今回は、痴漢冤罪保険以外の痴漢そのものの話も含めた、海外の反応的なものです。
●痴漢冤罪保険の海外の反応「日本人はとても奇妙だ」
日本で痴漢冤罪保険に関しては、イギリスのデイリー・メール紙が報じているそうです。ただ、記事で紹介されていた同紙の読者のコメントは「日本人はとても奇妙だ」というもの。冤罪を深刻に捉えたものではないようです。
(
日本の痴漢問題、海外も関心 「痴漢保険?」「男性専用車両は違う」「AVの影響」 | NewSphere Jun 7 2017より)
痴漢に限らない性的被害の冤罪に関しては、記事では正反対のものを一つずつ紹介していました。
まず、冤罪の方を重視するものとしては、アメリカの『バリュー・ウォーク』があります。日本の痴漢冤罪保険を伝える記事の中で、アメリカで深刻化しているキャンパスレイプに絡んで、男子学生保護の観点から、同等の冤罪保険が必要だと訴えていたそうです。
しかし、アメリカのカルチャーサイト『The Mary Sue』が掲載したビビアン・ケインさんの寄稿記事では、被害者を嘘つき呼ばわりすることは問題のすり替えだ、という見方があったようです。
アメリカの強姦問題に関しては、むしろ男性の冤罪より女性の被害軽視の方が問題になっています。女性の被害者は警察から徹底的に疑われ傷つけられたり、容疑者を警察を含めて街ぐるみで守ろうとしたりといった事件すら起きているのです。
●性犯罪者は自身の犯罪行為に無自覚なことが多い
このアメリカの問題は、
レイプ被害者の多くは抵抗しないし逃げない レイプ犯が魅力的な人物であることも珍しくないと
レイプ犯心理と保守思想と同性愛嫌いの共通点は男性優位・女性蔑視でやっています。
このうち1つ目の話では、そもそも加害者は自分が悪いことをしたという自覚が全くない人が多いという話が出てきました。
痴漢は犯罪です → 痴漢「自分は優しく触ってるから痴漢じゃない」という話を過去にやっているように、日本の痴漢問題にも通用しそうな話でしょう。
●痴漢を訴える女性は悪ではないし、むしろ訴えない人が多いのが現状
私も痴漢冤罪を問題視していますが、それ以前に本物の痴漢が多いということを受け入れなくてはいけません。痴漢冤罪に関するネットの話は、女性バッシングに終始するものが多いのですけど、痴漢を訴える女性が諸悪の根源ではなないのです。
むしろ現状は、女性が訴えづらいことの方が問題でしょう。記事では、学生の被害についてフォーカスしていたオーストラリア放送協会(ABC)やアルジャジーラについて、"若年層の性犯罪被害者が声を上げにくい実態を的確に捉えている"報道をしていたと書いていました。"警視庁の調査でも、被害者の実に約半数は15〜19歳となっており、被害の実態に即した報道"となっているのです。
学生が狙われやすいという話は、以前も書きました。痴漢は抵抗されるリスクの低そうな人、おとなしそうな人を狙う傾向があるのです。
痴漢冤罪ももちろん問題なのですが、あまりこちらばかり報道されると、ますます女性が声を上げづらくなることが考えられます。前述の女性叩きなんかはもってのほかです。
●外国人が考える痴漢の原因
ただ、痴漢対策として、被害に合っている女性が声を上げることを求めるべきか?と言うと、疑問があります。かなりハードルが高い話ですし、被害者側の負担を増やすという方向性も良いものではありません。
海外メディアでは、オーストラリア放送協会が、"啓発ポスター以外に特に手が打たれていないことを指摘"していました。先程
痴漢は犯罪です → 痴漢「自分は優しく触ってるから痴漢じゃない」をリンクしたように、啓発ポスターは本物の痴漢に対して効果が薄いと考えられます。
一方、"デイリー・メール紙の読者コメントでは、痴漢を題材としたポルノの影響ではないか"というのがあったそうですけど、これは俗論でしょう。性欲を満たす創作物はむしろ性犯罪の低下に寄与しているという研究すらあり、性表現を取り締まるというのはかなり間違った方向性です。
また、"アルジャジーラは制服の存在を挙げ、従順な女性の象徴になっていると分析"。記事では、"確かに制服文化のある国は少数だが、それが女性の地位を限定しているという見方は新鮮だ"としていました。
ただ、前述の通り、学生が狙われるというのは、抵抗されない可能性が高いという理由だと思われます。特殊詐欺の詐欺師が高齢者を狙うみたいなもので、学生くらいの年齢層そのものが痴漢にとっての良きターゲットなのであり、「制服」というのはその目印でしかありません。したがって、制服排除では根本的な問題解決には至らないでしょう。
ことごとく否定的なことを書いて申し訳ないことになりましたが、それだけ対策が難しいということの裏返しなのではないかと思います。
【本文中でリンクした投稿】
■
痴漢は犯罪です → 痴漢「自分は優しく触ってるから痴漢じゃない」 ■
レイプ被害者の多くは抵抗しないし逃げない レイプ犯が魅力的な人物であることも珍しくない ■
レイプ犯心理と保守思想と同性愛嫌いの共通点は男性優位・女性蔑視【その他関連投稿】
■
何と痴漢冤罪保険が誕生! ネットは大歓迎…と思いきや複雑な反応 ■
痴漢冤罪対策:逃げるも立ち去るも間違い 自分で証拠を集める必要がある ■
海外では女性専用車両はあり得ない?実は日本以外にもある導入国 ■
痴漢に遭うのは女性の魅力がある証拠で良いこと尽くめ…と男性が主張 ■
社会・時事問題・マスコミについての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|