<車より安い山林!「ドラクエ好き」などの軽い理由で手軽に購入>、<キャンプブームで「山を買っちゃいました(笑)」で地獄を見る理由>、<権利放棄しても管理義務…山を買ったせいで家族が大迷惑してしまう!>といった話をやっています。
2022/07/30追記:
●自然な山でキャンプ…と思いきや、自然すぎてもキャンプはできない 【NEW】
●車より安い山林!「ドラクエ好き」などの軽い理由で手軽に購入
2022/03/15追記:日本では今、空き家が問題になっています。処分に困っている住宅は捨てるほどあり、安値でも売れない状況。なので、キャンプブームに乗っかって「山を買っちゃいました(笑)」という、冗談みたいなこともちょっとお金を出せばできるのかな?と思うタイトルの記事がありました。
ただし、その場のノリと勢いで山を買うのはまずいかもしれません。私が見かけた記事は、<キャンプブームに乗って購入も後悔する若者…50万円で1000坪以上の物件もある「山」、それでも気軽に手を出してはいけないワケ>(2022/3/11(金) 16:36配信)というネガティブなタイトルだったのです。
この「山を買って後悔する理由」の前に、山を買う人が増えている…という話を最初に。最近では空前のキャンプブームと相まって、自ら所有しようとする若い人が増え、専門のサービスも登場。「山いちば」の比賀真吾社長は「サイトのアクセスはコロナ前に比べて約2.5倍。売上は約1.8倍だ」と話します。
「山いちば」の比賀真吾社長は「うちの会社で最も安かった山林物件は50万円台と、車よりも安い。それでも広さは1000~1500坪だ」と言っており、そう言われると確かにやすいですね。島根県で“東京ドーム4つ分”を“軽トラ1台分”の価格で買った人もいたといいます。
購入した理由も軽く、「ドラゴンクエストのようなRPGの世界観が大好きで。住む場所もファンタジーじゃないとなって思って、同じ感覚を持っている人と一緒に生きていけたらなと。村作りだ」と笑顔。別の人は「ちょっと子どもっぽいが、秘密基地を作りたいなと思っていて」と5つの山林を所有しています。
●キャンプブームで「山を買っちゃいました(笑)」で地獄を見る理由
別の人は、“直火禁止”など、キャンプ場のルールが窮屈だと感じての購入。ただし、この人は、豪雨災害による倒木などで現地にたどり着けなくなってしまったり、草刈り作業が追いつかなかったりと、思うようなキャンプ生活を楽しむことができず…。買った山に全然行かなくなってしまい、後悔していました。
さらに、「隣の土地にスズメバチの巣があった。業者を呼んで勝手に駆除することもできないし、役場に言っても“個人の所有地なので”と言われてしまった」というトラブルも。現地に行くまでの大変さ、管理の大変さ、そして山火事の懸念、売りたいと思うものの、こんな厄介なものを売るのも罪悪感があるといいます。
元経産官僚の宇佐美典也さんは、「林業を営むことも難しくなってきていて、気候変動による大雨での土砂崩れのリスクもあると思う」と指摘。森林ジャーナリストの田中淳夫さんは、「かつて山は“財産”だったが、今は“負動産”になってしまった」として、以下のような話をしていました。
「確かにバブル崩壊前までは価値もあったし、木材に値が付けばということもあったが、今はほとんど財産にならない。そこに管理費が加われば、むしろ赤字だ。それでもキャンプなどで楽しめればいいが、それができないのであれば、やはり“負動産”だろう」
「まず、管理責任がある。仮に崩れて近隣に被害を及ぼしたとなれば責任問題になる。あるいは不法投棄をされてしまうこともある」
やはりタイトルを見た時点思い浮かんだ空き家問題と似ています。また、所有者がわからないことが多いというのも似た問題。誰も買いたがらないため、「未だに明治時代の名義のままの山が全国にいっぱいある」ともいいます。負の財産を押し付けあっているんですね。だからこそ激安で買えることがあるのです。
●権利放棄しても管理義務…山を買ったせいで家族が大迷惑してしまう!
少し短いので、ヤフーニュースのコメント欄も拝見。1番人気は本文の省略部でもあった「飽きる」という問題を指摘したものでした。2番人気は実際に山林を所有している人の忠告。また、遺産相続したという4番人気の人のコメントも興味深いと思ったので、これらを続けて引用。山購入は親戚にも迷惑をかけそうでした。
<よくある事例として、金銭的に余裕がある夫婦が山の中に別荘を建てたはいいものの、そこに行くまでの時間的な負担が徐々に苦痛となり、最初は面白がっていた子供たちも成長と共に興味が失せて近寄らなくなり、結局は歳を重ねた夫婦が手入れをするために老体に鞭を打って細々と現地に通うというような事例が発生します。夫婦が居なくなれば廃墟です。土地の確定すら難しい有様になるでしょう>
<山林所有者として申し上げますが、ここ5年くらいでキャンプにハマった方は、山林に手を出すべきではないです。1反程度でも、開墾するならバックフォー等必要です。もちろん免許も必要です。人力でコツコツと思われる方は、林業者でないなら難しいです。なぜなら不安定な斜面でのチェーンソーの使用は大変危険で、実際専門職である林業者の労災の掛け率は、他の業種より高いです。その他の作業も、山林の維持は専門職として技術も必要、且つ時間も必要、しかも草木は延々生えてくるので、終わりはありません。(中略)本当に山の維持はイヤになります。趣味で購入するべきでは無いです>
<うちも父親が祖父から相続したらしい、わけの分からない山があります。父親が亡くなっても私も妹も要りません。両親が施設に入ればお金もほとんど残らないだろうから、相続放棄したいです。しかし、権利者全員が放棄しても、法廷管理人が見つかるまでは自分たちで管理しないとならないそうなので、悩ましいです。
こういった負動産は、もっと簡単に国有に出来ればいいのにと思います。税金で人の物だった山や物件の管理をするのか、など問題はありそうですが、そうしないと放棄されて荒れ果てた山や朽ち果てた廃墟だらけの国になると思います>
飛ばした3番人気の人は、山は負の財産であるという本文の指摘と矛盾する「外国資本に狙われる」「外国人に(中略)買い占められる」といった主張。実際には、
中国人が日本の土地買い占め?不動産が外国人に人気で海外資金が殺到でやったように、悪い日本人が負の財産である良くない土地を外国人に売りつけた…というのが実情のようです。
●自然な山でキャンプ…と思いきや、自然すぎてもキャンプはできない
2022/07/30追記:
キャンプの醍醐味を全否定!? 都会派キャンプなグランピングの魅力に追記した話なのですが、キャンプブームで山を買うときに参考になる話もあったのでこちらでも紹介することに。
キャンプブームの裏で閉鎖したキャンプ場 その理由は?:あさってキャンプ(22/04/21 05:00)という記事の話です。
2021年度限りで営業を終了し、施設を廃止する方針を決めた占冠村の「ニニウキャンプ場」。ここは、水道設備がないため、キャンプ場も井戸水を使っていました。ところが、井戸水は枯れるときもあり、給水車で対応するなど不安定。キャンプブームで水不足が深刻化し対応を検討した末、無理だと判断されています。
<村役場が安定的に水を供給するための取水施設の整備費用を試算したところ、2億円近く掛かると算出されたそうです。村役場の担当者は「キャンプ場は観光資源としても貴重だったのですが、限られた村の財源の中で費用負担が大きく、閉鎖する決断に至りました」と説明しています>
水まで現地調達すると本格的な感じなのですが、普通のキャンプはそこまで野性味あふれていません。また、野生動物がいるというのも「自然」なことではあるのですが、キャンプでは歓迎されないことがある…というのが次のケース。山を買った場合にも、同様にキャンプに使えないリスクがあるでしょう。
<道南の日本海側にある、せたな町の大成野営場も2021年度限りで営業を終了し、施設を廃止する方針を決めました。落石とクマ出没などが理由です。
近年は周辺の山の斜面から落石が相次ぎ、野営場内にまで石が入ってくることもありました。また、近隣でクマの出没も続き、たびたび休業していました。1984年に開業してから40年近くが経過し、施設全般の老朽化も課題でした。
せたな町役場の担当者は「落石を防ぐには斜面全体の工事が必要で、施設の老朽化も含めて対応が難しい現状がありました。キャンプブームの中で営業を続けたい思いもありましたが、安全確保のために廃止を決めました」と説明します>
一方で、「キャンプブームで地方活性化は無理…」という教訓を感じたのは、2021年度に施設を廃止する方針を決定した、空知管内の滝川市にある「丸加高原オートキャンプ場」のケース。中国と似て日本は公的機関がいろいろやりたがりますが、民間に任せた方が良い…という話でもあるかもしれません。
<第一次キャンプブームの真っただ中の1996年度に開業した高規格サイトでした。家族連れらに人気の施設でしたが、ブームが去って以降は客足が伸び悩み、近年は施設の老朽化も重い課題となっていました。
滝川市役所の担当者は「電源設備や管理棟などの傷みが激しく、キャンプ場の利用料金も安価に設定している中で収益性が高い事業でもないため、改修の難しさがありました」と話します。また、近年は滝川市内に民間キャンプ場が誕生し、キャンプ客の受け皿ができたこともあり、丸加高原オートキャンプ場は再開せず、廃止する方針となりました>
【本文中でリンクした投稿】
■
キャンプの醍醐味を全否定!? 都会派キャンプなグランピングの魅力 ■
中国人が日本の土地買い占め?不動産が外国人に人気で海外資金が殺到【関連投稿】
■
ヒッチハイクの人を乗せない人は、人に親切にされて嬉しかったことがない人(三谷宏治) ■
意味ないしいらない 不要論続出で大不評の山の日の由来は? ■
日本3大がっかり名所とがっかり観光地ランキング 時計台が両制覇 ■
人生・生活についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|