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赤なすには3種類、熊本赤なすとトマトの別名と観賞用 トマトはナス科でナスの仲間


 もともとは、熊本の「赤なす」の話だけをやるつもりでしたが、この赤なすには、熊本赤なす・トマトの別名・観賞用の3種類があると知り、どんどんと話が広がっていきました。人によってどの「赤茄子」のことを言っているのか違う可能性があるので、ここらへんはややこしいことになってしますね。トマトの場合はそもそもナスではありません。


●熊本の「赤なす」はとにかく大きいが、意外にふんわり柔らかい

2017/6/23:「赤なす」を先日初めて食べました。赤なすと言っても赤くはないのですが、めちゃくちゃ大きいので、こいつは普通と違うぞ!とわかりやすいナスです。ただし、見た目と違ってかなり軽いです。店頭で触ったときにもそう思ったのですが、家で計測してみるとやはり普通のなす(米ナスというようです)や長なすよりかなり密度が低い気がします。

 持ったときもやわからさを感じましたし、たぶんスカスカなのでしょう。悪くなっているのか?と心配して、数個持ち比べてみたほどやわらかかったです。味の違いは正直よくわからなかったものの、食感ではふわりとしたやわからさを感じました。熊本赤なす/ヒゴムラサキ:旬の野菜百科を見てみると、実際私の感じた特徴は大体正しいようです。以下のようなことが書かれていました。

・非常に太く長い=大きいナスで、30cmくらいの長さになり、重さも300g以上。
・大きさの割りには持った感じは軽く、触ると少し柔らかな弾力を感じます。
・クが少なく、果肉は米ナスのようなしっかりとしか感じではなくふんわりと柔らかくジューシーで、ほんのりと甘味が感じられ、焼きナスにすると非常に美味しい。


●赤なすというほど赤くない?紫を名乗る「ヒゴムラサキ」という品種も

 旬の野菜百科によれば、熊本の赤ナスは熊本の伝統野菜として大正時代から生産されていました。2002年には、県農業研究センターが「ヒゴムラサキ」という品種を開発しています。宮崎県の在来種、“佐土原なす”が起源とされていて、「熊本長なす」とも呼ばれているそうです。

 「ヒゴムラサキ」という品種は、「赤」を強調していません。私が買ったものは紫が薄く、若干赤みがかっているといえるだろうか?と思ったものの、冒頭に載せたツイートの写真なんかは、普通に紫でした。店頭ではこの赤が気になったのか、店員さんに中身が紅いのか?と説明を求めているおばあちゃんがいましたし、混乱の元かもしれません。

 もう少し「ヒゴムラサキ」について補足。阿蘇なす「ひごむらさき」によると、熊本の伝統野菜「熊本赤ナス」を、平成13年に熊本県農業研究センターが品種改良して育成した新品種。普通に紫に見えましたが、「赤紫の皮」と表現されていました。ずんぐりとした胴周りでボリュームたっぷりといった特徴も述べられています。

 一般的なナスよりも長く太い果実(長さ30cm前後)というのが一番の特徴ですが、果肉が柔らかく、アクが少なく甘味があるとのこと。やはり柔らかさはポイント。また、生で食べられるほどのアクの少なさ、加熱するとトロッとした食感が楽しめることなどもセールスポイントとなっていました。(この2段落は2021/07/09追記)

↓これは結構赤く写っています!

●赤なすには3種類、トマトの別名と観賞用も トマトはナス科でナスの仲間

 さらに、赤なすで混乱を招きそうなのが、ここまで紹介してきた「熊本赤なす」以外にも赤なすと呼ばれるものがあること。ナス - Wikipediaでは、以下のような記述があります。「熊本赤なす」以外に、観賞用の赤なすやトマトの別名でもあるのです。3種類もあってわけがわからなくなりますね。

<「赤ナス」のような観賞用として生け花などにも利用されているもの(熊本県などで「赤ナス」の商品名で栽培されている食用の品種とは別物、また赤茄子はトマトを表す)もある。赤ナスは食用のナスの台木としても用いられる(観賞用の赤ナスは味などにおいて食用には適さないとされる)>

 なぜトマトの別名が赤ナス?と不思議に思うところ。通常、トマトはナスの一種といった言い方はしません。とはいえ、そもそもトマトはナス科、つまり、ナスの仲間であり、それほど遠いわけじゃないんですね。分類では以下のようになっており、科だけでなく属までいっしょで同じ「ナス目ナス科ナス属」となっていました。

ナス  ナス目ナス科ナス属ナス
トマト ナス目ナス科ナス属トマト

 こうした分類では、1科1属ということもあるのですが、ナス科の場合にはナス属以外にも多く属があります。トウガラシ属やタバコ属、チョウセンアサガオ属などです。ただ、トマト - Wikipediaによると、分類には変遷があったようです。当初は今と同じナス科であったものの、一度ナス科から離れてまた戻ってきた…という珍しいパターンの変化がありました。

 Wikipediaによると、こうした分類を始めたリンネはもともとトマトをナス属に含めてlycopersicum(ギリシャ語lycos '狼' + persicos '桃')という種小名を与えたものの、1768年にフィリップ・ミラーがトマト属を設立。長くこの分類が支持されてきました。しかし、系統解析によりトマト属に分類されてきた植物がナス属の内部に含まれることが明らかとなったため、リンネのやり方に戻して、学名もSolanum lycopersicumとするようになっているとのことです。


●トマトには「珊瑚樹茄子」という「ナス」を使った異称もあってややこしい

 あと、トマトは他に別名として、珊瑚樹茄子(さんごじゅなす)という変わったものもありました。紅い珊瑚から取った名前なのでしょう。ところが、これがまたややこしいことに、サンゴジュ(珊瑚樹)という木も実在します。こちらは、サンゴジュ - Wikipediaによると、"レンプクソウ科(またはスイカズラ科)ガマズミ属に属する常緑高木で、よく庭木にされる"ものだとのこと。"果実が秋に赤く熟して美しい。それをサンゴに例えて名付けられた"と説明されていました。


 こういう別名あたりを辿っていくと、終わらなくなりそうですので、とりあえずここで終了。まだ話を広げられそうな感じがありました。


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