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若者のテレビ離れは本当か?視聴時間で見ると他メディアに圧勝という事実


 若者のテレビ離れは本当か?というのと、視聴時間で見ると他メディアに圧勝という事実という二つの矛盾しそうな話。ただ、これ、両立するんですよ。要するに、昔の若者に比べるとテレビを見なくなったものの、依然として圧倒的にテレビを見ているって話。また、海外の人と比べて、日本人はテレビ好きでもあるようです。

2022/03/21追記:
●自主規制で最近のテレビはつまらないからテレビ離れが進んだ? 【NEW】


●叫ばれる若者のテレビ離れ…データで過去と比較すると?

2017/1/19:若者のテレビ離れの例としては、テレビ離れ - Wikipedia(最終更新 2016年11月20日 (日) 11:38)に参考となるデータがあります。

 2005年度のNHKの「国民生活時間調査」。これによると、日曜日にテレビを見る時間は10代男性が1995年の3時間34分から2005年に2時間52分、20代男性は3時間48分から2時間45分に減少しています。また、行為率と呼ばれるテレビを観る人の割合も同様に10代が94%から84%へ、20代は85%から74%に減少しました。この行為率は全年齢層で微減しており、若者だけの問題ではないものの、若い男女は各曜日を通して視聴時間が短いということもわかっています。

 また、傾向として、無職や高齢者の視聴時間は増加しているということで、むしろ増加している層が一部であります。ただ、全体として見るとテレビを視聴する人は微減しており、その中で特に若い男性がテレビを見なくなっている…という言い方ができるようです。


●若者のテレビ離れは本当か?視聴時間で見ると他メディアに圧勝という事実

 ところが、冒頭で書いたように、日本の若者がテレビに費やす時間は、他メディアの相手にならないようです。ログミーの記事であり、グラフが見えないのが残念ですが、テレビの視聴時間が圧倒的だという話がありました。

 株式会社電通 電通総研の研究員である天野彬さんは、ビデオリサーチ社の「メディアコンタクトレポート」というデータから、現在のテレビの立ち位置について見ています。

 まず、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、インターネットのPC・モバイルについて比較。この比較を見ると、現在に追いても、インターネット、モバイル・PCをはるかに上回るのがテレビの視聴時間。多くの時間がテレビに使われているということがわかります。これを見たApp Annie Japanの滝澤琢人さんは、以下のような感想を述べていました。

<最近、とくに若い世代は、いわゆるテレビ離れしている話があり、「テレビに接触してないんじゃないの?」とも思うんですが、このデータはおもしろいですね。
一番若い世代でも、その半分にリーチできるメディアである。とくに50歳以上の場合だと、9割には届く。こう見ると、本当に大きなリーチの力であり、パーセンテージはまだまだ大きい>
(衰えあれど、未だ絶大なチカラを持つ「テレビ広告」 ゲームCMとして活用する意義は? - ログミー 「日本のゲームアプリ市場におけるテレビ広告活用のポイント」セミナー 2016年9月15日15時のログより)


●海外から見ると日本人はテレビが好きすぎるし個性もない!

 テレビ広告がまだまだ効果的だというのは、日本人の異常なテレビ好きに関係していると思われます。また、日本人はテレビをよく見るだけでなく、似たような考え方をしている人がすごく多いみたいですね。データ的な話ではなく個人の感想になりますが、以前ロンドンで勤務をしていた石田晃敬さんがそういった話をしていました。

 そんな馬鹿な!?と思うかもしれませんが、まず、石田さんは「やはり日本はすごいと思うのは、みなさん同じような考え方、価値観を持っている方が多い」としていました。多様性のなさなので、「すごい」と言って良いかは微妙ですけどね。

 一方で、ロンドンやイギリスにはいろんな国々の人がいて、価値観はぜんぜん違うとのこと。これがなぜテレビの話に関係してくるのか?というと、そういう多様性のある国の場合、「テレビで商品の良さなどを訴えようとしても、コミュニケーションしようとしても、届く範囲と理解される範囲には限界が出てくる」という苦労があるのです。

 マーケティング的にはそういった国では、デジタルのメディアを使って、個を押さえていったほうが届きやすいとのこと。逆にテレビ好きで画一的な考え方をしている日本人の場合は、「意外にまだテレビに力がある」という違いがあるとされていました。
(「刺さるCMに必要なのは、タレントとあの要素」テレビ広告を埋もれさせないプランニング - ログミーより)


●アメリカと日本のテレビチャンネル数からわかる多様性の違い

 アメリカでは、視聴者の見るテレビ番組が日本と比べてバラバラだと言われています。これはテレビだけでなく新聞もそうなのですが、日本より圧倒的にバラけていて、自分が好きな番組を選んで見るというスタイル。日本で言うスカパーみたいなのが一般的なんですね。

 例えば、検索して見つけたMy favourite TV programs - ハリウッドらいふ!!(2010-11-15)というサイト。ここによると、アメリカではそもそもまずケーブルTVが一般的。この時点で同じテレビチャンネルを多くの人が見ていないと予想されますが、そのチャンネル数はなんと1000以上あるとのこと。分かれまくりです。

 こういう好みで細分化されていることが、捏造デマを信じるのは右か左か?運営者が語る保守派とリベラルの反応の違いみたいに、特定の層が集中的にデマを信じるといった弊害を増大させている気もします。

 …が、とりあえず、日本とアメリカ・イギリスのどっちが良い・悪い…というのは別として、「大きく違うよ」という話でした。


●自主規制で最近のテレビはつまらないからテレビ離れが進んだ?

2022/03/21追記:9・11に飛び降りた女性とブラジルとユーチューブ:日経ビジネス電子版(2019.9.11 池松 由香ニューヨーク支局長)という、よくわからないタイトルの古い記事を読んでいました。タイトルをつけるのは普通作者ではなく編集なので、よくわからないタイトルをつけたのも編集部でしょうけどね。ただ、一応いずれも過激映像というつながりがありますので、後で説明します。

 また、記事はこのページのテレビ離れとも関係なさげですが、過激さを規制したことでテレビはつまらなくなった…という説があったことを思い出したのでここに追記。私は昔のテレビもそんなにおもしろいと思わなかったのでこの説にピンと来てなかったものの、過激さを求める人は実際いる…というのが今回の話だったのです。

 記事タイトルの「9・11に飛び降りた女性」は同時多発テロでワールド・トレード・センター(WTC)から飛び降りた人がいたという話。タイトルになっていたのは女性ですが、本文で重要なのは、飛び降りた男性を写した写真でした。同時多発テロ事件で最もインパクトある写真の一つとして、象徴的なものになっています。

 一方、2つ目のブラジルは、ブラジルで若者たちに広がる極右政党への傾倒のドキュメンタリーの話。ブラジルでは、トランプ大統領を慕う極右のボルソナロ大統領を誕生させました。これは一見「衝撃映像」と関係ないように思えるかもしれませんが、タイトル最後の「ユーチューブ」の影響があったのです。

<番組の中で取り上げられていたのは、17歳の男子高校生だ。ギターレッスンの動画を見ているうちに、その講師が動画の中で繰り返す政治的主張に興味を持つようになった。それを助長したのがユーチューブだという。同社のAI(人工知能)が自動で似たような思想の著名ユーチューバーの動画を推薦したため、青年はどんどん極右思想にはまっていった>
<(引用者注:ユーチューブでは、)刺激的な動画を1回でも見たことのある視聴者には、別の同じような映像を推薦する。全く見たことのない人よりも、その人がそうした映像を見たいと考える確率が高いからだ。もし映像をクリックしたら、また別の同様の映像を推薦する。こうして刺激的な動画をあっせんし続けることで、滞在時間を長引かせるわけだ>
<待ち受けるのは、過激で注目を集める動画であればあるほど人々の目に触れるという世界だ。しかも見ている人は、その他の類いの動画を見なくなるので、視野や考え方が一方向に偏りやすい>

 ボルソナロ大統領は「ブラジルのトランプ」とも呼ばれますが、本家トランプはこの人間の特性をうまく利用してきた…とされていました。なお、トランプ陣営はフェイスブックと協力し、個人情報を不正利用して、支持者獲得のために個人に最適化した宣伝を見せていたこともわかっています。

<大統領になる前も、そして大統領に就任してからも、定期的に人々の注目を集める過激発言をし、SNSで拡散させ、より多くの人々に自身の思想を植え付けてきた。同じ方法を採ったのが、ブラジルのボルソナロ大統領で、彼が「ブラジルのトランプ」といわれるゆえんだ>

 規制されるテレビでは、過激さを増幅するネットには絶対勝てないってことなんですね。そういや、ポリコレがテレビをつまらなくした…というのも主に右派の主張で、過激さを放置しているネットと相性が良いようです。ただ、政治思想はともかく、過激さのループは問題がありそう。ネットでも規制が必要な可能性があります。


【本文中でリンクした投稿】
  ■捏造デマを信じるのは右か左か?運営者が語る保守派とリベラルの反応の違い

【その他関連投稿】
  ■フジテレビが捏造、韓国女子高生の親日発言に反日嘘字幕 池上彰緊急スペシャルで
  ■テレビ局のコネ入社が正しい理由 フジテレビは藤井フミヤの息子など特に多数
  ■テレビのやらせ・ステマは叩くのになぜ?ラジオのリクエスト捏造は許される雰囲気に
  ■テレ東伝説がまた一つ 安倍首相会見ではなくアベンジャーズ放映
  ■TBSがピラミッド・ダービーで捏造・やらせ DaiGo人気向上のためか?
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