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日本と海外の公共事業予算の推移を比較すると日本は少なすぎというのは本当か?


【クイズ】事故があった中央自動車道の笹子トンネルが完成した年は?

(1)1975年
(2)1985年
(3)1995年


●日本と海外の公共事業予算の推移を比較すると日本の公共事業は少なすぎ?

 海外の公共事業の予算ってどれくらいなんだろう?と検索すると、以下のような記事がありました。
先進国で唯一公共事業を減らす日本の不見識 インフラ認識と都市城壁・その1 WEDGE Infinity(ウェッジ) 2015年09月01日(Tue)  大石久和 (国土技術研究センター国土政策研究所長、日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)国土委員会委員長)

 図1に示すように財政危機宣言の1995年以降で見ると、世界の先進国のなかで唯一公共事業費を減らし続け、それも半減以下にしてきた国となったのである。(図にいう公的固定資本とは、公共事業費から用地保障費を差し引いたもので、国民の共通資産として国土に形成された道路本体などの固定資本を指す言葉である。公共事業費の推移と見てもいいものである)

 財政が厳しくない国などないのに、ほとんどの先進国では公共事業によって公的固定資本を増強し、鉄道の軌道、道路などを拡充して、自国の経済成長と経済競争力の強化を図ってきたのである。

 わが国よりもはるかに早くからインフラ整備を進めてきたイギリスが約3倍に、アメリカは約2倍に、フランスは約1.7倍に、ドイツが約1.06倍に公共事業費を伸ばし、鉄道の基盤や道路の整備(これらはわが国ではメディアが「従来型」と称している)をしてきたというのに、わが国はなんと0.47という削減ぶりなのである。

【1996年(平成8年)を100とした場合の2012年の公共投資】
イギリス 292.99
韓国 247.26
アメリカ 192.56
フランス 165.82
ドイツ 106.42
日本 47.09


●日本の公共事業予算が少なすぎというのは本当か?

 ただ、これ、飽くまで「1996年(平成8年)を100とした場合」であることに注意が必要です。こういった比較の仕方は、相手を騙すときに使われることがあります。

 例えば、10%体重が増えた人と、10%体重が減った人がいて、10%体重が増えた人の方が太っているとは限りません。元の体重が何kgであるかわからないためです。

 体重50kgの人が10%増えても55kgにしかならない一方で、10%減らした人の元の体重が100kgだった場合なんかは減っても90kg。ダントツにダイエットしたはずの人の方が太っています。

 元の数字を出さない議論というのはかなり怪しいと思わなくちゃいけません。


●詐欺まがいなグラフだった

 …で探してみると、GDP比率でなおかつもっと長いスパンで比較している図がありました。

図録▽公共事業の動向(日本と主要国)

 これ見ると、「1996年(平成8年)を100とした場合」というのは完全に詐欺だとわかります。公共事業が多かったピークがその年のあたりだったのです。そりゃ、下がっているように見えますわ!

 で、このグラフを見ると、かつての日本と同様に公共事業が高かった国は韓国なのです。たぶん公共事業推進派としては、この話はあまり触れたくないでしょうね。前述の方も韓国には本文中では触れていませんでした。

 とりあえず、最近日本が減っているというのは本当なのですが、異常に低いってことはなかったです。


【2012年の一般政府総固定資本形成の対GDP比】
韓国 4.7%くらい
スウェーデン 4.6%くらい
フランス 4.0%くらい
アメリカ 3.5%くらい
日本 3.1%
イギリス 2.7%くらい
イタリア 2.4%くらい
ドイツ 2.3%くらい

※日本以外は具体的な数字が不明で図からの大雑把な読み取り
※公共事業の定義は各国で様々なので、国際比較が可能なSNA(国民経済計算)上の一般政府総固定資本形成の対GDP比で比較


●国土が狭くて兵器システムへの支出額が少ない日本

 なお、ちゃんとした方の図の人も日本は最近少な過ぎなのではないか?とはしていました。下記のように国の状況によるといった点も指摘しています。
 長期推移では、日本は高度成長期の1960年代には英国、ドイツなどとほぼ同じ水準であったが、その後、英国、ドイツではインフラ整備が一段落し、Igの対GDP比が低下していったのと対照的に日本は高度成長期並みの毎年の整備拡大を継続したため対GDP比ではむしろ上昇傾向となっていた。

 欧米の中ではドイツ、イタリア、英国と比較して、フランス、米国、スウェーデンのIg比率は比較的高い。日本が高かった時代は欧米を圧倒していたが、近年は、欧米の高い国よりは低めで推移している。

 ただ、「米国の値がもともと低いのが目立っている。広い国土を活用して効率的なインフラ整備が可能となっているのであろう」ってのどうですかね? むしろ逆じゃないかと。

 "人口減少社会となりこれ以上スプロール化の弊害を放置しえないため最近はコンパクトシティが都市整備の基本方向となっている"ともしているように、国土が広い国の方が普通は公共事業への投資が多くなると思われます。そういう意味では、日本が高すぎではないかと疑う要素になっています。

 また、"いまや、日本が公共事業が特段に多い国という印象はなくなってきている"理由として、定義変更の関係で、"兵器システムが新たに固定資本形成に繰り入れられた"と説明されていた点も注意が必要です。この定義変更で見かけの値が増えただけで、中身はかなり日本の公共事業と異なるのです。

 ということで、全体に比較が非常に難しい感じですけど、少なくとも日本が少なすぎってことはなさそうです。むしろ日本はまだかなり多いかもしれません。


●大量に公共事業をやることの弊害

 なお、公共事業は作って終わりではなく、維持費・管理費がかさみ、最終的には更新を求められる場合が多いので、半永久的に支出が必要なことを忘れてはいけません。

 そして、日本は今後さらに財政が苦しくなるということもまた忘れてはいけません。莫大な公共事業の建築物を維持管理更新するのは不可能です。

 さらに同じ時期に大量に作った場合には、近い時期に寿命が来やすいことも注意です。未来の人々がまたこれで困ります。

 同じ時期にたくさん作ることは価格が高騰しやすいこと、人出不足・業者不足で手抜き工事や技術不足になりやすくなることも副作用としてありそうです。

 クイズはそれで思い出した笹子トンネル事故からでした。(関連:笹子トンネル事故の原因が手抜き工事の人災なら、公共事業増発は逆効果では?)


【クイズ】事故があった中央自動車道の笹子トンネルが完成した年は?

(1)1975年
(2)1985年
(3)1995年

【答え】(1)1975年


 インフラ投資は大切だと私も思いますけど、推進論は怪しいものばかりなのでついつい警戒してしまいます。


【本文中でリンクした投稿】
  ■笹子トンネル事故の原因が手抜き工事の人災なら、公共事業増発は逆効果では?

【その他関連投稿】
  ■ダム建設費用問題の盲点 寿命が来たら更新・撤去する費用も必要
  ■ハコモノ批判は古い?国が地方の公共事業推進で乱立→維持管理費で財政悪化の現実
  ■公共事業とは、税金をいかに無駄に使うかを競う競技である
  ■不必要なダム・灌漑事業を国や川南町が強行 反対派自宅では放火事件も
  ■政治・政策・政党・政治家についての投稿まとめ

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