150万円支払ったというのはおごっただけだからと、いじめを認定しなかった横浜市教育委員会。もしかして…と検索したら、つくる会系の教科書を採択していた教育委員会でした。
関係ない話を繋げるな!と保守派の人に怒られそうなのですが、理由はちゃんとあるんですよ。横浜市教育委員会と同じようないじめの定義を、過去に保守派議員が議員がしていたためです。考え方がそっくりだなと思って検索したら、ビンゴだったという話なのです。
●150万円支払いでもいじめではない…横浜市教委の理論
まず、横浜市教育委員会のいじめ理論について。
“150万円の支払い” いじめ認定は困難 横浜市教委 | NHKニュース(1月20日 18時39分)によると、横浜市教育委員会の岡田優子教育長は、20日、開かれた市議会のこども青少年・教育委員会で、以下のように述べて、いじめと認定するのは難しいという考えを示しました。
「関わったとされる子どもたちが『おごってもらった』と言っていることなどから、いじめという結論を導くのは疑問がある」
いじめに限らず、証言というのは、被害者・加害者ともに自分に有利な嘘をつく可能性があります。また、加害者が被害者を恐れて本当のことを言えないということも考えられます。
そのため、証言を参考にしつつ、当時の状況としてどのようなことがあり得たか?ということを考えなければいけません。
今回の場合で言えば、150万円もの金額になるまでおごり続けるという状態は、世間一般の常識で考えて明らかに異常であり、通常の状態ではないと考えられます。加害者の言い分を鵜呑みにできる状況ではありません。
ところが、横浜市教育委員会は、この加害者の供述を全面的に採用してしまったようです。「加害者側がいじめだと思わなければいじめではない」という考え方です。
●過去にも保守派議員が「加害者側がいじめだと思わなければいじめではない」の論理を展開
過去にこれとよく似た考え方をしていたのが、保守派の議員さんでいました。
もともと保守派の方は、セクハラ・痴漢などの性犯罪で被害者に問題があると言いますし、いじめと変わらない体罰なんかまで擁護するので、いじめと相性の良さを感じます。
しかし、最も決定的だったのは、
中川雅治,熊田裕通がいじめ自慢 橋本聖子,義家弘介も問題視せずで出てきた中川雅治さんの以下の発言です。これ、本人はいい話のつもりで言っているんですよ。
「当時、テレビでベンケーシーという外科医のドラマがはやっていました。ベンケーシーごっこと称して、同級生を脱がして、皆でお腹やおちんちんに赤いマジックで落書きしたりしました。
やられた方は怒っていましたが、回りはこれをいじめだと思っていませんでしたね。今なら完全ないじめになり、ノイローゼになったりするケースもあるのかなあと思います。いじめられている方も弱くなっているという側面はありませんか」
いじめられる方に問題ありと言っているのもクソなのですけど、今回のテーマで言えば、やられた方が怒っているにも関わらず、「回りはこれをいじめだと思っていませんでした」としていることです。
その後に「今なら完全ないじめ」と書いているように、当時のこの行為はいじめではなかったという主張です。「加害者側がいじめだと思わなければいじめではない」という考え方をしていることがわかります。
なお、対談していた同じ自民党の橋本聖子議員と義家弘介議員はこれをスルー。やはり自民党の熊田裕通議員もいじめのようなことを、自慢げに話していましたし、保守派的には違和感がない考え方みたいです。
●横浜市教委、つくる会教科書採用していた
ということで、申し訳ないのですけど、「加害者側がいじめだと思わなければいじめではない」は保守派の論理というイメージが、私の中にありました。そして、そのイメージから、横浜市教育委員会にも保守派の人がいるのではないか?と疑ってしまいました。
で、私の思い込みが合っているかどうか検索してみたら、つくる会系教科書を採択していたことがわかったのです。
とりあえず、
採択相次ぐ!「育鵬社教科書」本当の問題点 | 学校・受験 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準(2015年08月26日)という記事で、「東京都、横浜市、大阪市など、今夏、育鵬社を採択した自治体」という文章が出てきていました。
できれば今も使っているという証拠が欲しい、ともう少し探してみると、横浜市のオフィシャルの
(PDF)平成28~3 1年度使用 中学校及び南高等学校附属中学校用教科書一覧で、きちんと確認できました。
社会(歴史的分野)株式会社 育鵬社
社会(公民的分野)株式会社 育鵬社
これらを見つける前の段階では、過去にはつくる会系教科書を使っていたけど今は違う、という可能性も感じたのですけどね。以下がそういう過去の話。
教科書改善の会 - Wikipedia
教科書改善の会(きょうかしょかいぜんのかい)とは、「新しい歴史教科書をつくる会」の内部分裂により脱退したメンバーが、引き続き中学校歴史・公民教科書の発行を行うために2007年に組織した団体。正式名称は「改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会」。代表は屋山太郎。
教科書出版社として扶桑社が設立した「育鵬社」から教科書を継続発行することが決定している。(中略)
横浜市の教科書採択をめぐって
(中略)横浜市教育委員会委員長の今田忠彦は、「勇気を持って答えを出した」「多くの辞任要求を出され、誹謗中傷を受けた。子供のためという美名のもとのイデオロギー闘争だ」と、採択終了後の記者会見で述べた[10]。定例会後、不採択を求めて約11万1000人分の署名を市教委に提出した市民団体「横浜教科書採択連絡会」のメンバーは「教育委員の思想信条で子どもたちの教科書が決められた」と批判した[11]。
なお、育鵬社の教科書を支持した委員は6人中4人で、4人は全員、前市長の中田宏が任命した委員であった。新市長の林文子が任命した委員である奥山千鶴子は「教科書は歴史書ではない。解釈がはっきりしないものが多いと学習の妨げになる。歴史認識が極端でないことが大切。国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という日本国憲法の基本がきちんと書かれていることを重視したい」、同じく林が任命した委員の山田巧(市教育長)は「横浜の子どもの学習実態を見れば、歴史観というよりも基本的な知識や概念の習得が大切だ。頭の中を整理しやすいことや、わかりやすさを求めるべきだ。歴史書が好きな人はたくさんいるが、それと教科書は分けて考えた方がよい」として、他社の教科書を支持した[12]。
上記の今田忠彦さんは、つくる会系の学者と仲良しだという噂があったものの、これは不確定情報です。
横浜市教育委員会 教育委員会についてで教育委員会のメンバーを見ると、この今田忠彦さんがまだ残っています。
ただ、他の方は就任時期から見て、林文子市長時代の任命のようです。なので、今は違う教科書かもしれないという可能性を感じていたものの、結局、前述の通り、今でも使われていました。
この一件をもって、「横浜市教育委員会はつくる会系教科書を採択するような人たちだから、いじめの件も加害者寄りだ」と断定することはできません。そこらへんは注意してください。
でも、あまりにもイメージ通りの情報が検索で簡単に出てきてしまったことには、正直驚いてしまいました。
【本文中でリンクした投稿】
■
中川雅治,熊田裕通がいじめ自慢 橋本聖子,義家弘介も問題視せず【その他関連投稿】
■
生徒がいじめの証拠として録音 → 教師が警察に通報し盗聴で有罪に ■
いじめは自衛隊や防大の文化 耐えることが自衛官の修行になる ■
いじめ発覚で教師を減給で問題は解決、ワタミの渡邉美樹が提案 ■
いじめで警察への通報と録音を禁止する学校、刑事告訴の限界など ■
教師はむしろ性格悪い? いじめに加担どころか率先、わいせつ行為など ■
学校・教育・子どもについての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|