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電子タバコで従来型以上の健康被害?重篤な呼吸器障害の報告!


 電子タバコ関連の<加熱式・電子タバコも受動喫煙で健康被害 IQOS.glo,Ploom TECHnなど>、<電子タバコで従来型以上の健康被害?重篤な呼吸器障害の報告!>をまとめ。従来型のタバコと同等以上の危険性があるといった報告もあるものの、一般的には電子タバコの方がマシという見解が多いです。

 各種機関も従来型タバコからの乗り換えを促しているようで、電子タバコは「おすすめできる」と言えそうでした。ただし、これはすでに喫煙しているとって「おすすめ」という話であり、新規で喫煙を始める人にとってはもちろんリスクを増やすだけです。また、<電子タバコ潰しの健康被害研究は従来型タバコ業界の支援?…陰謀論も>といった話もやっています。


●普通のたばこよりIQOSの方が有害?

2017/6/2:以前も、医者はiQOS(アイコス)をおすすめする?健康への悪い影響の少なさに関する意見というのを書いていて、結構興味のある新しいたばこの安全性の問題。iQOSはむしろ普通のたばこより危険だというニュースがありました。ちなみにアイコスの表記は「iQOS」「IQOS」両方見られておりよくわかりません。

 ただ、今回の記事は、信頼性の低いTOCANAの記事なんですよね。【悲報】IQOSは紙巻タバコより「高濃度発がん性物質」を含んでいることが判明! 科学者「副流煙も有害」「使用制限を」(2017.05.30)というものでした。

 あとで他の記載を探してみますが、まずはこの記事を見ていきます。信頼できない典型としては、出典の記載がない場合が挙げられます。今回の記事の場合は、スイス・ベルン大学の研究者らによるものという説明はありましたし、元ネタは「Reuters」(5月26日付)によるものと書かれていました。

 研究では、"「フィリップモリス」社から販売されている「IQOS」用タバコに「一酸化炭素」、「多環式芳香族炭化水素」、「揮発性有機化合物」といった有害物質が含まれていること"が分かったといいます。さらに、"「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ」社の紙巻タバコ「Lucky Strike Blue Lights」と比較したところ、IQOS用タバコには、これより高濃度の有害物質も含まれていた"というので、むしろ普通のたばこより有害なところもあるようです。

 なお、ここの部分はすべてにおいて、iQOSの方が悪いという意味ではありません。悪いところもあるという話。とはいえ、フィリップモリス社は、以下のように安全性を強調して宣伝していましたので、かなりきつい内容だったと思われます。

"IQOSは火をつけて使う一般的なたばこと比べて、燃焼により発生するタール、ホルムアルデヒド、一酸化炭素、アンモニア化合物といった有害成分が少なく(約90%カット)、発がん物質の吸入、歯や壁の着色汚れなどが低減されている"
(iQOS - Wikipediaより)


●煙は出なくても受動喫煙に危険性

 TOCANAでは、"加熱式電子タバコは煙をほとんど出さないため"、"「受動喫煙」の防止には有効そう"なイメージがあることを指摘していました。実際、"「IQOSストア」では、「煙が出ないから、もっと快適に」と謳われており、煙の排出が全くない=周囲への害がない、というイメージを消費者に訴えている"そうです。

 ところが、世界五大医学雑誌(と記事では書かれていましたが6番目とする人も)の1つ『JAMA Internal Medicine』の副編集長であるミッチェル・カッツ博士は、"加熱式タバコからも「発がん性物質」が周囲に流出するため、公共の場での利用は非喫煙者の健康も害する恐れがある"と指摘しています。

 また、"2016年に行われたノースカロライナ大学の調査では、電子タバコも紙巻タバコと同じく、喫煙者の53もの遺伝子に変化を及ぼすことが分かっている"とのことでした。


●TOCANA以外の情報はあるのか?

 さて、TOCANA以外の記事を探してみましょう。検索してみたところ、ニュースメディアでこの研究を紹介しているものは見つからず、ネタ元とされたロイターでも見当たりませんでした。日本語記事では配信されていないのかもしれません。

 そこでWikipediaを見てみると、「幸い載っていた…」と思ったものの、ソースは結局上記のTOCANA。これじゃ駄目ですね。元論文じゃなくても、最低、ロイターの記事がほしかったです。

 ただ、以下はきちんと論文が引用元になっている情報でした。やはり一部の有害物質がむしろ多いという報告が挙がっています。

・iQOSタバコは、伝統的な紙巻きタバコのおよそ84%のニコチン量を含む。
・iQOSタバコは、いくつかの有害物質を紙巻きたばこより高濃度で含むことが知られている。

 というか、ソースを見たら、TOCANAで言っているのと同じ論文くさいですね。ダブってんじゃん。研究者の所属にスイスのベルン大学(University of Bern)と書かれていました。あと、掲載雑誌は、先にも名前が出てきた『JAMA Internal Medicine』でした。わけわからん雑誌ではないようです。

Heat-Not-Burn Tobacco Cigarettes | Cardiology | JAMA Internal Medicine | The JAMA Network

Reto Auer, MD, MAS1,2; Nicolas Concha-Lozano, PhD3; Isabelle Jacot-Sadowski, MD2; et al

1Institute of Primary Health Care (BIHAM), University of Bern, Bern, Switzerland
2Department of Ambulatory Care and Community Medicine, University of Lausanne, Lausanne, Switzerland
3Institute for Work and Health, University of Lausanne and Geneva, Lausanne, Switzerland


 ということで、研究自体はある程度信頼できそうですね。問題は、TOCANAで普通のたばこより有害であるかのような大げさな印象が与えられていること。実際はどの程度のリスクなのかがよくわかりません。ただ、少なくともiQOSだから大丈夫ってことはなく、ある程度の健康上の危険性があること自体は事実だと思われます。

2017/07/18追記:と書いていたのですが、以下でやっているように、電子タバコへの置き換えを勧めている機関があると知りました。iQOSだから大丈夫ってことはないものの、普通のタバコに比べれば、iQOSや電子タバコの方が良いという理解で今のところ良さそうです。


●加熱・電子タバコも非推奨と呼吸器学会

2017/11/21追記:今回紹介するのは、"加熱・電子タバコ「推奨できず」と呼吸器学会 紙巻タバコ同様、本人にも周りにも健康被害"(J-CAST ニュース - 11月20日 08時00分)という記事。iQOSに限らず、 glo、Ploom TECHnなど加熱・電子タバコ全般に関する話です。

 日本呼吸器学会は2017年10月31日、加熱タバコや電子タバコともに「健康に悪影響をもたらすため、使用は推奨できない」とする「見解」を公式ホームページ上に発表しました。以下のような理由です。

(1)新型タバコの使用と病気や死亡リスクとの関連性についての様々な説があるが、科学的証拠は現時点では明らかでなく、「紙巻タバコより健康被害が少ない」という説は推測にすぎない。

(2)加熱タバコのエアロゾルには、紙巻タバコと同程度のニコチンや、ホルムアルデヒドなどの有害物質が1~3倍含まれているという報告がある。また、葉タバコを気化させることによって、土壌中に含まれる放射性元素ポロニウムが吸引される危険性がある。

(3)電子タバコ(ニコチン入り)のエアロゾルには、「ニコチン量は紙巻きタバコと同程度だが、ほかの揮発性有害物質が20~60%と少ないため、より健康的である」という擁護論がある。しかし、有害物質の20~60%程度の減少が健康被害の低減につながるという科学的根拠は全くない。それらの有害物質が通常の大気中に含まれている量と比較すると、14~111倍も高いのだ。

 ただし、一つ前のところで電子タバコをおすすめできる理由 健康被害研究は従来型タバコ業界の支援?というのをリンクしているように、乗り換えを勧めている機関もあります。私は健康問題以外の理由で注目しており、非喫煙者にはオススメできないものの、愛煙家には乗り換えをオススメして良いのではないかと考えています。


●加熱式・電子タバコも受動喫煙で健康被害リスク

 一方、前回でも少しでてきた話で、今回強調しておきたいと思ったのは、電子タバコ類の受動喫煙リスクについての「見解」です。このために全体のタイトルも変更しました。

(4)「新型タバコは受動喫煙危害が少ない」とする説があるが、特殊なレーザー光線で呼気を照射すると、大量のエアロゾルを吐き出していることが確認されている。特に電子タバコの使用者の呼気には、ニッケルやクロムなどの重金属濃度が紙巻タバコの煙より多く含まれている。また、世界保健機構(WHO)も「電子タバコのエアロゾルにさらされると健康に悪影響をもたらす可能性がある」と警告している。

 なぜこちらを強調しておきたいか?というと、自治体やお店などによって、喫煙禁止に加熱式・電子タバコを含むかどうかの判断がマチマチであるためです。

 愛煙家からは、健康被害がないのに禁止は差別だという声も挙がっているものの、現状、その十分な科学的根拠は示されていないようですので、残念ながら当面は、従来型タバコと同様の扱いをするというのが妥当だと考えられます。


●DNA損傷リスク…電子タバコは従来型タバコよりむしろ危険?

2017/7/18:電子たばこは普通のタバコと同じく健康を害する - GIGAZINE(2017年06月14日 06時00分00秒)は、最初は電子タバコの健康被害がヤバイという話です。研究を行ったのは、コネチカット大学のKarteek Kadimisettyさんらのチーム。電子たばこで吸引する液体の中に含まれる化学物質が健康に悪影響を与えないかを調べました。

 調査では、電子たばこリキッドに含まれるあらゆる化学物質を調べているわけではありません。普通のタバコに含まれる「DNA損傷を引き起こす可能性がある物質」として知られている3つの発がん性化学物質でけ調査。結果、電子たばこの20回の吸引(20パフ)でタバコ1本分の喫煙に相当するという基準で評価されました。

 この評価が妥当かどうかはわかりませんが、とりあえず、この基準ですと、電子たばこはタバコと同程度のDNA損傷を引き起こす可能性があると結論。研究を主導したKadimisettyさんは、「当初、電子たばこによるDNA損傷の程度がタバコと同程度だとは予想していなかったので、結果からショックを受けたとしています。

 ただ、グラフを見ると、同程度というか、むしろ電子タバコの方がずっと危険なように見えるんですよね。4種類で棒グラフで最も低いのは、たぶんフィルターを使っている従来型のタバコを喫煙するケース。そして、これより少し多いのが、電子タバコのサンプルを希釈したもの。希釈した場合でも、従来型タバコより悪いのです。

 これらより危険性が格段に上がるのが、フィルターを使わないで普通のタバコを喫煙するとき。喫煙を繰り返すほどリスクの上昇が激しくなり、タバコ5本分(電子たばこの100回の吸引)では、フィルターつきタバコの3倍ほどまでDNA損傷の可能性が高まります。ところが、ニコチン入りフレーバーを電子たばこで吸引した場合は、さらにDNA損傷の可能性が高く、フィルターつき従来型タバコの4倍程度になっていました。むしろ電子タバコの方が危険そうに見えます。


●電子タバコ潰しの健康被害研究は従来型タバコ業界の支援?…陰謀論も

 この研究に関して、はてなブックマークでは、従来の調べ方と違うことをしている、実験方法に懐疑的な声が出ていました。また、以下のようなコメントもありました。

“そらニコチン入れてるしな。紙巻と同等でタールが無いならVAPEの圧勝じゃないの?/ここのところのVAPEディス乱発はタバコ業界も焦ってる感ある。”(sato0427 2017/06/14)
“ニコチンの問題に絞った調査であり、タールの問題を考慮していない。最初からわざと狙った、ズレた調査だね。歪曲調査の一種。 煙草会社の陰謀か。煙草会社からいくらもらったんだ?”(blueboy 2017/06/14)

 複数の問題が言及されていますが、まず煙草会社の陰謀ってのは陰謀論なのであまり真面目に考えられない話。そもそも電子タバコは、従来型のタバコ会社でも発売しています。タバコ会社では電子タバコをやっているところがあるので、単純な「電子タバコ VS タバコ会社」の構図にはならないんですよね。

 電子たばこ - Wikipediaでは、電子たばこの例として、プルームや、iQOS(アイコス)を挙げていました。そして、このプルームは、日本たばこ産業(JT)が製造・販売しているもの、iQOS(アイコス)は、フィリップモリスという世界最大のたばこメーカーの製品なのです。

 なので、タバコ業界の陰謀というのは妥当ではないでしょう。陰謀だなんだと言いたいのなら、従来型タバコ会社 VS 電子タバコに参入したタバコ会社など、といった構図で見なくちゃいけません。


●電子タバコをおすすめできる理由は「健康被害ゼロ」ではない

 ということで、陰謀論の話は怪しいのですが、「紙巻と同等でタールが無いならVAPE(引用者注:電子たばこ)の圧勝」といった部分は良い目のつけどころ。Wikipediaによると、1970年代にたばこのハーム・リダクション(害低減)の先駆者は、ニコチンのために喫煙してタールによって死ぬ、と述べていました。研究としても電子タバコの方がマシというものが多く、従来型のタバコの代替置換方法として注目されているようです。

 例えば、2014年の世界保健機関の見解によれば、通常はたばこよりも1、2桁低い濃度で発癌性化合物や他の毒性物質が含まれており、結論としては燃焼させた従来のたばこよりも毒性物質に暴露されない可能性が高いことを報告しています。電子タバコも健康被害があるのは間違いなく、電子タバコすら吸わない方が最大の健康上の利益になるのは間違いありません。電子タバコには健康被害がない…というのは、大間違い。ここは勘違いしてはいけません。

 しかし、今わかっている知見を見る限り、従来型タバコがあまりにひどすぎるために、電子タバコの方がマシといった状態。より危険な従来型タバコからの置き換えということで、電子タバコは「おすすめできる」と言って良いようです。私もこういうことがはっきりとわかっているというのは、今回調べるまで知りませんでした。


●電子タバコのせいで喫煙者は増える…というのは間違い

 一方、電子タバコが、新たなタバコの使用につながるのではないかという懸念も出ています。たぶん電子タバコでタバコデビューして、普通のタバコへ…という懸念でしょう。これは私も理解できると思う問題点でした。ところが、今のところこうした懸念は杞憂のようなのです。

 というのも、世界保健機関によると、たばこを喫煙したことのない電子たばこ利用者は若者の1%でしかいません。タバコの禁煙を数十年呼びかけてきた影響力のある禁煙団体である、Action on Smoking and Health (ASH) ですらも、2014年には電子たばこの使用者のほとんどが現在か過去の喫煙者だと結論づけていました。

 イギリスでの電子たばこの使用率の変化からは、電子タバコ使用率が1パーセント増加するごとに0.098パーセント禁煙者が増加していることもわかっています。したがって、電子タバコのせいで喫煙者は増える…というのは起きておらず間違い。むしろ全体としては、禁煙する人が増えているようですね。


●健康被害以外…電子タバコがおすすめできる意外すぎる理由

 私がより電子タバコへの移行をおすすめしたいと思ったのが、最後の話の関係。電子タバコが増えると、なぜか禁煙してしまう人が増えるのです。これに関しては、よりはっきりとした研究が出ています。例えば、2015年のシステマティック・レビューで見つかった4つのランダム化比較試験では、喫煙の減少や、完全な禁煙が増加していました。喫煙機会が減るだけでなく、なんと禁煙までしてしまうんですね。

 よりおもしろかったのが、2014年10月に、ベルギーのルーヴェン・カトリック大学の研究グループが、公共保健の国際誌でインターナショナル・ジャーナル・オブ・エンバイロンメンタル・リサーチ&パブリック・ヘルス誌2014年10月号で報告したランダム化比較試験です。

 研究グループは、禁煙する意向を持たない人、つまり、禁煙する気がないという48人を対象に、4時間の禁煙後に、第2世代の電子たばこ(第1世代を改良して、バッテリーの持ちをよくして、蒸気をより大量に出せるようにしたもの)と普通のたばこを吸った場合の離脱症状の緩和程度を比較しました。

 電子たばこでも普通のたばこでも自由に吸ってもらい、アンケートを続けながら8カ月後の効果を評価という実験。すると、禁煙する気はなかったにも関わらず、8カ月後には44%が禁煙し、喫煙本数は60%も減少しました。まさかこんな効果があるとは思わなかったので、驚きです。

 なので、電子タバコに参入しているタバコ会社は、長期的には自分で自分の首をしめているのかもしれませんね。ただし、新規参入企業に喫煙者を奪われることを考えると、従来型タバコ会社が電子タバコに参入するという判断は間違いではありません。放っておくと奪われる一方なら、自分も奪う方に回って利益を得た方が良いため。わからなくはない選択です。


●電子タバコは多くの新たな紙巻たばこの喫煙者を増やしてしまう?

2017/12/18:電子タバコはやっぱりダメという記事がありました。"「電子タバコは禁煙に役立つ」論にトドメ 電子タバコの若者の半数が紙巻きタバコに"(J-CAST ニュース - 12月18日 08時00分)というタイトルの記事です。米医学誌「The American Journal of Medicine」(電子版)2017年12月号に発表された米ピッツバーグ大学医学部の医師らのチームが、紙巻きタバコの喫煙経験がない18~30歳の男女1506人を対象に選び、1年半後の喫煙の有無を調べた結果、以下のようになりました。 

(1)電子タバコを吸っていない人で1年半後に紙巻きタバコの喫煙者になっていたのは10.2%だったが、電子タバコの使用者では47.7%にも上った。半数が電子タバコから紙巻きタバコに移行したわけだ。
(2)このため、電子タバコの使用による紙巻きタバコの喫煙開始のリスクは、電子タバコを使用しない場合に比べ6.8倍になる。
http://ecnavi.jp/mainichi_news/article/004726b7e23cf388f90e842770b1228f/

 ただ、これ「電子タバコは禁煙に役立つ」と両立する話。というのも、「電子タバコは禁煙に役立つ」と言う場合は、今回の調査対象であるようなそもそも電子タバコしか喫煙したことがない人を対象にした言葉ではありません。喫煙者じゃないと「禁煙」になりませんからね。否定したいのであれば、「電子タバコは多くの新たな紙巻たばこの喫煙者を増やしてしまうので良くない」といった言い方が妥当でしょう。

 あと、議論の噛み合ってなさとしては、もともとなぜ問題ないと言われていたのか?というと、たばこを喫煙したことのない電子たばこ利用者は若者の1%でしかいないという調査があったため。今回の研究では、そういった比率の話が全く出ておらず、だいぶ怪しい感じでした。

 たとえ電子タバコでタバコデビューした若者の多くが紙巻たばこに移行したとしても、そもそも電子タバコでタバコデビューする若者がほとんどいなければ大きな問題ではないってことです。そして、普通の紙巻たばこでタバコデビューする人が大半なのであれば、そちらの人たちの禁煙を促すために電子タバコを推奨した方が良い…となるわけです。

 とはいえ、電子タバコにあまりにポジティブな印象がつきすぎると、紙巻たばこを経ずにいきなり電子タバコに行く人が今後増えてしまうかもしれません。より詳細な研究を待ちたいですが、とりあえず、紙巻たばこを今吸っている方にのみ、電子タバコを推奨するということで当面良いんじゃないかと。

 最初のときにも強調していたように、そもそも電子タバコは紙巻たばこよりマシというだけであり、電子タバコそのものが健康に問題ないというものではありません。紙巻たばこを吸ったこともない人に、電子タバコを吸おう!とオススメしているわけじゃないんですよね。


●電子タバコで従来型以上の健康被害?重篤な呼吸器障害の報告!

2019/08/26:いきなり電子タバコデビューする人が少ないのならメリットが大きいのではないかと書いていたのですけど、若者の電子タバコ使用について警告されており、無視できない状況なのかもしれません。アメリカの食品医薬品局(FDA)、米国疾病予防管理センター(CDC)などは、10代の電子タバコ使用について警告し続けているそうです。

 それより驚いたのが、「ひどすぎる従来型タバコより電子タバコの方がマシ」と言えない可能性が出てきたこと。こういうのは研究が一つ出て決まりではないため、結論は研究が進むのを待った方が良いと思われますが、米国各地で、電子タバコを使用した喫煙者が続々と入院しているんだそうです。

 米国イリノイ州の公衆衛生当局(IDPH)が、6人の若者が電子タバコの使用後に急性肺疾患などの呼吸器障害を起こして救急入院したと明らかにしました。日本でも加熱式タバコで重篤な呼吸器障害を引き起こし、一時は生命の危機に陥った患者の症例報告が出ているといいます。

 従来型タバコもじわじわと死ぬのでどっちかマシとは言いづらいものの、従来型にないタイプの急性の健康被害で驚きです。…と書いてから検索してみたのですけど、どうも従来型タバコでも呼吸器疾患が起き、死亡の可能性もある模様。これも結局、従来型とどっちがマシか見る必要がありそう。前述の通り、両方やらんのがベストです。

 また、アイコスを製造販売しているフィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)は、FDAが定める有害物質リストにある93物質のうち53物質の結果を報告していない、という怪しい行動についても記載がありました。これは勘違いによる批判ではなく、絶対ダメ…という行動ですね。
(「加熱式タバコ」に警鐘~米国で多発する電子タバコによる健康被害 石田雅彦 | ライター、編集者 8/23(金) 11:18より)

 なお、この関係なのか、最初に書いた「電子タバコは健康に悪い…は従来型タバコ業界の陰謀」とは全く逆に、「電子タバコは健康に悪くない…は、電子タバコを出している従来型タバコ業界の陰謀」といった反応も出ていました。どっちにせよ陰謀論になるのは困りもので、ここらへんは無視。陰謀があろうがなかろうが、研究を進めていく必要があるのは間違いありません。


【本文中でリンクした投稿】
  ■医者はiQOS(アイコス)をおすすめする?健康への悪い影響の少なさに関する意見

【その他関連投稿】
  ■売上減少で倒産続出?全面禁煙を実施したフランス飲食店の末路
  ■食べ物・飲み物・嗜好品についての投稿まとめ

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