三笠宮崇仁親王(三笠宮殿下)の南京事件(南京大虐殺)や太平洋戦争に関わる発言の話。保守派の人がブチ切れそうなことをおっしゃっていました。
●週刊新潮が保守派に都合の悪い三笠宮崇仁親王の話を掲載
南京事件での皇族の話が気になっていたのですが、読まれないだろうと思ってお蔵入りしていました。ただ、
南京大虐殺否定で、アパホテルが中国で大炎上 旅行会社が予約停止があったので、今がチャンスかな?と思いました。
ところが、検索していたら想定していたのとは違う別の皇族の方の話が気になってしまい、話題変更。元の話は結局また後回しです。
目に入って気になったというのは、三笠宮崇仁親王の話です。むしろ保守派寄りの週刊新潮が、以下のような保守派に都合の悪い記事を出していて、驚かれていました。
〈太平洋戦争は“架空な歴史”“勝算なき戦争”〉赤い宮様「三笠宮殿下」に関する識者の見方 | デイリー新潮 週刊新潮 2015年12月3日号 掲載
記事では、例えば、
帝王と墓と民衆―オリエントのあけぼの (1956年) (カッパ・ブックス)
から以下のような部分を引用しています。
〈
罪もない中国の人民にたいして犯したいまわしい暴虐の数かずは、いまさらここにあげるまでもない。かかる事変当初の一部の将兵の残虐行為は、中国人の対日敵愾心をいやがうえにもあおりたて、およそ聖戦とはおもいもつかない結果を招いてしまった〉
〈
聖戦という大義名分が、事実とはおよそかけはなれたものであったこと、そして内実が正義の戦いでなかったからこそ、いっそう表面的には聖戦を強調せざるを得なかったのではないか〉
●三笠宮崇仁親王「南京虐殺に人数は無関係」
上記の「罪もない中国の人民にたいして犯したいまわしい暴虐の数かず」が南京事件のことを指しているかはわかりませんが、以下は「南京虐殺」についてだという説明とともに引用がありました。
〈最近の新聞などで議論されているのを見ますと、なんだか人数のことが問題になっているような気がします。辞典には、虐殺とはむごたらしく殺すことと書いてあります。つまり、
人数は関係はありません〉(「THIS IS 読売」94年8月号)
週刊新潮の"赤い宮様「三笠宮殿下」に関する識者の見方"というタイトルだけですと、批判的な紹介の仕方の可能性も感じました。政治的な発言とみなした批判もあるかもしれないという予想でした。
ただ、識者のコメントは中立的な感じ。積極的に賛同する形にはなっていないものの、三笠宮崇仁親王批判でもありません。
例えば、以下は保守派で重宝されている秦郁彦さんのコメント。軍記の乱れを事実と認めています。
「当時の中国で軍紀の乱れがあったのは事実で、参謀である殿下の耳に入るほど不祥事が頻発していたということです。それでも、主たる敵はあくまで米国で、広い視点から戦争全体を考えた時、いつまでも中国戦線が終わらず大軍が大陸に残ったままで勝てるのか、という思いが殿下にはあったはず。軍紀が乱れれば中国の民心を掌握できず、戦局に悪影響が出かねない。そんな懸念からなされた講話なのでは、と思います」
●真実を語ると売国奴、偽りを述べると愛国者
三笠宮崇仁親王のこうした姿勢は戦後になってからではなく、何と戦前からだったと言います。記事にもあった話で、さっきの秦郁彦さんのコメントもそこらへんに関してなのかなと思いますが、以下は
三笠宮崇仁親王 - Wikipediaからの引用です。
1941年(昭和16年)12月8日の太平洋戦争(大東亜戦争)開戦後、大日本帝国陸軍大尉時代の1943年(昭和18年)1月から翌1944年(昭和19年)1月まで、コードネーム「若杉」(姓は印にちなんで作られた)として、南京市の支那派遣軍総司令部に勤務。三笠宮は「日本軍は中華民国との戦争が長引き戦闘が泥沼状態になっており、軍紀が乱れている者が一部いる事を深く反省すべきである」と畑俊六総司令官に言い、対中政策のブレーキ役となった[1]。
また、南京事件と直接関わらない部分でも強烈な話が載っています。
「偽りを述べる者が愛国者とたたえられ、真実を語る者が売国奴と罵られた世の中を、私は経験してきた」と自らが生きた時代を振り返っている[28]。
「偽りを述べる者が愛国者とたたえられ、真実を語る者が売国奴と罵られ」は、残念なことに今でも通じる話かもしれませんね。
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