IQが高い人ほど仕事ができない…と信じている人もいるでしょうが、全体的に見ると「IQが高い人ほど普通に仕事ができる」という残酷な結果になっています。ただし、IQが高い人ほどむしろ苦手という特殊な仕事もあります。営業がそうでした。営業は他にも特殊な能力が必要なようで、適材適所の理想的な形になっていました。
2017/1/9:
●営業はIQが高い人は向かない?余計成績が悪いという研究がある
●IQが高い人はむしろ仕事ができない…という意味ではないのに注意
●営業は特殊性が際立つ仕事!他の仕事では関係ない能力が必要に…
●誠実な人よりも不誠実な人の方が営業で成功しやすいって本当?
●営業が苦手な可能性が高い人材に営業をやらせるのは壮大な無駄
【クイズ】ダイヤモンド社の間杉俊彦・人材開発編集部副部長]によると、文系の学生が就職すると営業部門に配属される割合は?
(1)3割
(2)5割
(3)7割
●営業はIQが高い人は向かない?余計成績が悪いという研究がある
2017/1/9:
適材適所は夢か幻想か?IQの高い人は大体何でもできるという研究の残酷性の続きの話。「適材適所」という点でおもしろかったのが、言語的知能テストの成績の高さと営業成績に負の相関があるという話です。負の相関というのは、要するに言語的知能テストの成績が良いほど、営業の成績が悪いってことですね。
ヴィンチュールさんらが1998年に公表した研究結果によると、「全職種における(何かしらの)業績」という分析では大きな説明力を示していた一般認知能力が、営業成績とはほとんど関連していませんでした。それどころか言語的知能テストの成績が高い者はむしろ営業成績が低い、という結果すら得られているといいます。
(
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言語的知能テストというのは、いわゆるIQテストの一種のことじゃないかと思いました。ただ、SPIでも言語能力問題があり、そっちの可能性もありますね。
とりあえず、
知能検査 - Wikipediaを見ると、検査内容で分類すると、言語能力が大きく関係する「A式」と、言語能力があまり関係しない「B式」、その中間の「AB混合式(C式)」に分けることが可能であるといった説明が見られます。
このうち「A式検査」は、< 三段論法などの文章題が多く、社会生活面での知能を測れるが、学校教育が不十分だったり、母語が異言語だったりすると、低い結果が出る。「言語性検査」とも言う?という説明が出ていました。
●IQが高い人はむしろ仕事ができない…という意味ではないのに注意
この結果は、「IQの高さと仕事ができる・できないは関係ありません」って話ではありません。
仕事ができる人がわかるのはどれ? 字の上手い下手・IQ・面接などでやったように、IQやSPIが仕事の出来不出来を測る最良の物差しであることもまた研究でわかっているのです。
ただ、全般的に見る場合、IQが最も良い見分け方の一つであるとは言え、それですべての仕事を説明できるわけではありません。そして、営業という仕事がそういうIQに関係ないどころか、むしろ悪くなる仕事内容みたいです。むしろダメってのが、非常におもしろいですね。
・営業成績に影響する要因
言語能力 0.08(負の影響)
●営業は特殊性が際立つ仕事!他の仕事では関係ない能力が必要に…
ただし、負の影響とは言っても数字は0.08でした。0.08程度だとそう強い負の相関ではないと思いますが、営業成績の要因は強い相関を示す要因がそもそも少ない感じでした。関連していて当たり前に思える「セールス能力テスト」ですら0.14であり、あまり高くありません。他は以下のあたりが比較的高めです。
・営業成績に影響する要因
達成性 0.17
セールス能力テストの成績 0.14
誠実性 0.10
経歴 0.08
説得力 0.07
達成性もセールス能力テストを上回りましたが、実はもっと高いものがあります。「興味テスト」というもので、これが最高の0.25でした。おもしろいことに、これまた全般的に仕事ができるかどうかでは、関係ないとされていた項目。営業という仕事で必要とされる能力は、かなり特殊で他と異なるようです。
●誠実な人よりも不誠実な人の方が営業で成功しやすいって本当?
ただ、むしろこの特殊性というのは「適材適所」で考えると最高ですよね。不幸なことに他の仕事で評価されなかった人が営業では優秀な人材だったり、営業が苦手な人が他の分野で活躍できたり、といった可能性が高いと考えられるためです。
なお、上記の項目のうち、リーダーシップの特性に限って言うと、10%であった誠実性の得点が最も営業成績と関連しています。、営業が得意な人というと、むしろ不誠実な人というイメージがある人もいそうですが、逆なのがおもしろいです。
ただ、その下位項目である達成性も17%とよく営業成績と相関していることが大事だとのこと。作者によれば、一般的に誠実かどうかという特性の中でも、目標や手がけた仕事を最後まで達成しようとするかどうかが重要だと説明されていました。
●営業が苦手な可能性が高い人材に営業をやらせるのは壮大な無駄
ということだったのですが、これで思い出したのが、
文系学生の配属先の割合、営業職が7割 就職ではなく進学で職種決定?です。
【クイズ】ダイヤモンド社の間杉俊彦・人材開発編集部副部長]によると、文系の学生が就職すると営業部門に配属される割合は?
(1)3割
(2)5割
(3)7割
【答え】(3)7割
今回の研究の話からすると、高いIQを持った人では営業に向かない人が多いと思われます。にも関わらず、大量に営業に配置されているということは、彼らの能力を活かせていないと考えられるでしょう。
また、営業での成績によって後の出世や人事などに関わってくる場合、さらにたいへんなことになりかねません。他の仕事で優秀な人を低評価にしてしまう上に、他の仕事だとダメな人を引っ張って向かない仕事をさせる可能性も高いためです。
ひょっとしたら今の日本のやり方は、人材を潰しまくっているのかもしれません。
【本文中でリンクした投稿】
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適材適所は夢か幻想か?IQの高い人は大体何でもできるという研究の残酷性 ■
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