どうも日本人は、麻雀発祥の地である中国人よりずっと麻雀が強いらしいです。で、なぜ日本人の方が強いか?という理由を、ルールの違い・プレーヤー人口・愛好者の年齢層・ギャンブルの盛んさ・プロ人口といった点から考えてみました。
●日本系が優勝で中国は37位…日本人の麻雀の強さに中国人脱帽!
2015/12/11:最近の日本は落ち目なので悪い話題ばかりで、前向きな話題も書かなくちゃと思っていました。かと言って、よくある日本すごい!系の話はでキモいし、寒いです。そんなときに、
日本人に勝てない・・・麻雀は中国生まれなのになぜ日本人の方が強いのか=中国 サーチナ / 2017年5月20日 15時12分(編集担当:村山健二)という記事を見つけました。
アルファ碁、世界トップ級イセドルに勝利 実は囲碁が弱い日本人と対にできそうな話です。
記事によると、2014年にフランスで開催された「第5回ヨーロッパ麻雀世界選手権」では、個人では日本人が優勝、また団体では欧州と日本の混成チームが優勝。一方で第5回大会における中国の成績は、個人では30位が最高、また団体でも37位でした。これについて、米華字メディアの多維新聞が、16日付で、中国人の麻雀のレベルはなぜ日本人や欧州人に及ばないのかというテーマについて論じる記事を出していたそうです。
そして、日本が強い理由は一言で言うと、日本では中国以上に麻雀文化が深く浸透しているという話。菅直人元首相も麻雀の点数計算機の特許を出願したことがあるほど麻雀好きであることなどを挙げ、日本国民の麻雀に対する愛や競技としての麻雀のレベルの高さを示す証拠だとしていました。
●「えっ、リーチや翻や符は本場の麻雀にないの?」ルールの違い
アルファ碁、世界トップ級イセドルに勝利 実は囲碁が弱い日本人では、日本人が弱い理由としてルールの違いが挙げられていました。言い訳がましく聞こえるものの、ルールが違えば戦略は異なってきます。十分にあり得る理由ですので、麻雀についてもちょっと調べてみましょう。
まず、「ヨーロッパ麻雀世界選手権」というのが妙な名前だと思ったのですが、
欧州麻雀協会 - Wikipediaによると、どうもヨーロッパの各国の麻雀国内団体を統括する大陸組織である欧州麻雀協会(EMA)が主催の大会なので、こういう名前のようです。EMAの主催する大会は2種類あり、オープン欧州麻雀選手権(国際ルール)と欧州リーチ麻雀選手権(日本式リーチ麻雀ルール)があり、それぞれルールが異なります。
日本式リーチ麻雀ルールはその名の通り日本式。
リーチ麻雀とは日本式麻雀!より深く知ろう、麻雀について | 麻雀豆腐によると、リーチがあるのが日本人は普通だと思うのですが、実はそうではなく、中国麻雀ではそもそも点数計算は翻と符を使わないとのこと。だいぶ違いますね。私も麻雀やったことがあるので驚きました。
日本人が断然有利なルールですので、2014年の第一回リーチ麻雀世界選手権は、日本人がベスト3を占拠。ベスト16に残ったのが日本人13人でした。外国で普及しているのは中国麻雀の方が一般的なため、この結果でも参加者から「思っていたより外国の選手のレベルが高かった」という感想が出ていたようです。
ということで、今回の「ヨーロッパ麻雀世界選手権」でもルールが違うせい…となると話がわかりやすかったのですが、どうも違うようです。前述の通り、欧州リーチ麻雀選手権は日本式リーチ麻雀ルールであったものの、最初の記事でも出ていたもう一方のオープン欧州麻雀選手権は国際ルールでした。そして、これが中国ベースだったのです。
オープン欧州麻雀選手権 - Wikipediaによると、5回中3回、日本人が優勝。残り2回はヨーロッパ人であり、中国人は3位にすらなかったことがないようです。中国人は日本式麻雀じゃなくても、結果を残せていないみたいですね。
●日本の方が麻雀人口が多いから強い?
次に考えたのが、麻雀人口の差でした。単純に国内の競技人口が多いほど、その国の人が強いと考えられます。ところが、これまた説明としては不適切な結果で外れのようです。Mahjong Logic社が2012年春に出版した雑誌「Kong」(「槓(カン)」の意)によると、世界の麻雀競技人口は7億人(2011年時点)。そのうち日本は3000万人、中国人が5億人だというのです。
ただし、これを紹介していた
第3次麻雀ブームは本当に起きるのか④ 世界的な人気 : 天国へ行くための136の方法では、「粉飾」ではないかと見ていました。
実際、公益財団法人日本生産性本部余暇創研による『レジャー白書2016~少子化時代のキッズレジャー~』では、、2015年の参加人口は600万人とされており、前述の3000万人は嘘くさい数字。したがって、中国の5億人も怪しいでしょう。
(
2015年の麻雀人口は600万人 前年より270万人減 ~レジャー白書2016 | 麻雀ウォッチより)
●日本人の方が若いプレーヤーが多いから強い?
また違う視点。囲碁の場合、若い人の方が強く、日本の囲碁界のようにベテランが活躍している時点で、それは停滞を示しているという話がありました。なので、麻雀もプレーヤーの年齢が関係あるのでは?とも考えてみました。が、これもまたさっきの
第3次麻雀ブームは本当に起きるのか④ 世界的な人気 : 天国へ行くための136の方法で否定されています。
前述の通り、怪しい本のデータではあるものの、世界の麻雀プレイヤーの平均年齢は29才とされていました。世界の麻雀プレイヤーは中国人が多いので、中国人も若いと考えられます。一方、『レジャー白書』によれば、日本の平均年齢は52才。むしろ日本の方が、麻雀はお年寄りの趣味になっているようです。
とはいえ、何しろ出典が怪しいものです。最初の記事では、中国では"麻雀番組も放映されているが、今のところ中国の一般の若者たちが好むゲームというより、高齢者が公園などで興じる娯楽という位置付け"という話がありましたし、あまり当てにならない話だと考えた方が良いかもしれません。
●日本が強いのは賭けマージャンが盛んだから?
さらに視点を変えてみましょう。
ギャンブル大国日本 世界のギャンブル遊具の6割が日本にある異常さでやっているように、日本は世界有数のギャンブル王国です。これは主にパチンコのせいですが、ギャンブルに対する抵抗感が薄いのは事実であり、今回検索していても何で賭けマージャンが悪いのかわからないという意見を多数目にしました。
飯塚市の市長と副市長、勤務時間中に賭けマージャン 陰謀だと主張で書いた問題の件でも、市長が「賭けなかったら全然面白くない」などと言っており、賭けマージャン自体は悪いことだと思っていない様子。一方、中国はと言うと、実はギャンブルに厳しい国の可能性があります。
宝くじは普通にギャンブルであり賭博である 競馬と同じ公営賭博でやったように、実際には賭博なのに、日本人は宝くじを賭博とすら考えていません。中国ではときどきその宝くじで身を滅ぼす人がいるのですけど、それも他のギャンブルらしいギャンブルがないせいじゃないかと思っていました。
日本の方が仮に賭けマージャンが盛んなのであれば、日本の方がハイレベルというのも理解できます。真剣さが違いますからね。しかし、
中国のギャンブルや風俗事情。これらは合法?それとも違法? | 世界の謎発見によると、一般市民は小額のお金を賭けた遊びが大好きで、麻雀、トランプ、将棋など、室内だけでなく、戸外でもそこかしこで人だかりができる程に遊んでいるとのことでした。
ただし、これは「日本と同じで」という説明であり、やはり公的なものはかなり厳しいようです。宝くじと、香港・マカオの競馬くらいしかないとのこと。ということで、公的な部分では確かにギャンブルに厳しいものの、庶民レベルではあまり変わらないのかもしれません。これも理由としては不十分でした。ことごとく予想が外れちゃいますね。
●中国じゃあり得ない!麻雀のプロがいて大会があることに驚き
では、麻雀への熱意が異なるというところをさらに一歩進める形で、プロ人口を見るというのはどうでしょう? スポーツで考えればわかりやすいですけど、プロリーグがある国とない国では、プロリーグがある国が強くて当たり前です。麻雀でも同様のことが言えそうな気がします。
で、検索してみたものの、競技人口同様に良いデータが見つかりませんでした。これまでの中では一番有力そうな説明なんですけどね。良い証拠にはならないものの、中国では麻雀のプロが一般的ではないのかな?と思わせる話がありました。
「プロ雀士って実在するの?」中国人オタクが気になる日本の麻雀事情―中国(百元) 中国・新興国・海外ニュース&コラム _ KINBRICKS NOW(キンブリックス・ナウ)という話です。
以下のように、これは麻雀アニメの設定がどこまで本当なの?と中国人が不思議に思っている…という話。この時点で中国では麻雀のプロはいないんじゃないか?と思わせるもので、読み進めていると実際、中国ではプロはいないんじゃないかと思わせるコメントがありました。
<日本のアニメや漫画の麻雀世界って、どこら辺までが現実のことなんだろう?日本のプロ雀士って実在するの?あとプロによる大会もあるってホント?私はてっきりアニメや漫画の中だけの設定だと思っていたんだが>
<その辺については私もいまいちハッキリしないんだよね。アニメや漫画では麻雀がよくネタにされるし、現実の競技人口もかなり多いらしいというのまでは分かるんだが、実際の日本ではどの程度社会的に認められている競技なの?>
<プロや大会があるのか……ウチの国でも麻雀は一般的なゲームだけど、日本ではもっとスゴイことになっているのかね?黒社会での賭博だけでなく、一般庶民が参加できる麻雀大会とかもあったりするんだろうか?>
<ウチの国でも賭博と関わってないわけではないが、民間だし規模小さいからなぁ。てかそもそも社会的な面から大会開催とかできないだろうな>
私が勝手にいろいろと想像した中では、日本と中国との差はプロ人口の差という説明が、一番可能性がありそうでした。
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