【クイズ】英語の「boss」に関する説明として正しいものはどれでしょう?
(1)親分、社長、主任などを意味するが、「leader」と違い極めて悪いイメージなので使用には注意が必要。
(2)男性形なので、女性には用いない。
(3)ボス的存在の人、実力者、支配者、 (政界などの)首領といった意味も持つ。
●IQの高い人は大体何でもできるという研究の残酷性
仕事ができる人がわかるのはどれ? 字の上手い下手・IQ・面接などでやったように、IQやSPIが入社後の成績について最もよく説明することができることが研究によってわかっています。これはIQが高くない人にとっては辛い話です。
ただ、これは個人だけでなく、会社にとっても辛い話だと考えられます。
これらの採用方法は、科学的なアプローチを重視するグーグルが採用しています。逆に言うと、そういう優秀な人というのは、グーグルなどの大企業に根こそぎ取られてしまうということでもあります。中小企業がIQやSPI検査しても、これらがよくできる人は残されていない確率が高いでしょう。(日本企業は遅れているので結構漏れている可能性もありそうですが)
じゃあ、もうどうしようもないのか?と言うと、何とこの解決策も既に研究されているとのこと。IQや字の上手い下手などと業績との相関が研究済みであったことだけでも驚きましたが、研究はだらに先を行っているんですね。我々は無知すぎるのかもしれません。
●リーダーシップは5種類の性格特性で決まる
この解決策というのは、リーダーシップについての研究で判明したそうです。
当初、研究者たちは、「良いリーダーの特徴」をいろいろ挙げて最終的に80ほどの特徴を作り上げたものの、一貫性がなくバラバラだということがわかりました。
ただ、数十年経ってやっと、5種類の性格特性でリーダーシップの良し悪しが決まることを探り当てています。
【新刊無料公開】『統計学が最強の学問である[ビジネス編]』第2章 人事のための統計学(2) 一般知能と状況適合理論|待望の新刊『統計学が最強の学問である[ビジネス編]』無料公開|ダイヤモンド・オンライン 2016年10月12日 西内 啓
この分野の研究に1つのブレークスルーが生じたのは、心理学者たちによってパーソナリティ(性格)の理解が深まったことである。たとえば80年代には複数の心理学者によって今日ビッグファイブと呼ばれる5つの軸での性格特性の見方が確立した。
ビッグファイブには、外向性(社交性)、調和性(人当たりの良さや気立ての良さ)、誠実性(責任感の強さや完璧主義)、感情の安定性(物事への動じなさや慎重さ)、経験への開放性(想像力や芸術的な感性)の5つが含まれる。(中略)当時の心理学者たちは、さまざまな人間の性格に関する検査の結果が結局のところこの5つの軸にまとめられることを、因子分析などの統計手法によって明らかにしたのである。
●すべての場面で優秀なリーダーじゃなくても役に立つ
ただ、おもしろいのはここからです。もし仮に5種類の性格特性すべてが良い人だけがリーダーシップを発揮するのでしたら、これまた大企業に人材を奪われるだけで結果は同じです。
しかし、幸いなことに、リーダーシップはもっと複雑だったのです。ある性格特性が良くて良いリーダーであった人が、別の場面では悪いリーダーになってしまうという大きな違いが現れることがわかりました。
したがって、全部優れている人を採用するという考え方ではなく、企業が活躍してほしいと思っている状況に合った性格特性が良い人を採用すると考えれば良いのです。
このリーダーの話は、
巷のリーダーシップ論は間違い リーダーに必要な能力は既に研究で判明済みの方に詳しく書いています。非常におもしろい話でした。
●「適材適所」は夢でも幻想でもなかった
この考え方そのものはそれほど突飛なものではなく、いわゆる「適材適所」というよく言われる言葉で説明できそうです。苦労して研究した結果たどり着いたところは、意外に平凡なものでした。
適材適所(テキザイテキショ)とは - コトバンク
大辞林 第三版の解説
てきざいてきしょ【適材適所】
人の能力・特性などを正しく評価して、ふさわしい地位・仕事につけること。
さらに「適材適所」という言い方をすると、この考え方はリーダー以外にも広げることができるのではないか?と容易に想像できます。
そして、実際、この「状況適合理論」はリーダーシップ以外でも適用可能なのです。なので、中小企業もIQやSPIが低くても、必要としている能力だけを優れた人を採用するチャンスが十分にあるというわけです。
最初にちょっとした個人の側から見ると、たとえIQが高くなくても何かしら適正の高いところがあるかもしれない、とも言えそうです。
これは管理職のリーダーシップに限らず、おそらくは全ての仕事について同じことが言えるのではないだろうか。営業マンに求められる能力とエンジニアに求められる能力が同じはずはない。また同じ営業であったとしても、一般的な商材を飛び込みで売る能力と、既存顧客の離反を防止する能力、それまでどこにも存在していなかった新ジャンルの商品が持つ価値を的確に理解して顧客の関心を引くプレゼンテーションをする能力のうち、どれが求められるのか、という点は異なるはずである。
もちろん一般知能gが高ければ、ある程度どの仕事を任されても対応できるかもしれない。しかしその説明力はあくまでせいぜい3割程度(引用者注:前述のとおり、全般の能力を見る上では最も有効なことは間違いありません)なのである。残り7割のいくばくかは、本人の特性と求められる状況との相性によって左右されるはずなのだ。
●ボスではなくリーダーになりましょう!
今回の話を知ってしまうと、過去のリーダーシップ論がアホらしく思えてきそうなのですが、リーダーシップでブログ内検索してみて出てきた
マネージャーの役割9 リーダーシップ論 ボスとリーダーの違いからのクイズを出そうと思いました。
ただ、読み直してみるとたいへんクイズにしづらい内容でしたので、単に英語の意味関係となりました。
【クイズ】英語の「boss」に関する説明として正しいものはどれでしょう?
(1)親分、社長、主任などを意味するが、「leader」と違い極めて悪いイメージなので使用には注意が必要。
(2)男性形なので、女性には用いない。
(3)ボス的存在の人、実力者、支配者、 (政界などの)首領といった意味も持つ。
【答え】(3)ボス的存在の人、実力者、支配者、 (政界などの)首領といった意味も持つ。
英語の辞書では日本と異なり、悪いイメージはないと説明されています。
しかし、当時書いたように、英語圏でも「ボスではなくリーダーになりましょう」といったことは言われており、日本的な悪いイメージも多少は持っているものと想像されます。
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