(読まれいていない子宮頸がんワクチン問題の話をまとめ中。新型コロナウイルスワクチン以前から反ワクチンがあったことがわかる話でもあります)
子宮頸がんワクチンの被害者とされる人たちの中には、無事回復した方もいらっしゃるようです。これはどう考えても喜ばしいことなのですが、なぜかそれを快く思わない人たちがいるとのこと。しかも、そうやって症状の回復を嫌うのが、被害者の側に立つはずの被害者らの団体だというのですから、さらに驚きです。
2022/04/17まとめ:
●子宮頸がんワクチン調査、圧力で撤回?名古屋市の調査
●子宮頸がんワクチンの回復情報、被害者連絡会が圧力や隠蔽工作
2017/2/19:昨年11月26、27日に開催された「現場からの医療改革推進協議会シンポジウム(現場シンポ)」。そこで、子宮頸がんワクチンの副反応から回復した4名の母親らが経験談を語りました。
(
子宮頸がんワクチン被害者から、「決意の重大告発」相次ぐ | ビジネスジャーナル 文=上昌広/特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長 2017.02.09より)
この話で衝撃的だったのは、子宮頸がんワクチンの被害者連絡会の行動でした。彼らは回復を歓迎し、他の被害者らに情報を提供するところか、回復した人たちに「この情報を開示しないように圧力をかけてきた」といいます。例えば、ある母親は、「連絡会内でも回復情報を共有してほしいと提案したが、却下された」と告白しました。さらにひどいのが、別の人の以下のようなケースです。
「当時会がつくっていた掲示板にその旨を書き込んだところ、掲示板自体が消された。数日後、事務局長から電話があり治ったことを告げたら、『もう連絡いらないわね』で話が終わる。次々にSNSでブロックされる。事実上会から除名されたような状況となった」
●症状が回復されると困る…被害者連絡会は被害者に冷たい理由
なぜこのような状態になるのか?と言うと、被害者連絡会は、子宮頸がんワクチンの被害者とされる人たちの回復を願っているわけではなく、ワクチンの副反応(副作用)のせいと訴えることが大事だからだと予想されます。ワクチンのせい以外だと彼らは困るんですね。
一方で、
子宮頸がんワクチンの副作用の本当の理由は? 心霊現象とも似た性質で書いているように、そもそも子宮頸がんワクチンの被害者とされている人たちは、ワクチンの副反応ではない別の理由である可能性が高いです。現場シンポに出席した母親らも、ワクチンの問題を強調せず、多くの副反応に心因的な要素が強いことを認めていました。
特にある母親なんかはかなり突っ込んでいて、「症状はワクチンがトリガーとなった心因性である子がほとんどでないか」と発言していたそうです。「被害者連絡会はなくなるべき」と主張する母親すらいたのは、前述の通り、連絡会が"被害者そっちのけでもイデオロギー闘争に明け暮れて"、政治団体化しているためだと考えられます。
●医療の怠慢が怪しい民間療法・疑似科学・宗教団体をのさばらせる
ただ、この話では、残念ながら現代の医療の問題も見えていました。母親らは、西洋医学的アプローチが娘たちの症状の回復にあまり貢献しなかったことも指摘していたのです。その一方で、民間診療に効果があったとしています。これはおそらく医学的に正しい方法ではなかっただろうと思われますが、心因性の場合、それ以外のものが役に立つ可能性がありそうです。作者の上昌広さんは、コミュニケーション力の違いではないかと見ていました。
私は、お医者さんが役に立たなかったのは、患者に親身になろうという態度が足りなかったからではないか?と思います。これはどちらにせよ、医者の怠慢を示すものです。(全部医者が悪いと主張するわけではなく、営利である以上限界があるため、私は公的な対策も必要とは考えています)
そして、このケースのように、現代医学が悩んでいる患者を放置するからこそ、怪しい民間療法や疑似科学、宗教団体といったところに人が流れてしまう人が出てくるとも考えられます。
新興宗教団体のワールドメイトの深見東州代表はSAPIOのインタビューで、「ひとつの宗教が全ての国民を救済することは難しいが、信仰を持たないよりは任意の宗教に入信したほうがベター」という、新日本宗教団体連合会に“国民皆信仰”という考えを肯定的に紹介していました。
しかし、宗教が必要だと主張される理由のほとんどは、本来、科学や医学で解決可能なものだと考えられますし、将来的にはさらにその範囲が広がるでしょう。
例えば、人々の不安についての研究なんかは、普通に科学でしょう。「多くの国の医療制度において重点が低い」と指摘されているそうですが、メンタルヘルスは普通に医療の範囲です。既存の宗教からまだ学べる部分があるとしても、それもまた科学です。科学は絶えず学び続けて、できないと思われてきたことを可能にしてきました。
もちろん信仰は自由であり、私もそれは否定しないのですが、将来的に「宗教は全く必要ない」と言える状態にできると思われますし、より多くの人を道を誤らせることなく救うためにはその状態を目指すべきだと考えます。
●子宮頸がんワクチン調査、圧力で撤回?名古屋市の調査
2022/04/17追記:上記と似たような方向性の話として、<子宮頸がんワクチン調査、圧力で撤回?薬害オンブズパースン会議が批判していた名古屋市の調査 会議には浜六郎氏も所属していた>という長いタイトルで書いていた話をこちらにまとめています。
2016/6/27:久しぶりに浜六郎さんが話題になっていて何かな?と思ったら、以下の子宮頸がんワクチンの件のようです。子宮頸がんワクチンが問題を起こしていると主張したい人には不利な結果だったせいか、批判が出て撤回されたとのこと。圧力のせいなどではなく、単に専門家に託したとも考えられるものの、今後が心配になるニュースではあります。
<名古屋市は、子宮頸(けい)がんワクチンの副反応について「接種者に有意に多い症状はなかった」とする評価を撤回した。調査は昨年、市民約7万人を対象に実施。今月まとめた最終報告書では評価を示さなかった。市は「社会的影響が大きく、市だけで結論は出せない」と説明している。(中略)
薬害監視の民間団体「薬害オンブズパースン会議」が「副反応の症状は複合的で、一人が複数の症状を持っている。個々の症状ごとに接種者と非接種者との有意差を比べても意味がない」と批判していた>
子宮頸がんワクチン調査で名古屋市が結論撤回:朝日新聞デジタル(2016年6月27日07時18分)記事によると、"市は昨年9月、おおむね14~21歳の女性"にアンケートを送付。"3万793人(接種2万1034人、非接種9245人、接種不明514人)から回答を得た"とのことで、サンプル数の多さに驚きました。
「子宮頸がんワクチンが悪い」とされる報道が出回っていますので、思い込みの影響が大きくなってしまうのでは?と思うのですが、意外なことに接種の副反応にみられる24の症状のうち、接種者に「多い症状」はありませんでした。影響なしです。
それどころか、"接種者に「少ない症状」は、関節やからだが痛む▽杖や車いすが必要になった、など15症状"もあったとのこと。ワクチン接種で関節の働きが良くなるとも思えないので、これはこれで変な話じゃないかと思いますが…。
●薬害オンブズパースン会議には浜六郎氏も所属していた
で、肝心の浜六郎さんなのですが、薬害オンブズパースン会議が彼の組織だという言われ方をしていました。ただ、これは誤解かも知れません。
メンバー | 薬害オンブズパースン会議 Medwatcher Japanの現在のメンバーのところに浜六郎さんの名前は見られなかったためです。
鈴木利廣(代表)大学教員・弁護士
水口真寿美(事務局長)弁護士
別府宏圀(副代表)医師
片平洌彦(副代表)元大学教員、現民間研究所長
(略)
また、過去の薬害オンブズパースン一言メッセージを確認してみると、確かに浜六郎さんの名前が見える年があるものの、そのときですら役職は特にありませんでした。それほど関係は深くないのかもしれません。
薬害オンブズパースン一言メッセージ | 薬害オンブズパースン会議 Medwatcher Japan鈴木利廣(代表)弁護士・東京HIV訴訟原告弁護団
片平洌彦(副代表)大学教員
別府宏圀(副代表)医師・「正しい治療と薬の情報」編集長
水口真寿美(事務局長)弁護士・東京HIV訴訟原告弁護団
浜 六郎 医師・EBMビジランス研究所所長(略)
浜六郎さん自身は批判の多い主張をしていることで有名な人。うちでは、
浜六郎医薬ビジランスセンター(NPOJIP)理事長トンデモ疑惑や
イレッサ訴訟と浜六郎 副作用のミスリードと「薬害ゴロ」批判で書いています。ただ、たとえ浜六郎さんの影響が薄かったとしても、薬害オンブズパースン会議には注意しておいた方が良さそうです。
【本文中でリンクした投稿】
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浜六郎医薬ビジランスセンター(NPOJIP)理事長トンデモ疑惑 ■
イレッサ訴訟と浜六郎 副作用のミスリードと「薬害ゴロ」批判 ■
子宮頸がんワクチンの副作用の本当の理由は? 心霊現象とも似た性質【その他関連投稿】
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