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エコカー戦争大予言 勝つのはFCV(燃料電池車)か、EV(電気自動車)か?


 エコカー戦争の勝者は電気自動車ではないかという記事があったので検索したら、絶対燃料電池自動車だという記事もありましたのでセットで紹介。電気自動車に未来はない トヨタMIRAI開発者がテスラなどの急速充電EV批判というのも過去にやっているように、お互いにバッシングし合っている状態なんでしょうね。

 <液晶=電気自動車が、プラズマ=燃料電池車に勝利する!>、<エコカー戦争大予言 勝つのはFCV(燃料電池車、EV(電気自動車)は面倒>、<本当に普及すると電力が大幅に足りなくなるからEVには無理がある>、<テスラのイーロン・マスクは何一つ実現せず金儲けだけ!との批判も>などをまとめています。

 その後、<日本人が嫌いなEVをノーベル賞受賞の日本人が大幅に改良!>、<国沢光宏氏「数年内に燃料電池車はコストダウンして普及進む」>、<EVは気温低下に弱く性能低下という致命的な弱点 中国で大混乱>なども追記しました。

2023/11/30追記:
●「もうEVを買う人はいない」急成長するEVにまさかの失速のきざし
2023/12/30追記:
●中国でEVが売れないのはEVが終わったから…というのは嘘だった?
2024/01/29追記:
●EV終わり…のはずが、景気悪化でも販売台数が過去最高記録を更新 【NEW】


●液晶=電気自動車が、プラズマ=燃料電池車に勝利する!

2017/3/26:最初に紹介する記事は、どちらかの陣営に属しているというわけではなく、記者が書いたもの。また、専門的な話ではなく、思いつき程度の話です。とはいえ、エコカー戦争の未来を考える上でおもしろいと思うのが、液晶・プラズマ戦争と重ね合わせていることです。

 記事そのものは、液晶にあたる電気自動車が、プラズマである燃料電池車に勝つのでは?というものなのですが、液晶陣営で勝利したはずのシャープが無残な結果になったことは示唆的です。単純にどちらかの陣営が勝つかだけでなく、勝者陣営の中でも日本企業が敗者となってしまう可能性を、日本人は心配するべきかもしれません。
パネル敗戦はエコカーに生きるか:日経ビジネスDigital 日経ビジネス2017年1月30日

 産業興亡史が示唆する点は多い。

 液晶では相次ぐ技術革新が起きたのに、プラズマがそうでなかったのは、液晶に比べ技術が複雑だったから。それで台湾勢は早々に見切りをつけた。さらに松下が技術を囲い込んだため、サムスンやLGが液晶に軸足を定め、少数派になってしまった。

 液晶にはさまざまな装置メーカーや部材メーカーが関わり、パネル製造メーカーを頂点とする陣営を築いた。だから技術開発が進んだが、半面、すさまじいスピードで技術流出が進んだ。コスト競争も激化、製造を容易にするためにモジュール化も加速した。

 次世代エコカー競争の本命はEV(電気自動車)なのかFCV(燃料電池車)なのかという議論があるが、これを聞くたびにプラズマと液晶の争いを思い出す。FCVは航続距離で有利だが技術的に複雑。EVは日産自動車や三菱自動車に加え、米ゼネラル・モーターズ(GM)が注力している。そこに部品のモジュール化を得意とする独フォルクスワーゲン(VW)も加わった。

 短絡的なのは承知の上だが、プラズマ=FCV、液晶=EVという構図が浮かんできてしまう。

●エコカー戦争大予言 勝つのはFCV(燃料電池車、EV(電気自動車)は面倒

 ただし、記事で出ていた松下でプラズマテレビ事業を立ち上げ、事実上たたんだ長野寛之・現・兵庫県立大学教授は、「FCVが30年後の本命でしょう」と否定的でした。その後に続く発言を見ると、記者の懸念は妥当な気もするんですけどね。

「(引用者注:FCVは)プラズマのようになるとは思わないけれど、EVは液晶のように技術革新がどんどん進んで航続距離が長くなる。一方でモジュール化が進み、参入障壁は低くなるんじゃないですか」

 とりあえず、長野教授同様に、FCVはプラズマの二の舞いにはならないという見方はあります。経営コンサルタントの山田修さんは、まず「一見するとEVのほうが利便性に勝るようにみえる」としていました。FCVが専用の水素ステーションに行かなければならない一方、EVは電源設備があれば自宅でも充電できるためです。

 しかし、EVに電源を接続するためには、専用の充電設備を設置しなければならないことを指摘。FCVの場合、そのような家庭での面倒が起こらず、水素ステーションに乗り付けて、水素ガスを充填すればいいだけと書きます。これは現在のガソリン補給と同じやり方なので、消費者が刷り込まれてきた消費行動と合致して抵抗感がないと説明していました。
(エコカー戦争、EVはFCVに絶対勝てない理由 利便性と燃料充填で圧倒的な差 | ビジネスジャーナル 文=山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役より)

 なお、時間的にはスタンドに行く必要がないEVの方が使い勝手がずっと良いという主張を後に読みました。EVは駐車する際に充電するので、時間的なロスがほとんどないためだということ。確かにスタンドで待つ時間、またそもそもスタンドへの行き帰りという時間は、かなりのロスかもしれません。(ここだけ2019/10/24追記)


●FCV(燃料電池車)は普及したとしても2030年以降

 他の記事も…と探すと、エコカー世界戦争と生き残り戦略:日経ビジネスオンライン 佐藤 登 2015年1月8日(木)というものが出てきました。ただし、こちらはともに課題があるという書き方で、勝敗は予想していません。

 まず、FCVの場合は、普及時期がかなり遅いと予想されています。FCV普及に向けた外的加速要因には、ZEV規制に代表される環境規制強化、それに対応する自動車各社の参入、ガソリン価格の高騰、充実した補助金制度などいろいろあるにはあります。

 しかし、補助金制度に頼らざるを得ないという時点で、本来の普及シナリオには到達し得ないだろうとのこと。普及を加速させるための自発的加速因子には、一層の車両コスト低減、水素ステーション等のインフラ整備(政府目標では現在の20カ所を2015年に100カ所に)、水素燃料の価格低減によるユーザーメリットなどがあるとのこと。

 この外的加速要因と自発的加速要因を重ね合わせると、普及期への移行は2030年以降と想定されるとしていました。

 なお、2019年に検索して出た2019年の今、「水素エネルギー」はどこまで広がっているの?|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁では、「水素ステーション」は、「2019年3月末時点で全国に103カ所整備されています」としていました。すでにこんなにある!という流れだったものの、2019年時点で2015年の目標レベルなので、かなり遅れていると考えられます。(2019/10/24追記)


●EV(電気自動車)はFCV普及前に本当に技術が進展するのか?

 2030年より前までにEVが普及してしまうと、かなりFCVは苦しくなるはずです。ところが、最初の記事で技術開発が進むと予想されたのとは裏腹に、現状、EVAはかなり苦戦しているのだそうです。EVが本格的に普及するためには革新的な電池が必要なのに、それがうまく行っていないという説mでいした。

<それ(引用者注:革新的な電池)が実現されない限りは、ZEV規制対応、タウンカーとしてのニッチ市場など、割り切った商品群としての域に留まらざるを得ない。(中略)
 ポスト・リチウムイオン電池を標榜する革新電池の産学官基礎研究は、政府の主導権と大きなバックアップにより、種々のテーマが推進されている。筆者が2014年5月に委員として委嘱を受けた「次世代革新電池の中長期戦略に関する研究」(文科省管轄)にも200人近い研究者とストラテジストが関わっている。それだけ、国を挙げての電池イノベーションに期待が寄せられている。
 残念ながら、これまでの基礎研究は実用化までに至らず、結局、産業界へのアウトプットが見られないものが大半であった>

 なお、上記は日本の技術開発の話であり、海外で革新的な電池を作る目処が立っていない…という話ではありません。トヨタが目立つFCVだけでなく、日本はEV技術でも世界をリードしていると考えられていますが、上記のような開発の停滞が続けば日本が置き去りにされる可能性もあるでしょう。

 つまり、たとえEV陣営に入っていたとしても、革新的な電池を作れなければ、EV同士の競争に負けてしまう…という話。そして、これは勝者陣営にいながら落ちぶれた、最初のシャープの話を思い出させます。結局、単純に勝者の陣営にいるだけでなく、その陣営の中でも勝ち組にいなくてはならないということになりそうでした。


●テスラ発表の大型EVトレーラーは住宅4000戸分

2018/01/31追記:テスラが2017年11月16日に発表したEVの大型トレーラー「セミ」。同社が新たに開発する充電設備「メガチャージャー」を利用すれば、わずか30分間の充電で400マイル(約640km)の走行が可能だとしていました。ただ、このプロジェクトの実現可能性に疑問を投げ掛けられています。

 エネルギー関係を手がける欧州のコンサルティング会社、オーロラ・エナジー・リサーチが調査して弾き出した推計によると、この充電には1600キロワット、“平均的な住宅”が30分間に使う電力量4000戸分が必要になる、とされたためだそうです。ただ、コメント欄ではこの考え方はおかしいのではないかという声も出ていました。
(テスラのトレーラー、充電に4000戸分の電力必要 Peter Campbell and Nathalie Thomas in London FINANCIAL TIMES 2017年12月8日より)

<1600kWと言う具体的な数字が出ているのは評価できますが、住戸数に換算した時に需要率が入っていないのは学術的に間違ってます>
<4000軒分の電気が必要ってのは必ずしも正しくはありません。
瞬間的にそれだけが必要なのは当然ですが何基も充電器は設置されるわけでその全てが同時に稼働ってのはありえないので。
家庭用電力だってすべての家庭が電化製品をすべて稼働させ契約している容量上限まで電気を使えば停電するじゃないですかってのと同じようにありえないことです>


●本当に普及すると電力が大幅に足りなくなるからEVには無理がある

 先のオーロラ・エナジー・リサーチのジョン・フェダーセンCEOは、「これほどの電力需要を電力システムに組み入れていくには、賢いやり方と非常にそうでないやり方とがある。いずれにしても、今後、道路を走る自動車がすべてEVになっていくことを考えれば、極めて大規模な新しい電力インフラが必要になっていくということだ」とも発言。EVが一段と普及すると今の供給量では不足するだろうということですね。こちらの方が懸念が理解できるでしょうか。

 英国の電力系統を管理する送電会社ナショナル・グリッドは、最も極端なシナリオとして、EVは2050年までに英国のピーク電力需要をさらに最大18ギガワット(ギガは10億)押し上げる可能性があると推定しています。これは、英南西部に現在、建設中のヒンクリーポイント原子力発電所の発電能力のおよそ6倍に相当するとのこと。今の6倍になるというわけではなく、建設中の原発の6倍なわけですですけど、最悪の場合はそれだけ足りなくなるよという話。これを受けて、コメント欄では勝利宣言している方も見られました。

<これで、日本のトヨタやホンダの「燃料電池車」と、マツダ新エンジン「SKYACTIV-X」の出番が出てくるというわけですね。遠い将来は電気自動車が有利としても、今世紀中は「燃料電池車」とマツダ新エンジンの活躍する場が大幅に残されていそうです>
<はっきり言って
一部の人間がEVを使用する状況と、大多数の人間がEVを使用する状況は
根本的にモデルが違う訳です
箱庭で通用するから実際の都市でも通用するなんて事は有るはずが無い>


●テスラのイーロン・マスクは何一つ実現せず金儲けだけ!との批判も

 一方で、理解できない批判もコメント欄では見られました。上記のうち二人目の方では、続けて<その時になって誰が責任を取るんでしょうか 当然、テスラは逃げますよ 自動運転とか言って、実際の事故では人間に責任を押しつけた会社ですよ>とも書いていましたんですが、これに関しては確実にデマだと言えます。

 テスラ自動運転車の死亡事故、運転手のせいと報告 人より40%安全ともでやったように、アメリカの公的機関が事故は運転手の責任であることを報告。しかも、自動運転の方が事故が少ないこともいっしょに報告しています。ちろんこの分析が間違っている可能性はゼロではないのですけど、そう言い切るには証拠が必要です。

 同じ方は、「いい加減、金儲けの投資の夢世界から現実に戻ってもいいのではないでしょうかね」とも書いていて、これと似たようなコメントが多く見られました。ただ、後述するように、ここらへんでも一部に事実とは言えない発言が混じっていることに注意が必要です。

<テスラは2003年の創業以来年次決算では赤字続き
40万台の予約を集めたモデル3生産でつまずき
とにかくキャッシュを掻き集めるために次々と
新しい話をぶち上げざるを得ない状況にあるのでは?>
<E.マスクは電力事業もやっているから、これもその金儲けの戦略の一端に過ぎないでしょ。
彼は稀代の戦略家だとは思う。金儲けのね。
実質的にはまだ何も完成していないに等しいのに、既に億万長者>

 「実質的にはまだ何も完成していないに等しい」はだいぶ無理のある批判。これだけ多くのEVを実際に販売していて、「何も完成していないに等しい」ということはないでしょう。また、イーロン・マスクさんはテスラ以外にいろいろな事業をやってきており、「何も完成していないに等しい」はやはり無理があると思います。

 他の事業については、クレージーな天才イーロン・マスク テスラ,スペースX,ペイパルで活躍で書いた話。コメントの方は、イーロン・マスクさんが他の事業をやっていることを知らなかったのだと思われます。途中で書いたように、EVの不安材料の指摘は私も理解できたのですけど、感情的になりすぎな人が多いようで、この話題は誇張も多いかもしれません。注意が必要です。


●日本人が嫌いなEVをノーベル賞受賞の日本人が大幅に改良!

2019/10/24:EVに使われているリチウムイオン電池関連では、吉野彰さんノーベル賞をもらっています。日本にも縁のある技術を使った自動車なんですね。ただ、上記までで見たように、トヨタなどを含めてどうも日本にはEVを嫌いな人が多い感じで、EVが普及することに複雑な気持ちの人が多そうです。

 ところが、ここに来てもうひとりノーベル賞の方が、EVに絡んできました。省エネ&エコな電気自動車 ノーベル賞天野さんら開発:朝日新聞デジタル(木村俊介 2019年10月23日08時37分)によると、天野浩・名古屋大教授らのグループが、窒化ガリウム(GaN)を利用し、通常より2割以上省エネの電気自動車を走らせることができたと発表したそうです。

 EVでは、バッテリーの直流電流を「インバーター」という装置で交流電流に変えてモーターを動かします。このインバーターの材料に通常のシリコンではなくGaNを使うことで省エネを実現し、これまでの電気自動車よりも電気を使わずに済むとされていました。

 あと、EVとFCVの普及に関しては、後にEV・FCV・HVで普及するのはどれ? 2030年以降の販売台数予測というのも書いています。FCV業界側は超強気の発表をしているものの、EV嫌いのトヨタがついにEVにも力を入れ始めているなど、実際には今のところEVの方が優勢に見えました。


●国沢光宏氏「数年内に燃料電池車はコストダウンして普及進む」

2020/11/16:最近全く水素燃料電池車(FCV)の話を聞かなくなったので、普及論もないのかな?と思って検索すると、全然そんなことはなし。ちょうど水素はディーゼルの代替? EVでは実現不可? FCVが普及確実なワケ - 自動車情報誌「ベストカー」という記事が、2020年11月9日に出たばかりでした。

 記事によると、そもそも2020年12月に水素燃料電池車(FCV)の新型MIRAIが発売されるとのことで、マスメディアでは久しぶりに盛り上がるかもしれませんね。記事冒頭の編集による本文紹介部分でも「なかなか普及の気配がないようにも見える」と書いていて、私と同じ印象ではあるようですが、燃料電池自動車が終わった…ということでは、全然ないようです。

 で、記事の本編で「実はEVでは実現できないFCVならではの長所がある」としていたのは、国沢光宏さん。確かかなり批判の多い自動車ライターの方ですね。国沢光宏さんは、「電気をそのまま使う」EVの方が良いのは確かだけど、ディーゼルエンジンの代替パワーユニット、バスやトラックという商用向けという観点でFCVが注目されているとしていました。

<大型トラックを1時間、距離にして90kmくらい走らせると、大雑把に言って150kWh程度使う。10時間移動するとなったら、日本車で最も多い電池を搭載している日産 リーフe+の30倍近い容量が必要です。
 当然ながら途中で急速充電することになる。けれどリーフe+の10倍の電池ですらけっこうな時間が必要。今の3倍程度の性能を持つ急速充電器だって1時間以上掛かってしまう。
 加えて、大型トラックやバスの平均使用走行距離は乗用車より圧倒的に長い。50万kmなど普通。劣化の進む急速充電を繰り返しての50万kmは厳しいと思う。
 といった使い方を得意とするのが燃料電池です。水素の充填に掛かる時間は軽油の給油時間より短い。連続して運用することも容易。連続して1000kmの移動なんか普通に出来てしまう。
 長距離バスや観光バスなども充電しようとすれば運航時間内に1時間以上の時間を必要とするが、水素充填であればトイレ休憩の時間に終了する>

 また、ディーゼルエンジンより圧倒的に軽くてコンパクトなのも魅力とのこと。漁船など小型船舶用や建設機械、鉄道用車両など、電池だと大量に搭載しなければないようなパワーユニットの代替を燃料電池ならできるとしていました。軽くて済むと燃費もかなり良くなるためでしょう。そのためか、大型乗用車でもEVより安いとしていました。

 それから、「ガソリンエンジンを電気に。ディーゼルは燃料電池に」と国沢光宏さんは考えているものの、新型MIRAIのような乗用車を生産することでコストダウンが進み、ディーゼルエンジンの代替として採用が進むという意味があるとのこと。数年内に燃料電池はディーゼルエンジンと同等の価格までコストダウンすると予言していました。


●日本のノーベル物理学賞受賞者らが開発する電気自動車、走行に成功

2021/07/19:前々回の<日本人が嫌いなEVをノーベル賞受賞の日本人が大幅に改良!>に関連する追記。また、ノーベル物理学賞受賞者の天野浩・名古屋大教授らの研究グループに関する記事が出ていました。天野教授の「パワー半導体」電気自動車がテスト走行:中日新聞Web(2020年12月10日 05時00分 (12月11日 12時41分更新))というものです。

 記事によると、2020年春に試走に成功。記事そのものは、ノーベル物理学賞受賞者の天野浩・名古屋大教授らの研究グループは、青色LEDの素材「窒化ガリウム(GaN)」の「パワー半導体」を部品に用いた電気自動車(EV)が走る様子を初めて公開した…というタイミングのものでした。

 天野教授は「初めて試走した時は、インバーターが壊れないか不安で、走っただけで感激したが、今は走るのは当たり前の性能になった。今後、単に省エネというだけではなく、量産のための技術を構築し、世界中の多くの方々に楽しんで乗ってもらえるように取り組んでいきたい」と話していたそうです。


●次世代エネルギーの「本命」は水素!またしても日本が負ける?

2022/05/24追記:今回は自動車に限らない次世代エネルギーとしての水素の話。水素は、次世代エネルギーの「本命」とも言われるんだそうな。記事では、この水素で日本は海外より先行していたとされているものの、スマホや半導体のように欧米にまたもや抜かれてしまうかもしれない…と書いていました。

<日本のエネルギー政策の司令塔である経済産業省。ある幹部が私に深刻な表情でこう打ち明けました。「日本が脱炭素燃料でも世界に負けてしまいかねない事態だ」(中略)この幹部が危機感を募らせていたのは水素のことです>
<水素の実用化に向けて海外が猛追してきています。
 代表格はドイツです。(中略)国内の水素技術の創出や海外との連携におよそ90億ユーロ、日本円で1兆円を超える強力な支援を決めました。
 そして、再生可能エネルギーから水素をつくる装置の設備投資に多額の補助金を拠出します。この装置を水素の製造コストが安い中東やアフリカなどに輸出し、現地で製造した水素をドイツに輸入する戦略を動かし始めています>
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220511/k10013620711000.html

 「スマホや半導体のように抜かれる」に関しては、本文だと「半導体や液晶パネル、携帯電話や太陽電池など」で、初めは先頭を走っていたのに抜かれてしまったとの記述。このうち半導体だけ具体的なデータも。半導体は1980年代後半には日本の世界シェアは5割以上あったのが、2019年には1割未満まで低下しています。

 なお、記事を読んでいて思ったのは、半導体や液晶パネル、携帯電話や太陽電池などと、水素の状況がかなり異なるのでは?ということ。というのも、水素と違って、これらはある程度普及して大きな事業となっており、業者もある程度の先行者利益を上げていたと思われること。今の水素とはだいぶ状況が違う気がします。


●日本が遅れているのは基準づくりと国民の税金で支援する制度

 これらの話を伝えていた<日本が水素で負けるのか?>(NHK 2022年5月11日 19時41分 経済部記者 佐々木悠介)によると、水素は環境にやさしいつくり方かどうかで主に以下の3つに分類されていると説明されていました。今、世界中の水素は99%がこのうちのグレー水素だといいます。

・グレー水素 天然ガスなど化石燃料でつくる
・ブルー水素 天然ガスなど化石燃料でつくり、製造時に発生する二酸化炭素を地下に埋める
・グリーン水素 再生可能エネルギーで水を電気分解してつくる

 なぜこの分類の話が出てきたのか?と言うと、欧米は、まだこの分野で明確な国際基準がない中、先行して基準を示すことで水素の国際標準を主導したいという思惑があるとされていたため。欧米では、製造時の二酸化炭素の削減基準をすでに示しているそうです。一方で、日本は国として基準を示せていません。

 対策としては、国民が負担して税金で支援することが言われていました。社会主義っぽくて私は嫌いなんですが、「もともとコストが高いLNGを商用化できたのも国民に広く負担する仕組みづくりがあったからだ」と説明。ドイツは官民で作った財団が水素買い取る新たな仕組みを導入する予定だといいます。

 再エネみたい…と思って読んでいたら、ズバリ再生可能エネルギーの固定価格買取制度の“水素版‘’との説明も…。日本でも業者への補償金や二酸化炭素の排出量に応じて企業にコストを負担してもらう「カーボンプライシング」を財源として事業者を支援する制度など、国民負担を考慮した施策も考えられるそうです。


●EVは気温低下に弱く性能低下という致命的な弱点 中国で大混乱

2023/01/27まとめ:<大雪でEVの性能低下、バッテリー交換所に長蛇の列―中国>(Record China 2022年11月23日(水) 20時10分)という記事が出ていました。中国メディアの極目新聞が、大雪に見舞われた中国東北部で電気自動車(EV)の性能が低下し、バッテリー交換所に長蛇の列ができる事態が発生したと報じたそうです。

<記事は、吉林省長春市で11日夜に大雪が降り、気温が零下13度まで低下したと紹介。SNS上では多くのタクシー運転手が「EVのバッテリーを交換するのに数時間、数十時間並ばなければいけなかった」と愚痴をこぼしたと伝えた。(中略)
 その上で、新エネ車分野の専門家が「自動車の選択は使用環境に基づき決めるべき。北方の冬場、山地などはハイブリッド車のほうが良い。普及直後に問題が発生するというのは理解できるが、しっかり原因を分析して改善を行わなければならない。EVが冬場に弱いというのは業界内の共通認識であり、解決にはバッテリー材料や充電技術の研究が必要。将来的には、使用シーンに応じて各種タイプの自動車が共存する状態になると思う」と解説したことを紹介した>

 中国のEVはレベル低い!といった感じに見えるかもしれませんが、最後に専門家が指摘しているようにこれは以前から言われていたEV全体の特性みたいですね。日本でも懸念されている問題のようです。ただ、中国EVに限らずEV全般が悪いものだと考えている人には嬉しいニュース。実際、克服できていない問題点のようでした。


●日本の高速道路で大雪立ち往生EV対策 寒さに弱いからと思いきや…

  EVが寒さに弱いという話の補足。前回書いたように、これは中国EV特有の問題ではない感じです。日本のEVでも心配されていることがわかりそうなEVはヤバイ? 大雪立ち往生 NEXCOがEV対策強化のワケ | 乗りものニュース(2021.12.15 乗りものニュース編集部 )という記事が出ていました。

<NEXCO中日本が今冬の新たな取り組みとして打ち出したもののひとつが、EV(電気自動車)への充電対応です。可搬式のEV充電器28台のほか、トラックに発電機と蓄電池、充電器を搭載した「電気自動車急速充電車」を1台配備。後者については特許も出願しています。
 これについてNEXCO中日本は、車両の滞留が発生した場合に、滞留者の救出を速やかに行うことを目的に、「長時間滞留が困難なEV車に向けた」もの、としています。
 昨冬に発生した立ち往生事案では、幸いにしてEVが巻き込まれた例はありませんでしたが、「もしEVだったら……」という報道や記事が多く見られました。バッテリーは一般的に低温時に性能が低下するうえ、エンジンの排熱を暖房に利用するガソリン車と異なり、EVの暖房は電気に依存するため、寒冷化の立ち往生でシビアな状況になることは想像がつきます>

 ただ、読んでみると、<今回、NEXCO中日本がEV対策を強化したのは、必ずしもEVが寒さに弱いから、というわけではありません>と、私が想定していた話についてはピンポイントで否定。「確かに電気がなくなれば暖も取れなくなりますが、電池が切れたクルマを応急的に動かす目的もあります」と説明していたそうです。

 この説明だとよくわからかったのですが、その後を読んでわかりました。ガソリン車も燃料がなくなれば動かなくなり、暖も取れなくなることはEVと一緒。EVが弱いから特別に対策するのではなく、逆にガソリン車でやっていた対策すらEVでは行っていなかったため、EVでもガソリン車同様の対策を始めた…ということのようです。

<除雪を行い車両が通行可能になった際に、燃料や電池が切れて動けない車両があれば、それをレッカー移動させる必要があり、余計に手間がかかります。ガソリン車も燃料がなくなれば動かなくなり、暖も取れなくなることはEVと一緒です。そうならないよう、NEXCO各社は滞留車に燃料を届ける体制を整えていますが、EVに対しても、同様の体制に近づける狙いがあるわけです>

 ということで、「EVが寒さに弱い」の補足としてはだいぶズレた記事を選んでしまいました。失敗です。次回、もう少しいい記事を見つけて、改めて補足したいと思います。


●「EVが寒さに弱いのは大間違い」は嘘?心理的な問題の可能性も…

 「EVが寒さに弱い」を改めて補足。今検索してみると、「EVが寒さに弱いのは大間違い」という記事ばかり出てきました。同じ日産の車でも「新しい車種なら大幅に安全」といった話や「寒冷地の北欧でむりそEV普及率が高いのだから寒さが問題になるわけがない」といった反論もあります。

 ただ、前述の通り、中国で実際に問題となったため、今回はあえて問題を認めている記事を探してみました。いくつか見た中では、電動化で冬場の車内が大ピンチ!? EVはヒーターに課題あり!! 「電費」悪化の実態と対処法は?? - 自動車情報誌「ベストカー」(2021年2月15日)という記事では、寒冷地での使用に問題があることを認めた内容でした。

<気候変動を抑制するためにクルマの電動化は待ったなしの状況となってきたが、寒冷地の過疎地ではEVを利用するには不安要素がまだまだ多いのは事実。それは暖房を使うと電費が著しく低下するからだ>
<外気温と室内温度の差によって、冷暖房の消費電力は変わってくるため一概には言えないが、EVで空調を使うと電費は1割から3割程度低下する>

 記事では、以下のように充電できる場所の多さが問題となってくるのでは?と指摘。中国で問題となったというのも中国ではEVが普及しているがために充電場所に一斉に多数が駆け込んだ…といったということがありそう。トイレットペーパー買い占め騒動のように、「EVは寒さに弱い」という思いがあるための心理的なパニックもあったのかもしれません。

<現時点でEVを利用しているユーザーは充電環境が比較的整っており、バッテリーの搭載量も以前と比べ増加傾向にあるため、冷暖房による電費の低下はそれほど気にならないようだ。(中略)
 しかし、今後EVが増えていくと充電環境は不足気味の状態が続き、電気料金も上昇する可能性が高いから、できるだけ電費は高い数値を維持していくようにしたい。そういった意味でもEVの暖房能力は、今後改善しなければならない大きな課題と言えるだろう>


●「もうEVを買う人はいない」急成長するEVにまさかの失速のきざし

2023/11/30追記:EV嫌いの人に朗報です。急成長するEVに失速のきざしか?  Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン)(2023年11月28日 高口康太 (ジャーナリスト) )という記事を見つけました。ただし、EV嫌いの人は多いだけに、希望的観測の可能性は心配。でも、読んでみましょう。

<ウォールストリートジャーナル日本版は11月20日、「米国人の「EV愛」は冷めたのか」と題した記事を掲載している。バッテリー式電気自動車(BEV)の販売急成長が止まり、ここ半年は月10万台前後で推移しているという。在庫が積み上がったことから各社は値引き販売に踏み切り、10月のEV新車平均販売価格は前年から2割ほど下がっている。
 その理由だが、「恐らくはEV熱の第一波をもたらしたテクノロジー好きの富裕層が、すでにEVを買ってしまったということなのだろう」と推測している。エコのためならば割高のEVを購入しても良い、そう考える人にはある程度いきわたったという見立てだ。>

 上記の例では具体的な数字は不明。それとも、すでに前年比でマイナスになっているという意味ですかね。ただ、ヨーロッパと中国については以下のように数字があり、一定の説得力がある記事。こちらを見ると、むしろ依然として好調のように見えなくもないのですけど、ともに大市場では頭打ちになっているとの指摘でした。

<世界第二のEV市場である欧州はどうか。欧州自動車工業会の発表によると、23年1~10月のBEV新車登録台数は前年同期比53.1%増の約120万台。絶好調に見える。
 ただし、10月だけに限ると前年同月比36.3%増とペースは落ちている。特に欧州域内最大の市場であるドイツは急ブレーキがかかっており、10月の新車登録台数は4.3%増にまで減速している。>
<(引用者注:中国では、)23年1~10月のBEV販売台数は前年同期比25.2%増の516万台と快進撃は続いている……のだが、実はこの数字は輸出も含めたもの。国内市場での販売台数はかなり成長が鈍っており、今年8月からは48万台前後で停滞が続いている。>

(2024/01/29追記:以上のように紹介していたのですけど、その後、全く違う報道が続出。以下、<中国でEVが売れないのはEVが終わったから…というのは嘘だった?>、<EV終わり…のはずが、景気悪化でも販売台数が過去最高記録を更新>で書いています)


●中国でEVが売れないのはEVが終わったから…というのは嘘だった?

2023/12/30追記:前回、EV販売台数の話があったせいで、その後EVの販売台数に関する記事がいくつか目にとまりました。まず、<中国自動車販売、来年は+3%に減速へ 需要鈍化などで=業界団体>(ロイター / 2023年12月12日 14時41分)という記事ですが、タイトルは自動車全体の話です。

<業界団体の中国汽車工業協会(CAAM)は11日、2024年の国内自動車販売台数が3%増の3100万台になるとの見通しを示した。23年の推定11.7%増から大きく鈍化するとみられている。>
https://news.infoseek.co.jp/article/12reutersJAPAN_KBN331094/

 CAAMの推計によると、乗用車は10.3%増から3.1%増に低下。気になるEVに関するところとしては、新エネルギー車が36.5%増から20%増に鈍化する見通しだといいます。CAAM幹部は24年の自動車市場について、需要縮小と供給問題、景気を巡る期待後退で困難に直面するだろうと述べたそうです。

 これを見ると、依然として新エネルギー車の方が伸び方がずっと大きいことがまずわかります。この新エネルギー車というのは、EV以外も含んでいるはずでわかりづらいのですが、データからすると、中国EVの販売台数減速は、そもそも中国で自動車全体が売れないためという可能性があり、EVの問題と言って良いかはより慎重に見る必要がありそうです。


●EV終わり…のはずが、景気悪化でも販売台数が過去最高記録を更新

2024/01/29追記:今回は、前回<EVの販売台数に関する記事がいくつか目にとまりました>と書いた記事のもうひとつを。<世界のEV販売、11月は過去最高 北米と中国好調=調査会社>(ロイター / 2023年12月13日 14時15分)という記事で、やはり「EV終わり」には見えない内容です。

< 調査会社ロー・モーションによると、11月の世界の電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)の販売台数は前年同月の110万台から140万台に増え、月間の過去最高を更新した。北米と中国の好調な販売が欧州の不振を打ち消した。>
https://news.infoseek.co.jp/article/13reutersJAPAN_KBN332088/

 140万台の内訳という意味だと思われますが、「EVが70%、PHEVが30%」だそうです。地域別では、中国が前年同月比25%増加、北米が43%増えた半面、欧州では3%減。しかし、欧州の減少は理由があり、むしろ3%減は上々かもしれません。

 3%減は、2022年末にドイツで政府補助金削減前の駆け込み需要があったため販売台数が伸びた反動とのこと。ロー・モーションのデータ責任者も「景況感の悪化にもかかわらず、販売台数は引き続き伸びており」としていました。

 一応、将来的な懸念も記事では紹介しています。<欧州などの市場では消費者が2─3年先のより良い、より安価な車種の発売を待つため、需要が鈍化に向かうと懸念する自動車メーカーもある>としていました。


【本文中でリンクした投稿】
  ■電気自動車に未来はない トヨタMIRAI開発者がテスラなどの急速充電EV批判
  ■EV・FCV・HVで普及するのはどれ? 2030年以降の販売台数予測
  ■テスラ自動運転車の死亡事故、運転手のせいと報告 人より40%安全とも
  ■クレージーな天才イーロン・マスク テスラ,スペースX,ペイパルで活躍

【その他関連投稿】
  ■渋滞の原因は遅い車…ではなく車間距離を詰める車 適正な車間距離の目安は?
  ■女性は駐車が苦手…は嘘だった むしろ男性よりうまいという調査
  ■商品・サービス・技術についての投稿まとめ

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