はま寿司が日本一であることや、回転寿司業界の弱点といった回転寿司の話。ただ、カギを握るとされていたのは、寿司ではなくサイドメニューでした。このサイドメニューこそがはま寿司の強さの理由であり、かっぱ寿司がスシロー・くら寿司に勝てるかもしれない理由にもなっていました。
2017/7/6:
●はま寿司が全都道府県制覇で回転寿司店舗数日本一、スシロー抜く
●ゼンショーグループでを引っ張るのは「すき家」ではなく「はま寿司」
●はま寿司の強さはゼンショーグループであること…なぜなのか?
●一人負け状態のかっぱ寿司がスシロー・くら寿司より有利な理由
2020/01/05:
●「はま寿司」というブランドの由来が謎、「浜」とつくのに1号店は…
●はま寿司が全都道府県制覇で回転寿司店舗数日本一、スシロー抜く
2017/7/6:
スシローを超えた「はま寿司」が、過去最高益で全国に店舗拡大中 まぐまぐニュース! / 2017年6月26日 5時0分(店舗経営コンサルタント佐藤昌司)によると、「はま寿司」は47都道府県すべてに出店しているとのこと。
回転寿司の4強というと、はま寿司以外に、スシロー、かっぱ寿司、くら寿司の3つ。そして、現時点で全国制覇しているのは、はま寿司だけだといいます。店舗数でもスシローを抜いて全国1位になっていました。
はま寿司は、第1号店オープンが2002年ですので、比較的新しいですね。ただ、1号店オープンから間もなく「回転寿司4強」の仲間入りを果たしたということで、一気に店舗数を増やした感じです。
…と書いていたものの、他の創業はどうだろうと投稿直前に慌てて確認。かっぱ寿司1979年、スシローが2000年で前身すし太郎が1984年、くら寿司が1990年。やはり他と比較しても、はま寿司はかなり新しいと言って良いようです。ここから一気に伸びたというのは驚きですね。
●ゼンショーグループでを引っ張るのは「すき家」ではなく「はま寿司」
すき家・なか卯のゼンショーグループ ココス・はま寿司など多数でやっているように、はま寿司はすき家が有名なゼンショーグループ。イケイケの拡大路線というのも、実にゼンショーらしいと思います。
ゼンショーホールディングスの2017年3月期の売上高は前年比3.5%増の5,440億円、営業利益は55%増の187億円。はま寿司を主力とするファストフードカテゴリーの売上高は前年同期から38億円増加しています。
これについて、増収の主要因としてはま寿司の新規出店が寄与したとゼンショーは発表しているそうです。また、ゼンショー経常利益の37%が、はま寿司のものだと言いますから、今や完全なエースと言って良いでしょう。すき家は脇役なのです。
●はま寿司の強さはゼンショーグループであること…なぜなのか?
はま寿司は行ったことがないのですが、店舗経営コンサルタント佐藤昌司さんの分析によると、ゼンショーグループであることが強みのようです。
安いけどまずい!かっぱ寿司、不当評価で回転すし4社で一人負けで書いたように、かっぱ寿司で期間限定サイドメニューが人気すぎて売り切れになってしまったということがありました。
このサイドメニューの充実というのは、かっぱ寿司に限らない業界のトレンド。そして、こうしたサイドメニューや回転寿司で元から使っている食材を入手する際に、様々な業態を多数抱えるゼンショーグループはコストを抑えることができるというメリットがあります。
直接的にはお客のメリットに見えないような話ですけど、結果的には価格に反映されているのかもしれません。特にサイドメニューの場合、本業ではないがために、充実化が進むことでコストが増加しやすいことを作者は指摘していました。
はま寿司は、平日一皿90円で寿司を提供するという競合よりも低価格帯での販売を実現しているものの、品質は落としていないとのこと。これがやはり規模の大きさによってコストを抑えているためであり、悪いものを買ってコストを下げなくて済むといった説明でした。
●一人負け状態のかっぱ寿司がスシロー・くら寿司より有利な理由
なお、スシローとゼンショーグループには過去に因縁があります。経済誌記者が、以下のような話をしていました。
「2007年に牛丼チェーンの『すき家』を運営するゼンショーが、創業家から(引用者注:スシローの)株式を取得して筆頭株主になったものの、創業家を巻き込む内紛が勃発して対立。翌年には日系投資ファンドのユニゾン・キャピタルが資本提携を行い、TOB(株式公開買い付け)でゼンショーを追い落とし非上場に。その後、ユニゾンは2012年、英投資ファンドのベルミラに保有するスシロー株を売却した」
(
スシロー再上場でも不安 回転寿司が抱えるリスク NEWSポストセブン / 2017年2月26日 7時0分より)
また、この記事では、前述のサイドメニューの重要性が今後増してくるものの、充実に限界があるのではないかという懸念を示していました。
「多くの魚介類を海外からの輸入に頼る回転寿司業界にとって、為替の影響を受けて利益を圧迫しかねないリスクを常に抱えています。たとえ日本近海であっても、昨年サンマが不漁だったように韓国や台湾、中国に獲り負けてしまう状況も起きつつあります。
魚が獲れないならサイドメニューのさらなる充実をと考えるでしょうが、すでにあらゆるジャンルのメニューを出していますし、ただでさえ人材難の中でこれ以上手間のかかる商品を開発するのは限界があります」(外食ジャーナリストの中村芳平氏)
そして、サイドメニューでの戦い…ということになると、前述の理由でゼンショーグループのはま寿司に有利に働くかもしれません。先の記事では、ゼンショーグループが4,900店で、かっぱ寿司を傘下に収めるコロワイドは2,700店であり、ゼンショーにかなわないという話を書いていました。
ただ、それで言うのなら、巨大な飲食店グループに属していないスシローやくら寿司の方がさらに不利に見えます。今回の分析がすべて正しいとすれば、現在は一人負けしているかっぱ寿司の復活にも繋がる可能性がありそうでした。
●「はま寿司」というブランドの由来が謎、「浜」とつくのに1号店は…
2020/01/05:「はま寿司」は1号店オープンの時期については書いていたものの、創業という書き方をしていませんでした。はっきり書いていないものの、ここはゼンショーグループで多い買収ブランドではなく、独自で作ったブランドっぽいので、「創業」とは書いていないのかもしれません。
また、「はま寿司」という店名の由来も調べてみたものの、よくわかりませんでした。1号店が横浜や浜松などで「はま寿司」ならわかりやすかいです。ただ、そうじゃないんですね。2002年11月にできた栃木県足利市が1号店ですが、「浜」がつく都市ではないですし、海にも面していません。そもそも栃木県が内陸ですしね。
さらに、海に面していないというのは、漁港が近くにないということでも不利そうな感じ。謎ですね。ただ、逆に言うと、ライバルが少ないところから始めてみた…という可能性はありそう。まあ、回転寿司業界を引っ張っていた「かっぱ寿司」も海がない長野県の長野市創業なんですけどね。
結局、公式の説明がないために、「はま寿司」の由来は不明。ただ、ここまで書いてきたように、寿司で重要な魚の連想から「はま」という言葉を持ってきたのではないかと想像します。検索すると、「浜寿司」というお店が多数出てきますし、お寿司屋さんの名前として思いつきやすい比較的よくある名前なのでしょう。
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