アニキサス食中毒の対処法について、デマと有効なものと両方を。デマは、酢でしめる・よく噛む・サバ以外の鮭などの魚なら大丈夫というものが出ています。一方、冷凍や加熱は有効であるものの、この対処法も一般人にとっては難しいところがあり、注意が必要です。
冒頭に追記
2022/09/03追記:
●食中毒は夏に多いイメージだが、アニサキスのピークは違う理由 【NEW】
●食中毒は夏に多いイメージだが、アニサキスのピークは違う理由
2022/09/03追記:またアニサキスのデマと繋がりそうな話を発見。
アニサキス、実はこれからの時期にこそ注意が必要 経験者・専門家・料理人に聞くと… | TBS NEWS DIG(2022年8月21日)という記事です。寄生虫などの微生物について50年近く研究を続ける広島国際大学の板羽教授に話をうかがっていました。
<板羽 秀之 教授
「胃の中に入ってきて胃の壁に食いついていく。それによってアレルギーが起こる」
そう。アニサキスによる激しい腹痛は、アレルギーによって起こる反応の影響も大きいのです。
そして、このアニサキス、これからの時期にこそ注意が必要だそうで…。
板羽 秀之 教授
「サバなどが旬の時期、10月以降が一番多いとは思いますけど、ことしは特にイワシなどがたくさんとれていますので、それによってアニサキスの感染が多いといわれています。食中毒で一番、アニサキスが多いわけですから注目度も高くなってくると思います」>
厚生労働省の把握している食中毒件数は重篤なものが多いと考えられますので、件数や割合は本来異なると思われますが、厚生労働省によると、2021年1年間で発生した食中毒717件のうち、およそ半数にあたる344件がアニサキスによるものだったそうです。また、アニサキスによる食中毒は年々、増加傾向にあるといいます。
理由として、板羽 秀之 教授は「温暖化によって海水の温度が上がって、イワシなどがたくさんとれるようになったのが、増えた原因の1つ」と説明。「原因の1つ」という言い方だと他にも理由があるということなのですが、他の話は記事では紹介がありませんでしたので不明でした。
なお、居酒屋 民宿 水嶋 寛興 料理長によると、「毎日、魚をさばくので、しょっちゅう見ますよ。いたから悪いとか、そういうことではないです」としており、アニサキスはよくいるし、いること自体は仕方がない模様。ただ、発見できない人がいるために、アニサキスによる食中毒は起きてしまうようです。
●「アニキサス」じゃありません!アニサキスとはそもそも何なのか?
2017/5/23:今日は食中毒を引き起こす寄生虫アニサキスの話です。私は「アニ
キサス」と完全に間違って覚えてしまっていたのですが、「アニ
サキス」が正解。書き終えてから一通り確認はしたものの、書き間違えているところがあったらすみません。
このアニサキスによる食中毒。国立感染症研究所の推計では、患者は年間7000人以上と見られています。アニサキスというのは、細い糸のように見える体長2センチから3センチの寄生虫です。赤いのとか、オレンジのとかをアニサキスだと思っている人が多いですが、違います。白っぽいものです。だから見つけづらいんですね。
アニサキスは魚介類の内臓に寄生しますが、ヒトの体内に入ると胃や腸の壁を傷つけ、数日間にわたって激しい腹痛やおう吐などの症状を引き起こします。しかも、この痛みは半端ないらしいですね。多くの人にとって人生最大の痛みであるようです。
(
News Up アニサキス食中毒 よくかめば大丈夫? | NHKニュース 5月17日 19時27分より)
●サバ以外の鮭などなら大丈夫はデマ
アニサキスがいる魚としては、サバが有名なようです。この理解自体は間違いではなく、アニサキスによる食中毒の40%以上は、サバが原因となっています。しかし、サバを食べなければ大丈夫か?と言うと、もちろんそうではありません。サバが4割だということは、逆に言えば、他の魚が6割ですからね。
サバ以外にも、さけやさんま、かつお、ひらめなどが原因で、アニサキスの食中毒が発生しており、北海道立衛生研究所では「アニサキスが寄生しない魚はないと考えてほしい」と話しているほどです。
●アニサキス食中毒の対処法のデマ拡散 酢でしめると死滅
また、酢でしめると大丈夫という話も出回っているそうです。要するにしめさばですね。ところが、これもまた嘘なのです。
特にお寿司関係では「~は殺菌効果がある」といった話が多いものの、それで食中毒が防げるなら苦労しません。このいかにも効果がありそうなお酢の他、通常の料理で用いる程度の量のワサビやしょうゆなどの調味料でも死滅することもありませんとのこと。
いくらか効果があるといった感じで完全な嘘ではないのでしょうが、大した効果はないんですね。「先人の知恵」と言われるものはすごくありがたみを感じるものの、残念ながら効果なしというのが事実でした。
●よく噛むと大丈夫というデマも
よーく噛んだら大丈夫という話もあるそうです。これは荒唐無稽に思えるものの、「しっかりとかめばアニサキスが死ぬ可能性はあります」と多少の可能性を残す書き方です。
とはいえ、有効な対策という意味ではありません。なぜか?と言うと、アニサキスは厚みが1ミリほどしかなく、歯と歯の間に入り込んだ場合など、かんだと思っていてもちゃんとかみ切れない可能性が高いためです。
そもそもお寿司や刺し身ってよく噛んで食べるようなもの?という話もあり、専門機関は、「かむという対策は推奨できない」としているそうです。全然かまないで食べるよりはよくかんで食べる方が望ましいでしょうが、過剰評価してしまうことに注意が必要です。
●加熱・冷凍には効果があるが…
では、有効な対処法は?と言うと、加熱・冷凍です。ただし、素人がやると失敗する可能性もあるようでした。
まず、アニサキスは魚の内臓に寄生していることが多いので、内臓を取り除くことが大切です。ところが、内臓さえ食べなければ良いか?と言うとそうではなく、困ったことに魚の筋肉の中に寄生していることもあるそうです。おまけにこの場合は、肉眼でも発見することが難しくなっています。
そのため、しっかり加熱せよとのこと。表面をあぶるだけでは不十分なのです。
冷凍の場合でも、同様にしっかり冷凍することが必要。マイナス20度で24時間以上の冷凍が有効だということで、この場合も内部まで完全に凍結しないとアニサキスは死なないそうです。
というか、家庭の冷凍庫の温度って何度?と軽く見てみると、約-18℃前後とのこと。やはりスペック不足ですね。おまけに、家庭の冷凍庫の場合、ものの詰め方や扉の開閉で冷え切らないことが多いです。さらに、庫内でも場所によってかなり温度が異なってきます。
これだけ書いてもまだ注意事項が残っており、そもそも家庭用の冷凍庫はもともと凍っていたものを保存する使用を想定しているということ。常温からの保存の場合、市販の冷凍庫ではゆっくりとした凍結になってしまい、前述の「内部まで完全に凍結」というアニサキス対策からすると不向きなようです。
前向きな話が書けずに申し訳ない話ないんですが、事実なのですから仕方ないですね。現実は甘くありませんでした。
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