国債の格付けを、最上位から2番目の「AA」、ムーディーズは21段階中4番目の「Aa3」としている。他の先進国と比べると最低水準にある。だが、どの格付け会社も「返済能力が高い」という見解は崩していない"
私も日本が早晩破綻するというのを信じているか?というと、あんまり信じていません。そういう意味では、私は最初の二つの記事のうちどっちに近いか選べと言われれば、三橋さんの方です。ただ、究極の選択なので、意味のない問いですけどね。
極端ということで言うと、財政破綻しないから放漫財政で良いということでもなく、バランスを見ながらというところでしょう。でも、極端で単純でわかりやすい話の方が人気ですよね。良くない傾向です。
●円安には否定的な発言をしていた三橋貴明氏
2017/12/13追記:三橋貴明さんは田母神俊雄さんを推しまくっていたのですが、お金の問題が出てからは一転して批判しまくりでした。
(関連:
三橋貴明「田母神俊雄は最もクリーンな候補」→「田母神氏は嘘つき」)
三橋さんは同様に安倍首相に関しての評価も変わっています。当初は安倍首相支持だったのですが、だいぶ経ってから批判サイドに回りました。
(関連:
TPP反対の三橋貴明、安倍首相批判も 櫻井よしこ・池田信夫らの賛否はどうだった?、
安倍首相が言い出した「1億総活躍社会」が不評 三橋貴明も批判)
でも、この投稿を読み直したら、円安にネガティブな感じでしたね。円暴落というのは要するに大きく円安ドル高になるということです。ご存知の通り、大暴落はしていないものの、その後大きく円安となっています。
で、検索してみると、円安をネガティブに考えているというのは事実だったようです。
三橋貴明 - Wikipediaでは出典つきで、以下のような記載がありました。
"円安には否定的な立場をとっており、中小企業の収益力を落とし内需の成長率も低下させると予想している。円安を主張する人には、内需を増やすべきだと反論している"
一方で、2011年の時点で、 円高是正のために、日本銀行が目標を定め持続的な金融緩和を継続させることが必要であるともしていたそうで、自民党・安倍首相の方向性に合うこともおっしゃっていました。
あと、このWikipediaのページを見ていたら、「2007年から“韓国経済の危機”“中国経済の危機”を自著で唱え続けている」という記載もありました。すっかり忘れていました、三橋貴明さんというとこれをリンクせねばなりませんね。
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韓国経済崩壊予測を外し続けの三橋貴明 浜矩子・高橋乗宣と被る芸風 ■
20年以上外れ続けている中国崩壊予測 中国発金融危機が起きない理由 三橋貴明氏、安達誠司氏、宮崎正弘氏、石平氏などが中国崩壊論で書籍 このように三橋貴明さんはネタ枠の経済評論家さんだと考えて良いと思います。
【本文中でリンクした投稿】
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