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村上春樹がマンネリなのは才能がないからではない 人気があるからこそ起きるマンネリ批判


 村上春樹さんの作品は、大体いつも同じような感じだという指摘は多数あります。ただ、それには意味があるのだよ…という評論家の解説がありました。

 また、こうしたマンネリ批判が出るというのは、そもそも人気が出るような作品を作れるからこそ…という話も書いています。
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●いつも同じ話しか書かない村上春樹

 評論家の栗原裕一郎さんによると、村上春樹さんの新刊『騎士団長殺し』についての書評は、肯定的にせよ、否定的にせよ、「いつもと同じだ」と指摘するものが多かったそうです。

「『これぞ村上春樹!』なサンプル」斎藤美奈子『朝日新聞』2017年3月5日付朝刊)
「春樹ワールドの語り直し」(清水良典『週刊朝日』2017年3月17日号)
「ハルキ世界の満漢全席」(大森望『週刊文春』2017年3月16日号)
「スペックが上がったハルキ・ムラカミという車の最新モデル」(小野正嗣『朝日新聞』2017年3月8日付朝刊)

 栗原裕一郎さんもこの見方を否定するわけではなく、以下のように書いていました。

"いかにも村上春樹的な「私」が、いかにも村上春樹的なアイテム(自動車に音楽、料理……)をはべらせて、いかにも村上春樹的な登場人物たちと、いかにも村上春樹的な会話や交流を持ちながら、いかにも村上春樹的な状況と謎に巻き込まれて物語は進んでいく"
(村上春樹は、なぜ「同じ話」を書き続けるのか | 読書 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 栗原 裕一郎 :評論家 2017年03月26日 より)


●村上春樹がマンネリなのは才能がないからではない

 記事では、新作を発表するたびに「マンネリ」だの「自己模倣」だのと批判されている、とも書かれていました。当然批判があるのです。そして、こうして同じ話ばかり書くのは、「他に書けない」という才能の無さだと考える人もいるかもしれません。

 また、村上春樹さんの小説は売れるように計算して作られたもので、ゆえにノーベル文学賞も取れないといった指摘も過去にありました。なので、商業的に成功した形を焼き直すことで確実に売れる作品を作り続けるという見方もあるかもしれません。実際、村上春樹作品はめちゃくちゃに売れ続けています。変える必要性は皆無です。

 しかし、栗原裕一郎さんは、村上春樹さんが「同じ話」を書き続けるのは、突き詰めた果てに自身の文学の目指すものがあるはずだと確信しているからに違いなく、モチーフや構造の類似ばかりを言い立ててもあまり生産的ではない、と前向きに捉えていました。

 で、その理由なのですが、評論家らしく難しいことを書いていて、私にもよくわからなかったので、簡単にわかりやすくまとめることができませんでした。

 とりあえず、ポイントっぽいところを探すチャレンジをしてみると、まず、新刊『騎士団長殺し』の主人公の絵画論は、村上春樹本人の創作に対する意識そのものだという指摘が複数出ているというのが、重要だと思われます。

 この主人公の絵画論というのは、生きた肖像画を描くためには、顔の特徴を的確にとらえるだけでは十分ではなく、顔だちの核心にあるものを見て取ることが肝要だ、というもの。そして、こうした核心を、自分の中で有機的に再構成し、キャンバスに移していく作業はある時点で唐突に終わり作品は完成する、とされていました。

 つまり、村上春樹さん同じ物語類型を反復しているのも、より適切な核心を描き出すための作業だ…と言いたいのかな?と感じました。そうであるなら、村上春樹さんの作品も完成作ができた時点で、唐突に終わりとなりそうです。


●人気があるからこそ起きるマンネリ批判

 ところで、マンネリ批判に関しては、私には「マンネリは偉大だ」という持論があります。

 というのも、そもそもマンネリ批判が出るには、何度も同じような作品を発表しなくてはいけません。人気がなさすぎる作家はマンネリとも言われることなく、話題にならずに消えていきます。ある程度人気がないと、マンネリ批判は大きくならないのです。

 今回、村上春樹さんの名前で検索していて、「マンネリ」と関連するおもしろい発言を見つけました。

この世界において、
退屈でないものには人はすぐ飽きるし、
飽きないものはだいたいにおいて
退屈なものだ。
(村上春樹の名言・格言集。ノーベル賞に最も近い小説家 | 癒しツアー | Page: 3より)

 マンネリ批判は退屈であるからこそのように見えますが、そもそも飽きが来ないものであったからこそマンネリと思えるほど続いているのです。

 前述の通り、村上春樹作品はまだ売れているどころか、売れに売れまくっている状態で、マンネリ批判がありつつも全く飽きられていません。正直、村上春樹さんの文体や作風は大嫌いなのですが、こうした観察眼の鋭さには感心することがあります。


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