ときどき120円や130円などではなく、100円で缶飲料を売っている自販機があり、その安さをアピールしています。ところが、世の中には50円で売っている自販機もあるんだそうな。みりおという会社の自販機です。写真を見ると、50円だけでなく、80円・100円もあるっぽいのですけど、どちらにせよ驚きです。
2017/2/19:
●あのダイドードリンコすら苦戦!見放した自販機ビジネス
●安定収益源だと言われていた自販機ビジネスが崩壊した理由
●100円ですらまだ高い?50円で売るミリオンの自販機ビジネス
●オリジナルではない大手メーカーの飲料の場合は大量購入…工夫の数々
2020/05/29:
●実を言うとミリオンもの競争激化で売り上げが低迷していた…
●あのダイドードリンコすら苦戦!見放した自販機ビジネス
2017/2/19:この50円自販機の前に、飲料会社で自販機と言えば…という代表企業だったダイドードリンコの話を。今回の記事と同じダイヤモンド・オンラインで、ダイドードリンコの自販機ビジネスすら曲がり角に!という記事があったことを思い出したので、引っ張り出してきました。
思ったより昔で、2014年の記事ですね。「週刊ダイヤモンド」編集部 泉 秀一さんによる2014年11月28日の
【ダイドードリンコ】飲料業界の“花嫁候補”が下した「自販機モデル脱却」決断の波紋|数字で会社を読む|ダイヤモンド・オンライン という記事でした。
「ついに自動販売機ビジネスが役目を終えた」(飲料メーカー幹部)
ダイドードリンコが下したある決断が、飲料業界で波紋を呼んでいる。今年3月に発表した中期経営計画において、“自販機一本足モデル”からの脱却を掲げたからである。
ダイドーのビジネスモデルは極めて特徴的だ。飲料の販売チャネルには、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの「小売り」と「自販機」の二つがあるが、ダイドーの飲料売上高に占める自販機チャネルの構成比(自販機比率)は際立って高い。一般的な飲料メーカーの自販機比率が約30%なのに対し、ダイドーのそれは86%(2013年度)にも上る。自販機ビジネスに大きく依存しているのだ。
●安定収益源だと言われていた自販機ビジネスが崩壊した理由
自販機ビジネスはもともと安定収益源だと言われていました。ところが、"1999年より自販機の販売効率は悪化"。日本自動販売機工業会調べでは、"1台当たりの売上高は、13年にはピーク時の76%である86万円にまで落ち込ん"だとのことです。
この悪化の原因は、コンビニだと見られています。ある業界の不振にコンビニが関わっている、というパターンは最近多いですね。
自販機の場合はコンビニで人々が飲み物を買うようになったというだけでなく、「多くの個人商店がコンビニへと姿を変え、店先に設置していた好立地の自販機の多くが撤去された」(自販機業界関係者)という事情もあるようです。
それから、コンビニではないものの、消費増税がとどめを刺したという指摘。値上げでさらに客足が遠のいてしまいました。
なお、記事では、「現状では、カウンターコーヒーの影響は明確に数値化できない」(長谷川直和・ダイドードリンコ執行役員)としつつ、カウンターコーヒーの影響も挙げていましたがこれは疑問です。というのも、コンビニのカウンターコーヒーとコンビニの缶コーヒーでは、購買層が大きく違うというデータを過去に見たことがあるため。
コンビニコーヒーは今までと違う購買層を開拓したのであって、缶コーヒーとは客の取り合いになっていないと考えられます。
●100円ですらまだ高い?50円で売るミリオンの自販機ビジネス
で、そんな将来性のなさそうな業界で伸びているのが、激安缶飲料を自販機で売るミリオンです。ミリオンの平川隆行専務によると、激安価格で販売できる理由はいくつかあり、「一つは、オリジナルの自社製品を作ること」だと言います。
(
50円で大手メーカー飲料も!激安自販機ビジネス絶好調の理由|ニュース3面鏡|ダイヤモンド・オンライン 清談社 2017年1月16日)
「シークァーサージュースなら、シークァーサーから仕入れます。通常ですと、間に商社を数社挟むのですが、うちではそこにかかるコストをすべてカットしているので、安くできるんです」
これは製造小売業みたいな発想ですね。ニトリやイケアやユニクロが安くできるのは、製造段階から自分たちでやっているという理由があります。これは、
大塚家具とニトリ・イケアの違いは価格や品質ではない 何が違う?でやっている話。品質を下げているわけではないのです。
●オリジナルではない大手メーカーの飲料の場合は大量購入…工夫の数々
ミリオンは大手メーカーの飲料も激安販売できています。「丸ごと買い取ることで、値段交渉の余地が生まれます。先方も、丸ごと買い取ってくれるなら…という気持ちになりますよね」とのこと。
それだけでなく、メーカーの夏限定の商品が冷夏で売れなかったというのを、本社のある沖縄で売ったということがあったそうです。沖縄はあったかいですからね。なるほどという話。
ただ、安ければ何でも売れるか?と言うと、さすがにそうではないようです。痛い目に遭った経験もありました。
「あるメーカーの在庫を大量に買ったのですが、予想に反してまったく売れなかったんです。ジュースには賞味期限があるので、それを過ぎたら販売できなくなってしまう。最終的には5本で100円くらいにして、叩き売りしました」
私は自販機では絶対買わないのですが、"スーパーとしても、メーカーから買うよりミリオンから仕入れたほうがコストがかからない"と、スーパーにも売っているとのこと。チラシの目玉商品になるんだそうです。
平川隆行専務は、「どこに行っても『ミリオンの自動販売機だ』とひと目でわかることが重要」として、自社の自動販売機を真っ黄色にしているとも言っていました。
これと同じように自社のカラーを決めているのが、ちょうど同じ黄色のファナックです。
ロボットだけじゃない!宗教的なほどファナックが黄色な理由は? でやっています。ここらへんにも一工夫あるんですね。工夫がたくさんあって感心しました。
●実を言うとミリオンもの競争激化で売り上げが低迷していた…
2020/05/29:ミリオンの話を他にも読んでみよう…ということで検索。
激安!50円自販機は沖縄発 関東に1000台、コスト抑える独自ノウハウ | 沖縄タイムス+プラス(2017年1月15日 09:51)という記事が出てきました。
最初のダイドードリンコの話ではコンビニによって苦戦という話が出ていましたよね。実を言うと、ミリオンも初めは普通に飲料メーカーの自販機を扱っていたそうですけど、コンビニや同業他社との競争激化で売り上げが低迷して路線変更したとのこと。独自の自販機ビジネスを生み出しtのは、この低迷が理由です。
平川隆行専務取締役は「非常識だと思われているところにビジネスチャンスがある。今後も消費者目線でユニークな事業を展開したい」と話していました。まさにピンチをチャンスに変えて成功したという、教科書に載せたいようなわかりやすい例ですね。
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