2011/7/7:
●意外な面接のタブー・禁止の質問 愛読書、尊敬する人物、家族構成など
●「愛読書」と「尊敬する人物」は同じ理由でタブー…他の理由は?
●その他のタブーな質問は宗教・資産・収入・人種・民族・出生地など
●職業安定法はハローワーク関係、本当に法律で禁止されているのか?
●意外な面接のタブー・禁止の質問 愛読書、尊敬する人物、家族構成など
2011/7/7:もっぱら興味がおありのは、面接の受ける側の方だとは思うのですが、今日は面接をする側、採用面接官側のお話。"愛読書や尊敬する人物は面接の不適正質問に…"(読売新聞 2011年6月30日12時22分)を読んで、えっ、これ聞いちゃダメなの?と驚いたというのが、きっかけでした。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110630-OYT1T00377.htm
記事は、滋賀県教委が、前年度に卒業した県内の高校生が受けた就職試験で、「不適正質問」を行った企業を発表したもののについて。ただ高校生だけ特別扱いということもないと思いますので、大卒でも転職でも同じ状況と思われます。
滋賀県教委が「767社の就職試験を受けた2431人を対象に調査」したところ、「不適正質問」を行った企業はそのうち79社(10・3%)。内訳は、多い順に以下のようになっています。予想外のものばかりでした。
1位 「住所や住所略図」 35件
2位 「家族構成」 25件
3位 「愛読書」 17件
4位 「家族の職業」 12件
5位 「尊敬する人物」 11件
●「愛読書」と「尊敬する人物」は同じ理由でタブー…他の理由は?
記事では理由の説明がないものが多くて困りました。1位の「住所や住所略図」がまずよくわかりません。住所不定の人ってまず雇う気にならないのですが、それが違反なんでしょうか。住所は履歴書などで結局わかると思うんですけどね。だとすれば、聞く必要はないと言えそうですけど…。これが禁止なのは、ひょっとすると部落問題の関係もあるんですかね。「部落」とされいてるところかどうか探し出すという意図です。
2位の「家族構成」も問題がある気がしませんが、片親だと差別されるなどという心配でしょうか。ただ、これは確かに知らなくたって良いことであり、企業側が質問する意味があまりありません。
4位の「家族の職業」もまた企業側が知らなくて良いこと。また、一方でこれははっきり差別されそうだとわかるものでもあります。たとえば、親が低収入のイメージが強い職業であったり、もっと極端に言えば無職だったりといった感じですね。
私が一番気になったのは、3位の「愛読書」でした。どうも個人の思想に関するものは、いけないてってことのようです。これと同様の理由で、5位の「尊敬する人物」もタブー。しかし、どちらも定番の質問ですので、驚きでした。企業は知らずにこうした禁止質問をしまくってきたと思われます。
滋賀県教委は「不適正質問をした企業には改善指導を行い、公正な採用選考が行われるようにしたい」としているので、本当にまずいんでしょうね。
記事によれば、「職業安定法などで、就職試験の際、身元調査につながったり、個人の信条などを聞いたりする質問は禁じられており」とのことですが、知らない会社が多いんじゃないでしょうか?
●その他のタブーな質問は宗教・資産・収入・人種・民族・出生地など
他を探すと、
採用面接で聞いてはいけないことは? - 会社を成長させる人事の秘訣 第34号 2006.10.11 採用面... - 総務の森というページで、平成11年に労働省から出された「求人広告や採用面接の際に収集できない個人情報の取り扱い」が紹介されています。
(1)人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項
先程とほぼ同じですが、人種すら聞いちゃ駄目?本当?でも、留学生を優先的に取ったりしてるところがあった気が島sう。語学力や外国の情報についてなどを問えば、充分その点はカバーできるということなんでしょうが、これも違反かどうか心配なところ。
ページでの具体例は「本人の資産、家庭環境や家族の状況」「親や配偶者の職業や収入」などを、挙げていました。
(2)思想および信条
ページで具体的にタブーとしていたのは、「宗教」のみ。先程の記事の「愛読書」「尊敬する人物」はこれに当たると思われますが、注意すべきと書いていないところを見るとあまり想定されていないのでしょうか。
(3)労働組合への加入状況について
これは読売新聞ではありませんでしたが、転職者を想定しているんだと思います。
このページでは「ただし、特別な職業上の必要性が存在することその他業務の目的の達成に必要不可欠であって、収集目的を示して本人から収集する場合はこの限りではありません」と注意書きがあるとともに、「採用応募者の情報は、個人情報保護法の個人情報に該当します」ともあり、 「個人情報」という観点からも注意が必要なようでした。
●職業安定法はハローワーク関係、本当に法律で禁止されているのか?
さて、読売新聞で出てきた「職業安定法」ですが、検索してみるとこれ自体は公共職業安定所、つまりハローワークなどに関する法律でした。この法律の
第三条には確かに、それらしい項目があります。「均等待遇」として、以下のようなことが書かれていました。
<何人も、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地、従前の職業、労働組合の組合員であること等を理由として、職業紹介、職業指導等について、差別的取扱を受けることがない>
この法律と高校生の受ける会社との繋がりがよくわからず。ただ、文面は労働省の通達(?)とは似ていますし、滋賀県教委の指導があります。職業安定法で禁止されているのかはわからなかったんですけど、関係機関が問題視しているというのは、どうやら間違いなさそうです。
また、これを守ると企業側としてもたいへんだろうな…と思います。個人的には、愛読書、尊敬する人物など上記で出ていたのは、良い面接質問ではないのではないかとは思いますよ。こんなことを聞くというのは、企業のレベルに問題があるような気もします。ただ、禁止事項がありすぎて、物事を考え方すら問えないとなってくるとさすがに困ってしまうだろうとは思います。
2020/03/12追記:以上のように書いていたのですけど、
普通の面接は無意味だった 就職後の業績がわかるのは構造化面接などでやったように、そもそも企業の従来型の面接は、仕事ができる人を見極められないことが研究でわかっていると後に知りました。つまり、どの質問も無意味なんですね。面接は壮大な無駄であったようです。いろいろな意味で労働生産性を下げていますね。
【本文中でリンクした投稿】
■
普通の面接は無意味だった 就職後の業績がわかるのは構造化面接【関連投稿】
■
日本ヤバイ…企業面接で血液型を質問された就活生・転職者だらけ ■
面接のタブーな逆質問 ~うつ病など病気~ ■
採用面接で面接官のタブーな質問 ~星座、セクハラ~ ■
面接のタブーな逆質問 ~質問はありますか?と聞かれたとき~ ■
面接のタブーな逆質問 ~給与、残業時間、休日出勤~ ■
ビジネス・仕事・就活・経済についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|