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日本は最もロボット・AIに仕事を奪われる国?労働生産性が低いためか


 ロボット・AIの発展が怖いって話と怖くないって話と両方。一方で「AIやばい」とおどかしながら、一方で「AIに怯える必要はない」となぐさめているので、かなりわかりづらい話になっています。

 日本に限った見方としても同様にわかりづらく、「日本人はAIに雇用を奪われる心配をしなくて良い」と言っている人が、「今の若い子はたぶん、既得権益者になれないですよ」とも言っていました。


●冨山和彦氏「AIが将棋で勝って大騒ぎしていることに驚く」

 AIが将棋で勝って大騒ぎしていることに驚く:日経ビジネスオンライン(坂田 亮太郎 2017年5月9日)という記事。タイトルになっている「AIが将棋で勝って大騒ぎしていることに驚く」というのは、以下のような理由のためです。

「結局、囲碁や将棋でAIが人間に勝ったという話は、計算テストの延長戦上のことなんですよ。ルールが決まっている勝負で、人間がコンピューターや機械に勝てるわけがない。400メートル走るのに人よりクルマの方が速いことに驚くやつはいないわけで、それと同じで将棋でAIが人に勝つのは当たり前。私から言わせれば、何で世間はそんなに驚くんだろうと。驚いていることに私は驚いているんですけど」(経営共創基盤(IGPI)の代表取締役CEOの冨山和彦氏)

 したがって、人間がやるべきなのは、機械ができないことです。他でも言われていますが、人工知能は自分でものを考えているわけではありません。冨山さんは、さらに「問題設定能力がない」とも言っていました。

 ただ、AIで明るい未来…と言っているわけではなく、上記の後は以下のようにもおっしゃっていました。

今の若い子はたぶん、既得権益者になれないですよ。繰り返しになりますが、伝統的既得権益的なお仕事はAIに取られちゃいますから、それを期待しない方がいいですね」

 「伝統的既得権益的なお仕事」というのは、たぶんその前で出てきた「大組織の中で同じようなことを営々と繰り返すタイプの仕事」のようなもの。というのも、こうした決まりきった仕事というのが、AIにとって最も得意な仕事であるためです。


●日本人はAIに雇用を奪われる心配をしなくて良い

 「今の若い子はたぶん、既得権益者になれないですよ」の話は記事の最後である5ページ目の部分でした。では、冨山和彦さんが日本の未来が暗いと考えているのか?と言うと、そうではありません。序盤では楽観論を述べていました。"AIの誕生は日本の企業にはむしろチャンスが広がる"んだそうです。

 まず、前述のものと同じく、決まりきったものはAIに取られるという話からスタート。

「AIの効果が一番効く聞くところって自動化なんですよ。ロボティクスもそうだし、自動運転もそうだし、だいたいみんな自動化なんですね」

 短期的には人の仕事を奪うことになるということも認めていました。ただ、なぜ日本では悪くない話だというと、人が余っている欧米と違って、日本は人手不足だからという説明でした。

「今ある労働集約的な、一番雇用を吸収しやすい労働集約的な仕事を奪っていくことになるので、もともと人手が余っている社会においてはすごく軋轢を受けるわけです。
 例えば欧州では若年を中心に高い失業率が社会問題となっています。そういう国々でAIなんか導入したら、「オレたちの仕事はもっと奪われる」と非常にヒステリックな拒絶反応が起きるでしょう。日本以外の国ではだいたい、人手が余っているわけですから(中略)
 ところが日本は人手不足が深刻になっていますよね。あらゆる業界で、労働力が不足しています。
 原因は少子高齢化が大きい。出生率が2を超える状況が20年か30年続かない限り、日本の人手不足は解消しない。現実は1.4とか1.5をうろうろしている状態ですから、今生きている人が、少なくとも元気なうちは間違いなく人手不足が続く。だから、日本に限って言えば、「AIが雇用を脅かす」ということはあまり気にしなくていい」


●日本は世界で最もロボット・AIに仕事を奪われる国?

 一方、同じ日経グループでは、ロボットと競えますか 日本の仕事、5割代替 主要国トップ 2017/4/23付 日本経済新聞 朝刊 (中西豊紀、FT=ロビン・クウォン)という記事も出していました。むしろ日本が主要国の中で最もロボット・AIによって仕事を奪われるという分析です。
(記事ではAIという言葉はあまり使われていなかったものの、ホワイトカラーや事務系職などの置換の話をしていますから、AIを含んでロボットと言っているようです)

 記事によると、米マッキンゼー・アンド・カンパニーが820種の職業に含まれる計2069業務の自動化動向をまとめた膨大なデータを日本経済新聞と英フィナンシャル・タイムズ(FT)が再集計しました。その結果、人が携わる約2千種類の仕事(業務)のうち34%はロボットへの置き換えが可能なことがわかりました。

 そして、"今ある業務が自動化される割合を国別に比較すると、日本はロボットの導入余地が主要国の中で最も大きいことが明らかになった"のです。

<マッキンゼーの試算では自動化が可能な業務の割合>
日本 55%
米国 46%
欧州 47%
中国 51%
インド 52%


●日本でロボット・AIの置き換えが多いのは、労働生産性が低いためか

 本文を読んでみると、それほど他の国と差がなかったものの、私はタイトルを見た時点では、日本の労働生産性が低いためではないか?と考えました。本来、自動化できることを日本では人にやらせているがために、労働生産性が低く、かつロボットへの置き換え余地が大きいと考えたためです。

 で、労働生産性の数字を見てみたのですが、日本は最下位クラスってわけでもないんですね。OECD加盟34カ国中21位でした。

 上記で名前が上がっていた国は、日本と米国しかデータがありません。なので、適当に何カ国か抜粋。有名な国はみんな日本より上です。

<OECD加盟諸国の労働生産性(2014年)> 単位:購買力平価換算USドル
21位 日本 72,994
4位 米国 116,817
7位 フランス 99,680
12位 ドイツ 92,904
18位 イギリス 82,582
OECD平均 87,155
((PDF)日本の生産性の動向2015年版 公益財団法人日本生産性本部より)

 ちなみに怠け者なイメージがあるギリシャも、日本より上でした。マジで!?

19位 ギリシャ 80,873
21位 日本 72,994

 日経新聞の記事に戻って、労働生産性に関わりそうな部分を。記事でもやはり労働生産性の悪さと関係しそうな話はあったのです。

 "日本は金融・保険、官公庁の事務職や製造業で、他国よりもロボットに適した資料作成など単純業務の割合が高い"とのこと。"米国などに比べ弁護士や官公庁事務職などで業務の自動化が遅れている面もある"ともありました。

 それから、"ロボット化には負の側面が確かにある"が、"生産年齢人口が50年後に4割減る見通しの日本では、ロボットに任せられる業務は任せて生産性を高めることが国力の維持に欠かせない"というモロに生産性に触れている部分もありましたわ。


●ロボット化は怖いのか、怖くないのか?

 なお、記事では、そんなに怖がらなくて良いという話も出ていました。"大半の職業はロボットでは代替できない複雑な業務が残るため、完全自動化できる職業は全体の5%未満にとどまる"という説明です。

 55%が自動化可能との整合性がよくわからないのですけど、一部が自動化可能というだけで、完全に職業そのものが消えるわけではないという意味でしょうか?

 ただ、"ロボット化には負の側面が確かにある"とも書かれていたので、一部が自動化可能であっても、今いる人員をすべて維持する必要はない、あるいは、新たな雇用を控えるといったマイナスの影響はあるのだと思われます。


●それよりロボットの苦手分野を教えて!

 また、こちらでもロボットの苦手分野について触れていました。それは、"意思決定や計画立案にかかわる仕事、想像力を働かせる仕事"だそうです。より具体的に言うと、経営幹部や芸術家だとのこと。

・最高経営責任者(CEO)など経営幹部には63の業務があるが、ロボット化が可能なのは業務進捗表の作成など22%にとどまる。
・俳優や音楽家など芸術関連の職業も65ある業務のうち自動化対象は17%にすぎない。

 ただ、みんながみんな経営幹部か芸術家になれるか?というと、そうではありませんよね。なかなか厳しいアドバイスかもしれません。


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