Appendix

広告

Entries

医者は反対1割・賛成9割、金額は? 救急車有料化のメリット・デメリット


【クイズ】イスラエルの保育園で「お迎え」に遅刻する親に対して罰金(米ドルで3ドルほど)を課することにしたら、どうなった?

(1)遅刻する親の数は顕著に増えた。
(2)遅刻する親の数は顕著に減った。
(3)遅刻する親の数はほとんど変わらなかった。


●医者は救急車有料化に反対1割・賛成9割

 日本も救急車有料化でメリット? 救急隊員が意外に反対する理由は、お医者さんではないものの医療関係者で反対がいるよという話でした。

 しかし、こうした記事は、実際にどれくらいの人数が反対しているかが見えてきません。で、今回のアンケート見ると、反対派は少数なようですね。圧倒的でした。

 「軽症」をどう線引きし誰が判断するかは今後の課題ですが、アンケートでは次の3つの選択肢を用意し、自身の考えに近いものを1つだけ選んでもらうというもの。回答したお医者さんは3879人ですので、サンプルも十分です。

 以下のように賛成が9割で圧倒的。しかも、すべてのケースで有料化というより進んだ選択肢への支持がほぼ半分でした。

(1)救急車を要請した事案全てに料金を請求すべき 47.6%
(2)搬入後に軽症と診断された場合は料金を請求すべき 39.0%
(3)救急車は有料化すべきではない 13.4%

医師の9割が救急車の有料化を支持:日経ビジネスオンライン(大滝 隆行=日経メディカル 2016年11月17日)


●救急車有料化のメリット・デメリット

 有料化のメリットはそもそもの目的なのですから、既に言われているものが多いです。ここはあまり注目しなくて良いでしょう。

【救急車有料化のメリット】
・不適切な利用は有料化以外には解決しないと考えます。(40代勤務医、呼吸器外科)
・かぜ程度の病気であるのにタクシー代わりに救急車を頻繁に利用する患者がいるから。(60代勤務医、整形外科)
・診察や治療を受けたら料金を支払うわけで、救急車にも料金が発生しても問題ない。(30代勤務医、麻酔科)

 なので、こうした場合に大事なのはデメリットの方。"「有料化すべきでない」という人の気が知れない" (50代開業医、整形外科)と書いている人もいましたが、悪い事態が起きる可能性を予め検討しないというのは、ちょっと浅はかすぎます。

【救急車有料化のデメリット】
・有料化は医療に対するアクセス性の低下を招くことを意味する。財政のためにアクセス性を犠牲にするのも辞さない、という覚悟の下で導入するのであれば一つの方法論と言える。(40代勤務医、循環器内科)
・患者さんには軽症か重症かは判断できない。救急車の使用を制限する有料化は反対です。(60代勤務医、一般内科)
・医師の判断で、有料か否かが決まるような制度では、受付事務の方や更には医師にクレームがついて救急外来が回らなくなることは明白だと思います。(30代勤務医、その他の診療科)
・救急の必要性が問われているが救急の減少で一番困るのは医者本人である。収益が減少するので。このことも及びつかずに目先の仕事の減らしを必要性にすり替えて論じると自分の首を絞めるだけ、単純な事すら分からない医師が多過ぎる。(50代勤務医、整形外科)
・有料化されたら、道で倒れている人を助けて救急車を呼んだ場合など支払いが問題になる。(40代開業医、循環器内科)
・非救急であるにもかかわらず救急車を利用する一部の不心得者を無駄に救急搬送する事例があったとしても、圧倒的多数の善意の救急車利用者に負担を求めるべきではない。(50代開業医、脳神経外科)
・救急車の半分以上は本人が要請していないケースである。これに対して負担を請求されたらトラブルになる可能性がある。最終判断を医師にゆだねると、医師に苦情が来る。(40代勤務医、救急科)
・本当は有料化してほしいところですが、金がない人が我慢して呼ばない問題と、金払っているからいいだろと開き直り乱用し続ける人が増える問題が予想されるので、無料化と啓蒙しかないかなと思う。担架対応(部屋から乗車の担送含む)介護タクシーの普及を期待したい。このためそれほど重症でなくても救急車を利用せざるを得ないケースも結構ある。(50代勤務医、消化器内科)


●金額はかなり割れる

 有料化については賛成が圧倒的だったものの、金額についてはかなり割れていました。

・救急車の利用1回当たりの患者負担額はいくらが妥当と思いますか?

1000円以下 6.3%
1000~3000円 21.0%
3000~5000円 21.6%
5000~1万円 22.5%
1万円以上 13.4%
その他 1.9%
有料化すべきではない 13.4%


●有料化が逆効果になるケースもある

 有料化賛成の医師では、以下のような意見がありました。

・救急車の不正利用があまりにも多いと現場で感じる。せめて100円でも請求すれば、不正利用を減らせるのではないか。(30代勤務医、精神科)
・タクシーと同程度の費用は請求してもいいのではないか(保険外で実費で)。(50代勤務医、小児科)

 しかし、これは逆効果だと思われます。反対派であった以下のようなケースです。

・有料にすると安易にタクシー代わりに利用するケースが増える可能性が高いのでは?(50代開業医、一般内科)

 これがクイズにした話でした。以前、成果主義と罰則がうまく行かない理由 行動経済学の実験の意外な結果で書いたものです。


【クイズ】イスラエルの保育園で「お迎え」に遅刻する親に対して罰金(米ドルで3ドルほど)を課することにしたら、どうなった?

(1)遅刻する親の数は顕著に増えた。
(2)遅刻する親の数は顕著に減った。
(3)遅刻する親の数はほとんど変わらなかった。

【答え】(1)遅刻する親の数は顕著に増えた。


 「せめて100円でも請求」は完全に駄目でしょう。また、「タクシーと同程度の費用」でも逆効果になる可能性があります。

 ただ、救急車有料化の場合は幸い、海外の例が先にあるので参考にできます。日本も救急車有料化でメリット? 救急隊員が意外に反対する理由で出てきたいくつかの例では、医師のアンケートで13.4%しかなかった1万円以上。しかも、1万円では済まず数万円かかるというものでした。

 ここまで高ければおそらく逆に救急車を利用する人が増えるということは起きないでしょう。

 しかし、この利用料金の高さであれば、救急車の利用をためらって死者が増えたり、死なないまでも重篤化する患者が増えたりといったことが予想されます。患者負担額の金額アンケートを見る限り、賛成派の医師がそこまでの覚悟ができているとは思えませんでした。

 また、仮に数万円でやるとすれば、日本の多くの医者が全く想像できていなかった形なのですから、アンケート結果も大きく異なってくるものと予想されます。

 先に利用料金の試案を提示してからアンケートした方が良いかもしれませんね。


【本文中でリンクした投稿】
  ■日本も救急車有料化でメリット? 救急隊員が意外に反対する理由
  ■成果主義と罰則がうまく行かない理由 行動経済学の実験の意外な結果

【その他関連投稿】
  ■救急車有料化のデメリット、新たに亡くなる人も 財務省提案で議論活発化?
  ■アジアのアメリカ式病院は5つ星ホテル並 医療後進国日本との違い
  ■日本の医療費が増えている理由 高齢化社会ではなく、所得の増加
  ■徹底した仕事の効率化が命を救う インドのナラヤナ・ヘルス病院の挑戦
  ■医療・病気・身体についての投稿まとめ

Appendix

広告

ブログ内 ウェブ全体
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示









Appendix

最新投稿

広告

定番記事

宝くじ高額当選者3000人のその後……10年後の彼らの生活は?
歴代首相の身長ランキング 背の高い、低い意外な総理大臣 野田佳彦・麻生太郎・鳩山由紀夫・小泉純一郎・安倍晋三など
日本で馴染みのある韓国系企業一覧
国別ノーベル賞受賞者数ランキング 日本は8位、上位はどこの国?
橋下徹大阪市長の出自 同和地区(被差別部落)と父・叔父と暴力団
意外に有名企業があるファブレス企業・メーカー 任天堂・ダイドードリンコ・やおきんなど
飛び降り自殺は意識を失うから痛みはない…は嘘 失敗した人の話
白元・鎌田真の経歴と派手な交友関係 神田うの,松本志のぶ,妻も美魔女など
楽天Edyはコンビニの公共料金の支払い(収納代行)に使える?
楽天Edyの使えるコンビニ・使えないコンビニ
主な緑黄色野菜一覧 と 実は緑黄色野菜じゃない淡色野菜の種類
のれん代とのれん代の償却のわかりやすい説明
消滅可能性都市ランキングと一覧 1800市区町村中896自治体が危機
カルシウムの多い食材ランキングベスト20 牛乳以外に取れる食品
堀越二郎の妻は死んでないし菜穂子でもない モデルは堀辰雄の婚約者矢野綾子
創価学会、会長候補の正木正明氏左遷で谷川佳樹氏重用の理由は?
インチキで効果なし、活性水素水詐欺 誇大広告であるとして排除命令が出た商品も
高カロリー食品ランキングベスト20(100グラムあたり)
EPA、DHA(オメガ3脂肪酸)の魚油サプリ 効果なしどころか危険という説
リチウムイオン電池の寿命を長持ちさせるのは、使い切って満充電?継ぎ足し充電?

ランダムリンク
厳選200記事からランダムで









アーカイブ

説明

書いた人:千柿キロ(管理人)
目標1000日更新 不定期複数投稿
サイト説明
ハンドルネームの由来
カテゴリの説明

FC2カウンター

2010年3月から
それ以前が不明の理由