Appendix

広告

Entries

普通の面接は無意味!意味がないと研究でわかっているって本当?


 面接に関する話をまとめ。<普通の面接は無意味!意味がないと研究でわかっているって本当?>、<普通の面接じゃ駄目…就職後の業績がわかるのは構造化面接>、<グーグルは面接回数が多いことで有名だったが無意味と判明>、<普通の面接は第一印象だけで決まるので、無意味になってしまう>などをまとめています。

2022/08/14追記:
●そうは言っても辞められない普通の面接…より改善するには? 【NEW】

【クイズ】Googleの面接についての正しい説明はどれでしょう?

(1)Googleの面接で落とされる候補者は80%と多いが、それでも落ちた候補者が他の人にGoogleを勧めることが多い。
(2)Googleの面接で落とされる候補者は80%と多いため、落ちた候補者の悪い口コミに頭を悩ませている。
(3)Googleは面接前での絞込を重視し、面接で落とす候補者を20%と少なくして、落ちた候補者から恨みを買う機会を少なくしている。


●普通の面接は無意味!意味がないと研究でわかっているって本当?

2016/12/18:仕事ができる人がわかるのはどれ? 字の上手い下手・IQ・面接などでは、アメリカの心理学者フランク・シュミットとジョン・ハンターが過去85年にわたる人材の採用に関する定量的な研究を徹底的に収集・分析した1998年のシステマティックレビュー論文が出てきました。

 これによると、一般的な面接である非構造化面接はイマイチです。厳密に言うと、全く無意味…とまでは言えず、、ある程度、入社後の成績との相関ならあります。ただ、その相関はそれほど高くなく、他にもっと良いテスト方法がたくさんあるんですよね。無意味とまでは言えないものの、あまり優秀でもないのです。

 そのような普通の面接よりも業績と相関があるとされていたものの一つに、構造化面接というものが出てきてきました。ところが、この構造化面接って何?とわからなかったので今回検索した…という話。で、説明を見てみたのですが、おもしろいですね、これ! 誰がやっても大体同じものになるんだそうです。

 誰がやっても大体同じ…というのは、あまり一般的にありがたがられません。一部のすごい人ができる…という方がありがたがられます。ただ、誰がやっても大体同じ…というのは、再現性があるとも言えます。再現できるかどうかって実は非常に大事で、科学ではむしろ重視される考え方でなんですよ。

 また、これは一般的な面接だと、能力をあまり見極めれられない理由も推測できそうなもの。仮に面接がうまい人しか能力を見極めれらないのであれば、うまくいかないことが多くなります。また、面接で聞く内容は、相手やその年によって大きく変えているので、同じ面接官でも結果にムラがあるかもしれません。


●誰がやっても大体同じ結果!就職後の業績がわかる構造化面接

 肝心の構造化面接についての説明。以下は、面接法 【構造化面接、半構造化面接、非構造化面接】|カウンセリング用語|ハートフルライフカウンセラー学院からであり、カウンセリングのサイトの説明なのですが、採用面接の例も説明には出てくるので、たぶん採用面接でも基本はいっしょなのだろうと思います。

構造化面接…アンケート形式など、予め決められた質問項目に沿って質問しながら行われる面接。カウンセラーのスキルに多少差があっても、目的とする情報が系統的に得られる。

半構造化面接…志望動機や自己PRなど、誰に対しても必ず聞かれる質問がある一方で、ある質問を掘り下げる・あるいは流すなど、相手によって臨機応変に質問が変える手法。

非構造化面接…自由回答形式・会話形式に沿った面接。コミュニケーションに集中することができるのがメリット。

 普通の面接は構造化面接にはなっていないので、非構造化面接です。で、この非構造化面接が前回の仕事ができる人がわかるのはどれ? 字の上手い下手・IQ・面接などでやったように、あまり採用後の業績とは結びつかないとのこと。構造化面接の方が圧倒的に良いのです。


●面接のゴールが採用だと考えるのはおかしい!業績を見て分析せよ

 構造化面接が素晴らしいと思うのは、同じ質問をしているために、面接後に分析を加えることが可能なことです。採用したらそれで終わりな企業の人事なんかはクソですよ。採用の失敗・成功のキーとなった部分を探し出さなくてはいけません。

 別サイトの面接法:心理学用語集 サイコタムの説明を読むと、この分析のところをもう少しピックアップしていました。これも心理学関係の説明サイトですけどね。

<構造化面接法は、あらかじめ設定された仮説に沿って、事前に質問すべき項目を決めておき、仮説の妥当性を検証するためのデータを統計的に収集することを目的としています


●掘り下げて質問!構造化面接はコンピテンシー面接という説明も…

 採用面接を前提にした説明も探したものの、わかりやすいものがありませんでした。構造化面接=コンピテンシー面接みたいな説明をしているところもあったんですが、そうなんですかね、これ?

 本当かな?と思って、コンピテンシー面接、構造化面接でコトバンクで検索したものの、特に無し。書籍で構造化面接で検索しても、医療関係の話ばかり。うーん、ごめんなさい、よくわかりませんでした。

 とりあえず、コンピテンシー面接の簡単な説明としては、一つの内容についてどんどん質問して詳しく聞いていくものといった感じ。掘り下げて質問していくので、作り話が通用しないと言われています。


●「あなたの過去の業績を説明してください」など…構造化面接の例

 あっ、構造化面接では良い説明かもという記事が出てきました。Googleが面接で優れた人材を見出すためにやっていることとは? - GIGAZINE(2015年04月08日 19時00分56秒)という記事です。前回も書いたように、これはグーグルの採用している面接なのですが、そのグーグル絡みの記事で具体例が載っています。

<構造化面接法には「行動的面接」と「状況的面接」の2種類があり、「行動的面接」は面接を受けている候補者に対して「あなたの過去の業績を説明してください」「その業績をこの仕事にどう生かせると思いますか?」という質問を投げかけるもので、「状況的面接」は「もしこういうような状況になったらどうしますか?」というように、仮定の状況に対して候補者に回答を求めるものです。この方法によって、面接者は候補者の考え方や誠実さなどを測れると言われています>

 誰がやっても大体同じ…と先ほど書いたものの、結局、構造化面接の実行も難しいみたいですね。なぜ構造化面接法があまり採用されないのかというと、それはひとえに、正しい方法で実行することが難しいためだとされていました。

 面接者自身が候補者に集中し、メモを取りながら彼らをテストする必要があり、また候補者があらかじめ解答を用意しないように連続的に質問を行う必要もあるといいます。そこでGoogleで開発されたのが「qDroid」という社内ツールだとされていました。
qDroidは、面接者が求人対象となる仕事のポストを決め、そのポストにつくために必要な特性をチェックすると、面接ガイドと仕事のパフォーマンスを測るための質問がメールで送られてくるというものです。これによって優れた質問を導き出すのが劇的に簡単になるとのこと。

また、面接者が他の社員とも質問内容を共有し、実際に面接する人以外の人が関われるようにすることで、面接における質問が多面的な内容になるようにもしています。例えば面接者が「あなたの行動がチームにポジティブな影響を与えた時のことを教えてください」という質問を考えついた時に、他の誰かが「その時あなたの目的は何でしたか?そしてなぜその行動を取りましたか?チームはどのように反応しましたか?」と質問をブラッシュアップさせていくことが可能になるわけです。

●圧迫面接とは違う?落とされても好感を持つ構造化面接を実現

 途中で出てきたコンピテンシー面接は圧迫面接と勘違いされることがあると、圧迫面接のような馬鹿なことをする企業の意図とコンピテンシー面接で出ていました。

 私は採用者を不快にする企業はバカだと思っています。潜在顧客を逃しますし、口コミで印象の悪化も招きます。頭の悪いやり方です。このコンピテンシー面接と構造化面接がイコールかはイマイチよくわからなかったものの、グーグルの場合は好評だったというのがおもしろいですね。

<候補者を評価することだけではなく、「候補者があなたにホレるように仕向けること」も重要です。面接において、候補者は非常に無防備なポジションにおり、面接者と親密な会話を交わすことになります。候補者は自分の経験について他の人に話すため、よい面接のための投資は、十分に価値あることなのです。Googleの面接では80%の候補者が落とされますが、それでも落ちた候補者は他の人にGoogleを勧める、とのこと>


【クイズ】Googleの面接についての正しい説明はどれでしょう?

(1)Googleの面接で落とされる候補者は80%と多いが、それでも落ちた候補者が他の人にGoogleを勧めることが多い。
(2)Googleの面接で落とされる候補者は80%と多いため、落ちた候補者の悪い口コミに頭を悩ませている。
(3)Googleは面接前での絞込を重視し、面接で落とす候補者を20%と少なくして、落ちた候補者から恨みを買う機会を少なくしている。

【答え】(1)Googleの面接で落とされる候補者は80%と多いが、それでも落ちた候補者が他の人にGoogleを勧めることが多い。


 構造化面接採用前かな?と思うのですが、そういや以前読んだグーグルに入った人は、面接そのものがエキサイティングで刺激的だったと言っていました。グーグル社員らのズバ抜けた聡明さに感動するみたいですね。

 この種の「感動を与えよ」ってのは普通の企業には無理な話でしょう。ただ、少なくとも候補者を不快にするのはダメダメだってことくらいは、わかってほしいところです。


●グーグルは面接回数が多いことで有名だったが無意味と判明

2017/04/28追記:面接に関して、補足的な話を追加します。「世界を変える人材」をどう採用し、成果を出すのか?[橘玲の日々刻々]|橘玲の日々刻々 | 橘玲×ZAi ONLINE海外投資の歩き方 | ザイオンライン(2015年12月17日)にあった話です。

 かつてグーグルの面接は回数が多いことで有名でした。面接の回数は15回から25回にも達したそうです。ところが、採用プロセスを見直したところ、面接回数を増やしてもパフォーマンスが向上しないことがわかり、現在は原則4回に減らしているそうです。

 また、面接者がどのように候補者を評価しているかについても分析しました。最初の10秒で得た第一印象を確認するためだけに質問していることがわかりました。したがって、面接の99.4%の時間はムダで、全然意味がないと言えるのです。


●普通の面接は第一印象だけで決まるので、無意味になってしまう

 そこで、面接者にはあらかじめ標準的な質問項目を渡しておき、グーグルで成功する適性(一般認識能力、リーダーシップ、「グーグル的であること」、職務関連知識)を持っているかどうかを評価させることにした、とありました。ここは構造化面接の関係する部分かもしれません。

 一方、私が今回強調したいのが、前述の最初の10秒で得た第一印象で評価が決まってしまうという部分。これ自体が適切に評価できていないことを示唆しているのですが、記事では、「この無意識の自己正当化は、心理学の実験でも繰り返し確認されている」としていました。

 私もこのことは聞いたことがあります。歴代首相の身長ランキングで紹介したものです…と書いて、そっちを見たら、同じ橘玲さんの記事[橘玲の日々刻々] ザイ・オンライン 日本を救う政治家を選ぶ方法がベースでしたわ…。

 このとき紹介があったのは、授業風景を撮影したビデオを大学生に見せて、その教師が有能かどうかを判断させるという実験。それを1学期終了後の評価と比べてみると、ほとんど違いがないことがわかりました。しかも、学生たちの観たビデオには音声がなかったと言います。直感だけで決めてしまっているのです。

 さらに驚きなのが、この実験には2秒のビデオも使われており、わずか2秒でも、学生たちの判断はその教師の授業を何度も受けた学生と大差なかったという話。我々には、まともに他人の能力をはかる機能は備わっていないようです。


●そうは言っても辞められない普通の面接…より改善するには?

2022/08/14追記:普通の面接が無意味であるのならいくらやっても意味がないように思えます。とはいえ、最初の研究によると、ある程度の相関性はありますから、厳密には完全に無意味とまでは言えません。また、人によってやり方が異なる、そもそも事後評価されていない…といった問題点が大きすぎるため、逆に改善できる余地も大きそうです。

 そういう意味で悪くない方向性かな?と思ったのが、リブセンスの面接最適化クラウド『batonn』が、日本の人事部「HRアワード2022」に入賞 PR TIMES(2022年08月03日)で出ていたマッハバイトで有名なリブセンスが運営する、面接最適化クラウド『batonn(バトン)』でした。

<株式会社リブセンスが運営する、面接最適化クラウド『batonn(バトン)』(URLhttps://batonn.io/)が、日本の人事部「HRアワード2022」(主催:「HRアワード」運営委員会、後援:厚生労働省)のプロフェッショナル部門へ、応募総数388件の中から入賞しました。
 日本の人事部「HRアワード」とは人・組織に関わる領域において、企業や個人の成長を促す取り組みに着目し、HRパーソンに広く伝えることで、HRを通じた全国の企業の発展を目指す表彰制度>

 『batonn(バトン)』は、個別的・属人的で見えづらい面接を、録画と自動文字起こしで可視化したものだそうです。普通の面接が一番悪いのは、「人によって違う」という点であり、これを改善するという発想は良い方向性。また、そもそも後から見直されていないというのが問題ですので、そこも改善が期待できます。

<面接担当者の所感に、録画や文字起こしデータを連携して、評価の根拠を明確にします。次の面接担当者への情報連携も強化でき、候補者とのミスマッチ防止、アトラクト強化を実現。面接や選考プロセスを最適化して活躍人材の採用を支援します。
 面接中、画面に表示される「評価基準のガイド機能」や気になった会話の「マーキング機能」で、抜け漏れなく・振り返りしやすい面接を実現>

 本当ならもっと入社後の仕事の出来と直結する採用方法があるので、そちらを採用試験で用いた方が良いと思うのですけど、今の面接を辞める…という企業はそういないでしょう。そうであるのなら、せめてより効果の高い面接を行ってほしいもの。現状をよりマシにするには良いサービスかもしれません。


【本文中でリンクした投稿】
  ■仕事ができる人がわかるのはどれ? 字の上手い下手・IQ・面接など
  ■圧迫面接のような馬鹿なことをする企業の意図とコンピテンシー面接
  ■歴代首相の身長ランキング 背の高い、低い意外な総理大臣 野田佳彦・麻生太郎・鳩山由紀夫・小泉純一郎・安倍晋三など

【その他関連投稿】
  ■他社を早く内定辞退しない就活生はなぜ人として終わっているのか?
  ■字(筆跡)で性格がわかるは非科学的で差別的 手書き履歴書重視企業は要注意
  ■受験料を取るドワンゴの有料入社試験より賢い?SHIFTの新卒採用のすごさ
  ■早く他社を内定辞退しない就活生には人事が報復!悪い部署に配属という切り札
  ■ビジネス・仕事・就活・経済についての投稿まとめ

Appendix

広告

ブログ内 ウェブ全体
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示









Appendix

最新投稿

広告

定番記事

世界一スポーツ選手の平均年収が高いのはサッカーでも野球でもない
チャッカマンは商標・商品名 じゃあ正式名称・一般名称は何?
ジャムおじさんの本名は?若い頃の名前は?バタコさんとの関係は?
ワタミの宅食はブラックじゃなくて超ホワイト?週5月収10万円
朝日あげの播磨屋、右翼疑惑を否定 むしろ右翼に睨まれている?
レーシック難民は嘘くさいしデマ?アメリカの調査では驚きの結果に
赤ピーマンと赤黄色オレンジのパプリカの緑黄色野菜・淡色野菜の分類
アマゾンロッカーってそんなにすごい?日本のコンビニ受け取りは?
就職率100%国際教養大(AIU)の悪い評判 企業は「使いにくい」
ミント・ハッカでゴキブリ対策のはずがシバンムシ大発生 名前の由来はかっこいい「死番虫」
移動スーパーの何がすごいのかわからない 「とくし丸」は全国で約100台
ビジネスの棲み分け・差別化の具体例 異業種対策には棲み分けがおすすめ
主な緑黄色野菜一覧 と 実は緑黄色野菜じゃない淡色野菜の種類
タコイカはタコ?イカ?イカの足の数10本・タコの足8本は本当か?
トンネルのシールドマシンは使い捨て…自らの墓穴を掘っている?
ユリゲラーのポケモンユンゲラー裁判、任天堂が勝てた意外な理由
好待遇・高待遇・厚待遇…正しいのはどれ?間違っているのはどれ?
コメダ珈琲は外資系(韓国系)ファンドが買収したって本当? MBKパートナーズとは?
大塚家具がやばい 転職社員を通報、「匠大塚はすぐ倒産」とネガキャン
不人気予想を覆したアメリカのドラえもん、人気の意外な理由は?

ランダムリンク
厳選200記事からランダムで









アーカイブ

説明

書いた人:千柿キロ(管理人)
サイト説明
ハンドルネームの由来

FC2カウンター

2010年3月から
それ以前が不明の理由