ゲイは浮気が多くて貞操観念が薄いという話がありました。そういった調査結果がきちんと出ているのかな?と、気になって2016/12/11に検索したものの、見つからず。思い込みの可能性を感じました。
その後、データ的な話と、ゲイとレズビアンで違う理由についての話が見つかったので、最後に追記。タイトルも"男性同性愛者が浮気性な理由は、男性が浮気性で女性が違う理由と同じ 進化心理学の最適な戦略の違いで説明可能"に変更しました。(2017/03/27)
【クイズ】2016年、アメリカで同性愛者の集うナイトクラブでテロを起こした人物の説明として正しいものはどれでしょう?
(1)敬虔なキリスト教徒だった
(2)自身もナイトクラブの常連客だった
(3)熱烈なトランプ支持者だった
●男性同性愛者は浮気が多く貞操観念が薄い
以下のような話がありました。ただ、個人の経験則ですし、匿名ですのでそもそも実話かどうかというところから不確かです。
同性愛者の権利が認められるほど差別は悪化するだろう 2016-11-23
俺はホモでゲイだから、そのことについて話す レズのことは知らん(中略)
例えば、年間10人の相手と性交渉を持つ人間をどう思うだろうか?
異性愛者の中では、そこそこ遊んでいる方にはいるのではないだろうか?
はっきり言って、ゲイ・コミュニティの中では年間3桁と性交渉をもつ人間というのはそう珍しい存在ではない 年間10人としか性交渉をしていないって言ったら、なんて道徳的な人間なのだろうと思われるだけだ(もしくはよほどモテないと思われるかだ)
3Pの経験者も、異性愛者と比べて異常なほど多くいるだろう
俺は異様にしか思わなかったが、彼らは彼ら自身そういう中でつるんでいるので好きにしたら良いだろう
きっとこれを読んでいる人も、勝手にすれば良いとしか思わないだろう
だが、もし、これから同性愛者の結婚が認められれ、同性愛者同士が養子をとれるように社会が変わっていったとしたら、これらの問題は一気に顕在化する(中略)
結婚と離婚というハッキリと統計に現れる形で、ゲイの異常さは広く知れ渡るだろう
今の日本で、俺がゲイだと職場にバレるのはそれほど恐ろしくはない(中略)
しかし・・・これから同性愛者の結婚などが認められ、そのコミュニティと生態の実態が広くかつ言い逃れできない形で広がった後に自分がゲイだとバレるのは恐ろしい
俺がゲイ・コミュニティがどういうもので、どういう人が多いのか知ったときの感情を多くの人が一度は持つのだろうから
●男性同性愛者は浮気性というのは本当か?
検索すると、同様の話は他にも多数あります。ただ、疑似科学のときによく言っているように、個別の事例を集めてもそれほど強い証拠にはなりません。
また、同様の話が多いということは、なりすましもやりやすいということで、最初の例が本物かどうか?って話にもなってきますね。
まあ、それは良いとして私が関心を持ったのが、
はてなブックマークのコメントで1番人気だったものです。
“男性同性愛者はとっかえひっかえのひとが多くて、女性同性愛者は特定の一人と長く付き合うひとが多い。多くの国で見られる傾向なので、生物学的(進化論的)なものだろう、とものの本で読んだ。”(ChieOsanai 2016/11/24)
上記を見て、「やっぱりゲイはおかしいんだ」と感じる人もいるでしょう。ただ、この方の意図としては、「生物学的にそういうものなのだから仕方ない」いうものだと思われます。これが本当なら一番スッキリです。
で、そういった研究、もしくは調査がないものか?と、いろいろキーワードを変えながらかなり検索しました。さっき言った「同様の話は他にも多数あります」というのも、その過程で見つけたものです。
しかし、データ的な話や調査研究は見つけられませんでした。この方向性はとりあえず保留ですね。
●バイアスのせいで性欲が強いと誤解している可能性も
他の人気コメントでは、バイアスじゃないの?というものが多かったです。
“選択バイアスじゃねーかな?「ゲイの集まり」という時点で人前で性的指向を明らかにするような人間が集まってるわけだよね。”(hisawooo 2016/11/24)
“わからなくもないし、確かに僕の体感とも合致する意見が多いけど現時点で「可視化されているゲイ」にそういうのが多いだけ……”(aukusoe 2016/11/24)
私もこの可能性を疑っています。というのも、実は私が見つけた「同様の話は他にも多数あります」の人は、出会い系で知り合ったゲイについて「性欲が強い」としていたためです。
これは異性愛者で考えたらそりゃそうだろうという当たり前の話。性欲が弱い人が出会い系サイトを使う可能性はそもそも低いですからね。出会い系サイト繋がりの仲間たちの性欲が強いのは、異性愛者だろうが同性愛者だろうが当然という話。
最初の件も同様に、何らかの錯覚が起きているってのも考えられそうです。
●同性愛者も同性愛者を嫌悪しやすい可能性
なお、最初のゲイの方は他の多くのゲイに対して強い嫌悪感を抱いているようでした。
異性愛者でも浮気性な人は嫌われますので、浮気性のゲイを嫌うという気持ちは十分によくわかることです。しかし、自分がゲイだからこそ強く嫌悪しているという可能性もあるかもしれません。
以下は、
レイプ犯心理と保守思想と同性愛嫌いの共通点は男性優位・女性蔑視でやった話からでした。
【クイズ】2016年、アメリカで同性愛者の集うナイトクラブでテロを起こした人物の説明として正しいものはどれでしょう?
(1)敬虔なキリスト教徒だった
(2)自身もナイトクラブの常連客だった
(3)熱烈なトランプ支持者だった
【答え】(2)自身もナイトクラブの常連客だった
当時やった話自体は、彼が父権主義的な男性性の概念があったためにゲイを憎んでいたというものでしたが、自身へのコンプレックスから余計嫌悪するという可能性もありそうです。
研究的な話ではなく個人的な印象になってしまうのですが、例えば、障害者の方が障害者について異常に厳しかったり、女性が古き良き女性の姿に固執したり、外国人の血をひいた方が熱心な保守派になったりといったことが見られます。
飽くまで私の感覚ではそういうのが多いという話ですので、ここらへんも研究が進んでくれれば…と思います。
●男性同性愛者が浮気性な理由は、男性が浮気性で女性が違う理由と同じ
2017/03/27:思わぬところで、ゲイに関する調査が出てきました。橘玲さんの『
「読まなくてもいい本」の読書案内:知の最前線を5日間で探検する
』です。
エイズが流行する前というだいぶ昔に、サンフランシスコで行われた調査では、100人以上とのパートナーと関わったゲイは何と75%もいたそうです。さらに驚くべきは、その中の4割近くが1000人以上だということです。
一方、レズビアンは全く違っており、パートナーとの関係を大切にします。養子や人工授精で子供を得て、ゲイが無関心な家庭を営むことが多くなっています。
ゲイへの風当たりな情報ですが、進化心理学によれば、これは同性愛者と異性愛者の違いではなく、異性愛者を含めた男の女という性別の違いだと言います。男性と女性では、進化論的な戦略の違いがあるためです。
男性が多くの子を残そうとする場合、1人のパートナーだけと関係するのは不利です。より多くのパートナーと関係することが、最適な生存戦略となります。
一方、女性の場合は、男性と関係を持っただけでは、どんどんと子供を増やせるわけではありません。男性と違って、お腹の中で長い間子供を育てる必要がある上に、出産後も長い授乳期間が必要になります。男性はローコスト、女性はハイコストなのです。
そして、その子育ての期間を無事に生き抜く確率を上げるには、相手の男性を慎重に選び、長期的な関係を作ることが最適な生殖戦略となります。
つまり、男性が浮気性であり、女性の方が純粋であるのは、もともとある性質なんですね。ゲイやレズビアンであるからではありません。
●男性以上にゲイの浮気性が激しくなる理由
では、なぜゲイのパートナーが1000人以上になるという極端なことになるのか?と不思議に思うでしょう。異性愛者では、ここまでパートナーが多い人はほとんどいないと思われます。
この理由について本ではさらっと流されていて、丁寧には説明されていなかったのですが、たぶん「進化論的な戦略が
純化した結果」という部分が答えです。
男女の異性愛者カップルの場合、男性が女性を捨てようとする一方で、女性は男性との関係を保とうとする傾向になります。お互いの戦略は一致せず、一方が一方の戦略を妨げようとして極端な方向には向かいません。
ところが、男性の同性愛者カップルの場合、お互いに特定のパートナーとの関係を重視しないということで戦略が一致、浮気性の傾向が増幅して極端なことになったと考えられます。
これは、女性の持つ「相手の男性を慎重に選び」の部分も同様で、この要素があるために異性愛者の男性は多くの女性との関係を持つことが難しくなっていました。
尻軽女など、女性の浮気性を非難する場面も多いようですが、進化論的には、誰とでも関係を作る男性が多い一方で、誰とでも関係を作る女性は少ないようです。
(男性の方が浮気性という調査研究は知りませんが、
不倫するのは男性ばかり?アシュレイ・マディソンの女性は1%未満はそれっぽい話)
そして、誰とでも関係を作りたい!と思っている人が多い男性だけでカップルが作れてしまうゲイの場合は、全く歯止めがかからないことになり、にわかには信じられないような多くの人と関係を持つことも可能になった、と説明できそうです。
納得できない方もいるかもしれませんけど、進化心理学ではこうなっているという話。実際、辻褄が合っており、私はすごくスッキリしました。
●男性の浮気が正当化・推奨されるわけではない
あと、この話は、男性の浮気を正当化するものではありませんし、ましてや推奨するものではありませんよ。
理由としてはまず、浮気は男性の戦略にとっては良いことであっても、女性の戦略にとっては悪いことだというのがあります。女性にとっては、男性の浮気を阻止することの方が正しく、男性の戦略だけで正当化できません。
そして、女性の戦略の説明として、「子育ての期間を無事に生き抜く」というのがあったように、こちらは生死に関わってきます。現代は過去と比べると、母子が生き残る確率が高まっていますが、それでも危険性を上げる方向性には違いありません。
だからと言って離婚しちゃダメという極端な話でもないのですけど、どちらかと言うと女性の戦略を基本形にして、夫が妻子を捨てることを抑えようとする人間社会の規範は、理にかなっていると考えられます。
そもそも人間社会が男性の戦略に寄せて浮気を許すルールであった場合、捨てられた妻子が死ぬ確率が高まるのですから、子孫を繁栄させる上では不利だったと考えられます。現在のような不倫は許されないという一定の理解がある状態の方が、子孫繁栄という点でも有利だったのでしょう。
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