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体内時計25時間は地球の自転24時間と矛盾 人間は火星から来た?


 <体内時計25時間は地球の自転24時間と矛盾 人間は火星から来た?>、<体内時計は自転時間より長めの方が都合が良いという説も>、<体内時計25時間は嘘 しかも、個人差というレベルではない大嘘!>など、体内時計の話を中心に睡眠の話をやっています。

2022/02/28まとめ:
●200年くらいじゃ人間は変わらないのに生活スタイルだけ激変!
●体内時計25時間は嘘 しかも、個人差というレベルではない大嘘!
●悪循環を重ねるライフスタイル…現代人が睡眠不足になる理由


●体内時計25時間は地球の自転24時間と矛盾 人間は火星から来た?

2011/6/29:あるところで不思議な話シリーズみたいなものを読んでいました。本気で信じるかどうかは別として、こういうのを読むのは好きです。不思議な話という趣旨ですので、ほとんどが胡散臭い話だったのですけど、中でも一番おもしろかったのは、以下のようなものでした。

(1) 人間の体内時計は25時間。
(2) しかし、地球の自転は24時間。
(3) 火星の自転は25時間。
(4) つまり、地球人は火星から来た可能性がある!


●「人間の体内時計は25時間」は本当なのか?

 火星うんぬんはまず置いておいて、とりあえず、「人間の体内時計は25時間」について見てみましょう。産総研・サイエンス・タウン 医療技術と福祉のために 「1日は25時間!?」には、次のような話がありました。

 常に薄暗く、外界と遮断されているため外が明るいのか暗いのかも分からないという実験施設。時計も無いので時間に関する情報が一切ありません。一方で、この実験施設には生活に必要なものはすべて揃っています。ここに実験を受ける被験者に入ってもらい、暮らし続けてもらいました。

 すると、初めは生活リズムが不規則ですが、ある期間を過ぎると一定の生活リズムが現れます。起床して朝ご飯を食べて、昼ご飯を食べて、夜ご飯を食べて、就寝して起床して…といった生活リズムですね。

 ただ、こうした生活リズムの1日の周期はなんと、24時間ではなく25時間になるというのです。不思議ですね。この周期は、被験者を変えても約25時間になるといいます。このように、環境に影響されず自然に刻まれる1日の周期を専門的には「概日時間」というそうです。


●動物によって異なる「体内時計」マウスやラットは何時間?

 概日時間はすべての動物にあります。そして、種によって異なっていることもわかっています。前述の通り、人間は25時間ですけど、例えばマウスは23.5時間、ラットは24.5時間です。ただ、この具体的な数字を見てわかるように、大体24時間であるというのは共通だそうです。

 この時点で人間は火星から来た説はすでに怪しくなりましたね。人間以外の動物がみな24時間でしたら人間だけがおかしい!と言えるものの、それぞれで違うようです。1時間多いくらいでは、大きく違うとは言えない感じでした。

 火星説はともかく、とりあえず、地球上の生物の概日時間が大体24時間であるということから、生物は地球上の1日である24時間に自分の生活リズムを合うように進化させてきたのでないかと考えられています。そのリズムを司っているのが、一般的には体内時計と呼ばれる生物時計の存在だと説明されていました。


●体内時計はオン・オフのスイッチの切り替えサイクル

 記事ではこの後「体内時計を支配する時計遺伝子」の話に移っています。遺伝子は「タンパク質を合成する設計図として機能」するものですが、「数種類ある時計遺伝子の情報」によっても、タンパク質が作り出されます。

 「そのタンパク質のうち、ある2種類が細胞核の中で結合」し、「さらに遺伝子のある塩基配列に接続」すると、「体内時計の発信源となる時計遺伝子のスイッチをオンにする」んだそうです。(スイッチのオン・オフ=遺伝子を遺伝子として機能させる=遺伝子の発現)

 スイッチが入れられると、「複合体の合成が促進され、細胞内に蓄積」されますが、今度はその「複合体タンパク質が、遺伝子のスイッチをオンにした複合体の活性を抑え、体内時計の発信源となる時計遺伝子のスイッチをオフにする」とのことです。

 そして、「このオン・オフのスイッチの切り替えサイクルがほぼ24時間」(人間は25時間)だというわけです。


●時差ボケを修正…体内時計のズレをリセットする方法

 前述の通り、マウスやラットの方が人間より24時間に近くなっています。しかし、25時間である人間もこうして普通に暮らしているのですから、それくらいの差はどうということもないように思われます。

 このことに関して、このサイトでは直接説明されていませんでしたが、時差ボケの話を修正するしくみが出てきました。日の光を浴びることなどにより、「体内時計と実際の時刻とのギャップ」を埋めることができるようです。他のサイトでは、これについてよく「体内時計をリセットする」と書いていました。
 海外旅行をすると時差ボケという症状が体に現れることがあります。体内時計と実際の時刻とのギャップによって体が変調を起こすわけです。頭痛、めまい、耳鳴り、心悸亢進などが起こり、とても辛いものです。しかし、時差ボケの症状を軽くする方法があります。それは、現地に到着したら朝の太陽をたっぷり浴び、辛くても運動と食事をすることです。生物の体は一定以上の光に反応し、新たな概日リズムを刻み始めるからです

 人間の体内時計25時間と、地球の自転24時間の差は1時間。時差ボケに比べると大したことがないので、比較的に簡単にリセットできるのではないかと思われます。

 また、そもそも人間の体内時計の時間を知るためには、最初の実験のようにわざわざ暗くしなくてはいけないのですから、普段の生活ではそれほど問題が起きていないとも考えられます。


●体内時計は自転時間より長めの方が都合が良いという説も

 また、これも先の記事では書かれていなかったものの、むしろ25時間と長めになっていた方が、生活のリズムを狂わせないために都合が良いといった説明が、方々でなされていました。

 これは一応なかなか説得力のある話。同じ時間にリセットされた体内時計25時間の動物が25時間に達する前にリセットできるのに対し、23時間など短いとその前に目が覚めるといった理屈だと思われます。

 なお、この説明で行くと、体内時計23.5時間であるマウスは、いつも30分早く目が覚めてしまって困るということになりそうです。同様に体内時計が23時間以下など短すぎる人は、24時間の明暗サイクルに合わせづらいといった話もたくさんありました。

 でも、マウスだってこうしてしっかり生き残ってきたわけですから、大した影響はないようにも思えます。短いことによる影響が本当にそんなに大きいのだろうか?というのは、疑問に思いました。


●人間は火星から来た説の信憑性は?火星の正確な自転時間との比較

 最初以上で終わるつもりだったものの、火星の話に最後にもう一度触れておく必要があるでしょう。そういえば、これが最初の取っ掛かりでした。

 Wikipediaによると、火星の自転周期は24時間39分35.244秒だそうです。25時間に近いというのは、本当でした。

 しかし、これまで見てきたように、24時間ほぼピタリでないといけないということはなさそうで、やはり普通に怪しい説。体内時計24時間30分であるラットの方が、火星の自転時間24時間39分に近いですね。ラットの方が火星から来た説が有力になってしまいます。

 ただし、多少のズレは問題なさそうでしたので、人間は火星の自転時間にも適応できそうではあります。なので、地球人は火星出身説の方も、どうか落胆なさらないでください。


●200年くらいじゃ人間は変わらないのに生活スタイルだけ激変!

2013/1/27:ここから<体内時計25時間は嘘&現代人が睡眠不足になる理由>というタイトルで書いていた投稿。前半の話が全部台無しになりそうな、<体内時計25時間はウソだった!国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 睡眠学(2)>(川端 裕人 2013年1月8日(火)日経ビジネスオンライン)という記事を見つけてしまったのです。

 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の三島和夫部長は、まず「この100年、200年で、人の睡眠の本質的な機能に変化があったわけではありません。今も昔も、国が違っても、人が必要としている睡眠時間などはあまり変わらないんですよ」という話をしています。これはつまりデータが十分あるという話です。

「いろいろな国で統計が取られていまして、実際に眠っている時間は先進国だと、平均値で7時間40分から50分くらいですね。短い人は3時間前後、長い人は11時間以上というふうに正規分布をしてるんです」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121213/240936/?mlp

 人間の性質が変わらない一方で、社会は変化しました。このため、「自分が眠っている時間で充分という場合はいいんですが、問題なのは、現代社会のライフスタイルに睡眠を適応させることが難しい方が多いという点です」という問題が出てくるわけですね。

「実は、ある人に眠りやすい時間というのはかなり固定されているんです。非常に宵っ張り型の人から早寝早起き型の人まで、ほぼ遺伝的に決定されてるものなんですよ。体内時計に関係することでその体内時計自体、遺伝子によってかなりきちんと制御されていると分かっているんです。横綱、関脇級に大きな影響がある遺伝子が10と幾つか特定できていまして」


●体内時計25時間は嘘 しかも、個人差というレベルではない大嘘!

 体内時計はかなりわかってきている…というこの流れの中で、「ほら、私達の中で体内時計はよく25時間とかいわれてますでしょう。でも、あれは嘘なんですよ」という話も登場。インタビューアーは「今、ウェブで検索すると、まことしやかにそう書いてあるサイトがある」と書いています。まことしやかに書いていてすみません。

 ただ、前半を読み直してみると、私は「そんなにきちっとしたものなんでしょうか?」と書いており、25時間説を疑っており、全面的に信じるスタンスではなかったですね。一方で、書いているつもりでいた個人差のことは書いていなかったのはまずかったな…と反省しました。

 私はこういったものは必ず個人差があるものだとよく指摘しており、時折自分に合う生活スタイルを強く推奨してくる人に辟易してきます。人間ってみんな違うものなんですよ。で、この「体内時計25時間はウソだった!」も個人差があるよって話かな?と思って読んでいたんですけど、なんと違いました!

 「体内時計の1日の周期の平均は、実は24時間11分で、24時間にかなり近いんです(中略)」とのこと。25時間の人が多いけど個人差があるという意味ではなく、そもそも平均値すら25時間ですらないんですね。完全な大嘘で、呆れてしまいました。なお、もちろん個人差はあり、以下のように説明されています。

「ただ、これも平均より長い人も短い人もいて、やはり正規分布しています。ですので、とりわけ24時間に近い体内時計を持ってる人は、毎日苦労しなくてもおなじ時間に眠たくなって、目覚ましなしでも起きられるわけです。
 でも、体内時計が長い人は、ちょっと気を抜くとどんどん夜更かしのほうにずれていってしまう。だから、もともと苦労しないでも寝起きができる人と、なんとかカツカツで体内時計の調整してる人がいるんですよ。逆に体内時計の周期が短すぎてひどく早寝早起きになってしまって、社会生活上困るという遺伝病もあります」


●悪循環を重ねるライフスタイル…現代人が睡眠不足になる理由

 前半では、「体内時計が長い分には大丈夫」って話があったのですが、こちらではそういう話はありません。いずれにしても、ほとんどの人が体内時計の周期が多かれ少なかれずれているのだから、それを24時間のリズムにシンクロさせる必要があり、その鍵となるのが「光」だとされていました。

「今のように人工照明で夜も明るい世界になる前は、みんな早く寝て、早朝5時、6時くらいに陽が出ると起きていたわけです。それから光を浴びることで午前中に思いっきり体内時計を巻き戻して朝方にして、それが行き過ぎなら夕方になって暗くなってきた時に体内時計を少し遅めにしてやって、足し引きでうまく調節できていたんです」

 新しい話としては、この光への反応が朝と夜とで異なるというところ。「光で体内時計を調節するときに、朝は太陽の光がガーンとくるので、少し反応が鈍くできてるんですね。ところが夜の光っていうのは、ほとんど自然界ではあり得ないから、ものすごく効果が強いんですよ」と説明されています。

 この説明には、おおっ!と思いました。説明部分は飛ばしますが、太陽光に比べると室内の灯りというのは本来極めて弱いのです。なので、夜に光を浴びても問題ないように思えるでしょう。しかし、光を浴びる人間の側で、朝と夜とで反応が全然異なっているために、以下のような悪循環が起きでしまうのです。

「一般的には300~400ルクスくらいではそんなに強い効果はないんですが、長時間ですとやはり影響が出てきます。あと、最近大きな液晶画面ができたり、光源を直接見ることが増えてますね。さらに、夜中のバイト先で強い光を浴びて……などいろいろなパターンで、体内時計が夜型になってしまって、寝つきが悪くなって、今度は朝起きが悪くなって、朝は学校や仕事に行かなきゃいけないから、無理に起きて、みんな睡眠不足になって、日中の眠気がとれなくて……」

 しかも、現代の生活スタイルは日中に光を浴びづらいということで、さらなる悪循環を引き起こします。弱りましたね。私はパソコンとかネットとかが大好きで、寝る直前まで見ているんですけど、なかなか眠れないのはそのせいかもしれません。


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