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日米貿易摩擦を忘れるな!日本人はなぜ中国をいじめるアメリカに好意的?


 最初に問題です。以下の文章の中での「アジアの国」というのはどこの国で、そして、「選挙を制した共和党大統領」というのは、誰のことでしょう?

<台頭著しいアジアの国が多額の対米貿易黒字を築き、米国経済の優位を脅かしている。米政府はその新しい大国が米国の技術を取得する手口(窃盗が多いと米当局者は警告)や自国企業を世界で優位な位置に押し上げるべく強権を振るう様子に憤慨している。中西部でブルーカラーの男性から予想以上の支持を集めて選挙を制した共和党大統領は、経済的ライバルであるその国が米国と取引(ディール)をした方が身のためだ、さもないと大変なことになると話す>

2019/06/29:
●日本人はなぜ中国をいじめるアメリカに好意的なのか?
●日米貿易摩擦を忘れるな!ひどかったアメリカの日本いじめ
●日本は世界支配を狙っている!本気で考えていたアメリカ
●アメリカの圧力が日本を崩壊させ中国をも崩壊させる…は本当か?
2021/01/08:
●左派の陰謀?ニューヨーク証券取引所が中国企業上場廃止を撤回
2021/02/24:
●中国が不公正と訴えたアメリカ、WTOで逆に不公正指摘される
2021/04/07:
●米中対立で日本企業が株式上場中止 日本を代表する産業にも影響 【NEW】


●日本人はなぜ中国をいじめるアメリカに好意的なのか?

2019/06/29:クイズの答えですが、うちの投稿のタイトルから察しがつくように、これは中国とトランプ大統領の話ではありません。1980年代半ばの日本とレーガン大統領の話なのです。冒頭の文章は、米中衝突、よみがえる日米貿易摩擦の記憶 - WSJ( By Peter Landers 2018 年 12 月 14 日 18:01 JST )からの引用でした。

 日本を叩きのめしたレーガン大統領は、今でも歴代大統領の中でもトップクラスに人気がある大統領です。米中貿易摩擦においてアメリカに好意的な日本人は多いと思いますが、日本は中国のようにいじめられた国であったことをわかっているんだろうか?と不思議に思っていたので、今日は日米貿易摩擦の話をやってみることに。

 冒頭で引用したWSJの記事で、作者のピーター・ランダースWSJ東京支局長は、当時の日本政府は米国に対する大幅な譲歩をしたせいで、想像できるよりもはるかに急速に日本の経済は衰退したと結論づけています。アメリカの圧力がうまくいったという評価です。日本人なら本来、頭にきて良い話ですけどね。

 一方、アメリカにとってもこれが喜ばしい事態だったかにも疑問が残ります。なぜ?と思うかもしれませんが、それは現在の状況がまさに物語っているでしょう。そもそもなぜトランプ大統領が中国を目の敵にしているかというと、日本を潰してもアメリカの繁栄はもたらされなかったためですからね。

 記事では、<日本との不均衡は実質的に中国に移った><レーガンやその後の大統領らが守ろうとした中西部製造業界の雇用は消え続けており、米国の消費者は依然として米国製のテレビや電子レンジを買いそうにはない>と指摘していました。日本いじめは、アメリカ復活の解決策にはならなかったのです。


●日米貿易摩擦を忘れるな!ひどかったアメリカの日本いじめ

 この記事では、当時の日本の大蔵省(今で言う財務省)で財務官などを務めた行天豊雄さん(87)のインタビューを紹介をしていました。「米国側は常に日本を脅していた」と言っていたそうです。米国の怒りを静めなければ米市場から締め出されかねないというのが日本側の認識だったともいいます。脅迫されていたんですね。

 日本側の譲歩で最大のものは、円高ドル安を一気に進めたドル高是正の取り決め「プラザ合意」であったと思われますが、レーガン大統領は全く納得しませんでした。早くも翌日には、日本を念頭に「諸政府が米製品の偽造やコピーを認める時、それはわれわれの未来を盗んでおり、もはや自由貿易ではない」と、日本をボロクソに言ってさらに攻める宣言をしています。

 民間企業も日本企業に対して攻撃。いずれの紛争でも後に和解が成立していますが、IBMは富士通がIBM製メインフレームの基本ソフト(OS)をコピーしたと主張し、米複合企業ハネウェルはミノルタが85年に発売して人気となったカメラで特許技術を盗んだと訴えました。当時の日本はパクリ国家という認識が世界にはあったのですけど、これもまた今の中国との共通点ですね。


●日本は世界支配を狙っている!本気で考えていたアメリカ

 アメリカ政府は日本がリードすることを恐れ、86年に開催した超電導に関する会議に外国の科学者が出席することを禁じました。これは、日本のAIは遅れてる?あのホンダも中国のAIベンチャーと提携し教えを請うで書いた、中国のAI研究を妨げようというアメリカの動きのことを思い出させます。

 こうしたエピソードはまだありました。通商当局者や専門家は80年代の終わりごろから90年代初頭にかけて、日本の官僚が世界の支配を画策していると盛んに警告していたそうです。これも今の中国で似たようなものが見つかりそうなもの。

 また、91年の書籍「『第二次太平洋戦争』は不可避だ」は、貿易を巡る米国の要求に腹を立てた日本が「西太平洋と東アジアを支配する帝国を再び目指す」と予想しました。この書籍は当時馬鹿らしいものだと考えられていたわけではなく、書評家らは憂慮すべき内容を含んだ示唆に富む作品だと評していたといいます。


●アメリカの圧力が日本を崩壊させ中国をも崩壊させる…は本当か?

 なお、先程あった「アメリカの圧力が日本を崩壊させた」という評価には、疑問を感じました。ただ、読み進めていくと、記事でも日本の凋落がアメリカのせいだけとは言えないという表現が出てきています。

<既に起きていたのにほとんど誰も予想していなかったのは、日本の経済システムの崩壊だ。(中略)利益相反を抱える当局は、銀行が価格のつり上がっていた不動産を担保に多額の融資をするのを止めなかった。独立性に欠けた日銀は、世紀の宴のたけなわで片づけを始めることをためらった。「安易なマネーは消費や輸入を拡大する代わりに資産バブルを喚起した。日本人はみな完全に催眠術にかかっていた」と、行天氏は話す>
<必至だったバフルの崩壊がやって来た時には、大蔵省の官僚と銀行幹部はまさに不意打ちを食らった形となった>

 私は日本の経済衰退は必然だったと考えます。これは中国にも言えて、やはり既にガンガン伸びる時期は終わったと考えることができるでしょう。なので、アメリカのいじめ行為は停滞時期を早めた・早める…くらいの言い方が妥当な気がします。

 その理由は日中ともに人口構造の問題が大きいと考えられるためなのですが、実は記事でもその話が少しあり、<出生率低下に伴い、中国の生産年齢人口は縮小し始めている。これは日本の長い経済停滞の根底にある「人口時限爆弾」問題と似ている>と書いていました。この人口構造がなぜ大事なのか?については、日本の高度経済成長は当然だった 人口ボーナスと人口オーナスを参考にしてください。


●左派の陰謀?ニューヨーク証券取引所が中国企業上場廃止を撤回

2021/01/08:ニューヨーク証券取引所(NYSE)による、中国通信大手3社中国電信(チャイナテレコム)、中国移動(チャイナモバイル)、中国聯通(チャイナユニコム)香港の上場廃止については、日本では右派以外からも賛同の声が挙がっています。ただ、当事者のニューヨーク証券取引所の方針は二転三転しました。

 トランプ大統領が2020年11月12日に発した大統領令を受け、2021年1月初めの上場廃止を決定。ところが、廃止の直前になってから、上場廃止を撤回。これにトランプ政権のムニューシン米財務長官が反発するなどして、わずか2日後にまた方針転換して、再び上場廃止することになりました。めちゃくちゃですね。
(中国通信大手3社の上場廃止、NYSEが実行へ--方針を再転換 - CNET Japan 2021年01月07日より)

 このうちの廃止撤回のときに、中国の陰謀だとか、バイデン次期大統領が手を回したのでは?とか言った陰謀論が出ていました。ただ、そうだったの?と驚いたのが、ニューヨーク証券取引所を運営するのが、左派やリベラルではないどころか、右派だったということ。やっぱり陰謀論を言い出す人はいい加減ですね。

 ニューヨーク証券取引所(NYSE)を傘下に置くインターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)のジェフリー・スプレッチャー最高経営責任者(CEO)の妻・ケリー・ロフラーさんは、なんと右派・共和党の上院議員でした! 言い逃れができないほど、完璧に右派だということがわかります。

 妻と夫で政治的スタンスが異なるということもあり得ますが、この夫婦の場合はそんなことはなさげ。というのも、夫婦は選挙キャンペーンに2370万ドル(約24億4000万円)もの大金を投じていたとのこと。本気で妻の当選をしており、夫だけ右派が大嫌いな左派やリベラルということではないようです。

 ちなみに、この話があったのは、ウォール街パワーカップル、散々なトランプ政権幕引き-妻は上院選敗北 - Bloomberg(2021年1月7日)という記事。右派で現職だった妻・ケリー・ロフラー共和党上院議員は、決選投票で民主党の新人議員に敗れたと報じられています。あと、この敗戦については、トランプが余計なことしたせいだ!とトランプ大統領を支持していた右派マスコミWSJも怒り心頭な記事を書いており、内部分裂状態でした。


●中国が不公正と訴えたアメリカ、WTOで逆に不公正指摘される

2021/02/24:アメリカの対中制裁関税は「国際ルール違反」 WTOが判断 - BBCニュースというトランプ大統領時代の2020年9月16日の記事がブックマークされていたのですが、どこで使うつもりだったか忘れてしまいました。とりあえず、内容的に近いのはここかな?ということで、こちらに追記します。

 米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表は、アメリカが「不公正な貿易慣行に対抗することは許されるべきだ」と述べたものの、そもそもアメリカの措置が「不公正だ」と指摘されたという話。アメリカがWTOに提訴したものの、証拠がないのに難癖をつけて貿易を阻害しているだけ…ということで、却下されたみたいですね。日本もやられる可能性があり、注意すべきものでした。

<世界貿易機関(WTO)は15日、アメリカが2018年に中国製品に課した関税について、国際貿易ルールに違反していると判断した。この関税は激しい米中貿易戦争の引き金となった。
 WTOは、アメリカが中国による不当な技術盗用や補助金を理由に国境税導入の正当性を主張している一方で、その根拠を示していないと結論付けた>

 なお、米政府はWTOへの委員の選出を拒んでおり、人員不足で今後の審理が行えない状態が続いているという話も記事ではありました。これは、米中間だけでなく、世界中の貿易に影響を与える問題だと言えます。トランプ政権は中国よりとして世界保健機関(WHO)も非難し支援を停止し、なおかつ日本でも支持する声がありますが、こちらも同様に世界に悪い影響を与えています。

 WTOやWHOは世界各国に影響があるわけで、アメリカや中国だけの機関ではないため、他の国々のことも考える必要があるのですが、そこらへんは全然考慮されていません。右派が好んで主張する「対案がない批判」であり、なおかつ批判では済まず、実際に悪影響を与えているというより悪い状態になっていました。


●米中対立で日本企業が株式上場中止 日本を代表する産業にも影響

2021/04/07:米中対立には、米中だけでなく、他の国にもデメリットを与えており、日本の企業でも問題が起きています。例えば、以前ブックマークしていたキオクシア、10月上場は中止 ファーウェイ出荷できず―米中対立影響:時事ドットコム(2020年09月27日)という記事では、以下のような話がありました。

<東芝から分離した半導体大手キオクシアホールディングスが10月6日に東証で予定していた株式上場を中止する見通しとなった。(中略)米中対立の影響で、今月中旬以降、大口顧客である中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)向けの製品供給が停止。事業環境の先行きが不透明になったと判断した。(中略)
 キオクシアはファーウェイ向けにスマートフォン用フラッシュメモリーを供給してきたが、米国によるファーウェイへの半導体輸出規制が発効された今月15日から出荷を停止した。再開には米商務省の許可が必要だが、半導体業界の多くで承認が得られる見通しは立っていない>

 半導体不足は現在、世界的に問題になっており、日本で最も成功している産業である自動車業界にも影響。説明されていた半導体不足の理由は米中対立がメインではなかったものの、半導体、世界でなぜ不足?: 日本経済新聞(2021年1月25日)によると、とどめを刺したような格好みたいでした。

<2020年秋以降、半導体不足が続いています。新型コロナウイルスの影響でテレワークが世界中で広がり、パソコンなどに使う電源管理用の半導体がまず足りなくなりました。さらに世界最大の中国の自動車市場の回復を受け、半導体不足で車の生産が制限される事態になっています。(中略)
車メーカーは車需要が落ち込むとみて20年春に半導体の発注を大きく絞りましたが、回復は想定以上のペースでした。半導体は通常、材料を投入してから製品ができあがるまでに3カ月以上の時間がかかるため、車の需要回復に合わせて発注を増やしても間に合いません。また米政府による中国企業への制裁もあって、半導体の調達先が限られたことも不足に拍車をかけています>


【本文中でリンクした投稿】
  ■日本のAIは遅れてる?あのホンダも中国のAIベンチャーと提携し教えを請う
  ■日本の高度経済成長は当然だった 人口ボーナスと人口オーナス

【関連投稿】
  ■迷言だらけ?ブッシュ大統領のブッシュ語録 トランプ大統領批判も
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