教育勅語の擁護記事っぽいのがあって、どこの保守派かな?と見ると、ザ・リバティ。産経新聞が自民党と近い考え方だと言っていた幸福実現党と同じく、宗教団体の幸福の科学がやっているところです。
(関連:
幸福の科学と産経新聞 「自民党と幸福実現党似てる」と産経が主張)
●教育勅語の海外の反応、批判どころか絶賛というのが真実だった!
捏造訳に注意!現代語訳で学ぶ教育勅語の本当の精神 取り戻すべき核の部分とは何か?でやったように、教育勅語の現代語訳は都合の良いように捏造されています。
ただ、幸福の科学の教育勅語擁護はその方向性ではなく、「非常事態には臣民は皇室のために一身を捧げる」という、現代語訳が隠蔽している部分もそのまま出していました。
では、どういう方向性の擁護か?と言うと、海外が良いと言っているから良いんだ理論。うーん、それ、あなたたち保守派が一番嫌いなやつじゃないの?というもの。
しかも、その絶賛だったという例が、めちゃくちゃ昔の話なんですよ。
例えば、日露戦争の終戦間近に渡米した金子堅太郎という政治家が、以下のような講演をしたところ、会場は拍手喝采という話。
「(教育勅語に書かれてある)『もしも国に緊急の事態があれば、大義のために自らを捧げる』というのが日本人の精神であり、日本が(日本海海戦など)ロシアとの戦いに勝ったのも、この結果だ」
さらに、別のところでも、婦人が「主人に、この『教育勅語』を、聖書の次に朗読させます」と言うなど、参加者がこぞって翻訳を求めた、と主張していました。
(
森友学園で注目の教育勅語とは? 世界のメディアが絶賛した理由 | ザ・リバティweb 2017.03.20より)
●あまりにも昔すぎる海外の絶賛記事
また、アメリカのマスコミが数多く絶賛したという別の例も、明治天皇が崩御した際の新聞・雑誌の追悼文。昭和の例すらありません。
「明治天皇の教育勅語は、様々な国家で模範とするべきだ。そしてこの教育勅語は国民の真心の基礎をつくるものだ」
(アメリカ雑誌「レビュー・オブ・レビューズ」)
「明治天皇がつくったものの中で、特に教育勅語は、文体も内容も、世界において末永く残る文学に属するといえる」
(アメリカ雑誌「ノース・アメリカン・レビュー」)
「明治天皇が、日本国民に実践的な規範を示されたことは、ご自身が帝王としての役目を悟っていらっしゃったから」「日本人が、この教育勅語を尊敬するのは、欧米人が『聖書の十戒』を尊敬するのとほとんど同じ」
(英国雑誌「ナインティーン・センチュリー・アンド・アフター」)
「明治天皇の教育勅語は新しい日本の教育に関する、永遠無窮の基礎だ」
(ドイツ雑誌「ロイド」)
●「欧米が言っているから正しい」は保守派へのブーメラン
「欧米が言っているから正しい」に関して言えば、保守派が最も反発するのが、太平洋戦争に関するものでしょう。以下の記事は有料であり、内容が不明ですが、「欧米が言うから正しいとは限らない」と主張するものだと思われます。
欧米にこそ歴史見直しが求められる(ウェブ・バージョン) - 編集長コラム | ザ・リバティweb 無料部分で見える以下の文言なんかからも、そういった主張が予想されます。
"最近では、「日本は侵略国家」という自虐史観を見直すべきだという声が日本で高まると、必ず中国や韓国が「軍国主義の復活」と非難する。そこにアメリカも“参戦"するようになった"
もちろん、海外の視線を入れるというのは、必ずしも悪いことではありません。それどころか、むしろ良いことであることも多いです。なぜか?と言うと、ある物事を検討するときに一方からだけでなく、多面的に検討した方が良いためです。
このことは結局、海外の意見・反応に限らない話であり、違う視点がないかと考えてみることは、すごく良いことだと言えます。
そして、複数の見方があるという時点でわかるように、海外の意見を紹介しただけでは議論は終わりません。むしろその異なる見方を踏まえて検討するという、スタート地点の段階です。
虎の威を借る狐のように欧米の権威にすがっているだけで、教育勅語を肯定する理由にはなり得ない記事でした。
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