Appendix

広告

Entries

レゴランドがディズニーランドよりすごいのにネットで評判が悪い理由


 レゴランドはディズニーランドとビジネスモデルが全然違っているようです。「小さく作って手堅く稼ぐ」という感じで、ターゲットを小さい子とその親に絞り込んでいます。この点に対する誤解が、ネットでの不評の一因になっているかもしれません。

 あと、「手堅く稼ぐ」と書いたものの、営業利益率はディズニーランドすら大きく上回るものになっています。ここらへんのビジネスモデルは相当練り込まれており、感心しきりでした。

2017/09/09追加:絶好調から一転不調のレゴ、経営者も従業員もクビに


●レゴランドを運営しているのはレゴグループじゃなかった

 レゴに関する話は以前もやっています。コモディティ化対策の例 レゴは機能ではなくストーリーで売って成功というものです。

 そのときの話によれば、レゴは多角化で失敗した末に多角化をやめて原点回帰していました。なので、レゴランドのような本業と関係ない事業をなぜ今さら増やしているのか?と不思議に思っていました。

 その謎が解けたのが、レゴランド、小さい規模で手堅く稼ぐ:日経ビジネスオンライン(宇賀神 宰司 2017年4月7日)というインタビュー記事。

 レゴランドを運営しているのは、レゴではなく英マーリン・エンターテインメンツというテーマパーク運営が本業の会社。欧州中心に4カ所あったレゴランドの事業は、2005年にレゴグループから買収しています。レゴグループはレゴランドの運営には直接関わらず、マーリン側はレゴ事業の総収入の一定割合をライセンス料として支払うしくみとなっています。

 マーリンは、レゴランド以外にも複数の種類の娯楽施設を持ち、世界24カ国・地域で117カ所の施設を展開する世界2位のテーマパーク運営会社です。


●レゴランドがディズニーランドよりすごい理由 営業利益率で圧勝

 名古屋のレゴランドがうまく行くかはわかりませんけど、マーリンのビジネスモデルはよく考えられていて好みです。「小さく作って手堅く稼ぐ」という感じですね。

 例えば、上海のディズニーランドの初期投資額は数十億ドルといわれています。一方、レゴランドは3億~3億5000万ドル程度と、一桁違います。

 入場者数ももちろん違ってきます。欧州や米国などにある既存の6か所のレゴランドの年間来場者数は150万~300万人で、名古屋も200万人が目標。一方、東京ディズニーランドが3000万人、USJが1460万人となっており、これまた一桁違っていました。

 じゃあ、単に小さいだけか?というと、中身が違うのです。別記事のレゴランドの手堅い稼ぎ方:日経ビジネスDigital(日経ビジネス2017年4月10日号)によると、営業利益率ではレゴランドが圧勝していました。

マーリンのレゴランド事業(16年12月期)
売上高 685億円
営業利益率 32.9%

米ウォルト・ディズニーのパークス&リゾーツ事業(16年9月期)
売上高 1兆8841億円
営業利益率 19.4%


●ネットで評判が悪い理由はターゲットの問題か?

 マーリンのやり方が私好みであるのは、ターゲットを絞り込んでいることです。

 ニック・ヴァーニーCEO(最高経営責責任者)は、レゴランドはターゲットを2歳~12歳の子供がいる家族層に限定しているのが、ディズニーやUSJとの大きな違いだとしていました。

 中学生以上の若者、カップル、シニアなど、「ほかの層が来場することは基本的に期待していません」とのこと。完全に割り切っています。

 気分悪い話だったので、ネットのレゴランド叩きはあまり見ていないため、実際は別の理由が大きいのかもしれませんけど、このターゲットの違いがネットの評判の悪さを加速しているのかも…とちょっと思いました。

 ヴァーニーCEOは、以下のように小さい子とその親のことしか考えていないと断言しています。

「レゴランドは2歳~12歳の子供がいかに楽しめるか、何を学んでもらえるか、また、そうした子供を持つ両親が『ぜひ、子供をレゴランドに連れて行きたい』と思ってもらえるかという点に集中してアトラクションなどを開発しています。とにかく子供のための施設であるということを念頭において日々、運営、改善をしています」


●レゴランド最大の特徴は「教育要素」

 この割り切りが良いのは、作るべきアトラクションを絞り込めることです。「ディズニーやUSJにあるようなスリル満点のアトラクションも必要ありません。それが大きな差別化だと考えています」と、ヴァーニーCEOは述べていました。

 また、おもしろいのが、教育効果を狙っているということ。レゴランドは、ファンラーニングと呼んでいる、楽しみながら学べるアトラクションや仕掛けをいたるところにほどこしていると説明していました。例えば、レスキュー・アカデミーは親子で協力して消化活動する…といった具合です。

 そもそも「ブロックで遊ぶ」ということも、教育的な効果がありますからね。この方向性を選んだのは、素晴らしいことだと思います。

 それから、一般論として、ディズニーやUSJでは、来場者は既にセットされたものを見ることになります。一方、レゴランドは、実際にレゴブロックで作ったものを、走らせたり、振動に耐えられるかなどさまざまな実験をして遊ぶスペースがあるなど、創作する楽しみもあります。これも教育的な要素の一つでしょう。

 そして、これらの教育的な効果というのが、子供を持つ親に効果的です。先の日経ビジネスDigitalでは、「親は子供の教育のために価値があると思えば、ある程度の出費はいとわない」ともヴァーニーCEOは述べていたようです。これがおそらく先程出てきた営業利益率の圧倒的な高さに繋がっているものと予想されます。

 この営業利益率はもちろん名古屋のレゴランド開園前であり、名古屋の数字は入っていません。日本でも成功するかどうかは未知数で失敗する可能性もあるものの、海外で成功しているというのは納得できる、よく考えられたビジネスモデルで感心しました。


●レゴランド苦戦で、近隣施設のレストランが早くも閉店

 …と下書きした後に、来場者低迷、レゴランド隣接店舗が2か月で閉店 : 経済 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)(2017年05月23日 09時13分)という記事を発見。日本ではうまく行っていないみたいですね。

 記事のタイトルは、"隣接地に今年3月オープンした複合商業施設「メイカーズ ピア」で、テナントのレストラン1店舗が22日の営業を最後に閉店した"ことを指しています。

 しかし、運営会社(レゴランドの運営者=マーリンのことか?)は「売上高は想定の10分の1。レゴランドが思ったように集客できておらず、テナント側には手の打ちようがない」としており、レゴランドそのもの不振のせいだと説明していました。

 なお、複合商業施設「メイカーズ ピア」も、親子でそば打ちなどが楽しめる「体験型」店舗が多いということで、コンセプトはレゴランドといっしょ。

 最初の下書きでは「教育」の方を強調して書いていませんでしたが、アメリカでは高所得な若者もクルマ離れ・マイホーム離れ ミレニアル世代の新しい価値観でやったように、体験を重視するというのは世界的な傾向であり、着眼点は悪くないんですけどね。

 日本はゲーム市場で言うとかなり特殊で、世界で人気の高い自由度の高いものは嫌われる一方、画一的なものが好まれやすいと言われています。ただ、体験重視の消費の増加自体は日本でも見られている傾向で、このコンセプトが日本で通用しないとも思えません。

 まだ失敗したと決まったわけじゃないのですけど、レゴランドが失敗に終わった場合には、分析記事なんかを探してみたいと思います。


●絶好調から一転不調のレゴ、経営者も従業員もクビに

2017/09/09:レゴランドではなく、資本関係のないレゴ本体の話なのですが、他に適切な投稿がなくここに追加。ここ数年レゴがぐんぐん伸びていると言われていたものの、一転して不調に。中国などの新興国市場では売上高が2桁増となった一方、昨年から欧米中心に収益の伸びが鈍化。2017年6月中間決算は、売上高が前年同期比4.8%減、純利益が2.9%減となりました。

 で、対応が早いな!と思ったのが、従業員全体の8%に当たる約1400人を削減すると発表したこと。迷いなく行きますね。このように北欧の企業って、かなりドライな印象があります。
(玩具大手レゴ、1400人削減=高成長に陰り:時事ドットコム 2017/09/05-23:03より)

 さらに対応の早さ、ドライさを感じるのが、従業員らより先に、経営者をお払い箱にしていたこと。17年から最高執行責任者(COO)だったバリ・パッダさんが昇格していたのですが、業績が振るわないと見るや、8月に交代。同じデンマークの産業機械大手ダンフォスCEOのニールス・クリスチャンセンさんを招き、経営体制を見直していたそうです。
( 玩具のレゴ、全世界で1400人削減へ 急成長から一転減収 組織スリム化 2017/9/5 17:58 加藤貴行より)

 他の記事ではデジタル世代に苦戦みたいなことを書いているところも見かけましたが、経営手法は最先端な印象を受けます。


【本文中でリンクした投稿】
  ■コモディティ化対策の例 レゴは機能ではなくストーリーで売って成功
  ■アメリカでは高所得な若者もクルマ離れ・マイホーム離れ ミレニアル世代の新しい価値観

【その他関連投稿】
  ■ディズニーランドが好きなのは日本人だけ?パリも上海も不人気、香港は赤字転落でパリは毎年赤字
  ■船橋・アンデルセン公園が謎の高評価 ディズニーの次でUSJ以上
  ■嫌いな人は人生損している?みんな好きなディズニーを嫌いな理由
  ■ハウステンボスに二つ目の変な施設「変なレストラン」 効率性より人間味重視
  ■上海ディズニーランドもブラック企業?劣悪な労働条件で従業員酷使
  ■企業・会社・組織についての投稿まとめ

Appendix

広告

ブログ内 ウェブ全体
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示









Appendix

最新投稿

広告

定番記事

宝くじ高額当選者3000人のその後……10年後の彼らの生活は?
歴代首相の身長ランキング 背の高い、低い意外な総理大臣 野田佳彦・麻生太郎・鳩山由紀夫・小泉純一郎・安倍晋三など
日本で馴染みのある韓国系企業一覧
国別ノーベル賞受賞者数ランキング 日本は8位、上位はどこの国?
橋下徹大阪市長の出自 同和地区(被差別部落)と父・叔父と暴力団
意外に有名企業があるファブレス企業・メーカー 任天堂・ダイドードリンコ・やおきんなど
飛び降り自殺は意識を失うから痛みはない…は嘘 失敗した人の話
白元・鎌田真の経歴と派手な交友関係 神田うの,松本志のぶ,妻も美魔女など
楽天Edyはコンビニの公共料金の支払い(収納代行)に使える?
楽天Edyの使えるコンビニ・使えないコンビニ
主な緑黄色野菜一覧 と 実は緑黄色野菜じゃない淡色野菜の種類
のれん代とのれん代の償却のわかりやすい説明
消滅可能性都市ランキングと一覧 1800市区町村中896自治体が危機
カルシウムの多い食材ランキングベスト20 牛乳以外に取れる食品
堀越二郎の妻は死んでないし菜穂子でもない モデルは堀辰雄の婚約者矢野綾子
創価学会、会長候補の正木正明氏左遷で谷川佳樹氏重用の理由は?
インチキで効果なし、活性水素水詐欺 誇大広告であるとして排除命令が出た商品も
高カロリー食品ランキングベスト20(100グラムあたり)
EPA、DHA(オメガ3脂肪酸)の魚油サプリ 効果なしどころか危険という説
リチウムイオン電池の寿命を長持ちさせるのは、使い切って満充電?継ぎ足し充電?

ランダムリンク
厳選200記事からランダムで









アーカイブ

説明

書いた人:千柿キロ(管理人)
サイト説明
ハンドルネームの由来

FC2カウンター

2010年3月から
それ以前が不明の理由