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エコカー戦争大予言 勝つのはFCV(燃料電池車)か、EV(電気自動車)か?


 エコカー戦争の勝者は電気自動車ではないかという記事があったので検索したら、絶対燃料電池自動車だという記事もありましたのでセットで紹介。

 電気自動車に未来はない トヨタMIRAI開発者がテスラなどの急速充電EV批判というのも過去にやっているように、お互いにバッシングし合っている状態なんでしょうね。(2017/3/26)

2018/01/31追記:
テスラ発表の大型EVトレーラーは住宅4000戸分
本当に普及すると電力が大幅に足りなくなるからEVは無理
テスラのイーロン・マスクは何一つ実現せず金儲けだけ!


●液晶=電気自動車が、プラズマ=燃料電池車に勝利する!

2017/3/26:最初の記事は、どちらかの陣営に属しているというわけではなく、記者のもの。また、専門的な話ではなく、思いつき程度の話です。とはいえ、エコカー戦争の未来を考える上でおもしろいと思うのが、液晶・プラズマ戦争と重ね合わせていることです。

 記事そのものは、液晶にあたる電気自動車が、プラズマである燃料電池車に勝つのでは?というものなのですが、液晶陣営で勝利したはずのシャープが無残な結果になったことは示唆的です。単純にどちらかの陣営が勝つかだけでなく、勝者陣営の中でも日本企業が敗者となってしまう可能性を、日本人は心配するべきかもしれません。
パネル敗戦はエコカーに生きるか:日経ビジネスDigital 日経ビジネス2017年1月30日

 産業興亡史が示唆する点は多い。

 液晶では相次ぐ技術革新が起きたのに、プラズマがそうでなかったのは、液晶に比べ技術が複雑だったから。それで台湾勢は早々に見切りをつけた。さらに松下が技術を囲い込んだため、サムスンやLGが液晶に軸足を定め、少数派になってしまった。

 液晶にはさまざまな装置メーカーや部材メーカーが関わり、パネル製造メーカーを頂点とする陣営を築いた。だから技術開発が進んだが、半面、すさまじいスピードで技術流出が進んだ。コスト競争も激化、製造を容易にするためにモジュール化も加速した。

 次世代エコカー競争の本命はEV(電気自動車)なのかFCV(燃料電池車)なのかという議論があるが、これを聞くたびにプラズマと液晶の争いを思い出す。FCVは航続距離で有利だが技術的に複雑。EVは日産自動車や三菱自動車に加え、米ゼネラル・モーターズ(GM)が注力している。そこに部品のモジュール化を得意とする独フォルクスワーゲン(VW)も加わった。

 短絡的なのは承知の上だが、プラズマ=FCV、液晶=EVという構図が浮かんできてしまう。

●エコカー戦争大予言 勝つのはFCV(燃料電池車、EV(電気自動車)は面倒

 ただし、記事で出ていた松下でプラズマテレビ事業を立ち上げ、事実上たたんだ長野寛之・現・兵庫県立大学教授は、「FCVが30年後の本命でしょう」と否定的でした。その後に続く発言を見ると、記者の懸念は妥当な気もするんですけどね。

「(引用者注:FCVは)プラズマのようになるとは思わないけれど、EVは液晶のように技術革新がどんどん進んで航続距離が長くなる。一方でモジュール化が進み、参入障壁は低くなるんじゃないですか」

 とりあえず、長野教授同様に、FCVはプラズマの二の舞いにはならないという見方はあります。経営コンサルタントの山田修さんは、まず「一見するとEVのほうが利便性に勝るようにみえる」としていました。FCVが専用の水素ステーションに行かなければならない一方、EVは電源設備があれば自宅でも充電できるためです。

 しかし、EVに電源を接続するためには、専用の充電設備を設置しなければならないことを指摘。FCVの場合、そのような家庭での面倒が起こらず、水素ステーションに乗り付けて、水素ガスを充填すればいいだけと書きます。これは現在のガソリン補給と同じやり方なので、消費者が刷り込まれてきた消費行動と合致して抵抗感がないと説明していました。
(エコカー戦争、EVはFCVに絶対勝てない理由 利便性と燃料充填で圧倒的な差 | ビジネスジャーナル 文=山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役より)


●FCV(燃料電池車)は普及したとしても2030年以降

 他の記事も…と探すと、エコカー世界戦争と生き残り戦略:日経ビジネスオンライン 佐藤 登 2015年1月8日(木)というものが出てきました。ただし、こちらはともに課題があるという書き方で、勝敗は予想していません。

 まず、FCVの場合は、普及時期がかなり遅いと予想されています。
 FCV普及に向けた外的加速要因には、ZEV規制に代表される環境規制強化、それに対応する自動車各社の参入、ガソリン価格の高騰、充実した補助金制度などがある。しかし補助金制度に頼らざるを得ない環境下では本来の普及シナリオには到達し得ない。普及を加速させるための自発的加速因子には、一層の車両コスト低減、水素ステーション等のインフラ整備(政府目標では現在の20カ所を2015年に100カ所に)、水素燃料の価格低減によるユーザーメリットなどがある。

 この外的加速要因と自発的加速要因を重ね合わせると、普及期への移行は2030年以降と想定される。

●EV(電気自動車)はFCV普及前に本当に技術が進展するのか?

 2030年より前までにEVが普及してしまうと、かなりFCVは苦しくなるはずです。ところが、最初の記事で技術開発が進むと予想されたのとは裏腹に、かなり苦戦しているのだそうです。
 EVが本格的に普及するためには、(中略)革新的な電池が必要とされている。それが実現されない限りは、ZEV規制対応、タウンカーとしてのニッチ市場など、割り切った商品群としての域に留まらざるを得ない。(中略)

 ポスト・リチウムイオン電池を標榜する革新電池の産学官基礎研究は、政府の主導権と大きなバックアップにより、種々のテーマが推進されている。筆者が2014年5月に委員として委嘱を受けた「次世代革新電池の中長期戦略に関する研究」(文科省管轄)にも200人近い研究者とストラテジストが関わっている。それだけ、国を挙げての電池イノベーションに期待が寄せられている。

 残念ながら、これまでの基礎研究は実用化までに至らず、結局、産業界へのアウトプットが見られないものが大半であった。

 なお、上記は日本の技術開発の話であり、世界が…という話ではありません。トヨタが目立つFCVだけでなく、日本はEV技術でも世界をリードしていると考えられていますが、上記のような開発の停滞が続けば日本が置き去りにされる可能性もあるでしょう。

 これは結局、最初のシャープの話に戻るものであり、勝者の陣営にいるだけでなく、その陣営の中でも勝ち組にいなくてはならないということになってきます。


●テスラ発表の大型EVトレーラーは住宅4000戸分

2018/01/31追記:テスラが2017年11月16日に発表したEVの大型トレーラー「セミ」。同社が新たに開発する充電設備「メガチャージャー」を利用すれば、わずか30分間の充電で400マイル(約640km)の走行が可能だとしていました。ただ、このプロジェクトの実現可能性に疑問を投げ掛けられています。

 エネルギー関係を手がける欧州のコンサルティング会社、オーロラ・エナジー・リサーチが調査して弾き出した推計によると、この充電には1600キロワット、“平均的な住宅”が30分間に使う電力量4000戸分が必要になる、とされたためです。
(テスラのトレーラー、充電に4000戸分の電力必要 Peter Campbell and Nathalie Thomas in London FINANCIAL TIMES 2017年12月8日より)

 ただ、コメント欄ではこの計算はおかしいのではないかという声も出ていました。

"1600kWと言う具体的な数字が出ているのは評価できますが、住戸数に換算した時に需要率が入っていないのは学術的に間違ってます"

"4000軒分の電気が必要ってのは必ずしも正しくはありません。
瞬間的にそれだけが必要なのは当然ですが何基も充電器は設置されるわけでその全てが同時に稼働ってのはありえないので。
家庭用電力だってすべての家庭が電化製品をすべて稼働させ契約している容量上限まで電気を使えば停電するじゃないですかってのと同じようにありえないことです"


●本当に普及すると電力が大幅に足りなくなるからEVは無理

 先のオーロラ・エナジー・リサーチのジョン・フェダーセンCEOは、以下のようにEVが一段と普及すると今の供給量では不足するだろうとも言っていました。こちらは確かにその懸念が理解できます。

「これほどの電力需要を電力システムに組み入れていくには、賢いやり方と非常にそうでないやり方とがある。いずれにしても、今後、道路を走る自動車がすべてEVになっていくことを考えれば、極めて大規模な新しい電力インフラが必要になっていくということだ」(フェダーセン氏)

 英国の電力系統を管理する送電会社ナショナル・グリッドは、最も極端なシナリオとして、EVは2050年までに英国のピーク電力需要をさらに最大18ギガワット(ギガは10億)押し上げる可能性があると推定しています。これは、英南西部に現在、建設中のヒンクリーポイント原子力発電所の発電能力のおよそ6倍に相当するとのこと。

 今の6倍になるというわけではなく、建設中の原発の6倍なわけですですけど、最悪の場合はそれだけ足りなくなるよという話。これを受けて、コメント欄では勝利宣言している方も見られました。

"これで、日本のトヨタやホンダの「燃料電池車」と、マツダ新エンジン「SKYACTIV-X」の出番が出てくるというわけですね。遠い将来は電気自動車が有利としても、今世紀中は「燃料電池車」とマツダ新エンジンの活躍する場が大幅に残されていそうです"

"はっきり言って
一部の人間がEVを使用する状況と、大多数の人間がEVを使用する状況は
根本的にモデルが違う訳です
箱庭で通用するから実際の都市でも通用するなんて事は有るはずが無い"


●テスラのイーロン・マスクは何一つ実現せず金儲けだけ!

 上記の二人目の方は、続けて以下のように書いていました。が、これはデマです。

"その時になって誰が責任を取るんでしょうか
当然、テスラは逃げますよ
自動運転とか言って、実際の事故では人間に責任を押しつけた会社ですよ"

 テスラ自動運転車の死亡事故、運転手のせいと報告 人より40%安全ともでやったように、アメリカの公的機関が事故は運転手の責任であることを報告しました。もしかも、自動運転の方が事故が少ないこともいっしょに報告しています。ちろんこの分析が間違っている可能性はゼロではないのですけど、そう言い切るには証拠が必要です。

 同じ方は、「いい加減、金儲けの投資の夢世界から現実に戻ってもいいのではないでしょうかね」とも書いていて、これと似たようなコメントが多く見られました。ただ、これも一部に事実とは言えない発言が混じっていました。

"テスラは2003年の創業以来年次決算では赤字続き
40万台の予約を集めたモデル3生産でつまずき
とにかくキャッシュを掻き集めるために次々と
新しい話をぶち上げざるを得ない状況にあるのでは?"

"E.マスクは電力事業もやっているから、これもその金儲けの戦略の一端に過ぎないでしょ。
彼は稀代の戦略家だとは思う。金儲けのね。
実質的にはまだ何も完成していないに等しいのに、既に億万長者"

 これだけ多くのEVを実際に販売していて、「実質的にはまだ何も完成していないに等しい」は無理でしょう。また、この方はたぶんテスラのイーロン・マスクさんが他の事業をやっていることを知らないのだと思われます。

 例えば、彼が設立したX.com社がベースになっているPayPalという送金や入金を行うサービスは、アメリカで既に広く普及しています。「実質的にはまだ何も完成していないに等しい」とは、到底言えません。無理がありすぎです。
(関連:クレージーな天才イーロン・マスク テスラ,スペースX,ペイパルで活躍)

 途中で書いたように、EVの不安材料の指摘は私も理解できたのですけど、感情的になりすぎな人が多いようで、この話題は誇張も多いかもしれません。注意が必要です。


【本文中でリンクした投稿】
  ■電気自動車に未来はない トヨタMIRAI開発者がテスラなどの急速充電EV批判
  ■テスラ自動運転車の死亡事故、運転手のせいと報告 人より40%安全とも
  ■クレージーな天才イーロン・マスク テスラ,スペースX,ペイパルで活躍

【その他関連投稿】
  ■実は高齢者と若者でほぼ同じ事故率 ペダル踏み間違い、ブレーキ・ハンドル操作不適などの操作不適事故
  ■渋滞の原因は遅い車…ではなく車間距離を詰める車 適正な車間距離の目安は?
  ■免許を取り上げるべきは高齢者より若者?事故が多いのは圧倒的に10代で、次も20代
  ■女性は駐車が苦手…は嘘だった むしろ男性よりうまいという調査
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