私はコーヒー・紅茶ともに好きですが、好きでなかったとしても他人の好みを悪く言うものではない、と普段から言っています。ただ、紅茶のことを泥水と呼ぶ人がいるというのを目にして興味を持った…というのが、今回の話。色合いからコーヒーを泥水と呼ぶケースは何度か見かけていて理解できるものの、紅茶を泥水と言うのには驚きました。
2022/01/29追記:
●消費者の好みの変化で衰退しているのは、紅茶かコーヒーか?
●色合いからするとわかりやすい…コーヒーに対する悪口の定番「泥水」
とりあえず、スタンダードな悪口である、コーヒーを泥水と呼ぶパターンの方から。最初にも書いたように、こういうのは人として美しくありませんからね。食べ物に対する敬意が見受けられない悪い例ですので、真似しないようにしましょう。とりあえず、例として、
マックのコーヒーは泥水を紹介しておきます。
<昨日久しぶりに飲んでみたら本当に泥水だった。
豆を自分で選んでお店で轢いてもらって3日以内にドリップして飲むようになると
もうマックのプレミアムローストコーヒーなんて匂いも味もしない胃に悪い泥水>
上記の投稿に対する反応では、<ホストの新人教育で言われる言葉。「世の中にブサイクも美人もいない。好みか、好みじゃないか、だけだ」君にこの言葉を贈ろう>というものがありました。「泥水」の用例集めとは関係ないのですが、人のあり方としては、こちらの方が美しいですね。まあ、それは良いとして、泥水の例をもう一つ。次のものも人間のクズみたいな内容で、反面教師になります。
esekansai65さん 2016/3/1122:49:30
<ブラックコーヒーって無粋な泥水みたいな味がするけど美味しいと思って飲んでるんですか?
あれが好きなら否定はしないが、
目覚まし目当てで飲んでるんなら、 早寝早起きを徹底したら? >
(
ブラックコーヒーって無粋な泥水みたいな味がするけど美味しいと思って飲んで... - Yahoo!知恵袋より)
●コーヒーのことを泥水と呼ぶのはイギリスの紅茶事情のせい?
残酷なほど人間性が出てしまう「コーヒーは泥水」発言ですが、
Yahoo!知恵袋の「コーヒーのことを泥水って言うのはなぜですか? 」という質問では、以下のようにおもしろい回答を引き出していました。図らずも紅茶と関係してくる話です。信頼性が低いヤフー知恵袋ですので、真偽は不明であり、むしろデマではないかと疑った方が良いですけどね。日本でもよく言われているように、イギリス由来ではない可能性があります。
ベストアンサーに選ばれた回答
ishikari_styleさん 2010/8/1610:04:19
<紅茶が美味しい英国では、中々美味しいコーヒーに巡り合いません。
(不味いということではなく、美味しい紅茶に匹敵する美味しいコーヒーという意味です。)
そのため英国人はコーヒーは美味しくない物として、他の欧米人はイギリスのコーヒーは美味しくない物として、そういった言葉が用いられることがあります>
●コーヒー党と紅茶党、互いに相手の飲み物を泥水と罵り合う
で、私が驚いた「紅茶でも泥水というバッシングが使用される」という事例を。ただ、よく見てみると、これは実際にそう言っている人がいるという事例ではなく、創作物の中で出てくる…というものです。私はこの投稿、検索結果で見た時点で書き始めており、ちゃんとアクセスして読んでいなかったので勘違いしてしまいました。
この話があったのは、
ジェームズ・ボンドのWikipedia。Wikipediaだと、ジェームズ・ボンドは、イギリスの作家イアン・フレミング(1908年 - 1964年)のスパイ小説、およびこれを原作とする映画の主人公である、イギリス秘密情報部 (MI6) の工作官という説明。ただ、「007シリーズの主人公」と言った方がよりわかりやすいでしょう。
そして、このWikipediaで、<(引用者注:ジェームズ・ボンドは、)
紅茶嫌いで「あんな泥水を飲んでいるから大英帝国が衰退した」と言い切るほどである。コーヒー派の彼は、豆はブルーマウンテン、コーヒーメーカーはケメックス(ハリオ式)を使用している>と説明している部分があったんですね。
他の創作物でも泥水がヒットしたのですが、これらはよく見るとコーヒー=泥水という普通のパターンでした。田中芳樹原作の小説・OVA「銀河英雄伝説」に登場する自由惑星同盟軍最強の用兵家であり、テロリズムに倒れた不敗の英雄である
ヤン・ウェンリーのニコニコ大百科の説明で以下のような話がありました。
<好きな物は歴史と(中略)ブランデー入りの紅茶。歴史家としてはアマチュア研究者程度としか言えないが、こと紅茶に関しては熱が入っており、
コーヒーを泥水と考えている節がある。ただし本人が紅茶を上手く淹れられるかというとそんなことはなく、常にユリアンにまかせている>
もう一つ。メタルギアソリッドシリーズの登場人物である
ゼロ少佐 (ぜろしょうさ)とは【ピクシブ百科事典】でもありましたが、やはりコーヒーの例。紅茶のことを泥水って言う人もいるんだ!と興奮して書き始めたものの、紅茶=泥水はジェームズ・ボンドの例くらいかもしれませんね。だいぶ想定と違いました。
<こよなく紅茶を愛する英国人の鑑で、逆にコーヒーを蛇蝎の如く嫌う。
スネークが「任務が終わったら機内で温かいコーヒーを飲みたい」と発言した事に対し、激昂して放った「君はあの下品な泥水を飲むつもりなのか? 凱旋飛行の最中に!?」という言葉は非常に象徴的である>
●泥水コーヒーはマジで日本のカフェで売っていたことがある!
あと、今回検索していて泥水コーヒーというのを売っているお店があったことを知りました。
ぜったい流行る! 「ポプテピピックカフェ」に行ってきた - ねとらぼ [大原絵理香,ねとらぼ]という記事も発見。2016年8月25日から8月31日にかけて、プリンセスカフェ 吉祥寺2号館で開催されていた「ポプテピピックカフェ」で泥水コーヒーを提供していた模様。以下の漫画のネタみたいですね。
<作者はフミンバインこと大川ぶくぶ氏。WEB「まんがライフWIN」にて2014年8月~2015年10月の間に連載され、見事に打ち切りを食らい終了した。(中略)
前述の通り打ち切りになり連載は終了。最終回にて「覚えてろ竹書房…地べたを這いドロ水すすってでもまんがライフWINにもどってきてやる…」との言葉を残し、全2回の『月刊まんがライフ』巻末目次ページ4コマを経てまんがライフWINから去っていった>
(
ポプテピピックとは (ポプテピピックとは) [単語記事] - ニコニコ大百科より)
ということで、結局ちゃんと調べてみたら、泥水発言は普通にコーヒーばかりでした。何か妙に残念です。
●消費者の好みの変化で衰退しているのは、紅茶かコーヒーか?
2022/01/29追記:対立煽りみたいになって申し訳ないのですが、どうも最近紅茶は衰退傾向みたいですね。これは、
英ユニリーバ、「リプトン」売却 紅茶から撤退:時事ドットコム(2021年11月19日)などのニュースで知りました。ユニリーバが、「リプトン」などのブランドで世界展開する紅茶事業を英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズに45億ユーロ(約5800億円)で売却すると発表していたそうです。
この件は私は2022年1月末のツイッターの「リプトンのミルクティーがなくなる」という騒ぎで知ったのですが、前年11月の報道を見る限り、ブランドそのものは継続する可能性が高そう。おそらく投資ファンドがブランド価値を高めるか、他の食品会社などに転売するかするのだと思われます。
また、撤退理由なのですが、紅茶需要は伸び悩んでおり、今後も収益の大幅な拡大を見込めないと判断したためとの説明。さらに1年ほど前の2020年1月31日にも、
「リプトン」売却も、ユニリーバが紅茶人気衰退で検討 - Bloombergという記事が出ており、以前から検討されていてついに…ということだったようです。
<ユニリーバは年間30億ユーロ(約3600億円)前後の売上高を稼ぐグローバル紅茶事業の見直しに着手した。この対象には一世紀余りの歴史を持つリプトンも含まれる。ユニリーバは2019年10-12月(第4四半期)の中核事業売上高が10年ぶりの低い伸びにとどまっていた。
消費者の好みがコーヒーに移っていることも背景にある。(中略)
食品販売業界の専門誌、英グローサーによると、2018年5月までの12カ月間に英国で飲まれた紅茶は前年に比べ約9億杯減少した。コーヒー党でない人々ですらも、イングリッシュブレックファストやアールグレイなど伝統的な紅茶ではなくハーブティーをより好むようになっている。
ユニリーバのグレーム・ピットケスリー最高財務責任者(CFO)は、紅茶需要は「消費者志向の変化により、先進国市場では数年にわたり減速を続けている」と電話会議で説明。戦略の見直しでは「完全売却や部分売却などあらゆる選択肢を含めた可能性」を検討すると語った>
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