信頼性が大丈夫なのかな?という内容なんですが、電車で席を譲らない人が今になって急激に増えているという話と、その理由はせっかく譲ってあげたのに断る人がいるからだという話がありました。
でも、本来、断る人が悪いってことはないんですけどね。
2017/04/11:"お年寄りが優先席に座るのは権利であり義務ではない"を追加。
●電車で席を譲らない人が3年間で激減?
「電車で高齢者に席を譲る」という人が減っているワケ|あなたを悩ます「めんどい人々」解析ファイル|ダイヤモンド・オンライン(宮崎智之 [フリーライター] 2017年1月18日 )という記事は、電車で高齢者に席を譲る人が3年間で激減しているという前提の話。
ただ、これだけ短期間で大きく変わっている場合、調査の正確性を疑うべきかもしれません。アンケート調査というのは、同じやり方での調査、さらに言えば年齢分布などの偏りを調整したもので比較するのが大切です。
例えば、内閣支持率の世論調査なんかは、同じマスメディアでやっているもの同士で比較すべきであり、別のマスメディアの数字と比較するのは無意味だと言われてます。
これは別に捏造しているからといった怪しい話ではなく、質問が違えば回答も大きく異なるためです。具体的には、マスメディアによっては、「わからない」と答えた人に「どちらかと言うと?」と聞き直しをしているところがあると聞いたことがあります。
この場合は当然聞き直しをしないところよりも「わからない」の数が減り、支持率・不支持率ともに高くなります。こうした異なる調査のデータを比較して、支持率が上がった・下がったと言うのは馬鹿のやることです。
今回の調査は一応同じところがそのまま調査したものなのですけど、あまりにも変わっているのでどこかに問題ある可能性を感じました。
乗り換え案内サービス「駅すぱあと」を提供するヴァル研究所が2016年11月に発表した調査結果によると、「お年寄りなど優先すべき人がいた場合は、優先席では席を譲るべき」と考えている人は75.9%で、2013年に行われた同様の調査と比較すると、約17%も減少していることがわかっている。わずか3年で激減した形だ。
また、「優先席以外でも席を譲るべき」と考えている人は全体で57.1%いたが、こちらも2013年調査と比較して約19%も減少している。
●電車で席を譲らない人が増えたのは親切を断る高齢者が増えたから?
ということで、前提が正しいのか?とちょっと心配なのですが、この激減した理由としては、「譲ろうとしたが、断られた」経験だとされていました。
その一因となっているのは、やはり「譲ろうとしたが、断られた」という苦い経験だ。同調査によると、61.0%の人が席を譲ろうとして、相手に断られたことがあると回答している。つまり、半数以上の人が席を譲ろうとした経験があるにもかかわらず、なんらかの形で拒否された経験があるため、「親切にしても、相手か嫌がるなら……」と萎縮して、その後は譲るのを控えるようになったということである。
これもちょっと臭いですね。筆者の推測なのか、ズバリそういうアンケートなのか?と気になって、元調査を確認。すると、元調査の方の推測であり、実際に席を譲るのをやめた人に理由を尋ねたわけではありませんでした。
「優先席では席を譲るべき」が3年前から17.1%減少、席を譲ろうとして断られた経験がある人は9%増加!|プレスリリース配信サービス【@Press:アットプレス】 株式会社ヴァル研究所 2016.11.28 14:00
問3:あなたは座席を譲ろうとした相手に断られた経験がありますか。
この質問に対して、全体の約6割が「はい」と回答しました。半数以上の方が、高齢者や身体の不自由な方、妊娠中の方、小さなお子さん連れの方など、席を譲るべき相手だと思われる方に席を譲ろうとした結果、断られてしまった経験があるようです
前回の調査(2013年実施)と比較すると、席を譲ろうとした相手に断られた経験がある人が9%ほど増加しており、問1・問2の結果で明らかになった「(優先席である・ないに関わらず)席を譲る意識が低下している」ことと関係があると推測されます。
●席を譲る人は押し付けの親切心になっていないか?
これらの見方が仮にすべて本当だったとした場合ですけど、別に席を譲るのを断るのが悪いわけではないでしょう。私はそもそも「お年寄りに席を譲るべき」という風潮の時点でいらないと思いますが、席を譲るのも自由ですし、それを断るのも自由のはずです。
せっかく譲ったのに!となるのは、押し付けの親切になっているんじゃないですかね?
わがままな被災者?被災地お断りの震災ボランティアや千羽鶴・寄せ書き・心のケアなどと似た感じの問題かもしれません。
人間の心理的にはそういうところがあるのは理解できるものの、少なくともあんまり良い心の持ち方ではないと言えます。
はてなブックマークでは、以下のようなコメントの方がいました。こういうスタンスで良いでしょう。
“譲ろうとしたら拒否されるってのは「断られた」というより「遠慮された」というほうが適切な気がする。気にせず「あっそうですか」って座り直してしまうけどなぁ。(そして次回も譲るよ”(lovely 2017/01/18)
ということなのですが、これで終わるのもあんまりなので、譲りたいけど断られると傷つくという方へのアドバイスみたいなのを次回書く予定にしています。
書きました →
断られて傷つくことなく電車で席を譲る方法 断る人は空気を読めない面倒な人?●お年寄りが優先席に座るのは権利であり義務ではない
2017/04/11:ちょっとキツイ書き方ではあるのですが、お年寄りが優先席に座るのは権利であり義務ではない という話がありました。
(
若者が「優先席」を譲るのは、権利か義務か?[橘玲の日々刻々]|橘玲の日々刻々 | 橘玲×ZAi ONLINE海外投資の歩き方 | ザイオンライン 2016年12月12日より)
私はその話を知りませんでしたが、このテーマはネットで、お年寄りが優先席を譲るよう求めて、若者との口論があったことがきっかけだそうです。そして、この口論を紹介した人は、「私は優先席を譲りません!!なぜなら先日、今にも死にそうな老人に席を譲ろうとしてどうぞと言ったら『私はまだ若い』などと言われ、親切な行為をした私がバカを見たからです」と説明していたそうです。
しかし、お年寄りは優先席に座る権利を持っており、その権利を行使したわけですから、若者はたとえ相手の口のききかたが不愉快でも席を譲る義務がある、と指摘されていました。
また、その一方で、権利を持つひとはそれを放棄することもできるのですから、断るのも自由だという指摘。感情的には納得行かないかもしれませんけど、まあ、そういうシンプルな話です。
ただ、優先席に法的な裏付けはないでしょうから、厳密には権利と義務は成立しないと思いますけどね。それよりも純粋に不思議なのは、なぜ断ると失礼だと考える人がいるか?というところです。
記事では、"日本では、権利を行使する際に義務を負うひとの了解をとらなければならない(すくなくとも感情を害してはならない)とか、こちらが義務を果たそうと申し出ているのに一方的に権利を放棄するのは失礼だとか、きわめて特殊な約束事があるようです"としていました。
これが「おもてなし」などと言っている国の精神なの?と妙な気分になるものの、感情的には致し方ないのかもしれません。
【本文中でリンクした投稿】
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