デービッド・アトキンソン――日本が成長できない本当の理由 HARBOR BUSINESS Online / 2016年12月27日 16時10分
――アナリストらしく、「研究開発費」や「高スキル労働者の構成比」、さらには「国民1人あたりのノーベル賞受賞者数」など、いくつものデータを駆使してロジックを組み立てています。
アトキンソン:国民1人当たりのGDPのデータを見ればわかるように、先進国の中で、潜在能力に対して実力以上の力を発揮できている一番の国がアメリカで、逆に、もっとも実力を発揮できていないのが日本です。国力ランキングを見ると、日本は必ず上位に入りますが、それは実力があるからではありません。人口が多いからランク入りしているだけなのに、それを実力があると勘違いしています。
――日本が「潜在能力」をうまく成長に結びつけられないのは、自ら「ものづくり世界一」、「吾こそ技術大国だ」と自画自賛してばかりで、客観的なデータ分析を行わず、問題の根本的な解決を怠ってきたと指摘しています。日本人には耳の痛い話でしたが……。
アトキンソン:日本のアナリストが書いた本の多くは、キャッチフレーズを並べているだけで、データ分析が足りません。私も執筆中、常識だと思って書いたことが、後にデータと照らし合わせると、結果がまったく違ったことが何度かありました。それほどデータは大切なのに、なぜか日本ではそれを指摘する声が少ない。
今の日本が移民を受け入れたところで、上手くいくはずがないのです。制度自体をポイント制にし、高学歴の移民は受け入れやすくするシステムもありますが、高学歴の外国人が日本で働くことになったら、非効率な今の仕組みそのものを変えようとするでしょう。今議論されているのは、低スキルの人を迎え入れて日本で一定期間働いてもらい、極論を言えば、日本人の年金と医療費を稼いでもらうといった都合のいい話です。それは、奴隷制度と大して変わりません。
昨年したためたベストセラー『新・観光立国論』(東洋経済新報社)では、人口減少社会となった日本で新たな成長を目指すには、これまでの価値観をすべて捨て、官民一体となって戦略的に「観光大国」を目指す以外にない、と説き、政府をも突き動かすほどの大きな反響を呼んだ。いくつものファクト(数値)を執拗に積み上げて答えを導き出す手法は、まさに「伝説のアナリスト」のクールな目線そのものだが、そんな異色の経歴を持つ彼が、新たに世に放った『新・所得倍増論』(東洋経済新報社)が、現在話題になっている。
本書は、21世紀の「所得倍増計画」の提言です。
少子化が経済の足を引っ張る日本。
出生率は、すぐには上がりません。
移民政策は、なかなか受け入れられません。
ならば、外国人観光客をたくさん呼んで、
お金を落としてもらえばいいのです。
この国には、【世界有数の観光大国】になれる、潜在力があるのですから。
ですが、2014年の訪日客数は1300万人程度です。
日本ほどのポテンシャルをもつ国としては、驚くほど少ない数と言わざるをえません。
日本の潜在力と世界の観光産業の隆盛を考えれば、
2030年までに8200万人を招致することも、決して不可能ではありません。
それを成し遂げることで、日本経済には「第2の高度成長期」が訪れるのです。
本書では、そのための方策を、詳しく解説しましょう。
デービッド・アトキンソン新・観光立国論 [ デービッド・アトキンソン ]
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アトキンソン節健在 投稿者 Ragrag 投稿日 2015/6/6
アトキンソン氏によれば、観光立国になるためには、「気候」「自然」「文化」「食事」4つの要因が必要で、この4つに多様性があることが観光大国になるための条件だそうです。こうした視点で見ると、日本は観光大国になるための条件を全て兼ね備えた、希有な国だと言っています。
何だか分かったような分からないような「おもてなし」というような抽象的なことを言って自画自賛するのではなく、こうした客観的に見た日本の強みを活かした観光戦略を立てましょうと言っているだけなのですが、半分くらいの日本人はやはりこの本を読んで怒るのでしょうね。
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デービッド・アトキンソン 新・所得倍増論
日本はいま、潜在能力をまったく活かせない「日本病」に陥っている。
その原因を特定し、「あたりまえの政策」を実行するだけで、
【平均年収2倍】【GDP1.5倍(770兆円)】が可能になる!
データに基づく客観的な分析で解説する、日本に輝かしい未来をもたらす方法。
■潜在能力が活かされていない日本
・日本は「GDP世界第3位」の経済大国
→1人あたりGDPは世界第27位
・日本は「輸出額世界第4位」の輸出大国
→1人あたり輸出額は世界第44位
・日本は「研究開発費世界第3位」の科学技術大国
→1人あたり研究開発費は世界第10位
・日本は「ノーベル賞受賞者数世界第7位」の文化大国
→1人あたりノーベル賞受賞者数は世界第39位
■潜在能力を活かせば、日本はこうなる
・平均給与は男性が1.6倍、女性が2.7倍に。全体では約2倍に拡大
・GDPは1.5倍の770兆円に
・貧困問題、国の借金の問題、社会保障費問題も解決する
■筆者のコメント
皆さんが学校でこんなに熱心に勉強して、塾にも通って、就職してからも毎日長い時間を会社で過ごし、
有給休暇もほとんど消化せず、一所懸命働いているのに、「生産性は世界第27位」と言われて、悔しくないですか。
先進国最下位の生産性と言われて、悔しくないですか。
こんなにも教育水準が高い国で、世界の科学技術を牽引するだけの潜在能力がありながら、
1人あたりのノーベル賞受賞数が世界で第39位というのは、悔しくないですか。
「ものづくり大国」を名乗りながら、1人あたり輸出額は世界第44位と言われて、悔しくないですか。
私は、悔しいです。日本は、この程度の国ではありません。
日本の実績を「この程度」に押しとどめている原因を特定し、改革を実行すれば、日本は必ずや、劇的な復活を果たせるはずです。
本書がその一助となれば、筆者としてこれほど嬉しいことはありません。
最も進んだ資本主義国、日本において成長が止まっているので資本主義は終わった、という論説がある。
そうした本をいくつか読んでも全くピンとこなかった。
実態は本書が書くように、日本は最も進んだ資本主義国どころではなく、生産性は先進国最下位。人口の多さでGDP3位になっているので生産性の低さが覆い隠され正しく認識されていないと説く。
生産性最下位ということは、それだけ「伸びしろ」があるということであり、一人当たりGDPを2倍にすることも日本の労働力の質(潜在力)から考えてできるはず。つまり、潜在力をフルに生かせていないので改革が必要。
最大の問題は経営者が本来の仕事していないので生産性が上がらない。従って株式市場からのプレッシャーが大事であり、日本の年金基金がより時価総額を重視するようにせよと説く。
資本主義の終焉だから日本経済が停滞しているのではなく、単に諸外国に生産性でおいてけぼりを食らっているだけ。
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