「日本では会社は社員のものだと思われている」と言われており、本当だろうかと検索してみました。ところが、これを批判する内容の記事ばかりで、「日本人は会社は社員のものだと思っている」の証拠となるような話が見つからずに苦労しました。どうも実際には「会社は株主のもの」という考え方の人もかなりいるみたいですね。
また、「会社は社員のもの」が間違いでないとも言えるときがあります。というのも、法的には、社員とは従業員ではなく株主のことをすすためです。
2017/4/3:
●会社は誰のもの? 日本では社員のものという意識…というのは、本当か?
●「会社は社員のもの」VS「会社は株主のもの」 調査の結果は…
●従業員か株主か、会社は誰のものか?「社員のもの」が正解な理由
●株による会社支配はおかしい!と考える人がかなりいるのも事実
●会社は誰のもの? 日本では社員のものという意識…というのは、本当か?
2017/4/3:求めていたものとは違ったものの、見つけた中で参考になりそうだったのは見つかりました。”「会社は誰のものか」が「株主」から「従業員」に逆転”( R25 2006.09.14 THU)という記事です。
https://r25.jp/business/90001881/
「会社は社員のもの」説としては、「会社は社員がいないと成り立たない」という根拠が挙げられることがあります。ただ、それは会社を構成しているというだけであり、所有とは異なる話。別の話です。例えば、自動車は大部分金属でできているからと言って、「自動車は金属のものだ」とはならないでしょう。構成しているものというのは、持ち主とは別の概念なんです。これは極端な例ですけどね。
で、記事では、経営者や従業員がいるだけでは会社は生まれず、資本の出し手の存在があって初めて、会社はできるとしていました。つまり、株式会社であれば、株主のものという話。アメリカでは、この考え方が当たり前だと、作者は書いていました。
そして、会社は株主のものという考え方は日本の会社役員も持っていたものの、その考え方が変わったよ…というのが、この記事で出ていたもの。日本能率協会グループが発表した「新任役員の素顔に関する調査」です。
これによると、2002年以降、4割前後で推移していた「株主」との回答が25.1%まで下落。一方で3割程度だった「従業員」が42.3%まで上昇し順位が逆転しました。日本の役員は「会社は従業員のもの」だと考えている人が多いのだそうです。
●「会社は社員のもの」VS「会社は株主のもの」 調査の結果は…
証拠としてはこの話で良いか…と最初は思っていたものの、もうちょっと検索したら、ズバリ「『会社』は誰のものだと考えますか?」という調査がありました。なんだ、あるんじゃん!
インテージとヤフーが2005年にYahoo!リサーチ・モニターで、544名(男性‐271名、女性‐273名)、株保有者‐194名(保有率35.7%)に聞いた調査。やけに株持っている人多いですね。驚きです。年齢の方は20歳以上60歳未満で、各年代ほぼ4分の1になっており、こちらは調整したっぽいです。
で、肝心の「『会社』は誰のものだと考えますか?」の答えは、多い方から「株主」(31.6%)、「社員」(25.2%)、「代表取締役」(15.6%)、「社会全体」(15.3%)といった順番。かなり割れていますが、株主が1位。先の会社役員が対象の調査と異なる結果になりました。
(
インテージ、Yahoo! JAPAN共同調査:「会社は誰のものか!?」(2005年6月) | インテージ 調査レポート ライブラリより)
ということで、「会社は社員のもの」という考え方が日本では一般的、とは言いづらくなっています。アメリカで「会社は株主のもの」が当たり前であるなら、「競っている」という結果だけでも特異なのですが、アメリカの調査の方が不明なので、こちらもまた言いづらいところ。
日本では、「会社は社員のもの」という考え方と「会社は株主のもの」という考え方が拮抗している…くらいの理解が、妥当なところかもしれません。
●従業員か株主か、会社は誰のものか?「社員のもの」が正解な理由
ところが、冒頭で軽く書いたよう、「会社は社員のもの」と言った場合でも、「会社は株主のもの」と同じ意味を示すことがあるのです。「会社は社員のもの」は、「従業員のもの」と「株主のもの」という二通りの解釈ができちゃうんですね。どちらの説にも対応できます。
社員 - Wikipediaによると、会社、企業における従業員)、特に狭義として正規雇用者である正社員のことを「社員」と呼ぶものの、これは通俗的な呼称。法的な用語ではなく、公文書では使用されないそうです。
では、法的にはどうなのか?と言うと、「社団の構成員」のことを「社員」と言います。例えば、会社の場合であれば、出資者(株主)が「社員」だとしていました。
ややこしいことに従業員が社員とイコールという場合もあり、一般社団法人、公益社団法人、持分会社(合名会社、合資会社、合同会社)、相互会社、特定目的会社、投資法人、権利能力なき社団などの構成員は法律上の用語としても社員という…としていました。このうち、相互会社は生命保険会社に多く、顧客たる保険契約者が出資者(社員)として扱われることも言及されています。
●株による会社支配はおかしい!と考える人がかなりいるのも事実
二つ前のアンケート調査なのですが、もう一つおもしろい質問がありました。「株による会社支配について、どう考えますか?以下の中でお気持ちに近いものをお選びください」と聞いたところ、以下のような結果になったというのです。
「資本主義において当然のことである」(48.9%)
「マネーゲームのようで違和感がある」(33.6%)「どちらともいえない/よくわからない」(17.5%)
株保有者が35.7%もいる調査でありながら、これだけ株による会社支配に否定的な人が多かったというのは興味深いです。ここで先ほどのアンケート結果を見直してみると、「会社は株主のもの」派は一番多かったとは言え、31.6%に過ぎないとも言えます。これも結局、他国との比較では不明なものの、日本では会社を株主が所有することに嫌悪感を持っている人が多いのかもしれません。
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