『日本人でよかった』という日本すごい系のポスター。これを作ったのは神社本庁で、なおかつ「国旗掲揚を呼びかける」狙いだったそうです。ただ、その『日本人でよかった』ポスターのモデルの女性が、「日本人でなかった」という赤っ恥なことになっていました。
●日の丸国旗宣伝の『日本人でよかった』のモデル、中国人だった
『日本人でよかった』はネトウヨ的な自称愛国者たちがよく使う言葉ですが、その言葉を使ったポスターがあったというのをそもそも知らなかったので、以下のツイートを見た時点では意味がよくわかりませんでした。
とりあえず、
『日本人でよかった』神社本庁のポスターのモデルは「中国人で間違いない」 カメラマンが断言 HuffPost Japan | 執筆者: 安藤健二 投稿日: 2017年05月10日 15時21分 JST 更新: 2017年05月10日 16時30分 JSTによると、モデルは中国人なんだそうな。ポスターに使われた写真を撮影した中国・北京のカメラマンをしているLane Oateyさんが5月10日、「モデルは中国人で間違いない」と説明しています。
ポスターには、女性の頬に日の丸のようなチークが塗られ、下部には日本国旗とともに「誇りを胸に日の丸を掲げよう」と書かれていました。日本すごい系のメッセージだけでなく、日の丸国旗の宣伝的なところもあるようです。
また、驚いたことにこのポスターを作っていたのは、神社本庁。全国の神社を包括する神社本庁が2011年、計6万枚を神社の境内で掲示するために配布したものでした。出所不明ということではなく、日本最大の宗教団体がやっていたというのが、信じられません。
一方、神社本庁の担当者はこれについて苦しい説明をしています。
まず、中国人モデル使用の経緯については、大元の写真会社「ゲッティ・イメージズ」以外の写真素材の提供会社から購入したとのこと。2011年当時は『日本人』の女性として登録されていたとしており、この時点で偽りがあったようです。
そして、めちゃくちゃだと思ったのは、この後の説明でした。
「もし、仮にモデルが中国人であったとしても、特定の人物を指して日本人とする内容ではないので、問題にするほどでもないと思います」
いや、日本人ではない人が「日本人でよかった」はおかしいでしょう。例えば、日本人が「私はアメリカ人でよかった」って言っていたら、意味不明ですよね。「アメリカ人でよかった」というメッセージは、当人がアメリカ人でないと成立しません。『日本人でよかった』も当然同じです。
●神社本庁は「国旗掲揚を呼びかけるもの」と説明
これについては、
News Up 日本人でよかった!? ポスターの“波紋” | NHKニュース(5月11日 17時21分 ネット報道部・管野彰彦記者 本木孝明記者)という記事で、より詳しく書いていました。
「ぞわぞわする」「なんか落ち着かない」「外国人観光客とかどう思うんだろw」「失礼なポスターだな。これ普通に解釈すれば、日本に数多く在住する外国人はよくないってことか?」など、違和感を覚えるという声が上がっていると紹介されていたように、そもそもかなりおかしなポスターでした。
こちらによると、神社本庁の担当者は「いろいろ誤解を招いているようだが」と前置きしたうえで、「昔は祝日に多くの家庭で国旗を掲揚していたが、今は少なくなっている。日本の伝統と文化を尊重する意味で、祝日に国旗を掲げることを啓発しようと作った」と説明。
となると、日本すごい!という話ではなく、完全に「国旗掲揚を呼びかけるもの」であるようです。ただ、「いろいろ誤解を招いているようだが」とポスターを目にした人たちをバカにしているものの、これはメッセージの方がおかしいですよ。「祝日に国旗を掲げることを啓発」で、「日本人でよかった」というメッセージにはなりませんし、この内容なら「日本人でよかった」の印象が強くなるに決まっています。
広告表現に詳しい東京工科大学デザイン学部の講師、葛原俊秀さんも同様の指摘。通常、ポスターは、誰が何を伝えたいのかわかるようにするものですが、神社本庁のポスターはこの点で完全な失敗作です。
「このポスターは発行主体を明示していないうえ、『私日本人でよかった』というコピーと、『誇りを胸に日の丸を掲げよう』というもう一つの標語の間に大きな飛躍がある」
●神社・神道と国家意識、保守思想
なお、神社本庁は自民党の支援団体の一つであり、非常に保守的な主張を持っています。
過去に神社本庁について書いた投稿はいくつかあり、
四代八幡宮の神の棲む森を売り払え!神社本庁が反対する宮司を解任は、原発に使うために神社の境内の森を売ることに反対した宮司を神社本庁が解任したという話。宮司が森を売っぱらおうとしたって話じゃないですよ。神社本庁が原発のために森を売りたがったのです。
そして、この投稿の中でクイズにした中には、保守思想と関係が深い話も出ていました。各地の神社において、神社本庁が参加する「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が憲法改正を求める署名活動を行っているというものです。
戦前の
多くの神社を廃止、明治政府の伝統文化破壊と国家神道の捏造 あの南方熊楠も「神社合祀」に猛反対の話などを見てわかるように、神社・神道と国家意識、保守思想には、深い関係が感じられます。
そういった思想を持たない神社の方々には迷惑な話でしょうが、一部の神社の人たちがこういった思想を持っていることは知っておいてほしいと思います。
【本文中でリンクした投稿】
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四代八幡宮の神の棲む森を売り払え!神社本庁が反対する宮司を解任 ■
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