プラシーボ効果(プラセボ効果)1 ~「病は気から」は本当だった!?~の続きです。
私がプラシーボ効果のことを読んでいて今回思ったのが、人間の思い込み・先入観の絶大さです。
おそらく治験の場合はプラシーボ(偽薬)の投与を知らせているのでしょうが、そうじゃない場合なんかは純粋に思い込みです。
前回の最後のお医者さんの診断についてもそうで、「患者の観察時にバイアスがかかる」というのは、これまた思い込みです。
先入観という言葉についてもWikipediaを見てみると、
人間の認識の主観性
人間の認識や認識に基づく行為はすべて、何らかの意味で、直接の対象認識の前に、予備的な知識や、認識・把握の枠組みが存在するものである。哲学的には、客観である「もの自体」は認識できず、主観の「認識形式」というフィルターを常に通じて、人間の対象認識や、世界に対する行為は成立している。
しかし、このような主観認識のフィルターは、人間が世界を認識するにおいて、また他者と社会生活を送り、コミュニケーションを通じるにおいて、むしろ必要なものである。「すぐに腕力をふるい、他人の言葉に耳を貸さない」と一般に噂されている人と、何か交渉する必要ができた場合など、この「予めの知識」に基づいて、慎重な言動を取ることで、対人接触がうまく進むということもある。
有用性とネガティブな面
なにごとか未知のものに対し、予めに知識や評価の枠組みがあるのは、一般的には、生きて行く上で有用である。しかし、予めの知識や評価の枠組みなどが、著しく客観性に欠けるもので、実際のありようと懸け離れている場合は、問題が起こることがあり、このような事前の知識や評価の枠組みは、「偏見」とも称される。
先入観は必ずしも偏見とは限らないが、事前に間接的な予備知識や評価を持っていることで、現実のありようについて、間違った認識や、妥当性に欠ける評価・把握をもたらすことがある。「すぐに腕力をふるい、他人の言葉に耳を貸さない」と噂されている人と、実際に会い、一緒に仕事をしてみると、外見がやくざぽいので、「腕力をふるうような」感じがするだけで、実際は、腕力などふるうことはなく、またいかにも、話しかけにくい雰囲気であるが、実際には、寡黙なだけで、十分話し合いが可能であるということが分かったりすることがある。 |
といった感じで、プラシーボ効果と同様に正と負の両面を持つようです。
ただ、プラシーボ効果と違い「先入観」の場合は、「ネガティブな認識や対象に対する評価がもたらされるようなもの」(Wikipediaより)を主に指しますので、困ってしまう場合も多いです。
たとえば、ブログでこうやって書いていて困るのが、先入観に基づいて予め「正しい」結果が先にあり、それに反する私の「間違い」を何とか指摘しようという人たちのコメントです。
たぶん最初に私の文章から読んだ人だとかなり反応が違うと思うのですが、それ以前に「こうだ」という形が出来上がっていると、たとえそれを否定する例を挙げられても最初の印象を優先させてしまうようです。
ネッシーなんかも似たようなものでしょうね。いると思うとどんどん目撃談が増えるというのも思い込みですし、あとから捏造、誤認、生育環境などの否定条件が出てきても、一度信じちゃった人は次々と違う説を繰り出したり、否定されたものを何とかひっくり返そうと四苦八苦します。(私はUMAの話自体はワクワクする方ですよ)
私の投稿したものに対しても、たくさんの批判が出たことがあります。しかし、とにかく何でも言いから非難してやる、あるいは彼らの信じる結論が「正しい」ということを証明しようとするあまり、それらの主張はてんでバラバラになってしまいます。そして、それらの意見を見比べてみると、まるっきり正反対と言って良いくらいの状態ということがあります。
私はそれらのコメントのひとつひとつ異なった前提に対応しなくてはならず、頭がこんがらがってしまいます。自分のコメントの内容を同じ賛同者であるはずの人が、隣で真っ向否定しているんですから、とりあえず、そこで話をつけてきてほしいのですが、まあ、それは無理な相談なのはわかります。
普通はブログの投稿者と議論すべきですし、いろんな方向性の反対意見があってしかるべきですから、私のわがままだだとは承知しています。
でも、周りのコメントを見て、それだけ矛盾してしまう自分たちの意見に少し疑問を持ってもらえればありがたいとは思っています。
うーん、何か思ったよりも嫌な話になっちゃいましたし、プラシーボ効果からも離れすぎたかもしれません。
私自身、ああ、先入観を持ってしまっているなと思うことは多々ありますし、おそらく意識していないことはもっと多いのでしょうから、人のことをあまり言えるわけでもありません。
ただ、プラシーボ効果にしても、先入観にしても、人間の思い込みの強さを示したものであり、どちらも人間にとってプラスになるように、うまく使っていけることを望んでいます。
と、これで終われたんですけど、大事な話をひとつ入れ忘れていました。
偽薬 Wikipediaによると、
疑問視する意見
一方で、偽薬に一定の効果があるかどうかについては、疑問視する意見も常にある。2001年にNew England Journal of Medicineに掲載されたHrobjartssonらの論文は、治療手段としての偽薬の効果が限られていると主張し、反響を呼んだ。この論文で著者らは、過去に行われた偽薬と無治療との比較試験100編以上の論文をレビューして、痛みの症状は偽薬によって若干改善されるが、それ以外では、偽薬が自覚症状や他覚症状を改善する証拠はなかったと述べている。
「偽薬効果は客観的にも有意な改善が見られ、積極的に用いて良い治療法である」「客観的な改善はなくても自覚的・精神的な安息が得られるから認められるべきである」という肯定的な意見がある一方で、「偽薬には一切症状を改善する効果はない」「いずれにせよ、いかなる場合も倫理的に認められない治療法である」など、様々な意見が対立している。2006年現在、少なくとも標準的な治療法とはなり得ていない状況といえる。 |
のように、当たり前とは思いますが、プラシーボ効果は万能でないことも指摘されています。
「病は気から」は確かに一面において正しいのですが、「何事も精神論で解決するわけでもない」ということもまた心に留めておいてください。
関連
■
プラシーボ効果(プラセボ効果)1 ~「病は気から」は本当だった!?~ ■
その他の医療・病気・身体について書いた記事 ■
ゲームや3Dは、むしろ目に良いこともある? ■
カリギュラ効果の例 ■
お茶でうがいがあるなら、紅茶でうがいは? ■
睡眠過多ならうつ病かも?
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|